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ヤングジョッキーズシリーズ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
中山競馬場でのファイナルラウンドで後の重賞馬カラテに騎乗する2019年(第2回)優勝・櫻井光輔川崎

ヤングジョッキーズシリーズは、日本の中央競馬および地方競馬所属の見習騎手によるシリーズ競走である。

概要

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見習騎手の注目度を一段と高め、騎乗数の増加および騎乗技術の向上を図るとともに、年末の中央競馬および地方競馬双方を盛り上げるために2017年(平成29年)より開始された。全国の地方競馬場で実施する「トライアルラウンド」と年末の「ファイナルラウンド」で構成され、総合優勝を争う。ファイナルラウンドの出場騎手はトライアルラウンドの成績上位騎手から選定され、2日制で実施。1日目は地方競馬、2日目はJRAの競馬場で行われる。

JRAでは、ファイナルラウンド2日目をGIホープフルステークスと並ぶ年末最後の開催の目玉として位置付けており、2017年から2021年までは12月28日が月曜日にならない限り、中央競馬の1年の最後の開催日として固定する措置を取った[注 1]。但し、2020年関西地方(初日・園田競馬場、2日目・阪神競馬場)、2022年東海地方(初日・名古屋競馬場、2日目・中京競馬場)、2024年は関西地方と東海地方(初日・園田競馬場、2日目・中京競馬場)で行われている。

トライアルラウンド

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対象競走

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2017年〜2019年
実施場 競走数 出場騎手内訳
門別 2競走 地方所属騎手 6名
中央所属騎手 6名
盛岡
浦和
船橋
川崎
金沢
名古屋 地方所属騎手 5名
中央所属騎手 5名
笠松
園田 地方所属騎手 6名
中央所属騎手 6名
高知
佐賀
2021年
実施場 競走数 出場騎手内訳
門別 2競走 地方所属騎手 7名
中央所属騎手 5名
盛岡
浦和
船橋 地方所属騎手 8名
中央所属騎手 6名
川崎
金沢 地方所属騎手 7名
中央所属騎手 5名
名古屋 地方所属騎手 6名
中央所属騎手 4名
園田 地方所属騎手 7名
中央所属騎手 5名
高知
佐賀
2022年
実施場 競走数 出場騎手内訳
門別 2競走 地方所属騎手 7名
中央所属騎手 5名
盛岡
浦和 地方所属騎手 9名
中央所属騎手 5名
船橋 地方所属騎手 10名
中央所属騎手 6名
大井 地方所属騎手 9名
中央所属騎手 6名
川崎
金沢 地方所属騎手 7名
中央所属騎手 5名
名古屋 地方所属騎手 7名
中央所属騎手 4名
笠松 地方所属騎手 6名
中央所属騎手 4名
園田 地方所属騎手 8名
中央所属騎手 5名
高知 地方所属騎手 7名
中央所属騎手 5名
佐賀

出場騎手

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出場騎手の人数
  • 地方競馬所属騎手およびJRA所属騎手ともに、各競走の出走可能頭数の半数とする。
出場騎手の選出等
  • 地方競馬所属騎手については、毎年4月1日時点で所属主催者から勝利度数及び初免許取得後の年数による負担重量の減量を受けている騎手とする。
  • JRA所属騎手については、毎年4月1日時点における見習騎手とする。
除外要件
  • 中央・地方共に基準日以降に勝利度数100を超えて見習騎手または減量騎手の資格を失った者については、当年度までは出場を認めるが、翌年以降は出場できない[注 2]
  • 出場騎手発表の時点で休業中かつ復帰の目処が立たない者は2021年大会における中央・西日本の古川奈穂まではそもそも選出から外され、トライアルラウンド開幕後に復帰した場合でも追加出場すらできなかったが、2024年中央・東日本の小林美駒は発表直前に落馬負傷したものの一応の出場予定を入れておき、復帰が間に合わない旨の診断書を提出した時点で予定を変更する措置を取るように変更された。
  • 2024年に無期限騎乗停止処分を受けた中央・東日本の水沼元輝は、同年の出場騎手発表時点では裁定委員会の議定による最終処分が未決定だったため、同様に一応の出場予定を入れる措置が取られたが、その後に同年度の大会開催期間全てを含む騎乗停止処分が決定したため、大会から除外された[1]
出場する競馬場
地区 ブロック 実施競馬場 出場する騎手の所属
地方競馬所属騎手 中央競馬所属騎手
東日本 北海道・東北 門別・盛岡 北海道・岩手 JRA美浦
南関東 浦和・船橋・川崎 浦和・船橋・大井・川崎
西日本   金沢・笠松・名古屋・園田・高知・佐賀 金沢・笠松・名古屋・兵庫・高知・佐賀 JRA栗東

