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ドーグリー文字

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ドーグリー文字
類型: アブギダ
言語: ドーグリー語
親の文字体系:
Unicode範囲: U+11800..U+1184F
ISO 15924 コード: Dogr
注意: このページはUnicodeで書かれた国際音声記号 (IPA) を含む場合があります。
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ドーグリー文字またはドーグラー文字は、インドジャンムー一帯で話されるドーグリー語を表記するために用いられていたブラーフミー系文字タークリー文字を改良したものである。

現在ドーグリー語はデーヴァナーガリーで表記される。

概要

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ドーグリー語はジャンムー一帯で話されるインド・アーリア語派の言語である。かつてはパンジャーブ語の「方言」と考えられていたが、パンジャーブ語よりも西パハール語群に近いとも言われる[1]。音声的にはパンジャーブ語と同様に声調があるが、パンジャーブ語と異なって有声帯気音が消滅していない[2]。政治的にはパンジャーブ地方と独立しており、宗教もヒンドゥー教徒が多数を占める[3]

ドーグリー語はタークリー文字で表記されていたが、ジャンムー・カシュミール藩王国の支配者であったランビール・シングによって1860年代にデーヴァナーガリーグルムキー文字の影響を受けて文字の改良が行なわれ、公式の文字として制定された。これがドーグリー文字である。1872年にはこの文字による最初の書籍が出版された[4]

現在ドーグリー語の公式の表記にはデーヴァナーガリーが採用されている[5]

Unicode

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2018年のUnicodeバージョン11で、追加多言語面のU+11800..U+1184Fに追加された[6][7]

Unicodeではドーグラーの語を採用している。この文字を公式に制定したジャンムー・カシミールのドーグラー朝の名前に通ずること、現代のドーグリー語がもはやこの文字で書かれていないことを理由としている[4]

Dogra[8]
  0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F
U+1180x 𑠀 𑠁 𑠂 𑠃 𑠄 𑠅 𑠆 𑠇 𑠈 𑠉 𑠊 𑠋 𑠌 𑠍 𑠎 𑠏
U+1181x 𑠐 𑠑 𑠒 𑠓 𑠔 𑠕 𑠖 𑠗 𑠘 𑠙 𑠚 𑠛 𑠜 𑠝 𑠞 𑠟
U+1182x 𑠠 𑠡 𑠢 𑠣 𑠤 𑠥 𑠦 𑠧 𑠨 𑠩 𑠪 𑠫 𑠬 𑠭 𑠮 𑠯
U+1183x 𑠰 𑠱 𑠲 𑠳 𑠴 𑠵 𑠶 𑠷 𑠸 𑠹 𑠺 𑠻
U+1184x

脚注

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  1. ^ Masica (1993) pp.19-20,454,460
  2. ^ Masica (1993) p.102
  3. ^ Shackle (2007) p.585
  4. ^ a b Anshuman Pandey (2015-11-04), Proposal to encode the Dogra script in Unicode, https://www.unicode.org/L2/L2015/15234r-dogra.pdf 
  5. ^ Masica (1993) p.144
  6. ^ Supported Scripts, Unicode, Inc., https://www.unicode.org/standard/supported.html 
  7. ^ Unicode 11.0.0, Unicode, Inc., (2018-06-05), https://www.unicode.org/versions/Unicode11.0.0/ 
  8. ^ Dogra, Unicode, Inc, https://www.unicode.org/charts/PDF/U11800.pdf 

参考文献

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  • Masica, Colin (1993) [1991]. The Indo-Aryan languages (paperback ed.). Cambridge University Press. ISBN 0521299446 
  • Shackle, Christopher (2007) [2003]. “Panjabi”. In George Cardona; Dhanesh Jain. The Indo-Aryan Languages. Routledge. pp. 581-621. ISBN 9780415772945 

外部リンク

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