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黒船賞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
黒船賞
開催国 日本の旗 日本
主催者 高知県競馬組合
競馬場 高知競馬場
第1回施行日 1998年3月24日
2024年の情報
距離 ダート1400m
格付け JpnIII / 国際LR
賞金 1着賞金3000万円
出走条件 サラブレッド系4歳以上 (指定交流)
出走条件も参照
負担重量 グレード別定(本文に記載
出典 [1]
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黒船賞(くろふねしょう)は、高知県競馬組合高知競馬場ダート1400mで施行する地方競馬重賞競走ダートグレード競走、JpnIII)である。農林水産省が賞を提供しているため、正式名称は農林水産大臣賞典 黒船賞と表記される。

競走名は土佐藩出身の坂本龍馬の運命を変えた黒船から由来している。

優勝馬馬主への副賞は農林水産大臣賞、高知県知事賞、日本中央競馬会理事長賞、日本馬主協会連合会長奨励賞、地方競馬全国協会理事長賞、全国公営競馬主催者協議会会長賞、日本地方競馬馬主振興協会会長賞、高知県馬主協会会長賞(2024年)[1]

概要

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1998年に5歳(現4歳)以上の別定の中央・地方全国指定交流の重賞(統一GIII)競走、黒船賞として創設、第1回は現在と同じく高知競馬場のダート1400mで施行し、現在も同条件で行われている。

高知競馬場の唯一のダートグレード競走で、毎年盛大な盛り上がりを見せる事で知られ、春のダート短距離路線を占う競走として重要な役目を担っている。

同競走の総額賞金は2009年までは4350万円であり、高知競馬では破格とも言える賞金額であった[注 1]

資金難に喘いでいた同競馬場は同競走を実施をさせるために、企業への協賛金を募り開催を続けてきたが、2007年にはついに、ハルウララ効果で得た剰余金もほぼ底をつき、経営が逼迫している高知競馬はこの競走において、企業だけでなく一般のファンからも1000万円を目標に、同競走の開催及び同競馬場の維持のための支援金の募集を行い(通称:かいばおけ支援金)、その支援金をもとにレースを施行した[2]

2007年4月3日に、同年3月末をもって支援金の募集を終了したことを発表、そのとき同時に発表された支援金総額は約920万円であった[3]

ただその時にされた支援金集計の発表の時点では、まだ全て集めた金額の集計は終っておらず、その後に総額発表することになっていたが正式な集計結果の発表はされず、同競馬場ホームページの改編が行われた際、支援金に関するページは削除された[注 2]

その後の平日開催が予定されていた2008年は、経営逼迫を理由に同競走の休止を発表した[4]が、その翌年(2009年)は祝日に開催された。その後2012年に1着賞金が2100万円まで減額されその額が2021年まで変わらなかったが、2022年・2023年と2年連続で増額され1着賞金が当初の3000万円に戻っている。

条件・賞金(2024年)

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出走条件
サラブレッド系4歳以上。フルゲートは12頭で、出走枠は地方競馬所属馬7頭、中央競馬所属馬5頭と定められており、出走頭数が12頭に満たない際は高知所属馬が繰り上がる事がある[1]。なお、地方所属馬は前年3月1日から本年3月9日の間に自場所属として1走以上しており、かつ当該期間内に重賞競走で5着以上の成績を残している必要がある。
2024年においては以下の黒船賞選考競走の優勝馬に優先出走権が付与されている[1]
負担重量
別定。56kg、牝馬は2kg減(南半球産4歳馬1kg減)を基本に、本年3月21日より過去のGI・JpnI優勝馬は3kg、GII・JpnII優勝馬は2kg、GIII・JpnIII優勝馬は1kg負担増となる(ただし2歳時の成績は対象外)[1]
賞金額
1着3000万円、2着1050万円、3着600万円、4着300万円、5着150万円、6着以下70万円[1]

歴史

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  • 1998年 - 5歳以上の馬による中央・地方全国指定交流競走(統一GIII)として創設、高知競馬場のダート1400mで施行。
  • 2001年 - 馬齢表示の国際基準への変更に伴い、出走条件を「4歳以上」に変更。
  • 2007年
    • 国際セリ名簿基準委員会(ICSC)の勧告にともない、重賞格付け表記をJpnIIIに変更。
    • 経営の逼迫による同競走の開催中止を回避及び、同競馬場運営続行の目的も合わせて、かいばおけ支援金の募集を行う。
  • 2008年 - 高知競馬の業績不振および、以前からのダートグレード競走から撤退の案もあり、同年の開催が中止。中止された同競走の代わりに、2001年まで開催されていた黒潮スプリンターズカップが再度施行される。
  • 2009年 - 同競走の再開および、JRA所属馬の出走枠が4頭から5頭に、高知所属馬の出走枠が4頭から3頭に、福山所属馬の出走枠1頭[注 3]、その他地方所属馬の出走枠4から3頭に、それぞれ変更される。
  • 2010年 - 総額本賞金を減額および、地方所属馬7頭JRA所属馬5頭と出走枠が変更される。
  • 2011年 - 東日本大震災の影響により中止[5]
  • 2020年 - 新型コロナウイルスの流行により客を入れずに「無観客競馬」として開催。

