コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

科学少年J.Q

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

科学冒険まんがJQ』(かがくぼうけんまんがジェイキュー、原題:Jonny Quest)は、1964年から1965年までアメリカ合衆国ABCで放送されていたハンナ・バーベラ・プロダクション製作のテレビアニメである。放送後には続編の『The New Adventures of Jonny Quest』も製作され、1986年から1987年まで同国でシンジケーション番組として放送されていた。

日本では、1965年1月29日から同年9月24日までTBSとその系列局で『科学冒険まんがJQ[1]のタイトルで初放送(7月9日、7月23日、8月6日と、8月20日以降は再放送)。毎週金曜 19:30 - 20:00 (日本標準時)に雪印乳業(現在の雪印メグミルク)の一社提供で放送されていた[2]CSの普及後には、カートゥーン ネットワークの『BOOMERANG』枠で放送されることがあった。2004年11月19日にはワーナー・ホーム・ビデオより、TBS放送当時の吹替版を収録したDVD全4巻が『J.Q. ジョニー・クエスト』のタイトルで発売された(ただし一部の差別用語は差し替えられている)[3]。途中からTBS放送当時の吹替演出・脚本は、高桑慎一郎が、ビデオソフト版の吹替演出・脚本は、神南スタジオの創業者である藤山房伸がそれぞれ担当している。

物語の概要

[編集]

著名な科学者クエスト博士は、息子のJQ(ジョニー・クエスト)、助手のレース、ハジ、犬のバンディたちと世界各地を回りながら研究を続けている。博士の研究を奪おうとする各国スパイや、現地の人々を苦しめる悪人や組織に狙われては危機に陥るものの、助手のレースが強い味方となり、JQやハジたちも大活躍をして事件は解決する。

SFアニメであり、レーザー光線、巨大トカゲ、クモのようなロボット翼竜、全てのエネルギーを吸収して巨大化する電子怪獣など、さまざまな科学兵器や怪獣が登場する。エジプトのミイラが甦ったりヒマラヤの雪男が登場したりする怪奇物語風の回もある。一話完結型でさまざまな悪役が登場するが、ジン博士と名乗る中国人風の怪人は準レギュラー的な存在で、時おりJQたちに挑戦を仕掛けてくる。

キャラクター

[編集]
ベントン・クエスト博士
声 - ジョン・スティーブンソン(日本語吹き替え版 - 真木恭介(TV版)/ 家弓家正(ビデオソフト版)[4]
世界的な科学者で、何かを研究するために世界中を飛び回っている。ピンチになるが、JQたちに助けられる。
JQ
声 - ティム・マシスン(日本語吹き替え版 - 堀絢子(TV版) / 藤田淑子(ビデオソフト版)[4]
本名はジョニー・クエスト。クエスト博士のひとり息子。冒険好きで活発な少年。
レース・バノン少佐
声 - マイク・ロード(日本語吹き替え版 - 金内吉男(TV版) / 森功至(ビデオソフト版)[4]
博士の助手にして、JQの家庭教師兼ボディーガード。柔道を得意としており、飛行機や潜水艦の操縦もできる多才な男。
ハジ
声 - ダニー・ブラヴォー(日本語吹き替え版 - 北条美智留(TV版) / 三田ゆう子(ビデオソフト版)[4]
インド人の少年。クエスト博士がインドから連れてきた孤児で、賢く奇術・魔術を得意とする。JQの親友。
バンディ
声 - ドン・メシック
JQの飼っている小犬。ユーモラスで利口。
ジェイド
声 - キャシー・ルイス(日本語吹き替え版 - 不明(TV版))

各話リスト

[編集]

