コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

大阪信愛学院短期大学

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
村田初子から転送)
大阪信愛学院短期大学
大阪信愛学院短期大学城東キャンパス
大学設置 1959年
創立 1884年
廃止 2024年
学校種別 私立
設置者 学校法人大阪信愛女学院 
本部所在地 大阪府大阪市城東区古市2-7-30
北緯34度42分39.64秒 東経135度33分33.64秒 / 北緯34.7110111度 東経135.5593444度 / 34.7110111; 135.5593444座標: 北緯34度42分39.64秒 東経135度33分33.64秒 / 北緯34.7110111度 東経135.5593444度 / 34.7110111; 135.5593444
キャンパス 城東キャンパス(大阪府大阪市城東区古市2-7-30)
鶴見キャンパス(大阪府大阪市鶴見区鶴見6-2-28)
学部 人間環境学科[注 1]
子ども教育学科
看護学科
ウェブサイト https://www.osaka-shinai.jp/
テンプレートを表示

大阪信愛学院短期大学(おおさかしんあいがくいんたんきだいがく、英語: Osaka Shin-ai College)は、大阪府大阪市城東区古市2-7-30に本部を置いていた私立短期大学。1884年西洋女子技芸学校として創立、1959年短期大学設置、そして2024年閉学した。大学の略称は信愛(しんあい)または信短(しんたん)。

概観

[編集]

大学全体

[編集]

建学の精神(校訓・理念・学是)

[編集]
  • 大阪信愛学院短期大学の建学の精神は「ひとつの心、ひとつの魂」となっている[4]

教育および研究

[編集]
  • 大阪信愛学院短期大学は、カトリック精神に基づいた教育が母体となっていることから、「キリスト教と人間」・「現代とキリスト教」といった宗教科目が必須となっている。

学風および特色

[編集]
  • 大阪信愛学院短期大学はカトリック系の短大であることから、「みことばの祭儀」や「クリスマスの集い(ミサ)」などの行事が行なわれているのが特徴である。
  • 小規模校であるため、学生相互そして学生と教職員の交流があり距離感が近い。
  • かつては制服が定められていた[5]が廃止された。

沿革

[編集]
  • 1859年 学院の設立母体となるショファイユの幼きイエズス修道会がフランスでレーヌ・アンティエ英語版により創立[6]
  • 1877年 ベルナール・プティジャン司教の招聘によって4名の修道女が来日[4]
  • 1884年 大阪外国人居留地(現:大阪市西区川口町)にて西洋女子技芸学校が開設 創設者:マリー・ジュスティヌ[7]
  • 1908年 大阪信愛高等女学校が開設される[7]
  • 1932年 城東区古市に校舎を移転する[7]
  • 1956年 大阪信愛女学院幼稚園教員養成所が開設される[7]
  • 1959年
    • 1月20日 左記をもって学校法人大阪信愛女学院[8]による短期大学の設置が文部省[注 3]より認可される[9][10][11]
    • 4月1日 左記をもって大阪信愛女子短期大学(おおさかしんあいじょしたんきだいがく)が以下の学科体制で開学[12]
  • 1961年
    • 4月1日 左記をもって大阪信愛女学院短期大学と校名変更される[14]。同時に以下の通り学科が増設される[15]
      • 家政科 学生数 18[16]/入学定員40名
  • 1968年
    • 4月1日 左記をもって入学定員を以下の通り執り行われる[17]
      • 保育科 40→100[18]
      • 家政科 40→100[18]
  • 1970年
    • 4月1日 左記をもって学科の名称変更を以下の通り行われる[19]
  • 1988年
    • 4月1日 左記をもって家政学科を生活文化学科に改称。入学定員は100名[20][注 6]
  • 2001年
    • 4月1日 左記をもって生活文化学科を人間環境学科に名称変更する[23]。鶴見区に新しいキャンパスが開校。初等教育学科に保育士資格取得課程が設置。
  • 2006年
    • 4月1日 左記を以て入学定員を以下の通り変更する[24]
      • 人間環境学科 100→70
      • 初等教育学科 100→130
  • 2009年
    • 4月1日 左記を以て人間環境学科に替えて、看護学科を設置[25]
  • 2010年
    • 3月31日 左記を以て人間環境学科、正式廃止[26]
  • 2012年
    • 4月1日 左記を以て初等教育学科を子ども教育学科に名称変更[27]
  • 2015年 短期大学基準協会による第三者評価において「適格」であるとの認証を受ける
  • 2018年
    • 4月1日 左記を以て大阪信愛学院短期大学に名称変更
  • 2021年
  • 2022年 
    • 3月 大学・短期大学基準協会による第三者評価において「適格」であるとの認証を受ける
  • 2024年3月31日 短期大学としての使命を終える[29]

