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ハンナ・バーベラ・プロダクション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ハンナ・バーベラから転送)
Hanna-Barbera Cartoons, Inc.
以前の社名
  • H-B Enterprises, Inc. (1957–1959)
  • Hanna-Barbera Productions, Inc. (1959–1991)
  • Hanna-Barbera, Inc. (1991–1992)
  • H-B Production Co. (1992–1993)
  • Hanna-Barbera Cartoons, Inc. (1993–2001)
元の種類
業種
その後 Absorbed into Warner Bros. Animation
前身 MGM Cartoons
後継
設立 1957年7月7日 (67年前) (1957-07-07)
創業者
解散 2001年3月12日 23年前 (2001-03-12)
本社
製品
  • Theatrical feature films
  • Television films
  • Television series
  • Theatrical short films
  • Commercials
  • Direct-to-video entries
  • Specials
所有者
親会社
  • Taft Broadcasting (1966–1987)
  • Great American Broadcasting (1987–1991)
  • Turner Entertainment Co. (1993–1996)
  • Warner Bros. Animation (1996–2001)
部門

ハンナ・バーベラ(Hanna-Barbera)は、かつてメトロ・ゴールドウィン・メイヤー(MGM)で『トムとジェリー』を制作したウィリアム・ハンナジョセフ・バーベラ1957年7月7日に設立した、アメリカ合衆国アニメーション制作会社。

2001年ワーナー・ブラザース・アニメーションに吸収され、消滅した。2021年4月7日カートゥーン ネットワーク・スタジオ・ヨーロッパ英語版は、ハンナ・バーベラ・スタジオ・ヨーロッパとしてブランドを変更して名称を復活させると発表した[1]AT&Tによるワーナーメディアのスピンオフによってワーナー・ブラザース・ディスカバリーが設立され、ディスカバリーと合併した後、カートゥーン ネットワーク・スタジオとワーナー・ブラザース・アニメーションは、ワーナー・ブラザース・テレビジョンによる再編の一環として開発チームと制作チームを統合し、オードリー・ディールがキッズとファミリーを監督し、ピーター・ジラルディが大人向けアニメーションを監督し、サミー・パールマッターが長編アニメーションを監督した。

沿革

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創業とヒット作

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1957年7月7日、MGMのアニメーション部門の監督だったウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラの個人事業としてH-B エンタープライズ(H-B Enterprises)が設立された。テレビコマーシャルなどのフリーランスの仕事をMGMのアニメ制作の片手間に行っていた。1957年5月15日にMGMがアニメーションスタジオを閉鎖しアニメーターが解雇されると、ハンナとバーベラは H-B エンタープライズを拠り所にして再出発した。

彼らは独自のテレビ向けアニメーションなどを制作し、1960年ハンナ・バーベラ・プロダクションと社名変更した。30年以上にわたり、ハンナ・バーベラ・プロダクションは『原始家族フリントストーン』、『宇宙家族ジェットソン』、『珍犬ハックル(ハックルベリー・ハウンド)』、『クマゴロー(ヨギ・ベア)』、『JQ(ジョニー・クエスト)』、『弱虫クルッパー(スクービー・ドゥー)』、『森のスマーフ』などの人気シリーズを制作し、そのいくつかはアメリカン・ポップカルチャーの象徴的存在となった。

ターナー傘下とカートゥーン ネットワーク

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1991年、ハンナ・バーベラ・プロダクションはCNNの創業者テッド・ターナーが率いるターナー・ブロードキャスティング・システムの出資を受けた。これにより、既に過去のワーナー・ブラザースやMGMの短編アニメ映画のライブラリを所有していたターナーはハンナ・バーベラのアニメも手に入れ、アニメーションのライブラリをさらに増やすことができた。これらは翌1992年に開局した新しいケーブルテレビチャンネル、カートゥーン ネットワークの基礎となった。1992年にはハンナ・バーベラは社名をH-B プロダクション・カンパニー(H-B Production Company)に、1993年にはハンナ・バーベラ・カートゥーン(Hanna-Barbera Cartoons)に変更したが、アニメーション制作は続行した。ただしウィリアム・ハンナとジョセフ・バーベラは半分引退し、新作制作にはたまに関与するものの、もっぱらスタジオの顔としての活動を行っていた。

