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大室秀樹

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
大室 秀樹 Portal:陸上競技
選手情報
フルネーム おおむろ ひでき
ラテン文字 Hideki Omuro
国籍 日本の旗 日本
競技 陸上競技 (ハードル)
種目 110mH
所属 大塚製薬
大学 筑波大学
筑波大学大学院
生年月日 (1990-07-25) 1990年7月25日(34歳)
出身地 埼玉県
身長 180cm[1]
体重 70kg
成績
世界選手権 110mH : 予選3組7着 (2017年)
国内大会決勝 日本選手権
110mH : 3位 (2014年)
自己ベスト 100m 10秒76 (2012年)
100m : 10秒55w (2018年)
200m : 21秒39 (2018年)
60mH : 7秒80 (2018年)
110mH : 13秒48 (2017年)
110mH : 13秒47w (2016年)
200mH : 22秒80 (2016年)
400mH : 52秒99 (2009年)
獲得メダル
陸上競技
日本の旗 日本
アジア室内選手権
2018 テヘラン 60mH
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大室 秀樹(おおむろ ひでき、1990年7月25日 - )は、埼玉県出身の陸上競技選手。専門はハードル110mハードルで13秒48、200mハードルで22秒80(元アジア最高記録)の自己ベストを持つ。2017年ロンドン世界選手権男子110mハードルの日本代表

経歴

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吉見町立吉見中学校、埼玉県立松山高等学校筑波大学卒業。筑波大学大学院修了。大塚製薬所属。

高校時代まで

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小学生の時にモーリス・グリーンの影響で陸上競技を始め、中学生になってから110mハードルを始めた[2]。中学時代は3年生の時に2005年ジュニアオリンピック110mハードルで表彰台(3位)に上った。

地元埼玉県で開催された2008年インターハイ110mハードルを高校歴代4位(当時)の14秒05(+0.4)で制すると、10月の日本ジュニア選手権110mハードルも高校歴代3位(当時)の14秒01で制して高校2冠を達成した。

大学・大学院時代

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2009年

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4月に筑波大学へ進学。9月の日本インカレ110mハードル予選で13秒91(+1.5)をマークし、中村兼希が持つ13秒88のジュニア日本記録(当時)に迫ると、準決勝では追い風参考記録ながらジュニア日本記録を上回る13秒73(+3.1)をマークした。

2010年

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9月の日本インカレ110mハードルを13秒76(+0.7)の自己ベスト(当時)で制して初の大学タイトルを獲得した。

2012年

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6月23日の日本学生個人選手権110mハードルにおいて、それまでの自己ベスト13秒75を大幅に塗り替える日本歴代3位(当時)・学生歴代2位の13秒54(+2.0)をマークした。これは2012年ロンドンオリンピックのB標準(13秒60)を突破する記録で、110mハードルの標準を突破した唯一の選手となったが、約2週間前に行われたロンドンオリンピック選考会の日本選手権にエントリーミスで出場できなかったため[注 1]、日本代表に選出されることはなかった。

2013年

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7月のユニバーシアード110mハードルに出場し、初めて世界大会を経験した[4]。予選では各組2着に入るか、予選全体のタイム上位2名(予選突破者を除く)に入れば決勝に進出できたが、結果は13秒97(+2.2)の組5着で予選敗退に終わった。

社会人時代

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2015年

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4月に大塚製薬へ入社。11月3日の西日本陸上競技カーニバル110mハードル決勝で自己ベストタイ(当時)の13秒54(+0.2)をマーク。

2016年

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5月22日の関西実業団選手権110mハードル予選で13秒61(-0.5)、決勝で自己ベストタイ(当時)の13秒54(+0.3)をマーク。予選と決勝で大会記録を樹立して優勝し、大会の男子MVPに選出された[5]。しかし、この大会でアキレス腱を痛めてしまい、治療に2週間を費やした[6]。6月18日の日本体育大学陸上競技会110mハードル2次レースにおいて、リオデジャネイロオリンピックの参加標準記録(13秒47)と同タイムの13秒47(+3.2)をマークしたが、惜しくも追い風参考記録となった[7]。 7月23日のオールスターナイト陸上(実業団・学生対抗陸上)110mハードルで13秒52(+0.5)の自己ベスト(当時)をマーク。それまでの自己ベストを0秒02更新し、大会記録を樹立して優勝した[8]。10月16日の日本記録挑戦会200mハードルで22秒80(-2.2)をマークし、2010年に秋本真吾が樹立したアジア最高記録に並んだ[9]