負傷等により出場予定騎手が騎乗できなくなった場合は、上記以外の騎手が出場することがある。

騎乗馬

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騎乗馬は、抽選により決定する。なお、全馬地方所属馬となるため、JRA所属の騎手が1着を取った場合でも、中央・地方を通じた生涯通算の勝鞍数および年間リーディングJRA賞最多勝利新人騎手の計算には算入しない。ただし、地方側の騎手が1着を取った場合は当然、NARグランプリ優秀新人騎手賞の選考に加算される。

順位の決定方法

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1.騎乗した馬の着順に応じて、騎乗騎手に対して下表のとおり点数を1競走毎に与え、その合計得点を騎乗回数で除した数値により順位を決定する。なお、数値が同数の場合は、第1着以下のそれぞれの着順回数のうち上位の着順を得た回数の多い順に順位を決定する。第1着以下のそれぞれの着順回数が同数であった場合は抽選により決定することとする。

1着 2着 3着 4着 5着 6着 7着 8着 9着 10着以下
30点 20点 15点 12点 10点 8点 6点 4点 2点 1点

2.出走馬不足、出走取消、競走除外等、騎手本人の責によらず騎乗できなかった場合は、得点を与えず、騎乗回数にも数えない。また、競走中止の場合は最下位と同じ点数を与え、騎乗回数に数えることとする。

3.以下の各号のいずれかに該当する場合には、点数を与えないが、騎乗回数には数えることとする。

4.同着の場合は、各同着者に対し、着順に応じた点数を与える。

成績上位者の取扱い

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トライアルラウンドの成績上位者には、ファイナルラウンドの出場権を付与する。なお、下記の順位で選定するが、騎乗した競走が2競走以下であった騎手は選定されない。

2017年〜2019年

1.地方競馬所属騎手

順位1 東日本地区の最上位1名と西日本地区の上位3名の計4名

順位2 北海道・東北ブロック(北海道・岩手)の上位1名、南関東ブロック(浦和・船橋・大井・川崎)の上位2名の計3名(順位1により選出された騎手を除く)

2.中央競馬所属騎手

以下の順位で選定する。ただし、騎乗した競走が2競走以下であった騎手は選定されない。

順位1 最上位1名

順位2 東日本地区・西日本地区の各上位3名の計6名(順位1により選出された騎手を除く)

2020年〜

1.地方競馬所属騎手

東日本地区・西日本地区の各上位4名の計8名

2.中央競馬所属騎手

東日本地区・西日本地区の各上位4名の計8名

ファイナルラウンド

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対象競走

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2017年〜2019年
実施場 競走数 出場騎手内訳
大井 2競走 地方所属騎手 7名
中央所属騎手 7名
中山 2競走
2020年
実施場 競走数 出場騎手内訳
園田 3競走 地方所属騎手 8名
中央所属騎手 8名
阪神 2競走
2021年
実施場 競走数 出場騎手内訳
大井 2競走 地方所属騎手 8名
中央所属騎手 8名
中山 2競走
2022年
実施場 競走数 出場騎手内訳
名古屋 3競走 地方所属騎手 8名
中央所属騎手 8名
中京 2競走
2023年
実施場 競走数 出場騎手内訳
川崎 3競走 地方所属騎手 8名
中央所属騎手 8名
中山 2競走
2024年
実施場 競走数 出場騎手内訳
園田 3競走 地方所属騎手 8名
中央所属騎手 8名
中京 2競走

騎乗騎手の選出等

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1.トライアルラウンドの成績により、以下に定める順位に従い選出する。

地方競馬所属騎手

順位1  東日本地区の最上位1名と西日本地区の上位3名の計4名

順位2  北海道・東北ブロック(北海道・岩手)の上位1名、南関東ブロック(浦和・船橋・大井・川崎)の上位2名の計3名(順位1により選出された騎手を除く)