1990年代後半を通じ、ターナーはハンナ・バーベラの第一の活動目標をカートゥーン ネットワークのための新作制作へと変えた。1994年にはハンナ・バーベラの子会社として、カートゥーン ネットワーク向けの新作を制作するカートゥーン ネットワーク・スタジオ(Cartoon Network Studios)が設立され、『パワーパフガールズ』(The Powerpuff Girls)などの制作にあたった。

吸収合併

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1996年、ターナー・ブロードキャスティング・システムがタイム・ワーナー(現:ワーナー・ブラザース・ディスカバリー)に買収され、2001年3月22日にウィリアム・ハンナが没すると、ハンナ・バーベラはワーナー・ブラザースのアニメーション子会社、ワーナー・ブラザース・アニメーション(Warner Bros. Animation)へ吸収され、消滅した。ジョセフ・バーベラは2006年12月18日に没するまでワーナー・ブラザース・アニメーションの象徴として在籍し続けた。

「ハンナ・バーベラ」のブランドは現在、ワーナー・ブラザース・アニメーションのライブラリ資産の名称や、過去の作品(『フリントストーン』『スクービー・ドゥー』『ジョシー・アンド・ザ・プッシーキャッツ』)をワーナー・ブラザースが実写映画化する際の宣伝用としてのみ使われている。

一方、カートゥーン ネットワーク・スタジオは、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーのグループ企業ながらワーナー・ブラザース・テレビジョン・スタジオの下で存続しており、現在もカートゥーン ネットワークのために『ビリー&マンディ』(The Grim Adventures of Billy and Mandy)や『サムライジャック』(Samurai Jack)などを制作している。

日本での人気

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1960年代前半の日本では、国産テレビアニメ黎明期であったことから、ハンナ・バーベラ・プロダクション制作作品を日本語吹き替えしたものがテレビで毎日のように放送されていた。これらのほとんどは、音響監督高桑慎一郎によって日本独自の邦題とコミカルな歌詞の主題歌が付けられローカライズされた[2]1990年頃には日本コロムビアがバーベラと提携し、ソフト販売を行った[注 3]。この際に使用された吹替版は『チキチキマシン』シリーズを除いて高桑を再登板させて制作した新録版となっており、キャラクターの名前などは原語版に沿った物になっている[6]2018年1月30日にサービスが開始するライブ配信サービスのdTVチャンネルにて「ブーメラン」としてチャンネルが開局され、2022年3月31日まで、ハンナ・バーベラ・プロダクション制作作品が放送された。2022年11月13日にカートゥーン ネットワークでハンナ・バーベラ・プロダクション制作作品における地上波放映時の日本語吹き替えを再開した。

作品一覧

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括弧内は日本放映時の邦題。

1957年 - 1969年

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1957年
1958年
1959年
1960年
1961年
1962年
1963年
  • Peter Potamus(かばのガバチョ
  • Yippee, Yappee and Yahooey(イッピー・ヤッピー・ヤッホー)
1964年
  • The Adventures of Jonny Quest(J.Q.
  • Breezly & Sneezly(ブリーズリとスニーズリ)
  • The Magilla Gorilla Show(ゴリラのゴンちゃん
  • Punkin' Puss and Mushmouse
  • Richochet Rabbit & Droop-a-long
1965年
1966年
1967年
1968年
1969年