歴代優勝馬

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全て高知競馬場ダート1400mで施行。

回数 施行日 優勝馬 性齢 所属 タイム 優勝騎手 管理調教師 馬主
第1回 1998年3月24日 リバーセキトバ 牡8 高知 1:29.1 北野真弘 浜田隆憲 岡林鐵山
第2回 1999年3月22日 テセウスフリーゼ 牡7 JRA 1:26.0 的場均 新関力 田口慶子
第3回 2000年3月21日 ビーマイナカヤマ 牡6 JRA 1:27.9 鹿戸雄一 高市圭二 (有)中山牧場
第4回 2001年3月20日 ノボジャック 牡4 JRA 1:28.1 武豊 森秀行 (有)池ばた
第5回 2002年3月18日 サウスヴィグラス 牡6 JRA 1:28.1 柴田善臣 高橋祥泰 南波壽
第6回 2003年3月21日 ノボジャック 牡6 JRA 1:27.5 蛯名正義 森秀行 (有)池ばた
第7回 2004年3月22日 ディバインシルバー 牡6 JRA 1:26.4 安藤勝己 和田正道 櫻井正
第8回 2005年3月21日 マイネルセレクト 牡6 JRA 1:28.4 武豊 中村均 (株)サラブレッドクラブ・ラフィアン
第9回 2006年3月20日 ブルーコンコルド 牡6 JRA 1:28.4 幸英明 服部利之 (株)荻伏レーシング・クラブ
第10回 2007年3月21日 リミットレスビッド 牡8 JRA 1:28.9 岩田康誠 加用正 (有)社台レースホース
第11回 2009年3月20日 トーセンブライト 牡8 JRA 1:27.4 安藤勝己 加藤征弘 島川隆哉
第12回 2010年3月22日 スーニ 牡4 JRA 1:27.7 川田将雅 吉田直弘 吉田和美
第13回 2011年3月14日
地震のため中止
第14回 2012年3月20日 セイクリムズン 牡6 JRA 1:28.4 岩田康誠 服部利之 金田成基
第15回 2013年3月19日 セイクリムズン 牡7 JRA 1:27.3 岩田康誠 服部利之 金田成基
第16回 2014年3月18日 セイクリムズン 牡8 JRA 1:27.6 岩田康誠 服部利之 金田成基
第17回 2015年3月17日 ダノンレジェンド 牡5 JRA 1:27.3 丸田恭介 村山明 (株)ダノックス
第18回 2016年3月15日 ダノンレジェンド 牡6 JRA 1:27.0 M.デムーロ 村山明 (株)ダノックス
第19回 2017年3月14日 ブラゾンドゥリス 牡5 JRA 1:28.2 内田博幸 尾形和幸 (株)ノルマンディーサラブレッドレーシング
第20回 2018年3月20日 エイシンヴァラー 牡7 兵庫 1:27.2 下原理 新子雅司 平井克彦
第21回 2019年3月21日 サクセスエナジー 牡5 JRA 1:26.6 松山弘平 北出成人 高嶋哲
第22回 2020年3月10日 ラプタス 4 JRA 1:27.3 幸英明 松永昌博 (株)ヒダカ・ブリーダーズ・ユニオン
第23回 2021年3月16日 テイエムサウスダン 牡4 JRA 1:27.6 岩田康誠 飯田雄三 竹園正繼
第24回 2022年3月16日 イグナイター 牡4 兵庫 1:30.3 田中学 新子雅司 野田善己
第25回 2023年3月14日 シャマル 牡5 JRA 1:28.3 川田将雅 松下武士 金山敏也
第26回 2024年3月26日 シャマル 牡6 JRA 1:27.6 川須栄彦 松下武士 金山敏也

脚注・出典

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注釈

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  1. ^ ただ同競走開催に必要となる資金は約6000万円と言われており、その内2500万円はJRAが負担することになっていた。そのため高知競馬側で実際に必要な金額は3500万円となっていた[2]
  2. ^ 2007年4月3日付の第6回集計結果報告まではされていたが、それ以降の報告は同競馬場ホームページ上ではされていない。
  3. ^ 高知・福山連携強化の一環として、2009年に設けられた。

出典

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各回競走結果の出典

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関連項目

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外部リンク

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