コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

北上川大賞典

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
北上川大賞典
開催国 日本の旗 日本
主催者 岩手県競馬組合
競馬場 水沢競馬場
創設 1978年10月22日
2024年の情報
距離 ダート2500m
格付け M2
賞金 1着賞金350万円
出走条件 サラブレッド系3歳以上オープン、岩手所属
負担重量 定量(3歳55kg、4歳以上57kg、牝馬2kg減)
出典 [1]
テンプレートを表示

北上川大賞典(きたかみがわだいしょうてん)は岩手県競馬組合水沢競馬場ダート2500mで施行する地方競馬重賞競走M2)である。正式名称は「奥州市長杯 北上川大賞典」、奥州市が優勝杯を提供している。競走名は東北地方で最も長い河川である北上川から[1]

概要

[編集]

1978年サラブレッド系4歳(現3歳)以上の旧・盛岡競馬場「黄金競馬場」の岩手所属馬限定の重賞競走「北上川大賞典」として創設で、創設当初はダート2450m。現在、岩手競馬の競走の中で最長距離であるダート重賞である。1979年水沢競馬場のダート2500mに変更されたが、1980年からは旧・盛岡競馬場のダート2500mに変更された。

1991年からは水沢競馬場のダート2500mに変更されるも、1993年からは再び旧・盛岡競馬場のダート2500mに戻す。1996年からは現在の盛岡競馬場「OROパーク」の開催に移行された。

2000年からは東北交流競走として施行、上山所属、新潟所属の競走馬が出走可能になり、2002年からは東日本・九州地区交流競走として施行され、2004年からは岩手めんこいテレビから優勝杯の提供を受け、名称を「MIT杯 北上川大賞典」に変更された。2005年からは地方競馬全国交流競走として施行された。

2007年からは水沢競馬場のダート2500mに変更され、更に優勝杯の提供が岩手めんこいテレビから産業経済新聞社(産経新聞社)に変わり、名称を「MIT杯 北上川大賞典」から「サンケイスポーツ杯 北上川大賞典」に変更された。それまで産業経済新聞社は青藍賞(1993年 - 2006年)で優勝杯を提供していた。なお、岩手めんこいテレビは2007年からは岩手ダービーダイヤモンドカップの優勝杯を提供している。

2008年のみ岩手古馬三冠の第2戦に指定された。2009年は施行場が現・盛岡競馬場に変更されたが、2010年からは再び施行場を水沢競馬場に戻され、更に優勝杯の提供を産業経済新聞社から奥州市に変更され、名称を「サンケイスポーツ杯 北上川大賞典」から「奥州市長杯 北上川大賞典」に変更。なお、地方全国交流競走からは除外され、岩手以外の地方所属馬は出走不可となった。

2016年に岩手競馬で重賞格付け制度が開始され、M2に格付けされた[2]

2021年に盛岡競馬場のダート2500mに戻され、名称を「奥州市長杯 北上川大賞典」から「盛岡市長杯 北上川大賞典」に変更。2022年に施行距離が2600mに延長された。

本競走は2007年から2013年までスタリオンシリーズ競走に指定されており、2007年は「クロフネ賞」、2008年は「ゴールドアリュール賞」、2009年は「ネオユニヴァース賞」、2010年は「アドマイヤドン賞」、2011年は「ファルブラヴ賞」、2012年及び2013年は「ソングオブウインド賞」として優勝馬の馬主に副賞として種牡馬の配合権利が贈られた。

条件・賞金等(2023年)

[編集]
出走条件
サラブレッド系3歳以上、岩手所属。
負担重量
定量。3歳55kg、4歳以上57kg(牝馬2kg減)[1]
賞金等
賞金額は1着350万円、2着122万5000円、3着70万円、4着45万5000円、5着24万5000円で、着外手当は1万7500円[3]
副賞
盛岡市長賞、岩手県馬事振興会会長賞、開催執務委員長賞[3]