1970年代

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1970年
1971年
1972年
  • The Amazing Chan and the Chan Clan(分隊のすごいチャン)
  • Inch-High Private Eye(ビチ探偵の大冒険
  • Josie and the Pussycats in Outer Space(ピッピーの宇宙大冒険)→『ドラドラ子猫とチャカチャカ娘』の続編
  • The New Scooby-Doo Movies(スクービードゥーの映画)
  • Roman Holidays(ローマの祝日)
  • Sealab 2020(シーラブ2020)
  • Wait Till Your Father Gets Home(おやじ天国)
1973年
  • The Addam's Family(アダムス・ファミリー)
  • Butch Cassidy and the Sundance Kids(やったぜムキムキ大作戦)
  • Goober and the Ghost Chasers(幽霊冒険のグーバー)
  • Jeannie(ジニー)
  • Peter Puck
  • Speed Buggy(爆走バギー大レース
  • Super Friends(スーパーフレンズ
  • Yogi's Gang(クマゴローの大冒険)
1974年
  • Devlin(デヴリン)
  • Hong Kong Phooey(ほえよ!0011)、秘密指令0011というタイトル有り
  • Partridge Family, 2200 A.D.(パートリッジファミリー、西暦2200年)
  • These Are the Days
  • Valley of the Dinosaurs(原始恐竜時代)
  • Wheelie and the Chopper Bunch(爆走クルマくん)
1975年
1976年
1977年
  • The All-New Super Friends Hour
  • Blast-Off Buzzard
  • Heyyyy It's the King(変身ジャンボと冒険トリオ)
  • C.B. Bears(いたずら動物天国)
  • The Gathering(クリスマス・ツリー)
  • Posse Impossible
  • The Robonic Stooges
  • Captain Caveman and the Teen Angels(ムクムクおやじとゴーゴー娘
  • Scooby's All Star Laff-A-Lympics(まんがオールスター おもしろオリンピック)
  • Shake, Rattle, and Roll
  • Undercover Elephant
  • Wonder Wheels
1978年
  • Buford and the Galloping Ghost
  • Buford Files
  • Challenge of the Superfriends
  • Dinky Dog
  • Godzilla - 日本の特撮映画『ゴジラシリーズ』のアニメ版
  • Galaxy Goof-Ups
  • Galloping Ghost
  • The Godzilla Show
  • Jana of the Jungle
  • Kiss Meets the Phantom of the Park(地獄の復活)
  • Yogi's Space Race(クマゴローの宇宙珍パトロール) - 『クマゴローの宇宙猛レース』というタイトルも有り
1979年
  • Casper and the Angels(ハンナ・バーベラ版キャスパー
  • C.H.O.M.P.S.(メカドッグ・ラスカル)
  • The New Shmoo
  • Scooby-Doo and Scrappy-Doo(スクービー&スクラッピードゥー)
  • The Super Globetrotters
  • The Thing
  • The World's Greatest Superfriends

1980年代

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1980年
1981年
  • Astro and the Space Mutts
  • The Bungle Brothers
  • Crazy Claws
  • Dirty Dawg
  • The Kwicky Koala Show
  • Laverne and Shirley
  • Laverne and Shirley In the Army
  • Popeye and Son(ポパイ&サン)
  • Space Stars
  • Teen Force
  • Trollkins
1982年
  • The Gary Coleman Show
  • Jokebook
  • Laverne and Shirley with the Fonz
  • The Little Rascals
  • Mork and Mindy
  • Pac-Man
  • The Pac-Man Show
  • The Puppy's New Adventures
  • Shirt Tales
1983年
  • The All-New Scooby and Scrappy-Doo Show
  • Biskitts
  • The Dukes
  • Monchichis(モンチッチ
  • The Puppy's Further Adventures
1984年
1985年
1986年
  • The 13 Ghosts of Scooby-Doo
  • Captain Caveman and Son
  • Dino's Dilemmas
  • The Flintstone Kids
  • Foofur
  • Pound Puppies
  • Smurfs Adventures
  • Wildfire
1987年
1988年
  • The Completely Mental Misadventures of Ed Grimly
  • Fantastic Max
  • The Further Adventures of Superted
  • The New Yogi Bear Show
  • A Pup Named Scooby-Doo
1989年

1990年 - 2001年

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1990年
  • The Adventures of Don Coyote
  • Fender Bender 500(新チキチキマシン猛レース ケンケンのフェンダー・ベンダー500)
  • Monster Tails
  • Tom and Jerry Kids(トムとジェリーキッズ
  • Wake, Rattle, and Roll
  • Yo Yogi!
1991年
  • Midnight Patrol: Adventures in the Dream Zone
  • The Pirates of Dark Water
  • Timeless Tales from Hallmark
  • Young Robin Hood
1992年
  • The Addams Family
  • Capital Critters
  • Fish Police
1993年
1994年
  • Space Ghost Coast to Coast
  • The What a Cartoon! Show
1995年
  • Daisy-Head Mayzie
  • Dumb and Dumber
  • The New Adventures of Captain Planet
1996年
  • Cave Kids Adventures
  • Jonny Quest: The Real Adventures(JQ)
  • Dexter's Laboratory(デクスターズラボ
  • Dial M for Monkey(スーパーモンキー)
  • Justice Friends(ジャスティスフレンズ)
1997年
1998年
2000年
  • Whatever Happened to Robot Jones?

