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アジアエクスプレス

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
アジアエクスプレス
2014年皐月賞
品種 サラブレッド
性別
毛色 栗毛
生誕 2011年2月9日(13歳)
抹消日 2016年12月9日
ヘニーヒューズ
ランニングボブキャッツ
母の父 Running Stag
生国 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
生産者 Ocala Stud
馬主 馬場幸夫
調教師 手塚貴久美浦
厩務員 田中良太(持ち乗り調教助手)[1]
競走成績
タイトル JRA賞最優秀2歳牡馬(2013年)
生涯成績 12戦4勝
(中央)11戦4勝
(地方)1戦0勝
獲得賞金 1億7633万6000円
(中央)1億7087万6000円
(地方)546万0000円
勝ち鞍
GI 朝日杯FS 2013年
GIII レパードS 2014年
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アジアエクスプレス(欧字名:Asia Express)は、アメリカ合衆国で生産され日本で調教された競走馬外国産馬)、種牡馬馬名の意味は『アジアの超特急』。主な勝ち鞍は2013年の朝日杯フューチュリティステークス

競走馬時代

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デビュー前

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父・ヘニーヒューズは現役時代にアメリカで出走し通算10戦6勝、2006年のキングズビショップステークス(G1)とヴォスバーグステークス(G1)を制した[2]。現役引退後の2007年からアメリカとオーストラリアを往復するシャトル種牡馬となり、アジアエクスプレスはこの時期に生産された産駒である。2013年からは日本の優駿スタリオンステーションに導入された[3]

母・ランニングボブキャッツは現役時代にアメリカで出走し通算31戦9勝、芝とダート両方の重賞を制した[4]

本馬は米国のオカラスタッドで生誕した後、2013年2月にフロリダ州で行われたOBSマーチセールで日本のノーザンファームによって23万ドル(当時のレートで約2200万円)で購入される[5]。オーナーとなった馬場幸夫は、この馬に「南満州鉄道で走っていた『あじあ号』のように豪快かつパワフルな走りをして欲しい」という願いを込めて、アジアエクスプレスと命名したという[6]

2歳(2013年)

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2013年11月3日、東京5Rダート1400mの新馬戦で鞍上ウンベルト・リスポリでデビュー。直線で鋭く伸びて2着オータムラヴに5馬身差をつけてデビュー戦を勝利で飾った[7]

11月23日、鞍上にライアン・ムーアを迎え、東京7Rダート1600mのオキザリス賞(2歳500万下)を7馬身差で圧勝した[8]

当初は12月18日開催予定の南関東公営競馬交流重賞(JpnI)競走であるダートの全日本2歳優駿川崎競馬場)に出走を予定していたが、除外となったため12月15日の芝の朝日杯フューチュリティステークスへ出走することになった[9]

2戦目に引き続き鞍上ライアン・ムーアで挑み、最後の直線で逃げるベルカントをかわして先頭に立つと、後続のショウナンアチーヴ、ウインフルブルームを振り切り優勝、GI初優勝を果たした[10]。鞍上のムーアは「芝でもダートでも勝てるというのは本当に特別な馬」と称えた[11]1984年グレード制導入後、芝コース未経験の馬が芝のGI級競走で優勝したのは初めてである[12]

3歳(2014年)

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3月23日のスプリングステークスが初戦として選ばれ、戸崎圭太が手綱を取ることになった。1番人気に支持され、中団から直線脚を伸ばすがロサギガンティアの2着に敗れた[13]

続く皐月賞では5番人気に推された。積極果敢にウインフルブルームの2番手でレースを進めるが、直線では最後まで食い下がって3着に粘ったウインフルブルームとは対照的に手ごたえが怪しくなりイスラボニータの6着に敗れた[14]。レース後、陣営はダート路線に再転向を示唆した[15]

ダート再転向の初戦は6月22日のユニコーンステークス。1.3倍の断然人気を背負いながら直線まったく手応えなく12着に沈んだ[16]

休養を挟んで出走した8月10日のレパードステークスでは、前走大敗ながらも1番人気に押されると、期待に応えて2着のクライスマイルに3馬身1/2差をつけて圧勝し、復活を果たした[17]

その後左前トウ骨遠位端骨折が判明、復帰まで4か月かかる見通しのため、年内は休養に入った[18][19]

4歳(2015年)

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2015年3月26日の名古屋大賞典で復帰し、逃げたメイショウコロンボを直線で追い込んだが届かず2着に敗れた[20]

4月18日のアンタレスステークスではハナを奪ったが、直線でクリノスターオーとの競り合いに敗れ2着となった[21]

5月の平安ステークスインカンテーションの5着に終わる[22]。休養を挟み、8月のBSN賞に出走するも4着に敗れる[23]。その後、脚部不安で1年3か月休養した。

5歳(2016年)

