橋本長道
橋本 長道 (はしもと ちょうどう) | |
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誕生 |
1984年5月7日(40歳)[1] 兵庫県小野市[2] |
職業 | 小説家 |
言語 | 日本語 |
国籍 | 日本 |
最終学歴 | 神戸大学経済学部卒業 |
活動期間 | 2012年 - |
ジャンル | 小説 |
主題 | 将棋 |
代表作 |
『サラの柔らかな香車』 『覇王の譜』[2] |
主な受賞歴 |
小説すばる新人賞(2011年) 将棋ペンクラブ大賞文芸部門大賞(第24回・第35回)[3] |
デビュー作 | 『サラの柔らかな香車』 |
公式サイト | 長道ログ |
ウィキポータル 文学 |
橋本 長道(はしもと ちょうどう[5]、1984年〈昭和59年〉5月7日[1] - )は、日本の小説家、ライター[6]。元新進棋士奨励会1級[7]。将棋小説『サラの柔らかな香車』で集英社第24回小説すばる新人賞や第24回将棋ペンクラブ大賞(文芸部門)を受賞[8][1][9]。『サラは銀の涙を探しに』[10]や『覇王の譜』[2][11][注 1]も執筆した。また、奨励会の実像を記した『奨励会 ~将棋プロ棋士への細い道~』も執筆し[12]、ねとらぼでは「15年目の感想戦」を連載した[13]。
来歴
[編集]1984年(昭和59年)生まれ。兵庫県小野市出身[2]。1999年(平成11年)、小野市立小野中学校3年生の時に中学生将棋王将戦で優勝[14][15]。同年、プロ棋士を目指して、新進棋士奨励会に入会[15]。井上慶太門下[16]。1級まで昇級するも、2003年(平成15年)に退会[17][15]。大学2年生から卒業まで井上慶太九段の父も働いている神戸将棋センターでアルバイトをしていた[12]。2008年(平成20年)に神戸大学経済学部を卒業する[18][19]。
大学卒業後に努めた政府系金融機関を1年ほどで退職[2]。その後1年ほどしてから小説を書き始める[7]。2010年(平成22年)にはジャンプ小説新人賞フリー部門特別賞を受賞[20]。2011年(平成23年)に『サラの柔らかな香車』で集英社が主催する第24回小説すばる新人賞を受賞し、小説家としてデビューする[21]。翌2012年(平成24年)、『サラの柔らかな香車』で第24回将棋ペンクラブ大賞(文芸部門)を受賞する[9]。2018年には奨励会の実像を記した『奨励会 ~将棋プロ棋士への細い道~』を執筆している[12]。
2022年(令和4年)には8年振りの新作小説となる『覇王の譜』を執筆[2][注 1]。谷津矢車は同書の人物造詣や将棋の対局におけるリアリティを評価し、「小説のことばで将棋のクオリアを掴んだ力作」と評した[11]。同書は三国志をモデルにしたといい、将棋界の権力闘争も描写した[2]。同書はWEB本の雑誌の「オリジナル文庫大賞」を受賞し[22]、翌2023年(令和5年)には第35回将棋ペンクラブ大賞の文芸部門大賞も受賞した[3]。また、同年には『神戸新聞』で随想を連載している[23]。
人物
[編集]趣味は将棋や麻雀などのボードゲーム[7]。奨励会時代は船江恒平らと麻雀をすることが多く、「ほとんど降りない」「攻める麻雀」だったという[16]。2022年のインタビューでは奨励会所属経験について、「小説家としての私にとって、地に足がついた最強の持ち駒になっている」を語っている[2]。
主な受賞歴
[編集]- 1999年 - 中学生将棋王将戦優勝[14][15]
- 2010年 - ジャンプ小説新人賞フリー部門特別賞[8][20]
- 2011年 - 第24回小説すばる新人賞 - 受賞作『サラの柔らかな香車』[1][8]
- 2012年 - 第24回将棋ペンクラブ大賞 文芸部門 大賞(フィクション)- 受賞作『サラの柔らかな香車』[9]
- 2022年 - 『WEB本の雑誌』第11回オリジナル文庫大賞 - 受賞作『覇王の譜』[22]
- 2023年 - 第35回将棋ペンクラブ大賞 文芸賞 大賞 - 受賞作『覇王の譜』[3]
著書
[編集]- 『サラの柔らかな香車』集英社、2012年2月、ISBN 9784087714418(2014年9月、集英社文庫、ISBN 9784087452280)
- 『サラは銀の涙を探しに』集英社、2014年10月、ISBN 9784087754216(2016年10月、集英社文庫、ISBN 978-4087455014)
- 『奨励会 ~将棋プロ棋士への細い道~』マイナビ出版〈マイナビ新書〉、2018年6月、ISBN 9784839966911。
