ドーグリー文字
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ドーグリー文字 | |
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類型: | アブギダ |
言語: | ドーグリー語 |
親の文字体系: | |
Unicode範囲: | U+11800..U+1184F |
ISO 15924 コード: | Dogr |
注意: このページはUnicodeで書かれた国際音声記号 (IPA) を含む場合があります。 |
ブラーフミー系文字 |
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ブラーフミー 前6世紀-前3世紀- |
ドーグリー文字またはドーグラー文字は、インドのジャンムー一帯で話されるドーグリー語を表記するために用いられていたブラーフミー系文字。タークリー文字を改良したものである。
現在ドーグリー語はデーヴァナーガリーで表記される。
概要
[編集]ドーグリー語はジャンムー一帯で話されるインド・アーリア語派の言語である。かつてはパンジャーブ語の「方言」と考えられていたが、パンジャーブ語よりも西パハール語群に近いとも言われる[1]。音声的にはパンジャーブ語と同様に声調があるが、パンジャーブ語と異なって有声帯気音が消滅していない[2]。政治的にはパンジャーブ地方と独立しており、宗教もヒンドゥー教徒が多数を占める[3]。
ドーグリー語はタークリー文字で表記されていたが、ジャンムー・カシュミール藩王国の支配者であったランビール・シングによって1860年代にデーヴァナーガリーやグルムキー文字の影響を受けて文字の改良が行なわれ、公式の文字として制定された。これがドーグリー文字である。1872年にはこの文字による最初の書籍が出版された[4]。
現在ドーグリー語の公式の表記にはデーヴァナーガリーが採用されている[5]。
Unicode
[編集]2018年のUnicodeバージョン11で、追加多言語面のU+11800..U+1184Fに追加された[6][7]。
Unicodeではドーグラーの語を採用している。この文字を公式に制定したジャンムー・カシミールのドーグラー朝の名前に通ずること、現代のドーグリー語がもはやこの文字で書かれていないことを理由としている[4]。
Dogra[8] | ||||||||||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | A | B | C | D | E | F | |
U+1180x | 𑠀 | 𑠁 | 𑠂 | 𑠃 | 𑠄 | 𑠅 | 𑠆 | 𑠇 | 𑠈 | 𑠉 | 𑠊 | 𑠋 | 𑠌 | 𑠍 | 𑠎 | 𑠏 |
U+1181x | 𑠐 | 𑠑 | 𑠒 | 𑠓 | 𑠔 | 𑠕 | 𑠖 | 𑠗 | 𑠘 | 𑠙 | 𑠚 | 𑠛 | 𑠜 | 𑠝 | 𑠞 | 𑠟 |
U+1182x | 𑠠 | 𑠡 | 𑠢 | 𑠣 | 𑠤 | 𑠥 | 𑠦 | 𑠧 | 𑠨 | 𑠩 | 𑠪 | 𑠫 | 𑠬 | 𑠭 | 𑠮 | 𑠯 |
U+1183x | 𑠰 | 𑠱 | 𑠲 | 𑠳 | 𑠴 | 𑠵 | 𑠶 | 𑠷 | 𑠸 | 𑠹 | 𑠺 | 𑠻 | ||||
U+1184x |
脚注
[編集]- ^ Masica (1993) pp.19-20,454,460
- ^ Masica (1993) p.102
- ^ Shackle (2007) p.585
- ^ a b Anshuman Pandey (2015-11-04), Proposal to encode the Dogra script in Unicode
- ^ Masica (1993) p.144
- ^ Supported Scripts, Unicode, Inc.
- ^ Unicode 11.0.0, Unicode, Inc., (2018-06-05)
- ^ Dogra, Unicode, Inc
参考文献
[編集]- Masica, Colin (1993) [1991]. The Indo-Aryan languages (paperback ed.). Cambridge University Press. ISBN 0521299446
- Shackle, Christopher (2007) [2003]. “Panjabi”. In George Cardona; Dhanesh Jain. The Indo-Aryan Languages. Routledge. pp. 581-621. ISBN 9780415772945
外部リンク
[編集]- 『ドーグリー』地球ことば村・世界の文字 。