基礎データ

[編集]

所在地

[編集]
  • 城東キャンパス(大阪府大阪市城東区古市2-7-30)
  • 鶴見キャンパス(大阪府大阪市鶴見区6-2-28)

象徴

[編集]

組織

[編集]

子ども教育学科

[編集]

看護学科

[編集]
  • 入学定員80名
  • 看護師国家試験受験資格が与えられる。また希望により、園芸療法士資格、ピアヘルパー受験資格、社会福祉主事任用資格も取得できる。

人間環境学科[注 1]

[編集]

附属機関[注 9]

[編集]

大阪信愛学院図書館[注 9]

[編集]
  • 絵本・紙芝居・児童書・一般小説類・キリスト教図書・専門書・CD・ビデオ・DVD等を含めて、所蔵資料はおよそ20万冊。

大阪信愛学院短期大学児童教育研究所[注 9]

[編集]
  • 保育・教育研究会・講演会・セミナー・交流会の開催、保育・教育・療育相談、報告書の発行などを行っている。

大阪信愛生命環境総合研究所

[編集]
  • 生命と環境に関わる総合的な研究や啓発活動を行っている。論文集「人と環境」を発行する。

研究

[編集]
  • 大阪信愛女子短期大学研究紀要が発行される[36]
  • 大阪信愛女学院短期大学研究紀要が発行される[37]
  • 大阪信愛女学院短期大学学生による研究[38][39][40]

学生生活[注 9]

[編集]

グループ担任制[注 9]

[編集]
  • 学生生活を円滑におくり充実向上させるためにグループ担任制をとっている。担任はアカデミックアドバイザーとして学業面のサポートを行い、就職部と連携して、進路面での指導を行う。

学生相談[注 9]

[編集]
  • 学生部に学生相談室を設けている。学生生活で生じた様々な悩みや不安、学生自身で解決できない諸問題について、学生部が初期の窓口となる。

オフィスアワ[注 9]

[編集]
  • 設定された時間帯に教員が学生の相談に応じるオフィスワーを設けている。

学生会[注 9]

[編集]
  • 学生会は学生が相互の理解を深め、学生生活をより有意義にすることを目的に、全学生をもって構成されている。企画実行機関として、学生会役員会と各学科で学生委員会を設置する。学生委員会は各グループで選出された代表・副代表の学生で構成される。
  • OSACとはOsaka Shin-Ai Committee(大阪信愛委員会)のことで、各グループの代表・副代表で構成される学生委員会のメンバーがOSACに所属する。OSACはカトリック精神に基づいた大阪信愛学院の建学の精神を具現化するための組織であり、愛と奉仕の精神でキリスト教的行事・募金・福祉活動などを行う。

健康保健センター[注 9]

[編集]
  • 健康保健センターは学生ならびに教職員の健康の保持・増進を目的とする。外傷や体調不調などの応急処置、および専門医への手配を行う。

部活動・クラブ活動・サークル活動 [注 9]

[編集]
  • 大阪信愛学院短期大学では部・クラブ等への所属は任意であるが、積極的に活動をする学生も少なくない。ボランティア活動が盛んに行われている。「合唱部」や「幼児歌遊び研究会」などは学外でも活動の場を広げている。

小さき花の会

[編集]
  • 小さき花の会は、カトリックの信仰に基づいた交わりや活動を通して互いに成長し、その喜びを周囲に分かち合うことを目的とする。カトリックの教えを信じ、洗礼を受けている者は全て会員となる。キリストの教えに関心を寄せる学生も自由に参加することができる。

フレッシュマンキャンプ[注 9]

[編集]
  • 新入生のために学外で一泊二日、寝食を共にして行われる研修会である。建学の精神を学び、学風に親しみ、教職員と学生相互の理解を深め合う。

OSACの集い[注 9]

[編集]
  • OSACに所属する学生たちが、大阪信愛学院短期大学の設立母体であるショファイユの幼きイエズス修道会の仁川本部修道院を訪問し、研修に参加して建学の精神への理解を深め、学生会の活動について考える。

学園祭[注 9]

[編集]

演奏会・表現フェスタ[注 9]

[編集]
  • 音楽や表現活動を通して、芸術性と創造性を養いながら、調和のとれた人を育むことを目的として行われる。

戴帽式[注 9]

[編集]
  • 看護学科の3回生が本格的な臨地実習に臨む時に、戴帽式を挙行する。式では看護の精神の象徴であるナースキャップを戴き、看護師への決意を新たにする。

スポーツ[注 9]

[編集]

信愛グローバルコモンズ

[編集]
  • 学院の信愛グローバルコモンズが様々な自主活動・ プログラムを実施している。

長期履修学生制度[注 9]

