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リリアン・ギッシュ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
リリアン・ギッシュ
Lillian Gish
Lillian Gish
1921年頃
本名 Lillian Diana Gish
生年月日 (1893-10-14) 1893年10月14日
没年月日 (1993-02-27) 1993年2月27日(99歳没)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 オハイオ州スプリングフィールド
死没地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ニューヨーク州ニューヨーク
身長 164 cm
職業 女優映画監督脚本家
ジャンル 映画舞台
活動期間 1902年 - 1988年
著名な家族 妹:ドロシー・ギッシュ(女優)
主な作品
國民の創生』(1915年)
イントレランス』(1916年)
散り行く花』(1919年)
東への道』(1920年)
』(1928年)
狩人の夜』(1955年)
八月の鯨』(1987年)
受賞
アカデミー賞
名誉賞
1970年
AFI賞
生涯功労賞
1984年
映画スターベスト100
1999年(女優部門第17位)
その他の賞
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リリアン・ギッシュ: Lillian Gish1893年10月14日 - 1993年2月27日)は、アメリカ合衆国女優映画監督である。サイレント映画時代を代表する映画スターであり、映画女優としてのキャリアは75年間に及ぶ。D・W・グリフィス監督作品で清純可憐な役柄を演じたことで知られ、「アメリカ映画のファーストレディ(The first Lady of American cinema)」と呼ばれた。

生涯

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ドロシーとリリアン、主演女優ヘレン・レイと。『Her First False Step』 (1903年)
リリアンと妹のドロシー(D・W・グリフィスと)
1973年

リリアンの母方の先祖は第12代米国大統領ザカリー・テーラーイングランド系アメリカ人)。父方の先祖はフランス系出自との説もあったが、近年の伝記では、ドイツライン川付近のザール地方のヴォルファースヴァイラーにいたフランス系の家系で、当地からアメリカに移民してきたことが指摘されている(ドイツ系アメリカ人およびフランス系アメリカ人)。

母親が女優だった縁で、5歳から舞台に立っていた。妹のドロシーも女優。友人だったメアリー・ピックフォードを訪ねてバイオグラフ社を訪れた際、彼女にD・W・グリフィスを紹介され、母と妹と共に映画に出ることになった。その後もグリフィスとコンビを組み、サイレント映画を代表する大作『國民の創生』や超大作『イントレランス』に出演した。D・W・グリフィスに対して、リリアンは一生敬愛の念を持っていた。

1919年の『散り行く花』では、幸薄い少女ルーシーを演じる。この作品により映画は第八芸術として世に認められたと言われる。

1920年には、妹のドロシー・ギッシュが主演の『亭主改造』を監督するも、監督作品はこの一作のみである。なお、ドロシーとは私生活でも大変仲が良く、他の女優ではヘレン・ヘイズなどとも親交が深かった。

1921年の大作『嵐の孤児』を最後にグリフィスの元を離れた後、初期メトロ・ゴールドウィン・メイヤーのスターとして、ヴィクトル・シェストレム監督作品の『真紅の文字』(1926年)や『』(1928年)に出演。サイレント期を代表する女優として活躍する。

1930年代以降は舞台出演が主になっているが、時折映画にも出演。1987年公開の『八月の鯨』(リンゼイ・アンダーソン監督)では、90歳を超えているとは思えない若々しい容姿で瑞々しい演技を披露した。

1970年には生涯の業績を評価されてアカデミー名誉賞を受賞。また、1984年にはアメリカン・フィルム・インスティチュートから生涯功労賞を受賞している[1]。1999年には、同じくアメリカン・フィルム・インスティチュートが選出した「最も偉大な女優50選」で第17位に選出された。[2]

1993年2月27日に老衰による心不全の為、アメリカニューヨーク州マンハッタンのアパートで死去(99歳没)[3]。生涯独身であった。

主な出演作品

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映画

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公開年 邦題
原題
役名 備考
1912 牧場の春
In the Aisles of the Wild
若い娘
1913 母の心
The Mothering Heart
若い妻
1914 アッシリアの遠征
Judith of Bethulia
若い母親
1915 國民の創生
The Birth of a Nation
エルシー
清き心
Enoch Arden
アニー・リー
1916 ダフネと海賊
Daphne and the Pirate
ダフネ・ラ・トゥール
暴風の後
Sold for Marriage
マルファ
イントレランス
Intolerance: Love's Struggle Throughout the Ages
揺り籠を揺らす女
1918 世界の心
Hearts of the World
マリー・スティーブンソン
偉大なる愛
The Great Love
スージー・ブロードプレインズ
人類の春
The Greatest Thing in Life
ジャネット・ペレ
1919 幸福の谷
A Romance of Happy Valley
ジユニー・ティンバーレイク
散り行く花
Broken Blossoms or The Yellow Man and the Girl
ルーシイ
スージーの真心
True Heart Susie
スージー
大疑問
The Greatest Question
ネリー・ジャービス
1920 亭主改造
Remodeling Her Husband
監督のみ
東への道
Way Down East
アンナ・ムーア
1921 嵐の孤兒
Orphans of the Storm
アンリエッタ
1923 ホワイト・シスター
The White Sister
アンヂエラ
1924 ロモラ
Romola
ロモラ
1925 ベン・ハー
Ben Hur
戦車競走シーンの観衆エキストラ
(ノンクレジット)
1926 ラ・ボエーム
La bohème
ミミ
真紅の文字
The Scarlet Letter
ヘスター
1928
The Wind
レティ
1930 白鳥
One Romantic Night
アレクサンドラ王女
1933 彼の二重生活
His Double Life
アリス・チャリース
1942 暁の勝利
Commandos Strike at Dawn
ミセス・ベルゲセン
1946 初恋時代
Miss Susie Slagle's
スージー・スレイグル
白昼の決闘
Duel in the Sun
ローラ
1948 ジェニイの肖像
Portrait of Jennie
マザー・メアリー・オブ・マーシー
1955 蜘蛛の巣
The Cobweb
ヴィクトリア・インチ
狩人の夜
The Night of the Hunter
レイチェル・クーパー
1958 私に殺された男
Orders to Kill
ミセス・サマーズ
1960 許されざる者
The Unforgiven
マチルダ・ザカリー
1966 歌声は青空高く
Follow Me, Boys!
ヘティ・ザイベルト
1967 消えた拳銃
Warning Shot
アリス・ウィロウズ
危険な旅路
The Comedians
ミセス・スミス
1978 ウエディング
A Wedding
ネティ
1983 ハンボーン
Hambone and Hillie
ヒリー・ラドクリフ
1986 くたばれ! ハリウッド
Sweet Liberty
セシリア・バージェス
1987 八月の鯨
The Whales of August
サラ

自伝

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  • 『リリアン・ギッシュ自伝 - 映画とグリフィスと私』(リリアン・ギッシュ、アン・ピンチョット著、鈴木圭介訳、筑摩書房・リュミエール叢書、1990.8)
    • The Movies, Mr. Griffith, and Me (with Ann Pinchot) (1969)の翻訳

脚注

[編集]
  1. ^ The AFI Life Achievement Award”. 2012年7月5日閲覧。
  2. ^ AFI's 100 Years... 100 Stars”. 2012年7月5日閲覧。
  3. ^ 「99歳映画史を生きた女優・リリアン・ギッシュさん死去」読売新聞1993年3月1日夕刊19面

外部リンク

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