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不来方賞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
不来方賞
第56回不来方賞(2024年9月3日)
優勝馬:サンライズジパング
開催国 日本の旗 日本
主催者 岩手県競馬組合
競馬場 盛岡競馬場
第1回施行日 1969年8月10日
2024年の情報
距離 ダート2000m
格付け JpnII
賞金 1着賞金4000万円
出走条件 サラブレッド系3歳(指定交流)
負担重量 定量(56kg、牝馬2kg減)
出典 [1]
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不来方賞(こずかたしょう)は、岩手県競馬組合盛岡競馬場ダート2000メートルで施行するダートグレード競走JpnII)である。2024年より正式名称は「農林水産大臣賞典 不来方賞」。競走名の不来方は、盛岡市にあった不来方城に由来する。

副賞は、農林水産大臣賞、日本中央競馬会理事長賞、日本馬主協会連合会長奨励賞、日本地方競馬馬主振興協会会長賞、岩手県馬主会会長賞、地方競馬全国協会理事長賞、全国公営競馬主催者協議会会長賞、NAR生産牧場賞、岩手県知事賞、開催執務委員長賞(2024年)[1]

概要

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1969年創設。岩手競馬ダービーとして位置付けられていた[2]、岩手競馬で最も歴史ある競走のひとつである。現在は、ダート2000メートルで行われる。2000年から2022年まではテレビ岩手から優勝杯の提供を受け「テレビ岩手杯 不来方賞」の名称であったが、2023年は名称が「農林水産省東北農政局長賞 水沢信用金庫杯 不来方賞」となった。

ダービーグランプリ創設直後は11月に開催されていたため、ダービーグランプリのステップレースとして10月に開催されていたが、1996年より7月中旬~8月上旬に開催されるようになった。上位2着馬までにはダービーグランプリの優先出走権が与えられていたが、ダービーグランプリは2007年限りで休止された。2009年は11月開催に、そして2010年からは10月開催となった(ただし、2014年は11月開催)。2019年より開催時期を9月に繰り上げることになった。

元は岩手競馬所属馬による競走であったが、2001年から東北地区交流、2002年から東日本九州地区交流、2004年からは地方競馬全国交流として行われた。2010年にダービーグランプリが地方競馬全国交流競走として復活したため、本競走は岩手所属3歳馬限定の上位2着馬までにダービーグランプリ優先出走権が与えられる競走に戻された。2014年からダービーグランプリの優先出走権付与対象が上位3着馬までに拡大されている。

2016年に岩手競馬で重賞格付け制度が開始され、M2に格付けされた。

2017年からはM1に格上げされた。また同年から2023年まで行われたシリーズ「3歳秋のチャンピオンシップ」では、カテゴリーB競走に指定されていた。本競走とダービーグランプリの双方に優勝した馬の馬主にはボーナス賞金800万円が贈られることになっていた[3](2018年までは同500万円)。

2019年から2023年までHITスタリオンシリーズに指定されていた。

2023年は2009年以来となる水沢競馬場での施行となる。

2024年からは全日本的なダート競走の体系整備に伴いダービーグランプリと統合され、ダートグレード競走(JpnII)に昇格し「ジャパンダートクラシック」のトライアル競走として施行される。施行競馬場は盛岡競馬場、フルゲートは16頭、本競走の1着馬にはジャパンダートクラシックへの優先出走権が付与される[4][5][6]。また岩手競馬としては初めてJpnIIに格付けされる競走となる。

なお、ダートグレード移行初年度の2024年においてはJRA5頭、地方11頭の割り当てとして施行される。

条件・賞金等(2024年)

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出走条件
サラブレッド系3歳、指定交流。
岩手競馬所属馬は、やまびこ賞の勝ち馬に本競走の優先出走権が与えられる[7]
負担重量[1]
定量。56kg(牝馬2kg減)。
賞金等
賞金額は1着4000万円、2着1400万円、3着800万円、4着520万円、5着280万円。着外手当は6着60万円、7着40万円、8着以下20万円[1]
優先出走権付与
1着馬(所属は問わず)にジャパンダートクラシックの優先出走権が付与される[1]

過去の副賞

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本競走は2008年から2012年、2019年から2023年までスタリオンシリーズ競走として優勝馬の馬主へ特定種牡馬の次年度種付権が副賞となっていた。