[編集]
  • 長期履修学生制度により、仕事や家事に従事しながら正規の学生として、計画的に通常の教育課程を履修することがでる。

奨学金[注 9]

[編集]
  • 日本学生支援機構の奨学金以外に、学院または短期大学独自の奨学金制度を設けている。

レーヌ・アンティエ奨学金[注 9]

[編集]
  • 入学後の学業成績および生活態度を総合的に評価して奨学金を給付する

大阪信愛125周年記念奨学金

[編集]
  • 経済的事由により修学が困難が認められる人に授業料半期相当額を給付する

大阪信愛女学院育英奨学金[注 9]

[編集]
  • 生活条件が急変し学費の支弁が困難になった人に学費を貸与する

安悦子・安在祐奨学金[注 9]

[編集]
  • 経済的事由により修学が困難が認められる人に授業料半期相当額を給付する

看護学科では、病院奨学金を受けて、その病院に就職する学生も少なくない。

大学関係者と組織

[編集]

大学関係者一覧

[編集]

教員・関係者

[編集]

卒業生

[編集]

組織

[編集]

教育会

[編集]
  • 教育のバックアップをする「教育会」という保護者の会が組織されている。

同窓会

[編集]
  • 卒業生は「大阪信愛学院短期大学同窓会めぐみ会」の会員となる。「めぐみ会」は、大阪信愛女学院幼稚園教員養成所および大阪信愛学院短期大学(大阪信愛女学院短期大学)の卒業生をもって構成される同窓会で、1962年(昭和37年)7月の総会にて結成された。会報の発行や総会・懇親会等の開催を中心に活動している。

施設

[編集]

キャンパス

[編集]

城東キャンパス[注 9]

[編集]
大阪信愛学院・城東キャンパスのチャペル

鶴見キャンパス[注 9]

[編集]

学生食堂(カフェテリア)[注 9]

[編集]
  • 入学式や看護学科の戴帽式などの行事にて使用される。

寄宿舎[注 9]

[編集]
  • かつて城東キャンパス内に通学が困難な学生のために寄宿舎が設けられていたが現在は廃止されている。

対外関係

[編集]

他大学との協定

[編集]

関係校

[編集]

系列校

[編集]

社会との関わり

[編集]
  • 生涯教育として様々な公開講座が行なわれている。
  • 定期的にチャペルコンサートを開催している。
  • 科目等履修制度を学外の女性を対象に開放している。
  • 文部科学大臣の認定を受けて教員免許更新講習を実施している。
  • 子ども教育学科では幼稚園教諭免許状を有する者における保育士資格取得特例による特例講座を開講していた。
  • 大阪マラソン“クリーンUP”作戦に参加して地域の清掃活動を行っている。
  • 城北川遊歩道(中菫橋~北菫橋)にて行われる「城東区キャンドルナイトin 城北川」に学生会役員の有志がボランティアとして参加している。
  • 2008年(平成20年)に「守口市教育委員会と大阪信愛女学院短期大学との連携協力に関する協定書」が締結され、大学教員による幼稚園・小学校教員対象の研修支援や、教員志望の学生による幼稚園・小学校での授業支援、放課後学習支援等の学生ボランティア活動が進められている。
  • 2012年(平成24年)に「大阪市城東区役所と学校法人大阪信愛女学院との連携協力に関する協定書」の調印が行われ、短期大学は健康で安心して心豊かに暮らせるまちづくりに取り組んでいる。
  • 警察署から「子どもの防犯意識を高める手遊び歌の制作を」という旨の依頼を受け、短期大学の「合唱部」と「幼児歌遊び研究会」の学生が作詞・作曲および振付を考案し、防犯体操「おやくそくのうた」を作成した。2018年には城東警察署長より感謝状が贈呈された。
  • 2018年(平成30年)に短期大学の学生が女性の被害を減らそうと、自転車用のひったくり防止カバーをデザインし、大阪府警が計1万7000枚を無料配布した。

卒業後の進路について

[編集]

就職について

[編集]
  • 子ども教育学科:教職就職希望者13年連続就職率100%(2019年)。2017年〜2019年の教職就職者:幼稚園(30.8%)、保育所(26.9%)、認定こども園(28.8%)、小学校正教員(1.5%)、小学校等講師(7.5%)、福祉施設(4.5%)。一般企業等では、建設、小・卸売、製造、飲食、印刷、サービス、医療、金融、教育の分野で就職をしている。なお、前身の初等教育学科においては幼稚園教諭に就く人が最も多い傾向にあった。保育士資格取得が卒業時にできるようになってからは、保育士として保育園に勤務する人も増加傾向にあった。小学校教諭として小学校に勤務する人は少ないが、大阪信愛学院小学校熊取町立東小学校などに教職として勤務している人もいた。
  • 看護学科:卒業生のほとんどが、大学病院、公的病院、地域の中核病院に就職している。病院奨学金を受けて、その病院に就職する学生も少なくない。
  • 人間環境学科:一般企業が大半教職に就く人はごく僅かであった[41]

