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エルウェーウィン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エルウェーウィン
1996年小倉記念出走時
欧字表記 L-Way Win[1]
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 黒鹿毛[1]
生誕 1990年2月24日[1]
死没 2016年4月7日(26歳没)[2]
Caerleon[1]
ラスティックレイス[1]
母の父 Rusticaro[1]
生国 アイルランドの旗 アイルランド[1]
生産者 Ermine Holdings[1]
馬主 雑古隆夫[1]
調教師 坪憲章栗東[1]
競走成績
タイトル JRA賞最優秀3歳牡馬(1992年)[1]
生涯成績 40戦5勝[1]
獲得賞金 2億4689万4000円[1]
勝ち鞍
GI 朝日杯3歳S 1992年
GII アルゼンチン共和国杯 1996年
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エルウェーウィン(欧字名:L-Way Win1990年2月24日 - 2016年4月7日)は、アイルランドで生産された日本競走馬種牡馬[1]

1992年朝日杯3歳ステークスGI)優勝馬である。その他の勝ち鞍に、1996年アルゼンチン共和国杯GII)。

戦績

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1995年ポートアイランドS

1992年10月18日京都芝1600メートルの新馬戦に出走し、岸滋彦を背にハナ差で初勝利。次走京都3歳ステークスはマルカツオウジャとの同着となり、連勝でGI朝日杯3歳ステークスへと駒を進める。もみじステークス、デイリー杯3歳ステークスを連続レコード勝ちのビワハヤヒデが圧倒的1番人気を集める中、エルウェーウィンは3番人気に支持され、レースでは岸がビワハヤヒデを選択したため代打騎乗となった南井克巳の手綱により、ビワハヤヒデをハナ差抑えて優勝、JRA賞最優秀3歳牡馬にも選出された。

4歳を迎えた1993年は内臓疲労[3]、脚部不安により長期休養を強いられ、秋に帰厩[4]。11月のトパーズステークスで復帰しトーワナゴンの2着としたのち、有馬記念に出走するがトウカイテイオーの13着に終わる。これ以降、マイルから中距離のレースに出走し、マイラーズカップ3着など好走も見せたが勝ち切るには至らず、レースを重ねるに連れ掲示板を外す回数が増えるようになった。

7歳となった1996年11月、アルゼンチン共和国杯に出走することになったが、この日の東京競馬場ではナリタブライアンの引退式が行われ[5]、ナリタブライアンの主戦騎手で引退式に参加していた南井が久しぶりに騎乗した[5]。エルウェーウィンは18頭立ての14番人気であったものの差し脚を見せて最後はトウカイパレスを抑え、朝日杯3歳ステークスから1434日、3年11か月ぶりとなる勝利を果たす[6][7]。これは中央競馬 (JRA) の当時の最長重賞勝利間隔記録でもあった[7][注釈 1]。 次走は有馬記念に出走するが、サクラローレルの13着。明け8歳となった1997年3月のオープン特別ブラッドストーンステークスでは勝利を収めるが、脚部不安を発症。9歳となった翌年に復帰するが、7戦して1度も掲示板に乗れないまま引退、種牡馬入りすることが決まった。

競走成績

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以下の内容は、netkeiba.com[8]、JBISサーチ[9]に基づく。

年月日 競馬場 競走名 距離(馬場)