歴代優勝馬

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第2回から第5回は施行されず。全てダートコースで施行。

回数 施行日 競馬場 距離 優勝馬 性齢 所属 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1969年8月10日 盛岡 1730m スズヒカリトップ 牝4 岩手     福田重征 佐々木二八
第6回 1974年6月30日 盛岡 1420m カネシラン 牝4 岩手 1分32秒3 小西重征 小西善一郎
第7回 1975年11月2日 盛岡 1750m カネシラユキ 牝4 岩手 1分53秒0 小西重征 小西善一郎
第8回 1976年10月17日 盛岡 1750m カネハツユキ 牝4 岩手 1分50秒9 小西重征 小西善一郎
第9回 1977年11月13日 盛岡 1750m ポーラダン 牡4 岩手 1分51秒4 村上昌幸 村上初男
第10回 1978年11月13日 盛岡 1750m ジヨージアフエロー 牡4 岩手 1分54秒4 村上昌幸 村上初男
第11回 1979年8月26日 盛岡 1800m タガワキング 牡4 岩手 1分56秒7 村上昌幸 村上初男
第12回 1980年9月7日 盛岡 1800m タケミパワー 牡4 岩手 1分57秒6 熊谷昇 小西善一郎
第13回 1981年8月23日 盛岡 1900m タガワリユウオー 牡4 岩手 2分03秒5 村上昌幸 村上初男
第14回 1982年10月3日 盛岡 1900m スーパーライジン 牡4 岩手 2分06秒3 菅原勲 菅原和治
第15回 1983年10月30日 盛岡 1900m ホワイトスワツプス 牡4 岩手 2分05秒2 千葉次男 千葉勝
第16回 1984年11月4日 盛岡 1900m カウンテスアツプ 牡4 岩手 2分02秒7 千葉次男 千葉忠一
第17回 1985年9月29日 盛岡 1900m ミヤシロフアミリー 牡4 岩手 2分03秒6 佐藤浩一 小西善一郎
第18回 1986年10月19日 盛岡 1900m トウケイフリート 牡4 岩手 2分03秒8 小野寺三男 村上実 小野寺喜久男
第19回 1987年10月18日 盛岡 1900m アメリカンミツル 牡4 岩手 1分59秒8 小竹清一 千葉忠一 上野助治
第20回 1988年10月16日 盛岡 1900m グランリードワン 牡4 岩手 2分01秒9
同着
及川良春 村上初男 曾根田武則
シヤドウイメージ 牡4 岩手 菅原勲 大和正四郎 山口総業(株)
第21回 1989年10月29日 盛岡 1900m スイフトセイダイ 牡4 岩手 2分02秒8 小竹清一 城地藤男 中村正子
第22回 1990年10月28日 盛岡 1900m サンドリーズン 牡4 岩手 2分03秒5 菅原勲 酒井清 古川賀悦
第23回 1991年10月27日 盛岡 1900m ロイヤルポイント 牡4 岩手 2分04秒5 小竹清一 村上実 中山喜一
第24回 1992年10月25日 盛岡 1900m モリユウプリンス 牡4 岩手 2分02秒0 畠山信一 千葉四美 森山恭子
第25回 1993年10月17日 盛岡 2000m エビスサクラ 牡4 岩手 2分11秒9 菅原勲 阿部時男 菅原勝
第26回 1994年10月16日 盛岡 2000m ブラッククロス 牡4 岩手 2分11秒6 菅原勲 千葉博 上水公
第27回 1995年10月22日 盛岡 2000m サトヨフレンチ 牡4 岩手 2分13秒5 小林俊彦 佐々木由則 高橋義光
第28回 1996年7月14日 盛岡 2000m マツリピロリット 牝4 岩手 2分13秒5 小林俊彦 千葉四美 岩崎九二彌
第29回 1997年7月27日 盛岡 2000m メイセイオペラ 牡4 岩手 2分10秒9 菅原勲 佐々木修一 (有)明正商事
第30回 1998年7月26日 盛岡 2000m キタノタイトル 牡4 岩手 2分09秒5 菅原勲 伊藤和 相場稔
第31回 1999年7月25日 盛岡 2000m マルケイゲイン 牡4 岩手 2分08秒4 村松学 菅原右吉 熊谷みき子
第32回 2000年7月30日 盛岡 2000m トニージェント 牡4 岩手 2分11秒9 村上忍 村上実 千葉浩
第33回 2001年7月29日 盛岡 2000m バンケーティング 牡3 岩手 2分10秒3 菅原勲 平澤芳三 佐々木誠吾
第34回 2002年7月28日 盛岡 2000m ナノテクノロジー 牡3 岩手 2分13秒4 村上忍 千葉四美 池谷誠一
第35回 2003年7月27日 盛岡 2000m グランドピアノ 牡3 岩手 2分11秒4 村松学 菅原右吉 荒屋光郎