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2016年11月20日の福島民友カップで復帰するも15着としんがり負けを喫した[24]。そして12月9日付けで競走馬登録を抹消し現役を引退、北海道新冠町優駿スタリオンステーションにて種牡馬となる[25]

競走成績

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以下の内容は、netkeiba.com[26]およびJBISサーチ[27]に基づく。

競走日 競馬場 競走名 距離
(馬場)



オッズ
(人気)
着順 タイム
(上り3F)
着差 騎手 斤量
[kg]
1着馬(2着馬) 馬体重
[kg]
2013.11.03 東京 2歳新馬 ダ1400m(良) 16 7 13 001.60(1人) 01着 R1:26.5(36.9) -0.9 0U.リスポリ 55 (オータムラヴ) 534
0000.11.23 東京 オキザリス賞 500万下 ダ1600m(良) 16 1 2 002.30(1人) 01着 R1:37.9(37.6) -1.1 0R.ムーア 55 (ペアン) 536
0000.12.15 中山 朝日杯FS GI 芝1600m(良) 16 3 6 008.70(4人) 01着 R1:34.7(35.3) -0.2 0R.ムーア 55 (ショウナンアチーヴ) 528
2014.03.23 中山 スプリングS GII 芝1800m(良) 15 3 4 002.30(1人) 02着 R1:48.6(35.1) -0.2 0戸崎圭太 56 ロサギガンティア 528
0000.04.20 中山 皐月賞 GI 芝2000m(良) 18 8 16 007.50(5人) 06着 R2:00.0(35.5) -0.4 0戸崎圭太 57 イスラボニータ 524
0000.06.22 東京 ユニコーンS GIII ダ1600m(稍) 16 1 2 001.30(1人) 12着 R1:37.7(37.7) -1.7 0戸崎圭太 56 レッドアルヴィス 526
0000.08.10 新潟 レパードS GIII ダ1800m(稍) 15 7 13 003.30(1人) 01着 R1:50.4(35.6) -0.6 0戸崎圭太 56 (クライスマイル) 534
2015.03.26 名古屋 名古屋大賞典 JpnIII ダ1900m(良) 11 7 10 001.50(1人) 02着 R2:00.9(38.3) -0.1 0戸崎圭太 55 メイショウコロンボ 538
0000.04.18 阪神 アンタレスS GIII ダ1800m(良) 16 2 3 003.00(1人) 02着 R1:49.7(37.5) -0.1 0戸崎圭太 57 クリノスターオー 538
0000.05.23 京都 平安S GIII ダ1900m(良) 16 7 13 003.90(1人) 05着 R1:55.6(37.0) -0.5 0戸崎圭太 57 インカンテーション 538
0000.08.29 新潟 BSN賞 OP ダ1800m(不) 14 2 2 002.50(1人) 04着 R1:49.8(37.3) -0.3 0北村宏司 57.5 ダノンリバティ 550
2016.11.20 福島 福島民友C OP ダ1700m(稍) 15 3 4 006.10(3人) 15着 R1:46.6(39.8) -2.0 0津村明秀 58 トラキチシャチョウ 554

種牡馬時代

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引退後は種牡馬となり、優駿スタリオンステーションで繋養される[28]

2020年に初年度産駒がデビュー。6月30日、門別競馬場の2歳未勝利戦でソロユニットが2戦目で勝ち上がり、これが産駒の初勝利となった。8月27日、門別競馬場で行われたリリーカップでソロユニットが勝利し、産駒の重賞初制覇となった[29]

2024年5月25日、ピューロマジックが葵ステークスを制し、産駒JRA重賞初制覇を果たした。

主な産駒

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グレード制重賞優勝馬

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地方重賞優勝馬

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血統表

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アジアエクスプレス血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ストームキャット系
[§ 2]

*ヘニーヒューズ
2003 栗毛
父の父
*ヘネシー
Hennessy
1993 栗毛
Storm Cat Storm Bird
Terlingua
Island Kitty Hawaii
T.C. Kitten
父の母
Meadow Flyer
1989 鹿毛
Meadowlake Hold Your Peace
Suspicious Native
Shortley Hagley
Short Winded

*ランニングボブキャッツ
2002 鹿毛
Running Stag
1994 鹿毛
Cozzene Caro
Ride the Trails
Fruhlingstag Orsini
Revada
母の母
Backatem
1997 鹿毛
Notebook Well Decorated
Mobcap
Deputy's Mistress Deputy Minister
River Crossing
母系(F-No.) 4号族(FN:4-m) [§ 3]
5代内の近親交配 5代内アウトブリード [§ 4]
出典
  1. ^ JBISサーチ アジアエクスプレス 5代血統表2017年9月12日閲覧。
  2. ^ netkeiba.com アジアエクスプレス 5代血統表2017年9月12日閲覧。
  3. ^ JBISサーチ アジアエクスプレス 5代血統表2017年9月12日閲覧。
  4. ^ JBISサーチ アジアエクスプレス 5代血統表2017年9月12日閲覧。

