バーデンヴァイラー (競走馬)
バーデンヴァイラー | |||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
欧字表記 | Badenweiler[1] | ||||||||
品種 | サラブレッド[1] | ||||||||
性別 | 牡→騸[1] | ||||||||
毛色 | 黒鹿毛[1] | ||||||||
生誕 | 2018年3月19日[1] | ||||||||
死没 | 2024年9月22日(6歳没) | ||||||||
抹消日 |
2024年2月2日(JRA) 2024年7月16日(NAR)[2] | ||||||||
父 | ドゥラメンテ[1] | ||||||||
母 | ヴィートマルシェ[1] | ||||||||
母の父 | フレンチデピュティ[1] | ||||||||
生国 | 日本(北海道安平町)[1] | ||||||||
生産者 | ノーザンファーム[1] | ||||||||
馬主 | (有)キャロットファーム[1] | ||||||||
調教師 |
斉藤崇史(栗東) →内田勝義(川崎)[3][1] | ||||||||
競走成績 | |||||||||
生涯成績 |
20戦7勝[1] 中央:13戦5勝 地方:7戦2勝 | ||||||||
獲得賞金 |
1億5280万円[1] 中央:7470万円 地方:7810万円 | ||||||||
|
バーデンヴァイラー(欧字名:Badenweiler、2018年3月19日 - 2024年9月22日)は、日本の競走馬[1]。主な勝ち鞍は2022年のマーキュリーカップ、2023年の佐賀記念。
馬名の意味は、ドイツの行進曲。母名より連想。半姉にアメリカG1ブリーダーズカップディスタフを制したマルシュロレーヌがいる。
戦績
[編集]条件馬時代(2020年 - 2021年)
[編集]2020年10月11日、京都競馬場芝1800メートルでの新馬戦で、北村友一鞍上でデビュー。出遅れて道中後方を進むも、最終直線で他馬の間を割って最速の上がりで追い込み3着[4]。2戦目はダートに切り替えて、11月15日に行われた阪神競馬場1800メートルの未勝利戦に出走すると、2番手から抜け出して6馬身差で1着、初勝利を挙げた[5]。
2021年7月31日、新潟競馬場の3歳以上1勝クラス競走(ダート1800メートル)に約8か月ぶりに出走し9馬身差で勝利[6]。続いて9月18日、2勝クラスの大府特別(ダート1800メートル)に出走するが出遅れ、直線でも伸びきれず3着[7]。10月3日には芝に出戻り、中京競馬場の2勝クラス競走である浜名湖特別(芝2000メートル)に出走するがジャックドールの4着に敗れた[8]。
その後はダートに再び戻り、12月11日に阪神競馬場の3歳以上2勝クラス競走(ダ―ト1800メートル)を4馬身差[9]、続いて中1週で出走した3勝クラスの摩耶ステークス(ダート1800メートル)を3馬身差で勝ち、オープン入りした[10]。
オープン馬時代(2022年 - 2024年)
[編集]3月6日、シーズン初戦となった中山競馬場のオープン競走・総武ステークス(ダート1800メートル)では逃げを打ち、2馬身2分の1差で勝利[11]。4月17日、アンタレスステークスで重賞初挑戦、道中は好位を進み2番手で最終コーナーを迎えるも失速してブービーの15着に敗れた[12]。
7月18日、盛岡競馬場で行われたマーキュリーカップにJRA遠征馬として福永祐一鞍上で出走。道中は6番手につき、最終コーナー手前で外から追い上げ、最終直線で逃げ粘るテリオスベルをゴール寸前でかわして勝利し、重賞初勝利となった[13]。
続く、中京競馬場で行われたGIIIシリウスステークスは3番人気で挑んだが、直線全く伸びず、4月のアンタレスステークスと同様に16頭立て15着に敗れた。
さらに、12月には同じ中京競馬場で行われたGIチャンピオンズカップに出走。前走大敗したため、8番人気と評価を落としたが、前走同様、ジュンライトボルトの14着とまたしても大敗した。2023年の初戦となった2月9日の佐賀記念では道中2番手追走から3コーナーで先頭に立つと、そのまま押し切って快勝し重賞2勝目をマークするとともに、同月をもって騎手を引退する福永祐一にとって最後の地方交流重賞制覇となった[14]。続く名古屋大賞典では道中2番手でレースを進めるも最後の直線でハギノアレグリアスとケイアイパープルにかわされて3着となり、重賞連勝はならなかった。この後、1年7か月ぶりの芝挑戦となった目黒記念では好位追走も直線で失速し18着と殿負けに終わり、連覇をかけて挑んだ7月17日のマーキュリーカップに2番人気で出走するも4着と惜敗した。秋に入り、カノープスステークスは5着、神奈川記念では6着と精彩を欠いた。
