小野日子
小野 日子 おの ひかりこ | |
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公式肖像写真 | |
生年月日 | 1965年5月24日(59歳) |
出生地 | 東京都 |
出身校 |
一橋大学社会学部 オックスフォード大学トリニティ・カレッジ |
前職 | 外務報道官 |
現職 | 駐ハンガリー大使 |
称号 |
社会学士(一橋大学) 教養学士(オックスフォード大学) |
配偶者 | 小野啓一(外務省経済局長) |
在任期間 | 2021年3月3日 - 2021年10月4日 |
在任期間 | 2021年10月4日 - 2022年1月11日 |
在任期間 | 2022年1月11日 - 2023年9月15日 |
小野 日子(おの ひかりこ、旧姓:関[1]、1965年5月24日 - )は、日本の外交官。
内閣参事官、内閣副広報官、外務省外務副報道官、内閣広報官、外務省経済局長、外務報道官などを歴任。
人物・経歴
[編集]1965年東京都生まれ[2]。女子学院中学校・高等学校を経て[1]、1988年 一橋大学社会学部卒業[3]。高校時代に5学年先輩の女性外交官の新聞記事を読み、初めて外交官という仕事の存在を知り、大学進学後、同期の三木谷浩史などの気迫に影響され、外交官試験への挑戦を決意したという[2]。
1988年外務公務員Ⅰ種採用、外務省入省[4]。同期25人のうち女性は1人だけで[2]、歴代女性キャリア外交官としては20人目となった[5]。
1989年から外交官補としてイギリス研修を受けオックスフォード大学トリニティ・カレッジに留学し[4][6]、1991年オックスフォード大学哲学政治経済学部(Philosophy, Politics and Economics)卒業[6][3]、B.A.取得[7]。オックスフォード大学在学中は外務省の1年先輩だった皇后雅子と交友を持ち、スキーや箱根への温泉旅行などをともにする経験も得た[8]。1993年に入省同期の小野啓一と結婚[9][3]。
環境と開発に関する国際連合会議、対アジア向け円借款(インドネシア、タイ、モンゴル等)、インドシナ半島メコン川流域開発、世界貿易機関などの担当を経て[3][10]、2000年から2003年まで在アメリカ合衆国日本国大使館一等書記官(広報文化班次席)としてプレス対応等に従事[3][4][11]。
長年子供を設けることにためらいを感じていたが[3][5]、2003年にワシントンD.C.で出産し[12]、育児休業を取得した[4]。出産を経験した女性外交官として歴代5人目となり、育児明けに上司から、「置き場には困る」と嫌味を言われたという[5]。
2005年から外務省経済協力局開発計画課企画官を務め[10]、政府開発援助白書編纂や、分野別開発政策を担当[3]。
2006年からは外務省国際協力局多国間協力課企画官として、政府開発援助政策を担当し[3]、CCOP国内支援委員会委員なども兼任した[13]。
2009年 外務省国際協力局国別開発協力第二課長[4]。同年グローバル・ママ・ネットワーク設立に参画[14]。
2011年 外務省大臣官房広報文化交流部総合計画課長[4]。
2012年 内閣官房内閣参事官、内閣官房内閣広報室内閣副広報官、内閣官房国際広報室長[4][6]。
2016年から東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会スポークスパーソンを務め[4]、広報局長も兼務した[15]。
2017年から夫や子供とともにジャカルタに赴任し、東南アジア諸国連合日本政府代表部公使(次席)。2019年から子供はシンガポールに在住[4][16][4]。
2020年 外務省大臣官房審議官(報道・広報・文化交流担当)(外務省外務副報道官)兼アジア大洋州局、フルブライト・ジャパン日本側委員[17][18][19]。
2021年 内閣広報官[20][21]。同年 外務省経済局長[22]。
2022年 外務報道官[23]。ロシア外交官らの国外追放を表明した[24]。同年5月、ロシアのウクライナ侵攻に伴うロシア政府による日本への報復措置(ロシア連邦への日本政府の政策に対する報復措置に関してのロシア外務省声明)により、ロシア連邦への入国を恒久的に禁止された[25]。
2024年 ハンガリー国駐箚 特命全権大使[26][27]。
人物像
[編集]- 仕事ぶりに派手さはなく、淡々とこなしていくタイプで[28]、温厚な性格で敵が少ない人物とされる[9][29]。
- 鈴木一人東京大学公共政策大学院教授によると、名前が難読で苦労しているという[30]。
- 当時の外務省では子供を持つ女性外交官はまだ少なく、深夜や土日も仕事をして、誘われたら飲み会にも行けないようならダメだ、などと言われ、育児との両立に辛い想いをしたが、やむを得ず聞き流してきたという[2]。
- 趣味はジョギングと旅行で[31]、都内のマラソン大会などに出場[32][33]。
受賞
[編集]著書
[編集]- 『パブリック・ディプロマシー戦略 : イメージを競う国家間ゲームにいかに勝利するか』(金子将史, 北野充編著, Mark J.Davidson, 水鳥真美, 横江公美, 金泰煥, 古嶋雅史, 加治慶光, 四方敬之, 本田修, 米谷光司, 小島寛之共著)PHP研究所 2014年
同期
[編集]- 達増拓也(07年岩手県知事)
- 青木豊(23年アルメニア大使)
- 岩﨑一郎(09年一橋大学経済研究所教授)
- 一方井克哉(22年ニジェール兼轄、 21年コートジボワール大使(トーゴ兼轄))
- 内川昭彦(23年モントリオール総領事)
- 宇山秀樹(22年デンマーク大使・20年欧州局長)
- 岡田健一(21年香港総領事)
- 小野啓一(22年外務審議官(経済担当)・22年外務省経済局長・20年地球規模課題審議官)
- 赤松武(22年国際民間航空機関代表部大使)
