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ハピラインふくい

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
小川俊昭から転送)
株式会社ハピラインふくい
Hapi-Line Fukui Co., Ltd.
ロゴマーク
ロゴマーク
種類 株式会社
本社所在地 日本の旗 日本
910-0005
福井県福井市大手二丁目4番13号
(大手合同事務所2階)
北緯36度3分50.8秒 東経136度13分23.8秒 / 北緯36.064111度 東経136.223278度 / 36.064111; 136.223278座標: 北緯36度3分50.8秒 東経136度13分23.8秒 / 北緯36.064111度 東経136.223278度 / 36.064111; 136.223278
設立 2019年(令和元年)8月13日[1]
業種 陸運業
法人番号 5210001017678
代表者 代表取締役社長 小川俊昭[2][3]
資本金 26億2300万円
(2024年3月時点)[4]
売上高 2億1,624万1,000円
(2024年3月期)[4]
営業利益 △7,156万円
(2024年3月期)[4]
経常利益 △9,132万1,000円
(2024年3月期)[4]
純利益 △9,424万7,000円
(2024年3月期)[4]
純資産 24億3,503万3,000円
(2024年3月時点)[4]
総資産 125億5,961万9,000円
(2024年3月時点)[4]
主要株主 福井県 55.6%
鉄道・運輸機構 24.6%
17市町[注 1] 15.9%
民間企業 4.0%
(2022年7月時点)[5][6][7]
外部リンク www.hapi-line.co.jp ウィキデータを編集
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株式会社ハピラインふくいは、福井県福井市に本社を置く第三セクター方式の鉄道事業者第三セクター鉄道)である[2]北陸新幹線金沢駅 - 敦賀駅間の開業時に西日本旅客鉄道(JR西日本)から経営分離された並行在来線のうち敦賀駅 - 大聖寺駅間を運営している[8]

沿革

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当初は2023年春に予定されていた北陸新幹線金沢駅 - 敦賀駅間開業と、並行在来線となる北陸本線の敦賀駅 - 大聖寺駅間のJR西日本からの経営分離に向けて、2019年8月に準備会社が設立された[1]

2019年9月から社員採用の応募を受け付け[9]2020年4月に第1期の社員が入社した[10][11]。新幹線金沢 - 敦賀間の開業が1年延期されて2024年春となる見通しが2020年12月に公表され、並行在来線の開業や準備スケジュールも1年先送りとなった[12]。これを受けて鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)から計6億2千万円の出資を受けている[6]2022年7月に公募による会社名「ハピラインふくい」に改称[13][7]。同月に増資を行い、本格会社に移行した[13][7]

開業時には採用した社員約100人とJR西日本からの出向者約170人、福井県からの派遣職員など約10人の約280人体制となる見込みである[14][15]。開業までに採用された社員はJR西日本に出向して研修を受けている[12][15][16][17][18]。開業から10年をめどにJR西日本からの出向を解消する計画としている[19][16]

展望

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県内にはすでに第三セクター鉄道事業者としてえちぜん鉄道福井鉄道も存在しており、福井県はこれら2社との経営統合も含めて県内の第三セクター鉄道3社のあり方について検討するとしていた[20][21]

2024年6月5日には上記3社で「福井県鉄道協会」を設立し、資材調達や人材確保、鉄道の利用促進などで連携を図ると発表したが、3社の成り立ちの経緯の違いから経営統合は見送りとなった[22]

同年7月には、北陸新幹線の並行在来線を運営する5社が業務の効率化に向けて連携すると報じられた。除雪作業の支援や予備品の共同購入、訓練の相互見学などに取り組むとしている[23]