歴史

[編集]
  • 1978年 - 旧・盛岡競馬場「黄金競馬場」のダート2450mの4歳(現3歳)以上の岩手所属馬限定の重賞競走「北上川大賞典」として創設。
  • 1979年 - 施行場を水沢競馬場のダート2500mに変更。
  • 1980年
    • 施行場を旧・盛岡競馬場のダート2500mに変更。
    • スリーパレードが史上初の連覇。
    • 村上初男が調教師をして史上初の連覇。
  • 1986年 - 小竹清一が騎手として史上初の連覇。
  • 1987年
    • ボールドマツクスが史上初の3連覇。
    • 千葉忠一が調教師として史上初の4連覇。
  • 1991年 - 施行場を水沢競馬場のダート2500mに変更。
  • 1992年 - グレートホープが史上2頭目の3連覇。
  • 1993年 - 施行場を旧・盛岡競馬場のダート2500mに戻す。
  • 1994年
    • トウケイニセイが史上4頭目の連覇。
    • 菅原勲が騎手として史上初の5連覇。
    • 小西重征が調教師として史上初の5連覇。
  • 1996年
    • この年から現在の盛岡競馬場「OROパーク」の開催に移行。
    • モリユウプリンスが史上5頭目の連覇。
    • 千葉四美が調教師として史上4人目の連覇。
  • 1997年 - ユウユウサンボーイが1990年12月29日全日本3歳優駿以来、2522日ぶりに重賞勝利を果たす。
  • 1999年
  • 2000年 - この年から東北地区交流競走として施行、出走条件を「サラブレッド系4歳(現3歳)以上の岩手・上山・新潟所属馬」に変更。
  • 2001年
    • 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件を「サラブレッド系4歳以上の岩手・上山・新潟所属馬」から「サラブレッド系3歳以上の岩手・上山・新潟所属馬」に変更。
    • グローバルゴットが史上7頭目の連覇。
    • 櫻田浩三が調教師として史上6人目の連覇。
  • 2002年
    • この年から東日本・九州地区交流競走として施行、出走条件を「サラブレッド系3歳以上の北海道・岩手・上山・北関東・南関東・九州所属馬」に変更。
    • バンケーティングがコースレコード2分39秒6で優勝。
  • 2004年 - 岩手めんこいテレビから優勝杯の提供を受け、名称を「MIT杯 北上川大賞典」に変更。
  • 2005年 - この年から地方競馬全国交流競走として施行、出走条件を「サラブレッド系3歳以上の地方所属馬」に変更。
  • 2006年 - 大井のコアレスハンターが他地区の地方所属馬として史上初の優勝。
  • 2007年
    • 施行場を水沢競馬場のダート2500mに変更。
    • 優勝杯の提供を岩手めんこいテレビから産業経済新聞社に変更。それに伴い、名称を「MIT杯 北上川大賞典」から「サンケイスポーツ杯 北上川大賞典」に変更。
    • スタリオンシリーズ競走に指定。
  • 2008年 - 当年のみ、岩手古馬三冠の第2戦に指定。
  • 2009年 - 施行場を盛岡競馬場のダート2500mに変更。
  • 2010年
    • 施行場を水沢競馬場のダート2500mに戻す。
    • 出走条件を「サラブレッド系3歳以上の地方所属馬」から「サラブレッド系3歳以上の岩手所属馬」に変更。
    • 優勝杯の提供が産業経済新聞社から奥州市に変更。それに伴い、名称を「サンケイスポーツ杯 北上川大賞典」から「奥州市長杯 北上川大賞典」に変更。
    • メイホウホップが2005年9月13日兼六園ジュニアカップ以来、1881日ぶりに重賞勝利を果たす。
    • 村上忍が騎手として史上3人目の連覇。
  • 2011年 - 東日本大震災で水沢競馬場が被災したため、盛岡競馬場で開催。
  • 2019年 - 岩手競馬所属の競走馬より禁止薬物が検出されたことにより、11月18日からの岩手競馬の開催が中止となり、12月2日に開催予定だった北上川大賞典も開催中止となった。
  • 2021年
    • 施行場を盛岡競馬場のダート2500mに戻す。
    • レース名を「盛岡市長杯 北上川大賞典」に変更。
  • 2022年 - 施行距離が盛岡競馬場のダート2600mに延長される。
  • 2024年 - 施行場を水沢競馬場のダート2500mに変更。それに伴い、名称を「奥州市長杯 北上川大賞典」に変更[4]