オッズ(人気) 着順 タイム
(上り3F/4F
着差 騎手 斤量
(kg)
勝ち馬/(2着馬)
1992.10.18 京都 3歳新馬 芝1600m(良) 10 4 4 03.0(2人) 1着 1:37.9 (48.2) -0.0 岸滋彦 53 (マルカカルメン)
0000.11.22 京都 京都3歳S OP 芝1800m(良) 8 5 5 03.5(2人) 1着 1:49.7 (46.2) -同着 岸滋彦 54 (マルカツオウジャ)
0000.12.13 中山 朝日杯3歳S GI 芝1600m(良) 12 4 4 012.2(3人) 1着 1:35.5 (35.2) -0.0 南井克巳 54 ビワハヤヒデ
1993.11.28 京都 トパーズS OP 芝2000m(良) 15 5 8 02.5(1人) 2着 2:00.8 (35.3) -0.0 南井克巳 55 トーワナゴン
0000.12.26 中山 有馬記念 GI 芝2500m(良) 14 6 10 022.0(8人) 13着 2:34.7 (38.4) -3.8 南井克巳 55 トウカイテイオー
1994.01.30 小倉 関門橋S OP 芝2000m(良) 13 6 9 01.8(1人) 8着 2:02.3 (37.8) -0.7 岸滋彦 56 ワイドバトル
0000.03.06 中京 マイラーズC GII 芝1700m(良) 11 2 2 012.1(4人) 3着 1:40.9 (34.9) -0.3 岸滋彦 56 ノースフライト
0000.12.11 阪神 ポートアイランドS OP 芝1600m(重) 12 7 10 03.9(2人) 7着 1:37.6 (36.6) -1.6 上村洋行 56 フィールドボンバー
0000.12.25 阪神 六甲S OP 芝2000m(良) 9 6 6 02.8(1人) 3着 2:02.2 (36.1) -0.3 岸滋彦 56 インターマイウェイ
1995.01.08 京都 洛陽S OP 芝1600m(良) 16 5 9 05.9(3人) 9着 1:34.4 (34.4) -0.8 岸滋彦 56 エイシンワシントン
0000.01.29 小倉 関門橋S OP 芝2000m(良) 9 2 2 04.2(3人) 3着 2:00.8 (35.9) -0.1 岸滋彦 56 パッサカリア
0000.03.05 京都 マイラーズC GII 芝1600m(良) 10 5 5 08.1(4人) 3着 1:35.5 (34.0) -0.1 岸滋彦 57 ビッグショウリ
0000.04.23 福島 谷川岳S OP 芝1800m(良) 14 4 6 03.6(2人) 3着 1:49.1 (37.3) -0.3 岸滋彦 56 タイキブリザード
0000.11.12 東京 富士S OP 芝1800m(良) 9 3 3 013.8(5人) 7着 1:48.7 (35.8) -1.2 的場均 57 フジヤマケンザン
0000.11.12 京都 トパーズS OP 芝2000m(良) 10 7 7 05.6(4人) 3着 2:01.2 (34.8) -0.3 四位洋文 56 ユウトウセイ
0000.12.10 阪神 ポートアイランドS OP 芝1600m(良) 16 4 8 04.4(2人) 10着 1:34.4 (35.3) -0.9 岸滋彦 55 ニホンピロプリンス
1996.01.07 京都 洛陽S OP 芝1600m(良) 16 4 8 015.3(5人) 4着 1:35.6 (36.4) -1.0 岸滋彦 55 フジワンマンクロス
0000.01.28 小倉 関門橋S OP 芝2000m(良) 9 6 6 04.8(3人) 2着 1:59.4 (34.5) -0.3 岸滋彦 56 トウカイサイレンス
0000.03.03 阪神 マイラーズC GII 芝1600m(良) 14 4 6 024.0(11人) 8着 1:34.3 (35.5) -0.8 岸滋彦 57 ニホンピロプリンス
0000.03.17 中京 中京記念 GIII 芝2000m(稍) 16 3 6 012.5(9人) 9着 2:03.0 (36.7) -0.8 岸滋彦 54 イナズマタカオー
0000.04.20 京都 栗東S OP 芝1800m(良) 15 3 4 019.6(6人) 12着 1:48.1 (36.4) -1.9 岸滋彦 54 オースミタイクーン
0000.05.04 京都 オーストラリアT OP 芝1600m(良) 17 1 1 064.1(11人) 9着 1:34.8 (35.2) -0.6 岸滋彦 55 メイショウユウシ
0000.05.25 中京 テレビ愛知オープン OP 芝1800m(良) 16 7 14 044.3(11人) 3着 1:48.0 (34.9) -0.7 岸滋彦 56 メイショウユウシ
0000.06.09 中京 金鯱賞 GII 芝2000m(良) 13 2 2 040.9(10人) 4着 2:02.6 (36.7) -1.2 石橋守 57 フジヤマケンザン
0000.07.21 小倉 北九州記念 GIII 芝1800m(良) 13 7 10 011.8(7人) 10着 1:48.8 (35.2) -0.6 岸滋彦 54 マジックキス
0000.08.11 小倉 小倉記念 GIII 芝2000m(良) 12 7 9 016.0(7人) 7着 2:01.7 (35.4) -1.0 岸滋彦 56 ヒシナタリー
0000.09.08 阪神 朝日チャレンジC GIII 芝2000m(良) 11 2 2 056.5(9人) 6着 2:00.2 (34.7) -0.7 岸滋彦 55 マーベラスサンデー
0000.10.06 新潟 秋野S OP 芝2000m(良) 14 1 1 010.3(3人) 7着 1:59.4 (36.0) -0.4 岸滋彦 56 トウカイタロー
0000.10.19 京都 カシオペアS OP 芝2000m(良) 11 4 4 024.9(6人) 5着 2:00.5 (34.5) -1.0 岸滋彦 56 メジロスズマル
0000.11.02 京都 大原S OP 芝2000m(良) 12 3 3 013.0(6人) 6着 1:59.2 (34.0) -0.5 岸滋彦 54 プレイリークイーン
0000.11.16 東京 アルゼンチン共和国杯 GII 芝2500m(良) 18 4 7 050.0(14人) 1着 2:31.8 (35.7) -0.2 南井克巳 53 (トウカイパレス)
0000.12.22 中山 有馬記念 GI 芝2500m(良) 14 1 1 071.8(13人) 13着 2:37.2 (38.7) -3.4 南井克巳 56 サクラローレル
1997.03.01 中山 ブラッドストーンS OP 芝2200m(良) 8 7 7 07.4(3人) 1着 2:16.2 (35.9) -0.4 的場均 57 (インターフラッグ)
1998.01.11 京都 洛陽S OP 芝1600m(良) 15 5 9 015.0(7人) 14着 1:35.9 (34.6) -0.8 武豊 58 ホッコービューティ
0000.01.25 京都 日経新春杯 GII 芝2400m(良) 16 1 2 035.9(7人) 10着 2:27.8 (36.6) -1.5 O.ペリエ 54 エリモダンディー
0000.02.21 東京 ダイヤモンドS GIII 芝3200m(稍) 16 3 6 056.4(14人) 12着 3:19.6 (36.3) -2.0 的場均 55 ユーセイトップラン
0000.05.02 東京 メトロポリタンS OP 芝2300m(良) 8 3 3 029.0(6人) 8着 2:20.1 (35.7) -1.7 石橋守 58 サンデーカイザー
0000.05.23 中京 エメラルドS OP 芝2500m(良) 9 8 8 035.4(6人) 7着 2:32.5 (35.3) -1.0 福永祐一 58 サンデーカイザー
0000.06.06 中京 テレビ愛知オープン OP 芝1800m(良) 15 7 12 104.5(13人) 12着 1:47.9 (35.6) -1.2 石橋守 58 アンブラスモア
0000.06.21 阪神 鳴尾記念 GII 芝2000m(不) 14 7 11 210.3(9人) 10着 2:05.5 (38.3) -1.9 石橋守 58 サンライズフラッグ

