コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

バリモスニセイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
バリモスニセイ
欧字表記 Ballymoss Nisei
品種 サラブレッド
性別
毛色 鹿毛
生誕 1961年4月28日
死没 1979年12月28日(18歳没・旧19歳)
バリーモス
ブラツクビー
母の父 ハニーウェイ
生国 日本の旗 日本北海道門別町
生産者 マルタケ牧場
馬主 小杉咲枝
調教師 諏訪佐市中京
競走成績
生涯成績 38戦10勝
獲得賞金 2950万4450円
テンプレートを表示

バリモスニセイとは日本競走馬である。母ブラツクビーの持ち込みで、名前は父バリモスより。

来歴

[編集]

諏訪真[1]が38戦すべてで騎手を務めた。

初勝利は1963年12月22日の新馬阪神競馬場、以下阪神)。

1964年

[編集]

1964年皐月賞東京競馬場、以下東京)で、13番人気ながらもシンザンの4着と健闘。5月9日の70万円下(東京)を勝ち、5月31日に行われる東京優駿(東京)の出走権を獲得。しかし、同レースでは4番人気に支持されながらも7着に終った。10月25日に行われた朝日チャレンジカップ(阪神)では、52.5kgの恵量も手伝って重賞初勝利。その後、シンザンも出走した11月1日の京都杯(現在の京都新聞杯京都競馬場、以下京都)に連闘で駒を進め、シンザンに1馬身4分の1差をつけ重賞連覇。これは中央競馬史上最短間隔での重賞勝利である。なお、シンザンが生涯で重賞競走において敗戦した唯一の事例ともあいなった。その後、11月15日の菊花賞(京都)に出走したものの、道中折り合いを欠いて6着に終った。

1965年

[編集]

1965年、2月14日の第1回中日杯(現在の中日新聞杯中京競馬場)を勝ち重賞3勝目。その後2戦を経て、4月29日に行われた春の天皇賞(阪神[2])に出走。3着に入ったものの、勝ち馬のアサホコからは2.2秒も離された。その後、芝1850mの距離で行われた5月23日の阪急杯(阪神)において、1分53秒5のレコード勝ち、続く6月6日の鳴尾記念(阪神)でもアスカらを破って人気に応え、6月27日の宝塚記念(阪神)では、シンザンと対決。スタートで出遅れながらも、後方から直線で鋭く追い込み、何とかシンザンが半馬身差退けたものの、同馬に薄氷を踏む思いをさせる内容のレースを演じ2着に入った。しかし、その後は勝ちきれないレースが続いた。

1966年以降

[編集]

1966年、3月20日のサンケイ大阪杯(現在の産経大阪杯。阪神)において、1番人気のキーストンらを一蹴し、芝1900m、1分56秒4のレコード勝ち。続く4月17日のスワンステークス(京都)では、スタートからハナを奪い、カブトシローハクズイコウチトセオーダイコーターらを一蹴した。しかし、4月29日の春の天皇賞では競走除外となった。その後、9月18日の京阪杯(京都)では、61kgの斤量を背負いながらも、1番人気のワカクモらを破って重賞8勝目。この時点でシンザンと並ぶ、当時の中央競馬重賞勝利最多記録をマークしたが、同時にこれが最後の勝利となってしまった。その後、8戦するものの一度も3着以内に入れず、1967年6月4日の鳴尾記念(7着。阪神)が最後のレースとなった。

引退後は種牡馬入りし、1973年クイーンカップを制したキクノツバメを出したが、他に活躍馬は出なかった。1979年死亡。代表産駒のキクノツバメも障害転向後レース中に故障し予後不良となっており、現存する子孫は極めて僅かである。