編入学・進学実績

[編集]

逸話

[編集]
  • 大阪信愛女子短期大学(現在の大阪信愛学院短期大学)が開学した1959年は学校法人大阪信愛女学院の母体となるショファイユの幼きイエズス修道会の創立100周年にあたる。

注釈

[編集]
  1. ^ a b c d 学生募集は2008年度入学生まで。2010年3月31日付けで正式廃止。
  2. ^ 2022年4月より大阪信愛学院大学への転換決定によるもの令和2年10月末申請の大学等の設置認可の諮問について(文部科学省 2020年11月12日閲覧)。元々は、2021年度4月をめどに四年制大学への転換が計画されていたため2020年入学生が最後となるはずだったが、事情によりその計画が延期された。
  3. ^ 現在の文部科学省
  4. ^ 大学資料 (35)においては、「増設するもの」と見做している。
  5. ^ ちなみに認可された日は文部省年報 第98年報(昭和45年度)によると、2月18日となっている。
  6. ^ 学生数 女156[21][22]/定員 200
  7. ^ 2022年4月1日をもって四大が開学のため[28]。但し、短期大学については学生全員が卒業するまでの期間は、経過措置としての存続となる。
  8. ^ 最終募集となった2008年度におけるデータ[35]
  9. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa 短期大学存続時における内容。

出典

[編集]
  1. ^ 文部省年報 第87年(昭和34年度)より。
  2. ^ 文部統計要覧 昭和35年度版より。
  3. ^ 大阪信愛女学院'1974, p. 188.
  4. ^ a b c 日本の私立短期大学より。
  5. ^ 大阪信愛女学院'1984, p. 208.
  6. ^ a b c 大阪信愛女学院短期大学'2005, p. 21.
  7. ^ a b c d 食生活研究 5(5)(24)より。
  8. ^ 学校法人一覧 昭和34年度より。
  9. ^ 大学資料 (14)より。
  10. ^ 大学資料 (13)より。
  11. ^ 文部省年報 第86年(昭和33年度)より。
  12. ^ a b 短期大学一覧 昭和34年度 (短期大学資料 ; 第23号)より。
  13. ^ 全国学校総覧 昭和35年版より。
  14. ^ 文部省年報 第88年(昭和35年度)より。
  15. ^ 短期大学一覧 昭和36年度 (短期大学資料 ; 第27号)より。
  16. ^ 全国学校総覧 昭和37年版より。
  17. ^ 短期大学教育 (24)より。
  18. ^ a b 短期大学一覧 昭和44年度 (短期大学資料)より。
  19. ^ 短期大学一覧 昭和45年度 (短期大学資料)より。
  20. ^ 短期大学教育 (45)より。
  21. ^ 文部省'88, p. 69.
  22. ^ 文教協会'1988.
  23. ^ 文教協会'2001.
  24. ^ 文教協会'2006.
  25. ^ 文教協会'2009.
  26. ^ 文教協会'2010.
  27. ^ 文教協会'2012.
  28. ^ 令和4年度開設予定の大学等の設置に係る答申について(令和3年8月27日)文部科学省(平成3年9月1日閲覧)
  29. ^ 大阪信愛学院短期大学閉学のお知らせ 2024年4月1日 大阪信愛学院短期大学
  30. ^ 現行法規総覧 第9編 教育・文化1①より。
  31. ^ 現行法令輯覧 26-2巻 学事2より。
  32. ^ 旺文社'2000.05, p. 00.
  33. ^ 大阪信愛女学院短期大学'2005, p. 13.
  34. ^ 現行法規総覧 第9編 教育・文化1②より。
  35. ^ 文教協会'2008.
  36. ^ 大谷学報 49(4)(184)より。
  37. ^ 大谷学報 47(4)(176)より。
  38. ^ 食生活研究 9(5)(48)より。
  39. ^ 食生活研究 10(6)(55)より。
  40. ^ 食生活研究 11(6)(61)より。
  41. ^ 大阪信愛女学院短期大学'2005, p. 20.

参考文献

[編集]

大学史

[編集]

全国学校総覧

[編集]

全国短期大学高等専門学校一覧

[編集]

蛍雪時代

[編集]

短期大学案内冊子

[編集]
  • 大阪信愛女学院短期大学『Osaka Shin-Ai College 2006 大学案内』大阪信愛女学院短期大学。 

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]