2024年2月2日付でJRAの競走登録を抹消され、川崎競馬へ移籍することになった[15]。
地方所属時代(2024年)
[編集]川崎競馬では内田勝義厩舎に入厩し、転厩初戦となった5月15日の大井記念では森泰斗が騎乗し2着に好走。優先出走権を得て臨んだ6月26日の帝王賞は10着に敗れた。その後、左前脚屈腱炎を発症したことが明らかとなり、7月12日、オーナーのキャロットクラブにより現役引退が発表され[16]、7月16日付で競走馬登録を抹消された[2]。
競走馬引退後
[編集]引退後は石川県珠洲市の珠洲ホースパークで余生を送っていたが[17]、9月22日未午前2時頃、急性腸炎のため死亡したことが珠洲ホースパークを運営するみんなの馬株式会社の公式会員サイトで発表された[18]。獣医師の治療により前日日中まで容体は回復傾向にあったが、その後容体が悪化したという[18]。これを受けて、10月1日から31日までの予定で珠洲ホースパーク内に献花台を設置する予定[18]。
競走成績
[編集]以下の内容は、JBISサーチ[19]およびnetkeiba.com[20]の情報に基づく。
競走日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 距離(馬場) | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | タイム (上がり3F) |
着差 | 騎手 | 斤量 [kg] |
1着馬(2着馬) | 馬体重 [kg] |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2020.10.11 | 京都 | 2歳新馬 | 芝1800m(稍) | 14 | 4 | 5 | 3.6 (2人) | 3着 | 1:49.8(35.8) | 0.1 | 北村友一 | 55 | ヴアーサ | 498 | |
11.15 | 阪神 | 2歳未勝利 | ダ1800m(良) | 13 | 5 | 6 | 1.8 (1人) | 1着 | 1:54.8(36.3) | -1.0 | 北村友一 | 55 | (フェブキラナ) | 498 | |
2021. 7.31 | 新潟 | 3歳上1勝クラス | ダ1800m(良) | 15 | 4 | 6 | 1.6 (1人) | 1着 | 1:51.4(38.3) | -1.4 | 福永祐一 | 54 | (サンライズグリット) | 506 | |
9.18 | 中京 | 大府特別 | 2勝 | ダ1800m(不) | 13 | 8 | 13 | 1.2 (1人) | 3着 | 1:49.0(37.6) | 0.3 | 福永祐一 | 54 | アドマイヤメティス | 502 |
10. 3 | 中京 | 浜中湖特別 | 2勝 | 芝2000m(良) | 8 | 6 | 6 | 4.2 (3人) | 4着 | 2:02.1(33.6) | 0.6 | 幸英明 | 55 | ジャックドール | 498 |
12.11 | 阪神 | 3歳上2勝クラス | ダ1800m(良) | 16 | 8 | 16 | 1.3 (1人) | 1着 | 1:52.0(36.9) | -0.7 | C.デムーロ | 56 | (クリノドラゴン) | 508 | |
12.25 | 阪神 | 摩耶S | 3勝 | ダ1800m(良) | 11 | 5 | 5 | 1.6 (1人) | 1着 | 1:52.5(36.9) | -0.5 | C.デムーロ | 56 | (ウィリアムバローズ) | 506 |
2022. 3. 6 | 中山 | 総武S | OP | ダ1800m(良) | 14 | 3 | 3 | 1.6 (1人) | 1着 | 1:54.1(37.8) | -0.4 | 福永祐一 | 56 | (サンダーブリッツ) | 510 |
4.17 | 阪神 | アンタレスS | GIII | ダ1800m(良) | 16 | 6 | 12 | 3.9 (3人) | 15着 | 1:53.4(39.8) | 2.9 | 幸英明 | 56 | オメガパフューム | 496 |
7.18 | 盛岡 | マーキュリーC | JpnIII | ダ2000m(稍) | 14 | 5 | 8 | 5.0 (2人) | 1着 | 2:02.5(37.3) | -0.1 | 福永祐一 | 54 | (テリオスベル) | 508 |