競走成績

[編集]
年月日 競馬場 競走名

人気 着順 距離 タイム 騎手 着差 勝ち馬 / (2着馬)
1963 12. 8 阪神 3歳新馬 11 8 1人 2着 芝1400m(良) 1.28.5 諏訪真 -0.5秒 パテツク
12. 22 阪神 3歳新馬 12 12 1人 1着 芝1200m(良) 1.14.2 諏訪真 0.7秒 (ミスシヤングリラ)
1964 1. 26 中京 中京4歳S 8 7 1人 2着 ダ1700m(良) 1.48.2 諏訪真 -0.2秒 シバヒメ
3. 1 中京 4歳特別 4 4 1人 2着 ダ1700m(良) 1.49.8 諏訪真 -0.1秒 ヤマニンスーパー
3. 28 東京 春風賞 7 4 1人 6着 芝1700m(稍) 1.47.6 諏訪真 -1.3秒 サンダイヤル
4. 19 東京 皐月賞 24 12 13人 4着 芝2000m(良) 2.04.4 諏訪真 -0.3秒 シンザン
5. 9 東京 80万下 8 1 1人 1着 芝1600m(良) 1.36.9 諏訪真 0.1秒 (テンシユカク)
5. 31 東京 東京優駿 27 14 4人 7着 芝2400m(良) 2.30.1 諏訪真 -1.3秒 シンザン
9. 26 京都 平安S[3] 4 2 1人 2着 芝2000m(稍) 2.09.2 諏訪真 -0.3秒 ヤマブロンコ
10. 11 阪神 神戸杯 9 5 2人 3着 芝2000m(良) 2.04.9 諏訪真 -0.9秒 オンワードセカンド
10. 25 阪神 朝日チャレンジC 7 3 5人 1着 芝2000m(良) 2.05.7 諏訪真 1 1/2馬身 (パスポート)
11. 1 京都 京都杯 6 1 4人 1着 芝1800m(良) 1.51.9 諏訪真 1 1/4馬身 (シンザン)
11. 15 京都 菊花賞 12 6 5人 6着 芝3000m(稍) 3.15.1 諏訪真 -1.3秒 シンザン
1965 1. 3 京都 迎春賞 9 1 2人 3着 芝2000m(良) 2.05.6 諏訪真 -0.9秒 コウライオー
1. 17 京都 日本経済新春杯 10 9 4人 2着 芝2400m(良) 2.32.2 諏訪真 -0.5秒 オーヒメ
2. 14 中京 中日杯 9 9 1人 1着 ダ1800m(良) 1.53.5 諏訪真 1 1/4馬身 (シバヒメ)
3. 7 中京 中京記念 9 3 3人 4着 ダ2000m(良) 2.06.5 諏訪真 -1.0秒 パスポート
4. 11 阪神 スワンS 9 3 3人 2着 芝1800m(稍) 1.52.1 諏訪真 -0.3秒 アサホコ
4. 29 阪神 天皇賞(春) 7 1 4人 3着 芝3200m(不) 3.29.3 諏訪真 -2.2秒 アサホコ
5. 23 阪神 阪急杯 6 2 1人 1着 芝1850m(良) R1.53.5 諏訪真 1/2馬身 (ハイラー)
6. 6 阪神 鳴尾記念 7 7 1人 1着 芝2400m(良) 2.30.6 諏訪真 3/4馬身 (マスドール)
6. 27 阪神 宝塚記念 6 4 3人 2着 芝2000m(不) 2.06.4 諏訪真 -0.1秒 シンザン
10. 24 東京 京王杯オータムH 15 6 1人 6着 芝1800m(良) 1.49.4 諏訪真 -0.4秒 ソウリユウ
11. 6 東京 オープン 11 11 1人 2着 芝1600m(良) 1.38.7 諏訪真 -0.7秒 カブトシロー
11. 23 東京 天皇賞(秋) 12 4 5人 11着 芝3200m(良) 3.27.7 諏訪真 -5.0秒 シンザン
1966 2. 13 中京 中日新聞杯 10 5 4人 7着 ダ1800m(良) 1.55.2 諏訪真 -1.6秒 アオバ
3. 6 中京 中京記念 16 14 4人 6着 ダ2000m(良) 2.07.6 諏訪真 -1.4秒 アオバ
3. 20 阪神 サンケイ大阪杯 15 5 3人 1着 芝1900m(良) R1.56.4 諏訪真 3 1/2馬身 (ハツライオー)
4. 17 京都 スワンS 10 5 2人 1着 芝1800m(稍) 1.51.3 諏訪真 1 1/2馬身 (パワーラツスル)
4. 29 京都 天皇賞(春) 16 10 -  競走除外 芝3200m(良) - 諏訪真 - ハクズイコウ
9. 18 京都 京阪杯 6 6 2人 1着 芝1800m(不) 1.55.3 諏訪真 1/2馬身 (カツフジオー)
11. 26 中京 オープン 9 7 2人 9着 ダ1400m(良) 1.30.9 諏訪真 -3.9秒 タイシユウ
12. 10 阪神 オープン 17 7 1人 4着 芝1600m(良) 1.37.3 諏訪真 -0.5秒 キヨズキ
12. 25 中山 有馬記念 14 12 11人 14着 芝2500m(良) 2.41.3 諏訪真 -4.3秒 コレヒデ
1967 3. 26 阪神 サンケイ大阪杯 12 11 10人 10着 芝1900m(良) 1.57.0 諏訪真 -0.9秒 リユウフアーロス
4. 22 京都 オープン 13 8 5人 6着 芝1600m(良) 1.37.1 諏訪真 -1.4秒 ニホンピローエース
4. 29 京都 天皇賞(春) 13 5 10人 9着 芝3200m(稍) 3.27.4 諏訪真 -3.2秒 スピードシンボリ
5. 21 阪神 阪急杯 9 2 4人 6着 芝1900m(良) 1.55.6 諏訪真 -0.8秒 ニホンピローエース
6. 4 阪神 鳴尾記念 8 5 7人 7着 芝2400m(良) 2.29.8 諏訪真 -1.3秒 アポオンワード
  • 1 タイム欄のRはレコード勝ちを示す。
  • 2 太字の競走は八大競走

