佐賀記念
佐賀記念 | |
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開催国 | 日本 |
主催者 | 佐賀県競馬組合 |
競馬場 | 佐賀競馬場 |
第1回施行日 | 1973年7月22日 |
2024年の情報 | |
距離 | ダート2000m |
格付け | JpnIII / 国際LR |
賞金 |
1着賞金3000万円 |
出走条件 |
サラブレッド系4歳以上(指定交流) 出走条件も参照 |
負担重量 | グレード別定(本文に記載) |
出典 | [1] |
佐賀記念(さがきねん)は、佐賀県競馬組合が佐賀競馬場で施行する地方競馬の重賞競走(ダートグレード競走)である。格付けはJpnIII。農林水産大臣賞が提供されているため、正式名称は「農林水産大臣賞典 佐賀記念(のうりんすいさんだいじんしょうてん さがきねん)」と表記される。
概要
[編集]佐賀競馬場が佐賀市から現在地(鳥栖市)へ移転した1973年に4歳(現3歳)限定の別定の佐賀限定の重賞競走、開設記念として創設、第1回は佐賀競馬場のダート1800mで施行された。翌年は施行されず、1975年に4歳(現3歳)・5歳(現4歳)限定のダート2000mに変更され、1976年にはまた施行されなかった。
1978年には出走条件が5歳(現4歳)以上に変更、翌年にダート2500mに距離変更を行った。
1992年は開設20周年記念としてこの年のみ西日本地区地方交流競走として施行したことを機にダート2000mに距離を戻し、1995年には中央・地方全国指定交流競走に指定され、中央競馬(JRA)および他地区所属馬が出走可能になり、1997年にはダートグレード競走施行によりGIII(統一GIII)に格付け、これを機に現在の佐賀記念に名称を、負担重量をグレード別定に変更、2000年には施行時期を6・7月から2月に移動した関係で施行されず、2001年には九州地方競馬限定グレードのKG1に格付けされた。なお、2008年より国際セリ名簿基準委員会(ICSC)の勧告により、格付け表記をそれぞれJpnIII・KJ1に改めている。
九州の地方競馬では、本競走とサマーチャンピオンの2競走しかダートグレード競走がなく、佐賀競馬としては大レースでもあるが、同時期に川崎記念(2023年まで)やフェブラリーステークス、サウジアラビアのサウジカップデー(サウジカップなど)があるため、佐賀競馬以外の一線級の馬はあまり出走しない。逆に、スマートファルコンやホッコータルマエはこれらGIを避けて賞金の加算を狙い、トップホースへの足掛かりとした。
条件・賞金(2024年)
[編集]- 負担重量
- グレード別定で、4歳55kg、5歳以上56kg、牝馬2kg減を基本に、本年2月7日より過去のGI・JpnI優勝馬は3kg、GII・JpnII優勝馬は2kg、GIII・JpnIII優勝馬は1kgの負担増となる[1](2歳時の成績は対象外)。
- 賞金額
- 1着3000万円、2着960万円、3着540万円、4着360万円、5着240万円[3]、ダートグレード競走着外賞は6着90万円、7着60万円、8着30万円、9着以下20万円[4]。
- 副賞
- 農林水産大臣賞、日本中央競馬会理事長賞、日本馬主協会連合会長奨励賞、日本地方競馬馬主振興協会会長賞、地方競馬全国協会理事長賞(馬主・調教師・騎手・厩務員)、全国公営競馬主催者協議会会長賞、佐賀県馬主会会長賞、佐賀県知事賞、佐賀県競馬組合管理者賞(調教師・騎手・厩務員・調教助手)[3]。
過去の賞金額
[編集]回数 | 総額賞金 (万円)[注 1] |
1着賞金 (万円) |
2着賞金 (万円) |
3着賞金 (万円) |
4着賞金 (万円) |
5着賞金 (万円) |
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第23回(1995年) | 5,400 | 3,000 | 1,050 | 600 | 450 | 300 |
第24回(1996年) | ||||||
第25回(1997年) | ||||||
第26回(1998年) | ||||||
第27回(1999年) | ||||||
第28回(2001年) | ||||||
第29回(2002年) | 5,100 | 300 | 150 | |||
第30回(2003年) | ||||||
第31回(2004年) | ||||||
第32回(2005年) | ||||||
第33回(2006年) | ||||||
第34回(2007年) | ||||||
第35回(2008年) | 4,500 | 900 | 300 | 180 | 120 | |
第36回(2009年) | ||||||
第37回(2010年) | ||||||
第38回(2011年) | 3,750 | 2,500 | 750 | 250 | 150 | 100 |
