根津財閥
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根津財閥(ねづざいばつ)は、根津嘉一郎 (初代)によって設立された日本の中堅財閥[1]。現在の東武グループの前身である。「私鉄王」・「鉄道王」[2]と呼ばれた根津嘉一郎が一代で築いた、東武鉄道などを中心とした企業群。根津が甲州(山梨県)出身であるため、甲州財閥の一つともされる[1][3]。
根津は若尾逸平や雨宮敬次郎から師事を受け[4]、正田貞一郎や宮島清次郎を支援[5]。また才能を見込み小林中をフコク生命に抜擢した[6]。また根津は晩年、実業家の懇談会「清交会」を主宰[7]。その人脈から財界四天王が生まれた。
初代嘉一郎は1940年死去。長男の藤太郎が2代目を襲名した。嘉一郎 (2代目)は1941年に東武鉄道社長に就任し、1994年まで在任した。1999年に2代目の次男である根津嘉澄が東武鉄道社長に、長男である根津公一が東武百貨店社長にそれぞれ就任した[7]。
鉄道との関係性が薄かった傘下企業については、戦後、多くが旧富士銀行(現在のみずほ銀行)の融資系列による企業集団である芙蓉グループに参加している。
関係の深い企業
[編集]鉄道業
[編集]- 東武鉄道 [1]
- 房総鉄道 → 官営鉄道が買収 [1]
- 大湯鉄道 → 官営鉄道が買収 [1]
- 宇和島鉄道 → 官営鉄道が買収(予土線)[1]
- 横浜鉄道 → 官営鉄道が買収[1]
- 高野大師鉄道 → 南海電気鉄道 [1]
- 東京地下鉄道 → 営団地下鉄[1]
- 大社宮島鉄道[1] → 一畑電気鉄道立久恵線
- 武蔵電気鉄道 [1]
製造業
[編集]- 館林製粉,日清製粉 → 日清製粉グループ本社 [1]
- 東京紡績,日清紡績 → 日清紡ホールディングス[1]
- 日本第一麦酒 → 日本麦酒鑛泉[1][8] → 後のサッポロビール、アサヒビール [1]
- 日本精工
- 日本化学工業 [9]
- 富国セメント[1] → 住友セメント
- 磐城セメント[1]
- 帝国肥料[1] → 大日本人造肥料(現・日産化学)
- 日本耐火煉瓦[1] → 加藤煉瓦製造所
- 巴石油 [1]
金融業
[編集]その他
[編集]- 東武百貨店
- 東京電灯 → 東京電力ホールディングス [1]
- 東北電力 [1]
- 上野精養軒
- 國民新聞(東京新聞(中日新聞東京本社発行)の前身)
- 松屋呉服店 → 松屋百貨店[1]
- 山梨新聞 [1]
- 帝国劇場 [1]
学校
[編集]脚注
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z aa ab ac ad ae 坂口筑母『財閥の全貌 : 人脈からみた』経営経済社、1969年、157-160頁。doi:10.11501/12012058。
- ^ 根津翁伝記編纂会 1961, p. 68.
- ^ 『日本の地方財閥30家 知られざる経済名門』p.18
- ^ 『日本の地方財閥30家 知られざる経済名門』p.23
- ^ 『日本の地方財閥30家 知られざる経済名門』p.27 - 28、p.162
- ^ 『日本の地方財閥30家 知られざる経済名門』p.30
- ^ a b 『日本の地方財閥30家 知られざる経済名門』p.26
- ^ 『実業』4(發展記念號)(6)、実業社、1924年6月、108頁、doi:10.11501/1541031。
- ^ 根津翁伝記編纂会 1961, p. 80.
参考文献
[編集]- 菊地浩之 『日本の地方財閥30家 知られざる経済名門』平凡社新書、2012年。ISBN 4582856306
- 根津翁伝記編纂会 編『根津翁伝』根津翁伝記編纂会、1961年。doi:10.11501/2983349。