2017年

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4月15日の筑波大競技会110mハードル一次レースで13秒48(+1.7)の自己ベストをマークすると、二次レースでも13秒48(+1.5)の自己ベストタイをマーク、2レース連続でロンドン世界選手権の参加標準記録(13秒48)を突破[2]。4月29日の織田記念国際110mハードルは13秒52(+1.5)で優勝、5月21日のゴールデングランプリ川崎110mハードルは13秒59(-1.8)で3位(日本人トップ)とロンドン世界選手権日本代表選考会で好成績を収め、初の世界選手権日本代表入りに前進した。6月24日の日本選手権110mハードルでは準決勝直前のウォーミングアップで左脚ハムストリングスを痛め、13秒75(+0.6)の組7着で決勝進出を逃したが、織田記念国際優勝などのアドバンテージによりロンドン世界選手権日本代表に選出された[10][11]

人物

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  • 2017年現在、大塚製薬工場に勤務し、病院で使用される点滴の研究に携わっている[2]

自己ベスト

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  • 記録欄の( )内の数字は風速m/s)で、+は追い風を意味する。
種目 記録 年月日 場所 備考
屋外
100m 10秒76 (+0.7) 2012年6月2日 日本の旗 つくば市
10秒55w (+3.1) 2018年4月15日 日本の旗 鳴門市 追い風参考記録
200m 21秒39 (0.0) 2018年5月12日 日本の旗 大阪市
110mハードル 13秒48 (+1.7)
13秒48 (+1.5)
2017年4月15日 日本の旗 つくば市 日本歴代9位
13秒47w (+3.2) 2016年6月18日 日本の旗 横浜市 追い風参考記録
200mハードル 22秒80 (-2.2) 2016年10月16日 日本の旗 伊丹市 元アジア最高記録
400mハードル 52秒99 2009年5月23日 日本の旗 東京都
室内
60mハードル 7秒80 2018年2月2日 イランの旗 イラン

主な成績

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  • 種目欄のYHとJHはそれぞれ高さ91.4cmと99.1cmのハードルを意味する
  • 備考欄の記録は当時のもの

国際大会

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大会 場所 種目 結果 記録 備考
2008 (高3) 日韓中ジュニア交流競技会 日本の旗 千葉 110mJH 優勝 13秒73 (+2.8)
110mJH 優勝 13秒97 (+0.7)
4x100mR 優勝 41秒28 (1走)
2013 (院1) ユニバーシアード (en ロシアの旗 カザン 110mH 予選 13秒97 (+2.2)
2016 (社2) 日中韓3カ国交流陸上 大韓民国の旗 金泉 110mH 2位 13秒62 (+1.7)
2017 (社3) 世界選手権 イギリスの旗 ロンドン 110mH 予選 13秒78 (+0.1)
2018 (社3) アジア室内選手権 イランの旗 イラン 60mH 3位 7秒81

日本選手権

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大会 場所 種目 結果 記録 備考
2009 (大1) 第93回 広島市 110mH 予選 14秒10 (+0.4)
2010 (大2) 第94回 丸亀市 110mH 予選 14秒30 (-0.3)
2011 (大3) 第95回 熊谷市 110mH 6位 13秒98 (-0.1)
2013 (院1) 第97回 調布市 110mH 4位 13秒67 (+1.3)
2014 (院2) 第98回 福島市 110mH 3位 13秒73 (+0.4)
2015 (社1) 第99回 新潟市 110mH 5位 13秒90 (-1.4)
2016 (社2) 第100回 名古屋市 110mH 4位 13秒66 (+2.4)
2017 (社3) 第101回 大阪市 110mH 準決勝 13秒75 (+0.6)