年表

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  • 2019年令和元年)8月13日 - 福井県並行在来線準備株式会社として設立[1]。本社を福井県庁舎内に置く[1]。社長に福井県の元新幹線・地域鉄道対策監の西村利光が就任[1]。資本金は5億円[5]
  • 2020年(令和2年)
    • 4月1日 - 第1期新入社員が入社[24]
    • 6月1日 - 本社事務所を福井県庁舎内から、近隣の「大手合同事務所」へ移転[25][26]
  • 2021年(令和3年)4月1日 - 社長に福井県の元土木部長の小川俊昭が就任[3]
  • 2022年(令和4年)
    • 1月19日 - 福井県並行在来線準備株式会社等が申請した鉄道事業再構築実施計画について、国土交通省が認定。これにより、福井県内の並行在来線区間(敦賀駅 - 大聖寺駅間)の第一種鉄道事業の許可を受けたとみなされる[27][28]
    • 3月28日 - 公募を経て社名を「株式会社ハピラインふくい」に決定[29][30][31][32]
    • 3月30日 - 1億円を増資[6]
    • 7月4日 - 商号を株式会社ハピラインふくいに変更[13][7][33]
    • 7月 - 19億2千万円を増資[7]
    • 8月26日 - ロゴマークを発表[34][35]
  • 2023年(令和5年)
  • 2024年(令和6年)
    • 1月11日 - 開業時の運行ダイヤを発表[43]
    • 3月16日 - 北陸新幹線 金沢駅 - 敦賀駅間の延伸開業に伴い、JR西日本から北陸本線の敦賀駅 - 大聖寺駅間が経営分離され、運行開始[8][44][45][46][47][48]
    • 6月5日 - えちぜん鉄道福井鉄道との3社で「福井県鉄道協会」(任意団体)を設立[49]。利用促進、資材の共同購入・利用や乗務員確保対策などを行う。都道府県単位の地方鉄道会社による組織化は全国初。

路線

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路線図
  • ハピラインふくい線敦賀駅 - 大聖寺駅(84.3 km)[44][50]
    • このうち、自社で所有する駅は、両端の敦賀駅と大聖寺駅を除いた南今庄駅 - 牛ノ谷駅間の17駅[51]
    • JR西日本との境界駅である敦賀駅は、JR西日本の所有のままで、ハピラインふくいとの共同使用駅となった[52][注 2]。ハピラインふくいは駅員を配置し、西口に案内窓口、東口に券売機を設ける計画としていた[54]が、券売機に関しては東口・西口ともJR西日本の機材でハピラインふくい線の片道乗車券と越美北線への連絡乗車券を発売し、回数券・定期券や自社デザインのICOCA等は西口の「ご案内カウンター」にて取り扱う。
    • IRいしかわ鉄道との営業境界駅である大聖寺駅(石川県加賀市)は、IRいしかわ鉄道が所有する共同使用駅となっている[55][52]

車両

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ハピラインふくいのデザインでラッピングされた521系電車

開業に際し、JR西日本から営業用として521系電車2両編成16本の譲渡を受けた[56][57]。車両はピンク色と緑色を使ったデザインにラッピングされる[40]。開業時点では1編成のみがラッピングされていた[58]。他の編成にも順次ラッピングが施され、同年9月10日のHF04編成を最後に全編成への施行が完了した[59]。このうちHF10編成及びHF16編成には特別ラッピングが施されている[60][61]

また、除雪用の車両についても必要な数をJRから取得する計画としている[56]

運賃

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大人普通旅客運賃(小児は半額・10円未満切り上げ)。2024年3月16日実施[62][63][64]

キロ程 運賃(円)
1 - 3 170
4 - 6 220
7 - 10 230
11 - 15 280
16 - 20 380
21 - 25 480
26 - 30 590
31 - 35 680
36 - 40 780
41 - 45 890
46 - 50 990
51 - 60 1140
61 - 70 1350
71 - 80 1540
81 - 85 1750

他社線との連絡乗車券は、下記線区に対して設定[65][66]。ただし、JR西日本の福井県外各駅(近江塩津駅以南)への連絡乗車券はハピラインふくいでは券売機での取扱はなく有人窓口でのみ発売する。