当時、TBS放送時とカートゥーン ネットワーク放送時で放送順が異なる。また、TBS放送時の邦題もDVD発売時の邦題と異なる。

話数
アメリカ合衆国の旗
話数
(TBS)
日本の旗
話数
(CN)
日本の旗
邦題
(TBS放送時)[8]
邦題
(DVD版)[9]
邦題
(VHS・LD版)[4][6][7]
原題 日本放送日[8] 米国放送日
1 1 3 殺人光線 殺人光線 海底怪人の謀略 The Mystery of the Lizard Men 1965年
1月29日
1964年
9月18日
2 2 5 消えたミサイル 消えたミサイル Arctic Splashdown 2月5日 9月25日
3 3 2 ミイラ出現 ミイラ出現 古代神殿の呪い The Curse of Anubis 2月12日 10月2日
4 4 7 クエスト博士危うし クエスト博士危うし Pursuit of the Po-Ho 2月19日 10月9日
5 5 4 怪奇ジン博士 怪奇ジン博士 Riddle of the Gold 2月26日 10月16日
7 6 6 殺人ガス 殺人ガス Calcutta Adventure 3月5日 10月30日
9 7 1 レース対にせレース レース対にせレース Double Danger 3月12日 11月13日
10 8 8 死の空中戦 死の空中戦 Shadow of the Condor 3月19日 11月20日
11 9 12 ドクロ船 ドクロ船 Skull and Double Crossbones 3月26日 11月27日
12 10 11 水素力潜水艦基地 水素力潜水艦基地 The Dreadful Doll 4月2日 12月4日
8 11 10 ロボット・スパイ ロボット・スパイ The Robot Spy 4月9日 11月6日
13 12 13 恐怖の小人族 恐怖のジャングル A Small Matter of Pygmies 4月16日 12月11日
14 13 14 孤島の竜 孤島の竜 Dragons of Ashida 4月23日 12月18日
15 14 15 大わしの秘密 大わしの秘密 スカイ・モンスターの襲撃 Turu the Terrible 4月30日 12月25日
16 15 17 火山島の不思議 火山島の不思議 The Fraudulent Volcano 5月7日 12月31日
6 16 9 地底の戦い 地底の戦い Treasure of the Temple 5月14日 10月23日
19 17 16 JQ漂流記 JQ漂流記 Attack of the Tree People 5月21日 1965年
1月21日
17 18 18 化け狼来襲 化け狼来襲 Werewolf of the Timberland 5月28日 1月7日
18 19 20 秘密兵器海底戦車 秘密兵器海底戦車 Pirates from Below 6月4日 1月14日
20 20 19 電子怪獣現わる 電子怪獣現る The Invisible Monster 6月11日 1月28日
21 21 21 悪魔の塔 悪魔の塔 The Devil's Tower 6月18日 2月4日
22 22 26 湖底のミサイル 湖底のミサイル ミサイル"Q"の謎 The Quetong Missile Mystery 6月25日 2月11日
23 23 22 謎の幽霊城 謎の幽霊城 The House of Seven Gargoyles 7月2日 2月18日
24 24 23 大怪獣作戦 大怪獣戦 Terror Island 7月16日 2月25日
25 25 24 雪男の怪 雪男の怪 Monster in the Monastery 7月30日 3月4日
26 26 25 幽霊船の海竜 幽霊船の海竜 The Sea Haunt 8月13日 3月11日
本放送の中で再放送された回は、以下の通り。[8]
  • 「殺人光線」(1965年7月9日放送)
  • 「消えたミサイル」(1965年7月23日放送)
  • 「殺人ガス」(1965年8月6日放送)
  • 「死の空中戦」(1965年8月20日放送)
  • 「水素力潜水艦基地」(1965年8月27日放送)
  • 「大わしの秘密」(1965年9月3日放送)
  • 「秘密兵器海底戦車」(1965年9月10日放送)
  • 「JQ漂流記」(1965年9月17日放送)
  • 「ロボット・スパイ」(1965年9月24日放送、最終回)

放送局

[編集]

★印参照:『昭和ちびっこ広告手帳 : 東京オリンピックからアポロまで』青幻舎、2009年4月20日、190頁。ISBN 9784861521812 

主題歌

[編集]
「JQ」
作詞 - 前田武彦 / 作曲 - 三保敬太郎 / 歌 - 坂本九
この曲にはカバー版が多数存在する、現時点で確認できるのは、堀絢子版、小西浩版、シルバー・レックス版の3種類である。
坂本の音源はレコード・CD化されていないため視聴は困難だが、テレビ放送当時はJQ役の堀絢子が「僕、JQです!」という台詞からオープニングが始まっていた。
この主題歌は本放送のみで、再放送ではオリジナル版が使用された(ソフトやカートゥーン ネットワークも同様)。