第36回 2004年8月1日 盛岡 2000m ウエストジーニアス 牡3 岩手 2分10秒0 菅原勲 佐藤晴記 横澤盛悦
第37回 2005年8月7日 盛岡 2000m マツリダパレス 牡3 岩手 2分10秒2 小林俊彦 城地藤男 高橋福三郎
第38回 2006年8月6日 盛岡 2000m オウシュウクラウン 牡3 岩手 2分09秒4 小林俊彦 櫻田浩三 西村專次
第39回 2007年8月19日 水沢 2000m セイントセーリング 牡3 岩手 2分10秒6 菅原勲 鈴木七郎 内海正章
第40回 2008年9月7日 盛岡 2000m ピンクゴールド 牝3 岩手 2分10秒2 小林俊彦 小林義明 小野寺哲雄
第41回 2009年11月22日 水沢 2000m グレードアップ 牡3 船橋 2分07秒6 菅原勲 松代眞 前田晋二
第42回 2010年10月24日 盛岡 2000m ロックハンドスター 牡3 岩手 2分08秒8 菅原勲 瀬戸幸一 千葉浩
第43回 2011年10月24日 盛岡 2000m カミノヌヴォー 牡3 岩手 2分09秒3 阿部英俊 千葉幸喜 宇賀神英子
第44回 2012年10月28日 盛岡 2000m ロッソコルサ 牡3 岩手 2分09秒8 村上忍 千葉幸喜 大久保和夫
第45回 2013年10月27日 盛岡 2000m コウギョウデジタル 牝3 岩手 2分06秒0 阿部英俊 菅原右吉 菊地捷士
第46回 2014年11月3日 盛岡 2000m ライズライン 牝3 岩手 2分05秒9 村上忍 千葉幸喜 大久保和夫
第47回 2015年10月25日 盛岡 2000m ダイワエクシード 牡3 岩手 2分10秒7 村上忍 千葉幸喜 大久保和夫
第48回 2016年10月23日 盛岡 2000m エンパイアペガサス 牡3 岩手 2分10秒4 村上忍 佐藤祐司 佐藤信廣
第49回 2017年10月22日 盛岡 2000m キングジャガー 牡3 岩手 2分04秒6 高橋悠里 板垣吉則 廣松金次
第50回 2018年10月21日 盛岡 2000m サンエイキャピタル 牡3 岩手 2分06秒0 山本聡哉 瀬戸幸一 鈴木雅俊
第51回 2019年9月16日 盛岡 2000m ヤマショウブラック 牡3 岩手 2分09秒9 高松亮 小林俊彦 山下勇
第52回 2020年9月6日 盛岡 2000m フレッチャビアンカ 牡3 岩手 2分07秒2 高松亮 千葉幸喜 大久保和夫
第53回 2021年9月5日 盛岡 2000m マツリダスティール 牡3 岩手 2分08秒2 村上忍 菅原勲 高橋文枝
第54回 2022年9月4日 盛岡 2000m マナホク 牡3 岩手 2分06秒9 高松亮 佐藤雅彦 (同)MIRAI
第55回 2023年9月3日 水沢 2000m ルーンファクター 牡3 岩手 2分08秒8 坂口裕一 千葉幸喜 楊明翰
第56回 2024年9月3日 盛岡 2000m サンライズジパング 牡3 JRA 2分03秒2 武豊 音無秀孝 (株)ライフハウス

※馬齢は2000年以前については旧表記を用いる。

脚注・出典

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出典

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  1. ^ a b c d e 令和6年度第7回 盛岡競馬改訂番組” (PDF). 岩手競馬オフィシャルページ. 2024年8月22日閲覧。
  2. ^ 斎藤修「地方競馬のクラシック路線とダービー」『ハロン』第12巻第7号、地方競馬全国協会、2001年7月、62-63頁。 
  3. ^ 3歳秋のチャンピオンシップ2017実施要項地方競馬全国協会、2017年8月11日閲覧
  4. ^ 3歳ダート3冠レース体系発表 24年からスタート すべてにトライアルレースを設定日刊スポーツ、2022年11月29日配信・閲覧
  5. ^ お知らせ|地方競馬情報サイト”. 2022年11月28日閲覧。
  6. ^ 3歳ダート三冠競走等における地方所属馬の出走馬選定方法”. 特別区競馬組合. 2023年5月24日閲覧。
  7. ^ 令和6年度番組編成要領及び諸規程集” (PDF). 岩手競馬オフィシャルページ. p. 12. 2024年9月1日閲覧。

各回競走結果の出典

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関連項目

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外部リンク

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