10. 1 | 中京 | シリウスS | GIII | ダ1900m(良) | 16 | 6 | 12 | 5.0 (3人) | 15着 | 2:00.8(40.6) | 3.1 | 福永祐一 | 57 | ジュンライトボルト | 506 |
12. 4 | 中京 | チャンピオンズC | GI | ダ1800m(良) | 16 | 6 | 11 | 31.8 (8人) | 14着 | 1:53.3(37.7) | 1.4 | D.レーン | 57 | ジュンライトボルト | 510 |
2023. 2. 9 | 佐賀 | 佐賀記念 | JpnIII | ダ2000m(稍) | 12 | 2 | 2 | 2.5 (2人) | 1着 | 2:09.9(39.1) | -0.2 | 福永祐一 | 57 | (デルマルーヴル) | 514 |
3.16 | 名古屋 | 名古屋大賞典 | JpnIII | ダ2000m(良) | 12 | 5 | 6 | 6.0 (3人) | 3着 | 2:08.9(36.9) | 0.7 | 岩田望来 | 55 | ハギノアレグリアス | 513 |
5.28 | 東京 | 目黒記念 | GII | 芝2500m(良) | 18 | 1 | 2 | 74.8(13人) | 18着 | 2:32.5(35.9) | 1.7 | 坂井瑠星 | 58 | ヒートオンビート | 512 |
7.17 | 盛岡 | マーキュリーC | JpnIII | ダ2000m(重) | 13 | 5 | 7 | 2.8 (2人) | 4着 | 2:03.7(38.3) | 1.9 | 坂井瑠星 | 55 | ウィルソンテソーロ | 509 |
11.26 | 京都 | カノープスS | OP | ダ1900m(良) | 16 | 4 | 7 | 13.4 (6人) | 5着 | 1:57.9(38.1) | 0.4 | 西村淳也 | 58.5 | ウェルカムニュース | 512 |
12.14 | 川崎 | 神奈川記念 | 重賞 | ダ1600m(稍) | 11 | 7 | 8 | 13.0 (6人) | 6着 | 1:45.1(42.1) | 2.2 | 西村淳也 | 60 | ヴィブラフォン | 506 |
2024. 5.15 | 大井 | 大井記念 | SI | ダ2000m(重) | 9 | 2 | 2 | 13.6 (5人) | 2着 | 2:08.7(38.8) | 0.1 | 森泰斗 | 57 | サヨノネイチヤ | 532 |
6.26 | 大井 | 帝王賞 | JpnI | ダ2000m(稍) | 13 | 7 | 10 | 156.8(10人) | 10着 | 2:09.5(40.5) | 2.6 | 森泰斗 | 57 | キングズソード | 523 |
血統表
[編集]バーデンヴァイラーの血統 | (血統表の出典)[§ 1] | |||
父系 | キングマンボ系 (ミスタープロスペクター系) |
[§ 2] | ||
父 ドゥラメンテ 鹿毛 2012 北海道安平町 |
父の父 キングカメハメハ鹿毛 2001 |
Kingmambo | Mr. Prospector | |
Miesque | ||||
*マンファス | *ラストタイクーン | |||
Pilot Bird | ||||
父の母 アドマイヤグルーヴ鹿毛 2000 |
*サンデーサイレンス | Halo | ||
Wishing Well | ||||
エアグルーヴ | *トニービン | |||
ダイナカール | ||||
母 ヴィートマルシェ 鹿毛 2002 北海道早来町 |
*フレンチデピュティ 栗毛 1992 |
Deputy Minister | Vice Regent | |
Mint Copy | ||||
Mitterand | Hold Your Peace | |||
Laredo Lass | ||||
母の母 キョウエイマーチ鹿毛 1994 |
*ダンシングブレーヴ | Lyphard | ||
Navajo Princess | ||||
インターシャルマン | *ブレイヴエストローマン | |||
トキノシュリリー | ||||
母系(F-No.) | シュリリー(AUS)系(FN:7-d) | [§ 3] | ||
5代内の近親交配 | Northern Dancer M5×M5 = 6.25% | [§ 4] | ||
出典 |
- 半姉にアメリカG1ブリーダーズカップディスタフを優勝したマルシュロレーヌがいる。
- 祖母キョウエイマーチは1997年桜花賞馬。7代母に1953年天皇賞(秋)優勝馬クインナルビーがいる。
- 叔父に皐月賞など重賞2着5回のトライアンフマーチ、姪にマイルチャンピオンシップ勝ち馬のナミュール、アルテミスステークス勝ち馬のラヴェルがいる。