その他

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  • 主要大会を記載
大会 場所 種目 結果 記録 備考
2004 (中2) ジュニアオリンピック 横浜市 110mJH 5位 15秒44 (+0.7)
2005 (中2) 日本ジュニア室内大阪 大阪市 60mYH 8位 8秒48
2005 (中3) 全日本中学校選手権 岐阜市 110mYH 予選 15秒24 (-0.5)
ジュニアオリンピック 横浜市 110mJH 3位 15秒06 (+1.2)
2006 (高1) インターハイ 大阪市 110mH 予選 15秒35 (0.0)
国民体育大会 神戸市 110mJH 優勝 14秒33 (+0.6)
2007 (高2) インターハイ 佐賀市 110mH 6位 14秒67 (+1.6)
国民体育大会 秋田市 110mH 2位 14秒51 (0.0)
日本ジュニア選手権 大分市 110mH 5位 14秒58 (0.0)
日本ユース選手権 大分市 400mH 3位 53秒83
2008 (高3) インターハイ 熊谷市 110mH 優勝 14秒05 (+0.4) 自己ベスト
400mH 準決勝 53秒83
日本ジュニア選手権 鳥取市 110mH 優勝 14秒01 (+1.3) 大会記録
自己ベスト
2009 (大1) 関東インカレ (1部) 東京都 110mH 予選 14秒57 (-1.5)
400mH 予選 52秒99 自己ベスト
日本インカレ 東京都 110mH 3位 13秒95 (+1.8)
スーパー陸上 川崎市 110mH 5位 14秒02 (-1.3)
国民体育大会 新潟市 110mH 予選 14秒16 (-0.1)
日本ジュニア選手権 名古屋市 110mH 優勝 14秒18 (-1.0)
2010 (大2) 日本学生個人選手権 平塚市 110mH 3位 13秒90 (+3.7)
日本インカレ 東京都 110mH 優勝 13秒76 (+0.7) 自己ベスト
実業団・学生対抗 小田原市 110mH 3位 13秒97 (-0.2)
水戸招待陸上 水戸市 110mH 優勝 13秒60 (+2.7)
2011 (大3) 織田記念 広島市 110mH 2位 13秒66 (+2.4)
関東インカレ (1部) 東京都 110mH 優勝 14秒14 (-1.6)
日本学生個人選手権 平塚市 110mH 準決勝 DQ 不正スタート
布勢スプリント 鳥取市 110mH 4位 14秒21 (+1.4)
日本インカレ 熊本市 110mH 5位 14秒12 (0.0)
水戸招待陸上 水戸市 110mH 2位 13秒75 (-1.3) 自己ベスト
2012 (大4) 織田記念 広島市 110mH B決勝2位 13秒83 (+1.1)
水戸招待陸上 水戸市 110mH 3位 13秒78 (-0.3)
関東インカレ (1部) 東京都 110mH 優勝 13秒88 (0.0)
日本学生個人選手権 平塚市 110mH 優勝 13秒54 (+2.0) 日本歴代3位
学生歴代2位
大会記録
日本インカレ 東京都 110mH 2位 13秒79 (+2.0)
国民体育大会 岐阜市 110mH 予選 14秒37 (-1.5)
2013 (院1) 織田記念 広島市 110mH 優勝 13秒70 (+0.7)
ゴールデングランプリ東京 東京都 110mH 5位 13秒94 (-1.4)
関東インカレ (3部) 東京都 110mH 優勝 13秒95 (-1.5) 大会記録
日本インカレ 東京都 110mH 準決勝 13秒95 (+1.5)
国民体育大会 調布市 110mH 4位 13秒87 (-1.2)
2014 (院2) 織田記念 広島市 110mH 優勝 13秒82 (+1.3)
水戸招待陸上 水戸市 110mH 2位 13秒72 (+0.9)
関東インカレ (3部) 熊谷市 110mH 優勝 14秒15 (-1.5)
日本学生個人選手権 平塚市 110mH 優勝 13秒78 (+3.5)
トワイライト・ゲームス 東京都 110mH 3位 14秒28 (-0.1)
国民体育大会 諫早市 110mH 2位 13秒87 (-0.5)
2015 (社1) 静岡国際 袋井市 110mH 6位 14秒09 (-0.8)
木南記念 大阪市 110mH 優勝 13秒74 (+1.0)
110mH 優勝 13秒78 (-0.4)
トワイライト・ゲームス 東京都 110mH 2位 14秒04 (-0.3)
全日本実業団選手権 岐阜市 110mH 2位 13秒83 (-0.7)
日本記録挑戦会 伊丹市 200mH 優勝 22秒92 (+0.9) 大会記録
西日本カーニバル 北九州市 110mH 優勝 13秒54 (+0.2) 日本歴代3位
田島記念 山口市 110mH 優勝 13秒64 (-0.3)
2016 (社2) フロリダリレー ゲインズビル 110mH 7位 13秒57 (+2.3)
織田記念 広島市 110mH 6位 13秒98 (-0.5)
ゴールデングランプリ川崎 川崎市 110mH 3位 13秒61 (-0.6)
関西実業団選手権 大阪市 110mH 優勝 13秒54 (+0.3) 日本歴代3位
大会記録
布勢スプリント 鳥取市 110mH 3位 13秒65 (+1.4)
実業団・学生対抗 平塚市 110mH 優勝 13秒52 (+0.5) 日本歴代4位
大会記録
全日本実業団選手権 大阪市 110mH 2位 13秒77 (+0.7)
日本記録挑戦会 伊丹市 200mH 優勝 22秒80 (-2.2) アジア最高記録
大会記録
田島記念 山口市 110mH 優勝 13秒72 (-1.2)
2017 (社3) 織田記念 広島市 110mH 優勝 13秒52 (+1.5)
木南記念 大阪市 110mH 優勝 13秒57 (-0.8) 大会記録
ゴールデングランプリ川崎 川崎市 110mH 3位 13秒59 (-1.8)
布勢スプリント 鳥取市 110mH 予選 13秒54 (+1.5) 決勝 (第2レース) 未出場
実業団・学生対抗 平塚市 110mH 6位 13秒63 (+1.8)
全日本実業団選手権 大阪市 110mH 3位 13秒65 (+1.1)
国民体育大会 松山市 110mH 6位 13秒77 (+2.2)
2018 (社4) 織田記念 広島市 110mH 3位 13秒57 (+2.6)
関西実業団選手権 大阪市 200m 6位 21秒51 (+1.3) 予選21秒39 (0.0):自己ベスト
110mH 優勝 13秒80 (-0.4)
4x400mR 優勝 3分29秒03 (1走)