中央競馬所属騎手

順位1  最上位1名

順位2  東日本地区・西日本地区の各上位3名の計6名(順位1により選出された騎手を除く。)

2.騎乗予定騎手が開催前日までにファイナルラウンドのいずれかの競走で騎乗できなくなった場合は、騎乗できなくなったファイナルラウンドのすべての競走に騎乗できる騎手のうち、以下に定める順位に従い、補欠騎手を選出する。なお、同順位の場合はトライアルラウンドの成績が上位の騎手を選出する。

地方競馬所属騎手が騎乗できなくなった場合

順位1  同地区の地方所属騎手

順位2  他地区の地方所属騎手

順位3  中央競馬所属騎手

中央競馬所属騎手が騎乗できなくなった場合

順位1  同地区の中央競馬所属騎手

順位2  他地区の中央競馬所属騎手

順位3  地方競馬所属騎手

3.騎乗予定騎手が開催当日以降にファイナルラウンドのいずれかの競走に騎乗できなくなった場合も2.に原則準じるが、同地区の地方所属騎手がいない場合、当日開催競馬場で騎乗予定の騎手のうち、騎乗できなくなったファイナルラウンドのすべての競走に騎乗でき、なおかつトライアルラウンドの成績が上位の騎手を補欠騎手として騎乗させる[注 3]

4.上記2、3において、騎乗可能なヤングジョッキーズシリーズ出場騎手がいない場合は、その他の騎手を補欠騎手として騎乗させる。

ファイナルラウンドの騎乗レースの割り当て

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原則として、地方競馬のうち、大井以外はフルゲートが12頭のため3戦を行うが、騎乗する2レースは事前の抽選によって決定。大井と中央の中山・阪神・中京はフルゲート16-18頭であるので2戦行う。

表彰について

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1.騎手表彰順位の決定

  • 騎乗した馬の着順に応じて、騎乗騎手に対して下表のとおり点数を1競走毎に与え、その合計得点により順位を決定する。なお、合計得点が同じ場合は、第1着以下のそれぞれの着順回数のうち上位の着順を得た回数の多い順に順位を決定する。また、上位の着順を得た回数が同じ場合は、トライアルラウンドにおける成績により順位を決定する。
1着 2着 3着 4着 5着 6着 7着 8着 9着 10着以下
30点 20点 15点 12点 10点 8点 6点 4点 2点 1点
  • 出走馬不足、出走取消、競走除外により騎乗できなかった場合は、6点を与える。また、競走中止の場合は1点を与える。
  • 以下の各号のいずれかに該当する場合には、点数を与えない。
    • 騎手が騎乗停止以上の処分を受けたとき[注 4]
    • トライアルラウンド出場騎手以外の騎手が騎乗したとき。
  • 同着の場合は、各同着者に対し、着順に応じた点数をそれぞれ与える。