- そのほかの近親にはオグリキャップ、オグリローマン、アンドレアモンがいる。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o “バーデンヴァイラー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年5月28日閲覧。
- ^ a b “バーデンヴァイラー 出走履歴”. 地方競馬全国協会. 2024年9月13日閲覧。
- ^ 23年佐賀記念など重賞2勝バーデンヴァイラー 地方の川崎に移籍へ日刊スポーツ、2024年1月30日配信・閲覧
- ^ “2歳新馬|2020年10月11日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2022年7月20日閲覧。
- ^ “2歳未勝利|2020年11月15日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2022年7月20日閲覧。
- ^ “3歳以上1勝クラス|2021年7月31日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2022年7月20日閲覧。
- ^ “大府特別|2021年9月18日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2022年7月20日閲覧。
- ^ “浜名湖特別|2021年10月3日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2022年7月20日閲覧。
- ^ “3歳以上2勝クラス|2021年12月11日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2022年7月20日閲覧。
- ^ “摩耶ステークス|2021年12月25日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2022年7月20日閲覧。
- ^ “総武ステークス|2022年3月6日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2022年7月20日閲覧。
- ^ “アンタレスステークス|2022年4月17日 | 競馬データベース”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2022年7月20日閲覧。
- ^ “【マーキュリーC】バーデンヴァイラー重賞初制覇 福永祐一騎手「輸送さえクリアしてくれればと思っていた」”. スポーツ報知 (株式会社報知新聞社). (2022年7月18日) 2022年7月20日閲覧。
- ^ 【佐賀記念】ラスト交流重賞の福永祐一騎手に導かれバーデンヴァイラーが快勝サンケイスポーツ、2023年2月9日配信・閲覧
- ^ バーデンヴァイラーの競走馬登録抹消日本中央競馬会、2024年2月2日配信・閲覧
- ^ JpnIII2勝のバーデンヴァイラーが引退 左前脚屈腱炎が判明 - サンスポZBAT! 2024年7月12日
- ^ 引退した重賞2勝馬バーデンヴァイラーは角居元調教師の珠洲ホースパークへ日刊スポーツ、2024年7月30日配信・閲覧
- ^ a b c “バーデンヴァイラーの死亡について”. みんなの馬(公式会員サイト) (2024年9月22日). 2024年9月22日閲覧。
- ^ “競走成績:全競走成績|バーデンヴァイラー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2023年5月28日閲覧。
- ^ “バーデンヴァイラーの競走成績 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2023年5月28日閲覧。
- ^ a b c “血統情報:5代血統表|バーデンヴァイラー”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年7月18日閲覧。
- ^ a b c “バーデンヴァイラーの血統表 | 競走馬データ”. netkeiba.com. 株式会社ネットドリーマーズ. 2022年7月18日閲覧。
- ^ “バーデンヴァイラー - 競走馬詳細 - UMATOKU”. 馬トク. 株式会社報知新聞社. 2022年8月7日閲覧。
外部リンク
[編集]- 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、KEIBA.GO.JP、JBISサーチ