ユリス・ハルトマニス
ユリス・ハルトマニス | |
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Juris Hartmanis (2002) | |
生誕 |
1928年7月5日 ラトビア リガ |
死没 | 2022年7月29日(94歳没) |
研究分野 | 計算機科学 |
研究機関 |
ゼネラル・エレクトリック コーネル大学 |
出身校 | カリフォルニア工科大学 |
主な受賞歴 | チューリング賞(1993) |
プロジェクト:人物伝 |
ユリス・ハルトマニス(Juris Hartmanis、1928年7月5日[1] - 2022年7月29日[2])は、著名な計算機科学者であり、計算理論を専門とする。1993年、リチャード・スターンズと共に「計算複雑性理論の分野を確立した独創的な論文に対して」チューリング賞を受賞した。
経歴
[編集]ラトビアのリガに生まれる。父はラトビア陸軍の将軍だった。1940年にソビエト連邦軍がラトビアを占領した後、父は捕虜となり、獄死した。第二次世界大戦後、再びソビエト連邦に占領された場合に命が危ないと考え、母と兄弟と共にラトビアを脱出。
まずドイツに移り住み、マールブルク大学で物理学を学んだ。その後アメリカ合衆国に移住し、カンザスシティ大学(現在のミズーリ大学カンザスシティ校)で1951年に応用数学の修士号を取得した。さらにカリフォルニア工科大学で数学を学び、ロバート・P・ディルワースの指導で1955年には博士号を取得している。1999年5月、ミズーリ大学カンザスシティ校が名誉博士号を授与した。
コーネル大学とオハイオ州立大学で講師を務めた後、1958年にゼネラル・エレクトリックの研究所に勤務し、計算機科学の理論的研究を行った。1965年、コーネル大学の教授に就任し、計算機科学部門の設立を助け、最初の学科長を務めている。Association for Computing Machinery (ACM) のフェローと全米技術アカデミーの会員にも選ばれている。
リチャード・スターンズと共同執筆しチューリング賞を受賞することになった論文が特に有名である。その論文で時間複雑性クラス TIME (f(n)) を導入し、時間階層定理を証明した。レナード・ベルマンと共同執筆した1977年の論文では、全てのNP完全言語は多項式時間同型であるというベルマン-ハルトマニス予想を提起したが、これはまだ証明されていない。
参考文献
[編集]- Berman, L.; Hartmanis, J. (1977), “On isomorphisms and density of NP and other complete sets”, SIAM Journal on Computing 6 (2): 305–322, MR0455536
- Hartmanis, J.; Stearns, R. E. (1965), “On the computational complexity of algorithms”, Transactions of the American Mathematical Society 117: 285–306, doi:10.2307/1994208, JSTOR 1994208, MR0170805
脚注
[編集]- ^ “Juris Hartmanis - A.M. Turing Award Laureate”. amturing.acm.org. 2021年5月8日閲覧。
- ^ “Juris Hartmanis July 5 1928 July 29 2022 (age 94)” (英語). usobit.com. (2022年7月29日) 2022年8月2日閲覧。