引退後

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種牡馬入りしたものの活躍馬を出せないまま種牡馬登録を抹消され、はじめはオーナーの雑古とつながりがあった越田牧場で功労馬として繋養[6][10]、のち2010年4月北海道浦河町うらかわ優駿ビレッジAERU中山大障害優勝馬ケイティタイガーとともに移動[11]2011年3月からは[12]同年4月にオープンする乗馬クラブ及び引退馬牧場のホースガーデンしらおいで余生を送っていたが、2016年4月7日に病気のため死亡した[2]

血統表

[編集]
エルウェーウィン血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 ニジンスキー系
[§ 2]

Caerleon
1980 鹿毛
父の父
Nijinsky II
1967 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Flaming Page Bull Page
Flaring Top
父の母
Foreseer
1969 黒鹿毛
Round Table Princequillo
Knight's Daughter
Regal Gleam Hail to Reason
Miz Carol

Rustic Lace
1981 芦毛
Rusticaro
1975 芦毛
Caro *フォルティノ
Chambord
Rustica Ribot
Ruthin
母の母
Lacy Brief
1973 鹿毛
Roi Dagobert Sicambre
Dame d'Atour
Mizzen New Providence
Reply F-No.4-g
母系(F-No.) (FN:4-g) [§ 3]
5代内の近親交配 Bull Page4×5 [§ 4]
出典
  1. ^ [13]
  2. ^ [14]
  3. ^ [13]
  4. ^ [13][14]


脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 2006年2月にメジロマイヤー小倉大賞典で1457日ぶりの重賞勝利をして更新、その後、2010年にダンスインザモア福島記念で5年8か月ぶりに重賞を勝利して記録は更新されたが、メジロマイヤー、ダンスインザモアの両頭は間に勝利があるので、間に勝利をはさまない記録ではエルウェーウィンが最長であった。2021年にマカヒキ京都大賞典で間に勝利を挟まず5年28日ぶりに重賞を勝利してこの記録も更新された。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p エルウェーウィン(IRE)”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月15日閲覧。
  2. ^ a b エルウェーウィン死す 26歳”. 中央競馬実況中継 競馬実況web. 日経ラジオ社 (2016年4月7日). 2019年10月15日閲覧。
  3. ^ #関西競馬四季報93年秋 p. 357
  4. ^ #関西競馬四季報94年春 p. 568
  5. ^ a b 白石俊「RACING DATA BASE 第34回アルゼンチン共和国杯 (GII)」『優駿』、日本中央競馬会、1997年1月、150頁。 
  6. ^ a b エルウェーウィンを訪ねて~うらかわ優駿ビレッジAERU”. 競走馬のふるさと案内所 馬産地コラム. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月15日閲覧。
  7. ^ a b 「今月の記録室『エルウェーウィンがアルゼンチン共和国杯で3年11ヵ月ぶりの勝利』」『優駿』、日本中央競馬会、1997年1月、160-161頁。 
  8. ^ エルウェーウインの競走成績”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年10月15日閲覧。
  9. ^ エルウェーウイン 競走成績”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月15日閲覧。
  10. ^ 2003年12月 引退名馬 - 引退名馬、2016年4月7日閲覧
  11. ^ エルウェーウィンらが移動”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd. (2010年4月19日). 2019年10月12日閲覧。
  12. ^ 2011年3月 引退名馬 - 引退名馬、2016年4月7日閲覧
  13. ^ a b c エルウェーウィン(IRE) 血統情報:5代血統表”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2019年10月12日閲覧。
  14. ^ a b エルウェーエインの5代血統表”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年10月15日閲覧。

参考文献

[編集]
  • 「関西競馬四季報 1993秋季号」『競馬ブック』第14巻第3号、ケイバブック。 
  • 「関西競馬四季報 1994春季号」『競馬ブック』第15巻第1号、ケイバブック。 

外部リンク

[編集]