  • IRいしかわ鉄道
    • IRいしかわ鉄道線(全線)
  • JR西日本

乗り継ぎ割引はJR越美北線(ハピライン:武生 - 丸岡間、越美北線:六条 - 計石間)・IRいしかわ鉄道(ハピライン:牛ノ谷 - 福井間、IR:加賀温泉 - 金沢間)に設定されている[注 3]

全線でICOCAを含む全国相互利用交通系ICカードの利用が可能。上記他社線との連続利用も可能(越美北線・小浜線を除く)。

通過連絡運輸

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JR各社ではハピラインふくい線を通過する通過連絡運輸として、以下のものを設定している[67]

発着駅 経由 発着駅
越美北線各駅 福井 - 越前花堂 JR全駅

主な事業所

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  • 直営有人駅 - 武生駅、鯖江駅、福井駅、芦原温泉駅
  • お客様カウンター - 敦賀、福井の両駅舎内
  • 遺失物保管場所(福井市中央一丁目、福井駅駅舎内)
  • 運転管理センター(福井市中央二丁目、福井駅構内)
  • 車両管理センター(福井市花堂東一丁目、南福井駅構内) - JR西日本金沢総合車両所敦賀支所福井派出の跡にある[注 4]
  • 施設管理センター(福井市大手一丁目、福井駅構内)
    • 今庄施設管理室(南条郡南越前町今庄、今庄駅構内)
    • 福井施設管理室(施設管理センター内)
  • 電気管理センター(福井市大手一丁目、福井駅構内)

なお、施設・電気の管理センター隣(えちぜん鉄道新福井駅の西側、JR西日本福井地域鉄道部跡)に本社が移転する予定となっている。

脚注

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注釈

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  1. ^ 沿線7市町:福井市・敦賀市鯖江市あわら市越前市坂井市南越前町
    その他:小浜市大野市勝山市永平寺町池田町越前町美浜町高浜町おおい町若狭町
  2. ^ なお、敦賀駅を管轄していた敦賀地域鉄道部は廃止され、金沢支社の管轄となる[53]
  3. ^ JR西日本にまたがる通学定期乗車券に限り、越美北線(ハピライン:武生 - 芦原温泉間、越美北線:六条 - 下唯野間)に加え、小浜線(ハピライン:南今庄 - 鯖江間、小浜線:西敦賀 - 若狭有田間)も対象となる。
  4. ^ 金沢総合車両所敦賀支所福井派出は廃止され、越美北線の車両キハ120形が常駐するのみとなっている。

