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中郡 (京都府)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
丹波郡から転送)
京都府中郡の位置
中郡役所と羽田信明郡長

中郡(なかぐん)は、京都府丹後国)にあった。古くは丹波郡と呼ばれ、丹後国丹波国から分国する以前および以降も中世までその名で呼ばれた。

郡域

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1897年明治12年)に行政区画として発足した当時の郡域は、京丹後市の一部(峰山町各町・大宮町各町)にあたる。

歴史

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続日本紀和銅6年(713年)に丹波国の11郡のうち、丹波郡を含む北方の5郡を分けて丹後国が設けられたとある[1][注釈 1]。丹波の名を持つ伝説上の人物として崇神天皇が指名した四道将軍のひとりである丹波道主命が、この地方で善政を強いて民から慕われたとされる[2]

古代

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この領域からは縄文時代の土器・石器の良好な資料が発掘されているが量は多くない。弥生時代には大規模な集落が形成された。代表的な遺跡は、峰山の途中ケ丘遺跡、扇谷遺跡などが良く調査されている。[1]。古墳としてはカジヤ古墳や湧田山古墳群などが発掘・研究されている。

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平安時代に作られた『和名類聚抄』に記される郡内の

  • 大野郷
  • 新治郷(新沼郷とも[3])
  • 丹波郷
  • 周枳郷
  • 三重郷
  • 神戸郷
  • 口枳郷

式内社

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延喜式神名帳に記される郡内の式内社

神名帳 比定社 集成
社名 読み 付記 社名 所在地 備考
丹波郡 9座(大2座・小7座)
大宮売神社 二座 オホミヤノメノ 名神大 大宮売神社 京都府京丹後市大宮町周枳 (丹後国二宮) [1]
咋岡神社 クヒヲカノ 咋岡神社 京都府京丹後市峰山町赤坂
波弥神社 ハミノ 波弥神社 京都府京丹後市峰山町荒山
多久神社 タクノ 多久神社 京都府京丹後市峰山町丹波
稲代神社 イナシロノ 稲代神社・吉原神社 京都府京丹後市峰山町安
名木神社 ナキノ 名木神社 京都府京丹後市峰山町内記
矢田神社 ヤタノ 矢田神社 京都府京丹後市峰山町矢田
比沼麻奈為神社 ヒチマナヰノ 比沼麻奈為神社 京都府京丹後市峰山町久次
凡例を表示

中世

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室町時代までは丹波郡の名称が続いていた事が確認できる[4]。戦国時代末期この地域の峰山に城があったが、織田信長の武将明智光秀細川藤孝に攻略され、平定後は丹後国は細川藤孝に与えられた。藤高は関ケ原の合戦では東軍に属し、戦後に豊前中津へ転出して代わりに京極氏が丹後一国を支配した[4]。京極氏が慶長7年に実施した検地では中郡と記載されている[5]。その後丹後は小さな藩や天領に分割されて統治された。

近世以降の沿革

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知行 村数 村名
幕府領 幕府領 9村 五十河村、久住村、延利村、明田村、三坂村、谷内村、奥大野村、鱒留村、新治村
藩領 丹後峰山藩 1町
19村
河辺村、新町村、荒山村、内記村、丹波村、矢田村、橋木村、石丸村、赤坂村、杉谷村、峰山町、五箇村、久次村、小西村、西山村、安村、菅村、長岡村、善王寺村
丹後宮津藩 5村 三重村、森本村、上常吉村、下常吉村、周枳村
宮津藩・峰山藩 1村 口大野村
幕府領・藩領 幕府領・宮津藩 1村 二箇村
11.峰山町 12.吉原村 13.五箇村 14.長善村 15.大野村 16.常吉村 17.三重村 18.五十河村 19.周枳村 20.河辺村 21.新山村 22.丹波村(橙:京丹後市 1 - 9は熊野郡 31 - 47は竹野郡)

変遷表

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自治体の変遷
明治以前 明治22年
4月1日
町村制施行
明治22年 - 大正15年 昭和元年 - 昭和29年 昭和30年 - 昭和64年 平成元年 - 現在 現在
丹波村 丹波村 丹波村 丹波村 昭和30年1月1日
峰山町
平成16年4月1日
京丹後市
京丹後市
矢田村
橋木村
赤坂村
石丸村
杉谷村 一部[注釈 3]を除く 大正7年7月1日
峰山町に編入[6]
峰山町
一部[注釈 3] 峰山町 峰山町
峰山町[注釈 2]
安村 一部[注釈 4] 吉原村 大正7年7月1日
峰山町に編入[6]
一部[注釈 4]を除く 吉原村 吉原村
西山村
小西村
菅村
新治村
五箇村 五箇村 五箇村 五箇村
鱒留村
二箇村
久次村
荒山村 新山村 新山村 新山村
新町村
内記村
長岡村 長善村 長善村 長善村 昭和31年9月30日
峰山町に編入
善王寺村 昭和31年9月30日
大宮町に編入
五十河村 五十河村 五十河村 五十河村 昭和31年7月1日
大宮町に編入
延利村
明田村
久住村
口大野村 大野村 明治25年3月5日
口大野村
昭和26年4月1日
大宮町
大宮町
奥大野村 明治25年3月5日
奥大野村
上常吉村 常吉村 常吉村
下常吉村
三重村 三重村 三重村
森本村
三坂村
谷内村
周枳村 周枳村 周枳村
河辺村 河辺村 河辺村

行政

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歴代郡長
氏名 就任年月日 退任年月日 備考
1 明治11年(1879年)4月10日
大正15年(1926年)6月30日 郡役所廃止により、廃官

脚注

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注釈

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出典

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  1. ^ a b 角川日本地名大辞典26京都府上巻 昭和57年 p933
  2. ^ 峰山郷土史上 昭和38年 峰山町発行 p29
  3. ^ 諸本修正 倭名類聚抄 [本文編] 昭和43年発行 臨川書店 p643
  4. ^ a b 角川日本地名大辞典26京都府上巻 昭和57年 p934
  5. ^ 峰山郷土史上 昭和38年 峰山町発行 p156
  6. ^ a b c 京都府内の市町村の歴史”. 京都府. 2023年5月2日閲覧。

参考文献

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  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 26 京都府・上巻、角川書店、1982年7月1日。ISBN 4040012615 
  • 旧高旧領取調帳データベース
  • 市町村行財政研究調査会 研究調査報告書

関連項目

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