脚注

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  1. ^ 「第65回朝日杯フューチュリティS」アジアエクスプレス号”. 美浦村. 2023年5月6日閲覧。
  2. ^ ヘニーヒューズ(USA)JBISサーチ. 2021年4月2日閲覧。
  3. ^ ヘニーヒューズが優駿スタリオンステーションに到着競走馬のふるさと案内所. 2021年4月2日閲覧。
  4. ^ ランニングボブキャッツ(USA)JBISサーチ. 2021年4月2日閲覧。
  5. ^ 栗山求「朝日杯フューチュリティSはアジアエクスプレス」栗山求の血統BLOG(2016年2月22日閲覧)
  6. ^ 【朝日杯FS】アジアエクスプレス、無敵2歳王者! 初芝でも強かった Archived 2013年12月16日, at the Wayback Machine. スポーツ報知 2013年12月15日閲覧
  7. ^ “【東京新馬戦】アジアエクスプレス 直線力強く伸び5馬身差楽勝”. スポーツニッポン. (2013年11月4日). https://www.sponichi.co.jp/gamble/news/2013/11/04/kiji/K20131104006945600.html 2013年12月15日閲覧。 
  8. ^ 【オキザリス賞】(東京)~アジアエクスプレス 7馬身差で圧勝ラジオNIKKEI (2013.11.23). 2021年3月29日閲覧。
  9. ^ 仕方なく出したアジアエクスプレスで2013年朝日杯FSを制した手塚師 今年はドゥラモンドで挑むNumber Web (2020.12.19). 2021年3月29日閲覧。
  10. ^ 第65回 朝日杯フューチュリティSJRA公式サイト. 2021年3月29日閲覧。
  11. ^ 異能の怪物!アジアエクスプレス無敗V 名手ムーアも惚れた「本当に特別な馬」スポーツナビ (2013.12.15). 2021年3月29日閲覧。
  12. ^ 【朝日杯FS】GI史上初!アジア初芝でV!”. サンケイスポーツ. 2022年1月8日閲覧。
  13. ^ 【スプリングS(GII)】(中山)~ロサギガンティアが重賞初制覇ラジオNIKKEI (2014.3.23). 2021年3月29日閲覧。
  14. ^ 【皐月賞(GI)】(中山)~イスラボニータが4連勝で戴冠ラジオNIKKEI (2014.4.20). 2021年3月29日閲覧。
  15. ^ 【皐月賞】アジアエクスプレス6着 手塚師「次はダートに」スポニチアネックス (2014.4.21). 2021年3月29日閲覧。
  16. ^ 【ユニコーンS(GIII)】(東京)~レッドアルヴィスが重賞初制覇ラジオNIKKEI (2014.6.22). 2021年3月29日閲覧。
  17. ^ 【レパードS(GIII)】(新潟)~アジアエクスプレスが復活VラジオNIKKEI (2014.8.10). 2021年3月29日閲覧。
  18. ^ アジアエクスプレス骨折 全治4カ月デイリースポーツ (2014.8.16). 2021年3月29日閲覧。
  19. ^ アジアエクスプレスが骨折 全治4カ月程度の見込みnetkeiba.com (2014.8.16). 2021年3月29日閲覧。
  20. ^ 【名古屋大賞典】メイショウコロンボ逃走V!サンスポZBAT!競馬 (2015.3.26). 2021年3月29日閲覧。
  21. ^ クリノスターオーが競り合いを制し重賞3勝目/アンタレスSnetkeiba.com (2015.4.18). 2021年3月29日閲覧。
  22. ^ 【平安S】(京都)~インカンテーションが重賞3勝目を飾るラジオNIKKEI (2015.5.23). 2021年4月1日閲覧。
  23. ^ 【BSN賞】(新潟)~ダノンリバティがダート2戦目で初勝利ラジオNIKKEI (2015.8.29). 2021年4月1日閲覧。
  24. ^ 11R 福島民友CJBISサーチ. 2021年4月1日閲覧。
  25. ^ 13年朝日杯FS勝ちアジアエクスプレスが優駿SSで種牡馬入りへスポニチアネックス (2016.12.10). 2021年3月29日閲覧。
  26. ^ アジアエクスプレスの競走成績”. netkeiba.com. Net Dreamers Co., Ltd.. 2020年9月18日閲覧。
  27. ^ 競走成績:全競走成績|アジアエクスプレス(USA)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2020年9月18日閲覧。
  28. ^ アジアエクスプレスが優駿スタリオンステーションにスタッドイン競走馬のふるさと案内所 . 2021年4月1日閲覧。
  29. ^ 【門別・リリーC結果】アジアエクスプレス産駒ソロユニットが人気に応えて7馬身差圧勝netkeiba.com (2020.8.27). 2021年4月2日閲覧。

参考文献

[編集]
  • netkeiba.comより

外部リンク

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