歴代優勝馬

[編集]
回数 施行年月日 優勝馬 性齢 所属 タイム 優勝騎手 管理調教師
第1回 1978年10月22日 トウシヨウロツク 牡7 岩手 2:40.1 城戸義人 千葉忠一
第2回 1979年7月22日 スリーパレード 牡7 岩手 2:44.1 村上昌幸 村上初男
第3回 1980年11月9日 スリーパレード 牡8 岩手 2:42.5 千田知幸 村上初男
第4回 1981年8月30日 イチコンコルドオウ 牡7 岩手 2:43.9 伊藤和 佐々木豊
第5回 1982年11月7日 トウケイホープ 牡6 岩手 2:47.9 村上実 千葉忠一
第6回 1983年11月6日 ダイエイアカギ 牡5 岩手 2:46.3 小竹清一 佐々木豊
第7回 1984年11月3日 ゴールデンモンド 牡5 岩手 2:45.2 千葉次男 千葉忠一
第8回 1985年11月3日 ボールドマツクス 牡5 岩手 2:43.4 小竹清一 千葉忠一
第9回 1986年10月26日 ボールドマツクス 牡6 岩手 2:45.8 小竹清一 千葉忠一
第10回 1987年10月25日 ボールドマツクス 牡7 岩手 2:45.7 三野宮通 千葉忠一
第11回 1988年11月6日 トウケイフリート 牡5 岩手 2:46.3 菅原勲 村上実
第12回 1989年11月19日 エンゼルトーン 牡5 岩手 2:45.5 織笠光幸 酒井清
第13回 1990年11月18日 グレートホープ 牡4 岩手 2:47.0 菅原勲 小西重征
第14回 1991年11月23日 グレートホープ 牡5 岩手 2:45.1 菅原勲 小西重征
第15回 1992年11月23日 グレートホープ 牡6 岩手 2:49.9 菅原勲 小西重征
第16回 1993年10月24日 トウケイニセイ 牡6 岩手 2:45.3 菅原勲 小西重征
第17回 1994年11月6日 トウケイニセイ 牡7 岩手 2:46.3 菅原勲 小西重征
第18回 1995年11月5日 モリユウプリンス 牡6 岩手 2:47.4 小林俊彦 千葉四美
第19回 1996年11月24日 モリユウプリンス 牡7 岩手 2:44.5 菊池武 千葉四美
第20回 1997年11月24日 ユウユウサンボーイ 牡9 岩手 2:41.6 三野宮通 遠藤陸夫
第21回 1998年11月22日 メイセイオペラ 牡4 岩手 2:43.4 菅原勲 佐々木修一
第22回 1999年11月23日 メイセイオペラ 牡5 岩手 2:46.5 菅原勲 佐々木修一
第23回 2000年11月19日 グローバルゴット 牡6 岩手 2:46.5 佐藤雅彦 櫻田浩三
第24回 2001年11月25日 グローバルゴット 牡7 岩手 2:47.4 小林俊彦 櫻田浩三
第25回 2002年11月24日 バンケーティング 牡4 岩手 2:39.6 菅原勲 平澤芳三
第26回 2003年11月24日 デンゲキヒーロー 牡4 岩手 2:41.9 佐々木忍 櫻田浩三
第27回 2004年11月7日 ウツミジョーダン 牡4 岩手 2:42.6 小林俊彦 村上佐重喜
第28回 2005年11月6日 エアウィード 牡5 岩手 2:47.7 菅原勲 鈴木七郎
第29回 2006年11月5日 コアレスハンター 牡9 大井 2:46.3 関本淳 高橋三郎
第30回 2007年11月25日 テンショウボス 牡4 岩手 2:44.2 小林俊彦 佐々木修一
第31回 2008年11月24日 ジュークジョイント 牡7 北海道 2:46.2 岩橋勇二 成田春男
第32回 2009年10月25日 リュウノキングダム 牡4 船橋 2:44.6 村上忍 齊藤敏
第33回 2010年11月7日 メイホウホップ 牡7 岩手 2:47.0 村上忍 村上佐重喜
第34回 2011年11月6日 マイネルビスタ 牡7 岩手 2:50.0 菅原勲 関本浩司
第35回 2012年12月9日 マイネヴィント 牝5 岩手 2:43.2 村上忍 菅原勲
第36回 2013年12月8日 モズ 牡6 岩手 2:43.3 高橋悠里 佐藤祐司
第37回 2014年12月7日 ナムラタイタン 牡8 岩手 2:41.8 坂口裕一 村上昌幸
第38回 2015年12月6日 ライズライン 牡4 岩手 2:45.4 村上忍 千葉幸喜
第39回 2016年12月4日 ナリタポセイドン 牡7 岩手 2:50.2 関本淳 板垣吉則
第40回 2017年12月3日 ダイワエクシード 牡5 岩手 2:47.4 村上忍 千葉幸喜
第41回 2018年12月3日 エンパイアペガサス 牡5 岩手 2:45.0 菅原俊吏 佐藤祐司
第42回 2020年12月7日 エンパイアペガサス 牡7 岩手 2:44.9 村上忍 佐藤祐司
第43回 2021年11月21日 エンパイアペガサス 牡8 岩手 2:43.0 山本政聡 佐藤祐司
第44回 2022年11月20日 ジェイケイブラック 牡6 岩手 2:49.7 山本政聡 石川栄
第45回 2023年11月19日 ノーブルサターン 牡9 岩手 2:50.0 高松亮 板垣吉則

※馬齢は2000年以前についても現表記を用いる。

各回競走結果の出典

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ a b c 注目レースピックアップ”. 岩手競馬オフィシャルページ. 2023年11月20日閲覧。
  2. ^ 従前よりシアンモア記念みちのく大賞典不来方賞桐花賞と並び「岩手競馬五大競走」と称されていたが、本競走以外は全てM1に格付けされている
  3. ^ a b 令和5年度 第11回競馬盛岡競馬改定番組” (PDF). 岩手競馬オフィシャルページ. 2023年11月20日閲覧。
  4. ^ 2024シーズン 岩手競馬開催日程のおしらせ~ 2024シーズンは4月7日(日)開幕! ~岩手県競馬組合、2024年2月15日配信・閲覧