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ 筑波大学は対校戦以外の競技会には個人でエントリーすることになっていて、大室自身がエントリーするのを忘れていた[3]

出典

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  1. ^ 第16回世界陸上競技選手権大会(2017/ロンドン) 日本代表選手 (PDF, 125 KB) 日本陸上競技連盟 2017年08月06日閲覧
  2. ^ a b c 「13秒48連発、春季絶好調のハードラー」『月刊陸上競技』第51巻第7号、講談社、2017年6月号、78-81頁。 
  3. ^ 「日本学生個人選手権」『月刊陸上競技』第46巻第9号、講談社、2012年8月号、30頁。 
  4. ^ 【インタビュー】陸上競技男子110mH・大室秀樹(院1)ユニバーシアード2013カザン日本代表”. つくばスポーツOnline (2013年7月1日). 2015年10月25日閲覧。
  5. ^ 2016年5月22日の関西実業団陸上競技連盟の公式ツイッターより
  6. ^ 「第56回実業団・学生対抗」『月刊陸上競技』第50巻第10号、講談社、2016年9月号、135頁。 
  7. ^ 第95回日本体育大学陸上競技会リザルト (PDF, 5.0 MB) 日本体育大学陸上競技会 2016年06月21日閲覧
  8. ^ 大会結果・記録 / 2016オールスターナイト陸上”. 大塚製薬陸上競技部 (2016年7月23日). 2016年7月24日閲覧。
  9. ^ 陸上の日本記録挑戦会 男子3000遠藤が高校新”. 神戸新聞NEXT (2016年10月16日). 2016年10月17日閲覧。
  10. ^ 「日本選手権」『月刊陸上競技』第51巻第9号、講談社、2017年8月号、17頁。 
  11. ^ サニブラウン、多田らが世界陸上代表に選出 桐生は400メートルリレー代表候補に”. スポーツナビ (2017年6月26日). 2017年6月26日閲覧。

外部リンク

[編集]
記録
先代(タイ記録保持者)
日本の旗 秋本真吾
(22秒80)
2010年10月30日
男子200mハードル
アジア最高記録保持者
(22秒80)

2016年10月16日 - 2017年10月1日
次代
日本の旗 渡部佳朗
(22秒55)
2017年10月1日