2.騎手表彰の内容

上記1により決定された順位の上位3名に対し表彰を行い、賞品を交付する。

歴代優勝者

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回数 開催競馬場
(上・初日
下・2日目)
総合優勝騎手 所属 獲得ポイント ファイナルラウンド出場騎手
(優勝騎手以外 表記は地方騎手も中央に準ずる)
出典
JRA・美浦 JRA・栗東 地方・東日本 地方・西日本
1 2017年 大井競馬場
中山競馬場
臼井健太郎 船橋 52P 横山武史
菊沢一樹
藤田菜七子
岩崎翼
森裕太朗
荻野極
小崎綾也
中越琉世(川崎)
鈴木祐(岩手)
保園翔也(浦和)
渡辺竜也(笠松)
加藤聡一(愛知)
栗原大河(金沢)
[2][3]
2 2018年 桜井光輔 川崎 56P 横山武史
井上敏樹
木幡巧也
荻野極
服部寿希
義英真
西村淳也
落合玄太(北海道)
山本咲希到(北海道)
吉井章(大井)
松木大地(高知)
長谷部駿弥(兵庫)
渡辺竜也(笠松)
[4]
3 2019年 岩本怜 岩手 62P 山田敬士
小林凌大
菅原明良
坂井瑠星
西村淳也
岩田望来
服部寿希
中越琉世(川崎)
桜井光輔(川崎)
松木大地(兵庫)
長谷部駿弥(兵庫)
石堂響(兵庫)
木本直(兵庫)
[5]
4 2020年 園田競馬場
阪神競馬場
吉井章 大井 65P 原優介
菅原明良
秋山稔樹
小林脩斗
岩田望来
団野大成
川又賢治
亀田温心
仲原大生(大井)
福原杏(浦和)
池谷匠翔(川崎)
塚本雄大(高知)
金山昇馬(佐賀)
出水拓人(佐賀)
細川智史(愛知)
[6]
5 2021年 大井競馬場
中山競馬場
飛田愛斗 佐賀 65P 原優介
菅原明良
山田敬士
木幡育也
※秋山稔樹
※小林脩斗
西谷凜
小沢大仁
永島まなみ
角田大和
篠谷葵(船橋)
古岡勇樹(川崎)
木間塚龍馬(船橋)
若杉朝飛(北海道)
七夕裕次郎(浦和)
兼子千央(金沢)
魚住謙心(金沢)
岡遼太郎(高知)
[7]
6 2022年 名古屋競馬場
中京競馬場
小林凌大 JRA
美浦
91P 永野猛蔵
水沼元輝
佐々木大輔
泉谷楓真
川端海翼
永島まなみ
角田大河
野畑凌(川崎)
大木天翔(大井)
木間塚龍馬(船橋)
及川烈(浦和)
大山龍太郎(兵庫)
浅野皓大(愛知)
金山昇馬(佐賀)
加茂飛翔(佐賀)
[8]
7 2023年 川崎競馬場
中山競馬場
横山琉人 JRA
美浦
69P 永野猛蔵
秋山稔樹
佐々木大輔
田口貫太
松本大輝
小沢大仁
角田大和
菅原涼太(大井)
大木天翔(大井)
新原周馬(川崎)
野畑凌(川崎)
大畑慧悟(愛知)
長尾翼玖(兵庫)
浜尚美(高知)
岡遼太郎(高知)
8 2024年 園田競馬場
中京競馬場
鷹見陸 大井 57P 佐藤翔馬
長浜鴻緒
大江原比呂
土田真翔
橋木太希
河原田菜々
田口貫太
古川奈穂
室陽一朗(浦和)
鷹見陸(大井)
谷内貫太(大井)
及川烈(浦和)
土方颯太(兵庫)
長江慶悟(笠松)
加藤翔馬(金沢)
望月洵輝(愛知)
[9][10]

※印=補欠選定騎手

脚注・出典

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注釈

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  1. ^ だが、2022年以降は同月28日がホープフルステークスと同じ日になると、GIレースの印象が薄れてしまうため地方競馬は土曜日の1 ‐ 2日前、中央競馬は12月14日から12月20日の土曜日に行われることとなった。
  2. ^ この実例に2021年4月以降100勝を達成した地方・西日本(佐賀競馬所属)の飛田愛斗、中央・東日本の菅原明良、2022年4月以降100勝を達成した地方・東日本(岩手競馬所属)の関本玲花、地方・西日本(兵庫競馬所属)の佐々木世麗、地方・西日本(佐賀競馬所属)の金山昇馬、そして2024年4月以降100勝を達成した中央・東日本の永野猛蔵佐々木大輔がいる。飛田は2020年10月デビューであり当年の本シリーズに出場できなかったため、初出場かつ最初で最後の出場となった2021年に優勝した。
  3. ^ この実例として2021年のファイナルラウンド大井第2戦で落馬負傷した3人がいる。地方・東日本2位の古岡勇樹は地方・東日本5位の七夕裕次郎に乗り替わったが、地方・西日本1位の兼子千央は中央・東日本5位の秋山稔樹に、地方・西日本4位の岡遼太郎は中央・東日本6位の小林脩斗に乗り替わった。
  4. ^ 実例として、2021年のYJSファイナルラウンド大井 第2戦で原優介(JRA・美浦所属)が第6着となり本来ならば8ポイントを獲得すべきところ、第3コーナーにおいて外側に斜行し他馬の走行を妨害し4頭を落馬させたことで騎乗停止処分(降着には至らず)を受けたため、当該競走のポイントを剥奪された(他の大井第1戦と中山の各2戦はそのままポイント獲得となった)。

出典

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関連項目

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外部リンク

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