タイプ

[編集]

概ね、2000mまでの距離ならば先行力を武器に、直線に入っても粘り強い走りを見せていた馬だった。よって、自身の範疇の条件が揃ったレースにおいては、『八大競走馬キラー』的な存在となった。特筆すべきは、シンザンに重賞で唯一の黒星を京都杯でつけたことだが、上記に示す通り、他にも八大競走馬を破った例がいくつかある。半面、2000mを超える距離だと折り合いを欠くシーンが目立ったため、結果が伴わなかった。2000mを超える距離における勝利は、1965年の鳴尾記念のみだった。

血統表

[編集]
バリモスニセイ血統 (血統表の出典)[§ 1]

バリーモス
Ballymoss
1954 栗毛
父の父
Mossborough
1947 栗毛
Nearco Pharos
Nogara
All Moonshine Bobsleigh
Selene
父の母
Indian Call
1936 鹿毛
Singapore Gainsborough
Tetrabbazia
Flittemere Buchan
Keysoe

*ブラツクビー
Black Bee
1950 黒鹿毛
Honeyway
1941 鹿毛
Fairway Phalaris
Scapa Flow
Honey Buzzard Papyrus
Lady Peregrine
母の母
Mombasa
1944 芦毛
Taj Ud Din Gainsborough
Taj Mahal
Nairobi Winalot
Kenya
母系(F-No.) ブラツクビー(FN:2-u) [§ 2]
5代内の近親交配 Gainsborough 4×4×5、Phalaris 4×5、Scapa Flow 4×5、Chaucer 5×5、The Tetrarch 5×5、Sunstar 5×5 [§ 3]
出典
  1. ^ [4]
  2. ^ [4]
  3. ^ [4]


従兄弟にイギリスで種牡馬になったKing's Leapがいる。母ブラツクビーの牝系子孫はすでに現存していない。

脚注

[編集]
  1. ^ 諏訪佐市調教師の娘婿。のち大沢に復姓、調教師としてマーベラスクラウンマーベラスサンデーらを育てる。
  2. ^ 1965年は京都競馬場の改修工事により阪神競馬場の芝3200mで施行。
  3. ^ 現在開催されている重賞の平安ステークスではなく、150万下の条件戦。
  4. ^ a b c 日本軽種馬協会 Japan Bloodstock Information System バリモスニセイ 5代血統表 2017年8月11日閲覧。

外部リンク

[編集]