第39回(2012年) | 3,450 | 2,300 | 690 | 230 | 138 | 92 |
第40回(2013年) | ||||||
第41回(2014年) | ||||||
第42回(2015年) | ||||||
第43回(2016年) | ||||||
第44回(2017年) | ||||||
第45回(2018年) | ||||||
第46回(2019年) | ||||||
第47回(2020年) | ||||||
第48回(2021年) | ||||||
第49回(2022年) | ||||||
第50回(2023年) | 4,800 | 3,000 | 900 | 480 | 240 | 180 |
歴史
[編集]- 1973年 - 佐賀競馬場のダート1800mの4歳(現3歳)限定の九州地区限定重賞競走、開設記念として創設。
- 1974年 - 開催中止。
- 1975年
- 出走条件を4歳(現3歳)・5歳(現4歳)限定に変更。
- 施行距離をダート2000mに変更。
- 1976年 - 開催中止。
- 1978年 - 出走条件を5歳(現4歳)以上に変更。
- 1979年 - 施行距離をダート2500mに変更。
- 1980年 - 1着入線のミスボレロが進路妨害により失格。
- 1982年 - 「開設10周年記念」の名称で施行。
- 1985年 - 古川哲也が騎手として史上初の連覇。
- 1992年
- 開設20周年記念としてこの年のみ西日本地区交流競走として施行。
- 施行距離をダート2000mに戻す。
- 1995年 - 中央・地方全国指定交流競走に指定。
- 1997年
- ダート競走格付け委員会にGIII(統一GIII)に格付け。
- 名称を佐賀記念に変更。
- 負担重量をグレード別定に変更
- 2001年
- 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件が「5歳以上」から「4歳以上」に変更。
- 九州限定グレードKG1に格付け。
- 2002年
- 2007年 - サイレントディールが2分07秒4のコースレコードで優勝。
- 2008年 - チャンストウライが2分06秒7のコースレコードで優勝。
- 2009年
- JRA所属馬の出走枠が4頭から5頭に、九州地区以外の所属馬の出走枠が4頭から3頭にそれぞれ変更。
- 売得金3億2700万円は同競走の最高売上記録となった。
- 2011年
- 2012年 - ピイラニハイウェイが2分5秒7のコースレコードで優勝。
- 2021年 - クリンチャーが2分5秒0のコースレコードで優勝。
歴代優勝馬
[編集]回数 | 施行日 | 優勝馬 | 性齢 | 所属 | タイム | 優勝騎手 | 管理調教師 | 馬主 |
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第1回 | 1973年 7月22日 | ヒシムテキ | 牡3 | 佐賀 | 1:57.2 | 古賀光範 | 徳吉光雄 | |
第2回 | 開催中止 | |||||||
第3回 | 1975年 6月15日 | ヤクシライス | 牝3 | 佐賀 | 2:08.8 | 的場信弘 | 浦川照治 | |
第4回 | 開催中止 | |||||||
第5回 | 1977年 6月26日 | ダイイチシンオー | 牡4 | 佐賀 | 2:06.8 | 九日俊光 | 九日俊 | |
第6回 | 1978年 6月25日 | スイセンコトブキ | 牝5 | 佐賀 | 2:07.2 | 東美義 | 山田勇 | |
第7回 | 1979年 6月24日 | ハーバオール | 牡5 | 佐賀 | 2:44.1 | 的場信弘 | 浦川照治 | |
第8回 | 1980年 6月22日 | セダンホーク | 牝5 | 佐賀 | 2:44.9 | 大垣敏夫 | 草野巧 | |
第9回 | 1981年 6月21日 | シルクラディカ | 牡6 | 佐賀 | 2:42.1 | 山下清 | 松田和要武 | |
第10回 | 1982年 7月 4日 | ブルキング | 牡4 | 佐賀 | 2:47.5 | 鮫島克也 | 鮫島勉 | |
第11回 | 1983年 6月26日 | シゲノダイヤ | 牡4 | 佐賀 | 2:44.5 | 河津徳幸 | 徳吉光雄 | |
第12回 | 1984年 7月15日 | オカノチカラ | 牡5 | 佐賀 | 2:43.3 | 古川哲也 | 池田及也 | |
第13回 | 1985年 6月23日 | ハワイダンサー | 牡6 | 佐賀 | 2:46.5 | 古川哲也 | 下田泰広 | |
第14回 | 1986年 7月13日 | ウメノファスト | 牡5 | 佐賀 | 2:43.3 | 鮫島克也 | 北田健三 | 杉本正之 |