- 海部篤(23年ウィーン代表部大使・21年軍縮不拡散・科学部長・20年儀典長)
- 小泉勉(24年ラオス大使、22年中華人民共和国大使館特命全権公使、20年外務省研修所長)
- 小林賢一(24年・特命全権大使(国際貿易・経済担当)・21年ラオス大使)
- 佐々山拓也(24年ウガンダ大使・20年トロント総領事)
- 鈴木光太郎(22年ボストン総領事・20年イラク大使)
- 髙杉優弘(21年コロンビア大使)
- 堤尚広(24年特命全権大使(人権担当兼国際平和貢献担当)・20年南スーダン大使)
- 林禎二(21年ブラジル大使・20年中南米局長)
- 平野隆一(21年在ロシア大使館 公使・20年内閣官房国際テロ情報集約室次長・16年ユジノサハリンスク総領事)
- 船越健裕(23年外務審議官・20年アジア大洋州局長)
- 松本太(22年イラク大使・19年ニューヨーク領事)
- 柳淳(23年シカゴ総領事・21年内閣審議官兼内閣情報調査室次長兼国際テロ情報集約室次長、18年在オーストリア大使館 公使)
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d 戦後75年・名作の風景 ガラスのうさぎ/下(その1) 外交官・小野日子さん 平和な世界に役立ちたい 毎日小学生新聞 2020/3/10
- ^ a b c d 1年で地球を6.2周 海外を飛び回る外交官ママ アメリカで出産し、帰国して保活。上司からの不本意な言葉を聞き流し、夫を「育て」ながら前進日経DUAL2014.07.25
- ^ a b c d e f g h 一橋の女性たちHq14号
- ^ a b c d e f g h i j k l 小野 日子内閣官房
- ^ a b c 最も辛かったのは「理解のない上司の言葉」日経DUAL2014.07.25
- ^ a b c 討論会:2020年オリンピックにおける女性の役割と影響アンスティチュ・フランセ東京
- ^ Care Economy: Strategic Perspective for Achieving the Millennium Development Goals (MDGs)外務省
- ^ 外交官経験生かします/小野日子日刊スポーツ2016年9月6日15時34分
- ^ a b 五輪組織委の新広報官に 外務省女性キャリアの“前途多難”日刊ゲンダイ2015/12/20 07:00
- ^ a b “ケア・エコノミー”は成功への鍵か: ミレニアム開発目標 (MDGs)達成に向けて外務省
- ^ 「執筆者略歴」『パブリック・ディプロマシー戦略』
- ^ 同期の夫とワシントン赴任中に妊娠・出産日経DUAL 2014.07.25
- ^ 第2回CCOP国内支援委員会開催地質調査総合センター
- ^ 日本のニュースを英語で発信しよう!Eiken× The University Times 3
- ^ 五輪組織委の広報局長に小林氏朝日新聞デジタル2017年8月15日05時00分
- ^ 【インドネシアで輝く女性】インドネシアの多様性はASEANを象徴CROWN MEDIA | November 18, 2020
- ^ 「人事 外務省」毎日新聞2020年4月1日 東京朝刊
- ^ 日本側委員 (アルファベット順)フルブライト・ジャパン
- ^ 内 閣 辞 令内閣官房
- ^ 後任の内閣広報官 外務省 外務副報道官の小野日子氏 起用へNHKニュース 2021年3月3日 10時15分
- ^ “官房長官記者会見 令和3年3月3日(水)午前 内閣広報官の人事について”. 首相官邸 (2021年3月3日). 2021年3月3日閲覧。
- ^ “内閣広報官に外務省の四方経済局長”. 産経新聞. (2021年10月4日) 2021年10月4日閲覧。
- ^ “外務報道官に小野日子氏 経済局長後任は夫 異例のバトンタッチ”. 毎日新聞. 2021年12月25日閲覧。
- ^ “【速報】ロシア外交官ら8人を国外追放へ 外務省発表|FNNプライムオンライン”. FNNプライムオンライン (2022年4月8日). 2024年7月2日閲覧。
- ^ “ロシア外務省:Заявление МИД России об ответных мерах на политику правительства Японии в отношении Российской Федерации”. www.mid.ru. 2022年5月4日閲覧。
- ^ INC, SANKEI DIGITAL (2024年1月31日). “外務省人事”. 産経ニュース. 2024年2月1日閲覧。
- ^ “令和六年二月五日付人事異動”. 外務省. 2024年3月20日閲覧。
- ^ 政府、広報官に小野氏抜てき 女性外交官で信頼回復時事通信2021年03月03日17時35分
- ^ 吉田外務報道官会見記録(令和3年3月3日(水曜日)15時46分 於:本省会見室)
- ^ 山田前広報官の後任に小野日子外務副報道官の起用内定FNNプライムオンライン(ニューズピックス)
- ^ コアメンバーについてGlobal Moms Network (グローバル・ママ・ネットワーク)
- ^ 第13回 新宿シティハーフマラソン・区民健康マラソン 完走タイム一覧
- ^ PARACUP2015リザルト(ハーフマラソン(3.5H))
- ^ a b c 小野日子「平和を思う原点」日本経済新聞(朝刊)2021年12月30日・第34面「交遊抄」。
外部リンク
[編集]- 内閣広報官 小野日子 - 内閣官房
- Hikariko ONO (@hikarikoono) - X(旧Twitter)
- 【貴重映像】接待辞任の後任抜擢!小野日子新内閣広報官の学生時代のインタビュー「平和に貢献を」 - YouTubeFNNプライムオンライン
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