レコード

[編集]
  • ソノシートドラマ「冒険まんがJQ 『殺人光線の巻』」(出版 - コダマプレス、品番 - KS-172、歌 - 堀絢子、演奏 - 植田ヨシヤス、スイング・ウエスト)
  • ソノシートドラマ「冒険まんがJQ 『ロボットスパイ』」(出版 - コダマプレス、品番 - KS-174、歌 - シルバーレックス)
  • ビクターミュージックブック「テレビ漫画大行進」(出版 - ビクター音楽出版、品番 - MB-135、歌 - 小西浩)
  • フォノシート「テレビマンガのうた 現代フォノグラフ5」(出版 - 現代芸術社、品番 - DM5-1、歌手 - 不明)

続編作品

[編集]

テレビ作品

[編集]
The New Adventures of Jonny Quest
アメリカ合衆国で1986年9月14日から1987年3月1日までTNTで放送されたテレビアニメ。日本では未放送だが、第4話「新たなパートナー(Deadly Junket)」は『トムとジェリー スパイ・クエスト』のDVDに映像特典で日本語字幕版が収録されている。
The Real Adventures of Jonny Quest
アメリカ合衆国で1996年8月26日から1997年4月16日までカートゥーン ネットワークで放送されたテレビアニメ。日本では未放送。
ジェリーストーン!(Jellystone!)
アメリカ合衆国で2021年7月29日からHBO Maxで配信されているストリーミングアニメ。日本では2022年6月4日よりカートゥーン ネットワークにて放送開始。この作品ではハンナ・バーベラの仲間たちが登場しており、JQとハジも登場している。

映画作品

[編集]
JQ 黄金仮面の謎(Jonny's Golden Quest)
1992年に製作されたアニメ映画、アメリカ合衆国では1993年4月4日USAネットワークで放送された。日本では2002年にカートゥーン ネットワークで放送。
Jonny Quest vs. The Cyber Insects
テレビ向けに製作されたアニメ映画、アメリカ合衆国では1995年11月19日にTNTで放送、日本では未放送。
  • 声の出演
    • JQ - ケビン・スメッツ
    • クエスト博士 - ドン・メシック
    • バンディット - ドン・メシック
    • ハジ - ロブ・ポールセン
    • ジェシー - アンディ・マカフィー
    • ジン博士 - ジェフリー・タンバー
トムとジェリー スパイ・クエスト(Tom and Jerry:Spy Quest)
アメリカ合衆国で2015年6月9日に公開されたアニメ映画、日本では2015年7月15日よりDVDが発売された。本作はトムとジェリーとのコラボ作品。

脚注

[編集]
  1. ^ [1]
  2. ^ 『昭和ちびっこ広告手帳 : 東京オリンピックからアポロまで』青幻舎、2009年4月20日、190頁。ISBN 9784861521812 
  3. ^ そのため、1991年9月1日には日本コロムビアより、ビデオソフトの吹替版を収録したVHS全3巻で発売された『ジョニー・クエスト』でも、一部の差別用語が用いられていない。
  4. ^ a b c d e f VHS「ジョニー・クエスト」(品番 - COVC-4050、1991年9月1日発売)
  5. ^ 『朝日新聞(東京版)』 1965年2月12日、4月2日、4月9日、6月4日、6月18日、7月9日、7月16日、7月30日、8月6日、8月20日、9月17日付夕刊 テレビ欄。
  6. ^ a b 「ジョニー・クエスト 海底怪人の謀略/古代神殿の呪い」より(発売日:不明、型番:OCLC-3024、販売元:日本コロムビア)
  7. ^ a b c 「ジョニー・クエスト スカイ・モンスターの襲撃/ミサイル"Q"の謎」より(発売日:不明、型番:OCLC-3025、販売元:日本コロムビア))
  8. ^ a b c 『朝日新聞(東京版)』 1965年1月29日-1965年9月24日付朝刊 テレビ欄。
  9. ^ 「J.Q. コレクターズ・ボックス」(型番:SD-47、発売日:2004年11月19日、販売元:ワーナー・ホーム・ビデオ)

外部リンク

[編集]
TBS系列 金曜19:30枠
前番組 番組名 次番組
青年同心隊
(1964年10月30日 - 1965年1月22日)
科学少年J.Q
(1965年1月29日 - 1965年9月24日)
ゴールデン・ショー ビクター夢のスタジオ
(1965年10月1日 - 1966年4月29日)