2002年以降

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2017年
2022年

子会社

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関連項目

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脚注

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注釈

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  1. ^ ディスカバリーチャンネルアニマルプラネットカートゥーン ネットワークMONDO TV旅チャンネルムービープラス女性チャンネル♪LaLa TV
  2. ^ 2022年4月現在、ターナージャパンも含むターナー・ブロードキャスティング・システムの資産はワーナー・ブラザース・ディスカバリー(WBD)が所有し、同年6月22日ワーナーメディア・ジャパンは、ディスカバリー・ジャパンと統合し、ワーナーブラザース・ディスカバリー・ジャパンとして新体制に移行した[3]。2023年8月1日、ディスカバリー・ジャパンは旧ワーナー系のターナージャパンとJCOMが運営していたジュピターエンタテインメントを統合。計7チャンネル[注 1]を運営することになった[4][5]2024年、Discovery Japan ディスカバリージャパン/ディスカバリーチャンネルの公式サイトにおいては、ディスカバリーのロゴマークからワーナー・ブラザース・ディスカバリーのロゴマークに変更した。同年9月10日、日本のカートゥーン ネットワークのHPが変更され、ディスカバリー・ジャパンのHPにリンクされる形となった。これにより、日本のカートゥーン ネットワークのHP内「お問い合わせフォーム」及びお客様向けにご案内していたお問い合わせメール「cnjpinfo@cartoonnetwork.jp」の運⽤を終了し、日本のカートゥーン ネットワークのHP内「番組基準」も公表しなくなり、日本コロムビアにおけるハンナ・バーベラ・プロダクション制作作品のソフト販売提携を終了することとなった。
  3. ^ ただし、日本コロムビアにおける一部のハンナ・バーベラ・プロダクション制作作品のソフト販売によっては「ターナー・ホーム・エンターテイメント・インターナショナル英語版」レーベル及び「ターナー・ピクチャーズ・ワールドワイド・ディストリビューション英語版」レーベルとして取り扱っているため、2023年8月1日までの提供はターナージャパンが担当していた。これは、2019年1月1日にターナージャパンがターナー・エンタテインメント・ジャパン・ホールディングスを吸収合併したからである[注 2]

出典

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  1. ^ Ramachandran, Naman (2021年4月7日). “WarnerMedia Reinstates Iconic Hanna-Barbera Brand With London-based European Studio” (英語). Variety. 2021年4月7日閲覧。
  2. ^ ハンナ・バーベラ歴代アニメの主題歌は、2002年4月24日に『ハンナ・バーベラ同窓会[トムとジェリー~チキチキマシン猛レース]』としてCDが発売されたため、現在のハンナ・バーベラ歴代アニメの主題歌における音楽制作は、ワーナーミュージック・ジャパンが担当している。
  3. ^ WBDiscoveryより新体制のご案内”. ワーナーブラザース・ディスカバリー・ジャパン (2022年6月22日). 2022年7月1日閲覧。
  4. ^ J:COMとワーナー・ブラザース・ディスカバリーが日本での戦略的提携を拡大ディスカバリーチャンネル、アニマルプラネット、カートゥーン ネットワーク、MONDO TV、旅チャンネル、ムービープラスおよびLala TVの7チャンネルを合弁会社で一括運営へ”. JCOM株式会社 (2023年8月8日). 2023年8月16日閲覧。
  5. ^ JCOM、米ワーナーと提携拡大 「放送+配信」模索”. 日本経済新聞 (2023年8月8日). 2023年8月16日閲覧。
  6. ^ 今の子供はカタカナの方が馴染み易いという判断による物である。なお、『クマゴロー』『宇宙家族』『原始家族』『どら猫大将』の4作に関しては後にテレビ放送時の音源を使用したVHSソフトが発売されている。

外部リンク

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