第15回 | 1987年 6月21日 | シングルボーイ | 牡4 | 佐賀 | 2:46.1 | 真島元徳 | 西久保政等 | 的場富子 |
第16回 | 1988年 7月10日 | ホクトドリーマー | 牡7 | 佐賀 | 2:47.6 | 大垣敏夫 | 山田勇 | 林武次 |
第17回 | 1989年 6月25日 | アグネスビート | 牡7 | 佐賀 | 2:48.0 | 古川哲也 | 松田和要武 | 吉田光徳 |
第18回 | 1990年 7月 1日 | リキマナード | 牡5 | 佐賀 | 2:44.4 | 吉原正和 | 飯島美智雄 | 吉田光徳 |
第19回 | 1991年 6月30日 | カムイファースト | 牝6 | 佐賀 | 2:45.1 | 鮫島克也 | 北田健三 | 吉村誠 |
第20回 | 1992年 7月 5日 | タイプスワロー | 牡6 | 笠松 | 2:06.9 | 井上孝彦 | 荒川友司 | 水野俊一 |
第21回 | 1993年 7月 4日 | スズタカオー | 牡6 | 佐賀 | 2:45.4 | 土井道隆 | 谷口祐治 | 下津浦盛幸 |
第22回 | 1994年 7月 3日 | サクラミサキオー | 牡5 | 佐賀 | 2:46.6 | 北村欣也 | 津野正浬 | 木村龍彦 |
第23回 | 1995年 7月 2日 | アドマイヤボサツ | 牡5 | JRA | 2:07.9 | 芹沢純一 | 橋田満 | 近藤利一 |
第24回 | 1996年 6月30日 | リンデンニシキ | 牝4 | 佐賀 | 2:10.7 | 川野幸治 | 手島豊 | 林田秋利 |
第25回 | 1997年 6月29日 | グリーンサンダー | 牡5 | JRA | 2:10.2 | 幸英明 | 谷潔 | 名古屋競馬(株) |
第26回 | 1998年 7月 5日 | コンメンダトーレ | 牡4 | JRA | 2:10.0 | 田島信行 | 梅田康雄 | 野田博己 |
第27回 | 1999年 7月20日 | スノーエンデバー | 牡4 | JRA | R2:07.7 | 武豊 | 森秀行 | 藤本龍也 |
第28回 | 2001年 2月12日 | ミツアキサイレンス | 牡4 | 笠松 | 2:07.7 | 川原正一 | 粟津豊彦 | 山本光明 |
第29回 | 2002年 2月11日 | ミツアキサイレンス | 牡5 | 笠松 | 2:08.9 | 川原正一 | 粟津豊彦 | 山本光明 |
第30回 | 2003年 2月11日 | エアピエール | 牡7 | JRA | 2:10.1 | 武豊 | 田村康仁 | (株)ラッキーフィールド |
第31回 | 2004年 2月11日 | クーリンガー | 牡5 | JRA | 2:10.4 | 和田竜二 | 岩元市三 | 林進 |
第32回 | 2005年 2月11日 | マルブツトップ | 牡5 | JRA | 2:08.6 | 安藤勝己 | 加用正 | 大沢毅 |
第33回 | 2006年 2月13日 | マイネルボウノット | 牡5 | JRA | 2:09.1 | 後藤浩輝 | 萩原清 | (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン |
第34回 | 2007年 2月12日 | サイレントディール | 牡7 | JRA | R2:07.4 | 武豊 | 池江泰郎 | 金子真人ホールディングス(株) |
第35回 | 2008年 2月11日 | チャンストウライ | 牡5 | 兵庫 | R2:06.8 | 下原理 | 寺嶋正勝 | 組)ジェントルマンホースクラブ |
第36回 | 2009年 2月11日 | スマートファルコン | 牡4 | JRA | 2:07.4 | 岩田康誠 | 小崎憲 | 大川徹 |
第37回 | 2010年 2月11日 | ラッシュストリート | 騸5 | JRA | 2:07.5 | 武豊 | 岡田稲男 | 前田幸治 |
第38回 | 2011年 2月11日 | メテオロロジスト | 牡4 | JRA | R2:06.0 | 武豊 | 池江泰寿 | 金子真人ホールディングス(株) |
第39回 | 2012年 2月 8日 | ピイラニハイウェイ | 牡7 | JRA | R2:05.7 | 川田将雅 | 吉田直弘 | 金子真人ホールディングス(株) |
第40回 | 2013年 2月11日 | ホッコータルマエ | 牡4 | JRA | 2:05.7 | 幸英明 | 西浦勝一 | 矢部幸一 |
第41回 | 2014年 2月13日 | ランフォルセ | 牡8 | JRA | 2:09.4 | 戸崎圭太 | 萩原清 | (有)キャロットファーム |
第42回 | 2015年 2月10日 | マイネルクロップ | 牡5 | JRA | 2:09.5 | 丹内祐次 | 飯田雄三 | (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン |
第43回 | 2016年 | 2月11日ストロングサウザー | 牡5 | JRA | 2:08.1 | 田辺裕信 | 久保田貴士 | 村木篤 |
第44回 | 2017年 | 2月 7日ロンドンタウン | 牡4 | JRA | 2:06.7 | 川田将雅 | 牧田和弥 | 薪浦亨 |
第45回 | 2018年 | 2月 6日ルールソヴァール | 騸6 | JRA | 2:07.8 | 幸英明 | 高木登 | (株)ノルマンディーサラブレッドレーシング |
第46回 | 2019年 | 2月11日ヒラボクラターシュ | 牡4 | JRA | 2:05.7 | 山本聡哉 | 大久保龍志 | (株)平田牧場 |
第47回 | 2020年 | 2月11日ナムラカメタロー | 牡4 | JRA | 2:06.7 | 石川裕紀人 | 稲垣幸雄 | 奈村睦弘 |
第48回 | 2021年 | 2月11日クリンチャー | 牡7 | JRA | R2:05.0 | 川田将雅 | 宮本博 | 前田幸治 |
第49回 | 2022年 | 2月 8日ケイアイパープル | 牡6 | JRA | 2:06.6 | 藤岡康太 | 村山明 | (株)ケイアイスタリオン |
第50回 | 2023年 | 2月 9日バーデンヴァイラー | 牡5 | JRA | 2:09.9 | 福永祐一 | 斉藤崇史 | (有)キャロットファーム |
第51回 | 2024年 | 2月12日ノットゥルノ | 牡5 | JRA | 2:08.2 | 武豊 | 音無秀孝 | 金子真人ホールディングス(株) |
※Rはコースレコードを示す
競走結果の出典
[編集]- “佐賀記念(Jpn3) 歴代優勝馬”. 地方競馬全国協会. 2024年2月16日閲覧。
地方馬(地元馬含む)最先着
[編集]- 第23回 - ヨシノキング(大井・2着)、スズタカオー(3着)
- 第24回 - リンデンニシキ(1着)
- 第25回 - アメージングレイス(笠松・3着)、キングオブザロード(4着)
- 第26回 - マルブツホープ(愛知・3着)、ビークァイエット(4着)
- 第27回 - ハカタビッグワン(笠松・2着)、ケイウンベスト(6着)
- 第28回 - ミツアキサイレンス(笠松・1着)、キングラシアン(7着)
- 第29回 - ミツアキサイレンス(笠松・1着)、ジョカトーレ(8着)
- 第30回 - ミツアキサイレンス(笠松・3着)、カシノオウサマ(5着)
- 第31回 - オペラキッス(2着)
- 第32回 - オペラキッス(4着)
- 第33回 - オンユアマーク(3着)
- 第34回 - キングスゾーン(愛知・3着)、タイキシリウス(5着)
- 第35回 - チャンストウライ(兵庫・1着)、ザオリンポスマン(4着)
- 第36回 - チャンストウライ(兵庫・5着)、ワンパクメロ(6着)
- 第37回 - カラテチョップ(兵庫・4着)、エフケーフィル(6着)
- 第38回 - マルヨフェニックス(笠松・4着)、マンオブパーサー(8着)
- 第39回 - オオエライジン(兵庫・5着)、レイズミーアップ(8着)
- 第40回 - グランシュヴァリエ(高知・5着)、デュナメス(7着)
- 第41回 - オオエライジン(兵庫・4着)、デュナメス(8着)
- 第42回 - リワードレブロン(高知・6着)、コパノエクスプレス(8着)
- 第43回 - キョウワカイザー(6着)
- 第44回 - カツゲキキトキト(愛知・4着)、キョウワカイザー(5着)
- 第45回 - キクノソル(兵庫・4着)、デリッツァリモーネ(7着)
- 第46回 - グレイトパール(4着)
- 第47回 - グレイトパール(6着)
- 第48回 - メイプルブラザー(兵庫・6着)、グレイトパール(7着)
- 第49回 - グレイトパール(4着)
- 第50回 - ラッキードリーム(6着)
- 第51回 - ファルコンウィング(愛知・5着)、タガノファジョーロ(6着)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 着外賞を含まない額。着外賞は2021年・2022年が20万円
出典
[編集]- ^ a b “レース紹介|佐賀記念 2024年”. 地方競馬全国協会. 2024年2月9日閲覧。
- ^ “2023年度重賞競走”. 佐賀競馬. 2024年2月9日閲覧。
- ^ a b “令和5年度第20回佐賀競馬番組〔概定〕” (PDF). 佐賀競馬. 2024年2月9日閲覧。
- ^ “令和5年度佐賀競馬 本賞金等の変更について” (PDF). 佐賀競馬. 2024年2月9日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 佐賀記念|ダートグレード競走特設サイト - 地方競馬全国協会