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e 新幹線並行在来線の準備会社発足 北陸新幹線、福井県庁に本社」『福井新聞ONLINE』福井新聞社、2019年8月14日。2019年9月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月23日閲覧
  2. ^ a b 会社情報」株式会社ハピラインふくい。2023年12月15日閲覧
  3. ^ a b 山本洋児「並行在来線準備会社 新社長に小川氏選任 福井で取締役会」『中日新聞』(朝刊 福井中日)、2021年3月26日、14面。2023年12月15日閲覧
  4. ^ a b c d e f g 株式会社ハピラインふくい 第5期決算公告 (PDF)」『官報』167号(号外)、国立印刷局、2024年7月12日、161面。2024年8月4日閲覧
  5. ^ a b 並行在来線の準備会社8月13日設立 北陸新幹線で福井県内区間の三セク」『福井新聞ONLINE』福井新聞社、2019年7月28日。2019年9月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年9月23日閲覧
  6. ^ a b c (独)鉄道・運輸機構からの出資決定について』(プレスリリース)、福井県並行在来線準備株式会社、2022年3月10日。2023年12月15日閲覧
  7. ^ a b c d e 福井の新鉄道会社「ハピラインふくい」に社名変更 JRから経営分離の並行在来線、開業までに民間から1億円求める」『福井新聞ONLINE』福井新聞社、2022年7月5日。2022年7月15日閲覧
  8. ^ a b 国本ようこ、深尾昭寛「ハピラインふくいもデビュー 並行在来線」『毎日新聞』(朝刊 福井)、毎日新聞社、2024年3月17日、25面。2024年3月19日閲覧
  9. ^ 堀川敬部「高校卒業予定者、社員30人を募集 在来線三セク会社」『朝日新聞』(朝刊 福井全県)、2019年8月10日、23面。2022年7月9日閲覧
  10. ^ 「[New門@福井]新幹線来たる!〜変わる交通網〜 並行在来線」『読売新聞』(朝刊 福井)、読売新聞大阪本社、2020年5月18日、23面。
  11. ^ 山本洋児「技術職の採用進まず 県並在線準備会社 1期生の説明会を予定」『中日新聞』(朝刊 福井総合)、2020年7月21日、13面。2023年9月19日閲覧
  12. ^ a b 沿線自治体、負担増を懸念 建設費、上振れ分の一部拠出も 並行在来線、収益ないまま費用増加」『日本経済新聞』(地方経済面 北陸)、2020年12月11日、8面。2022年8月29日閲覧
  13. ^ a b c 山本洋児「延びる新幹線 社名「ハピラインふくい」出発 並行在来線準備会社が変更」『中日新聞』(朝刊 福井中日)、2022年7月5日、18面。2023年9月19日閲覧
  14. ^ 福井県並行在来線対策協議会 2021, pp. 9–10.
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  20. ^ えち鉄、福鉄との経営統合課題整理 新幹線敦賀開業後の並行在来線」『福井新聞ONLINE』福井新聞社、2018年6月28日。2018年6月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。
  21. ^ 並行在来線、えち鉄、福鉄の一体化は 福井県知事、北陸新幹線開業10年めどに検討」『福井新聞ONLINE』福井新聞社、2020年9月12日。2020年9月13日時点のオリジナルよりアーカイブ。
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  28. ^ 鉄道事業再構築実施計画の認定および鉄道事業の許可について』(プレスリリース)、福井県並行在来線準備株式会社、2022年1月19日。2023年12月15日閲覧
  29. ^ 山本洋児「並行在来線「ハピラインふくい」 社名が内定 人とまち 路線でつなぎ幸せに」『中日新聞』(朝刊 福井総合)、2022年3月29日、17面。2023年9月19日閲覧
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  31. ^ 福井区間の並行在来線会社 「ハピラインふくい」に 三セクの社名が内定」『日本経済新聞』(地方経済面 北陸)、2022年3月29日、8面。2022年4月10日閲覧
  32. ^ 並行在来線の社名は「ハピラインふくい」北陸新幹線福井県内延伸後に現北陸線を運営」『福井新聞ONLINE』福井新聞社、2022年3月28日。2022年3月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年3月28日閲覧
  33. ^ 新社名「株式会社ハピラインふくい」に変更しました』(プレスリリース)、株式会社ハピラインふくい、2022年7月4日。2023年12月15日閲覧
  34. ^ 玉田能成「ロゴマークを発表 車両、社員の制服に ハピラインふくい」『中日新聞』(朝刊 福井総合)、2022年8月27日、17面。2023年9月19日閲覧
  35. ^ 柳川迅「ハピラインがロゴマーク発表」『朝日新聞』(福井全県)、2022年8月29日、19面。2022年8月29日閲覧
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  38. ^ ハピラインふくいの開業日が決定しました!』(プレスリリース)、株式会社ハピラインふくい、2023年8月30日。2023年12月15日閲覧
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  40. ^ a b 玉田能成「ハピライン 車両と駅名標 デザイン発表 華やかで親しみやすく」『中日新聞』(朝刊 福井中日)、2023年9月3日、12面。2023年9月19日閲覧
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  66. ^ JR西日本との連絡運輸範囲と乗継割引運賃の設定』(プレスリリース)ハピラインふくい、2023年12月5日https://www.hapi-line.co.jp/news/archives/312024年3月27日閲覧 
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参考文献

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関連項目

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外部リンク

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