- 『覇王の譜』新潮社〈新潮文庫〉、2022年9月、ISBN 9784101041810[注 1]。
その他著作
[編集]連載
[編集]記事・寄稿
[編集]- “第24回小説すばる新人賞 橋本長道さん 投稿生活を送るうえで大切なこと”. 月刊公募ガイド. 2012年8月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月16日(UTC)閲覧。
- “フィクションが現実になるとき――漫画『将棋指す獣』に見る“女性棋士”という存在”. ねとらぼ. ITmedia. (2018年11月17日) 2022年10月16日(UTC)閲覧。
- “いまだ破られぬ詰将棋の手数最長記録(1525手詰)作者に聞く「盤上の『ミクロコスモス』はいかにして生まれたか」”. ねとらぼ. ITmedia (2019年12月24日) 2022年10月16日(UTC)閲覧。
- “人はなぜ“将棋”に人生を捧げるのか 最長手数の詰将棋「ミクロコスモス」(1525手詰)作者に聞く「詰将棋と向き合ってきた40年間」”. ねとらぼ. ITmedia (2019年12月24日) 2022年10月16日(UTC)閲覧。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c d “第二十四回小説すばる新人賞 『サラの柔らかな』橋本長道 受賞作”. 集英社 出版四賞. 集英社. オリジナルよりアーカイブ。2022年10月15日(UTC)閲覧。
- ^ a b c d e f g h 井原 2022.
- ^ a b c “将棋ペンクラブ大賞、加藤まどかさんの観戦記が優秀賞”. 毎日新聞. (2023年7月25日) 2023年10月21日(UTC)閲覧。
- ^ 増子 2012.
- ^ 書評:サラの柔らかな香車 橋本長道 - 穂村弘(歌人) | BOOK.asahi.com:朝日新聞社の書評サイト
- ^ マイナビ新書 奨励会―将棋プロ棋士への細い道
- ^ a b c “第24回小説すばる新人賞”. 月刊公募ガイド. 2012年8月30日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月15日(UTC)閲覧。
- ^ a b c 杉江 2012.
- ^ a b c “第24回将棋ペンクラブ大賞贈呈式のご案内”. 将棋ペンクラブログ. 2022年10月14日(UTC)閲覧。
- ^ 細谷 2018.
- ^ a b 八津 2022.
- ^ a b c 将棋情報局編集部 (2018年5月10日). “慶太は一日十時間勉強しとった/船江恒平の意識改革『奨励会 ~将棋プロ棋士への細い道~』より”. 将棋情報局. マイナビ出版 2022年10月15日(UTC)閲覧。
- ^ a b “15年後の感想戦 「15年後の感想戦」の連載記事一覧です。”. ねとらぼ. ITmedia. 2022年10月14日(UTC)閲覧。
- ^ a b “中学生将棋王将戦 歴代優勝者一覧”. 将棋大会. 日本将棋連盟. 2022年10月14日(UTC)閲覧。
- ^ a b c d サラの柔らかな香車 橋本長道 著 本・コミック : オンライン書店e-hon
- ^ a b 橋本長道. (2018年5月18日). “「天才殺し」の井上一門――史上最速の七段昇段がかかる藤井聡太に立ちはだかる男・船江恒平”. ねとらぼ. ITmedia 2022年10月14日(UTC)閲覧。
- ^ サラの柔らかな香車 集英社文庫 橋本長道 著 本・コミック : オンライン書店e-hon
- ^ “法学部・経済学部・経営学部・国際協力研究科・経済経営研究所”. 神戸大学. 2016年6月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月14日(UTC)閲覧。
- ^ サラの柔らかな香車
- ^ a b 楽天ブックス: サラの柔らかな香車 - 橋本長道 - 4087714411 : 本
- ^ サラの柔らかな香車 : 橋本長道/著 - セブンネットショッピング
- ^ a b “2022年のオリジナル文庫大賞は橋本長道『覇王の譜』だ!”. WEB本の雑誌. 本の雑誌社・博報堂. (2022年12月8日) 2023年2月15日(UTC)閲覧。
- ^ a b “随想 橋本長道(小説家)”. 連載・特集. 神戸新聞社 2023年10月21日(UTC)閲覧。
参考文献
[編集]- 井原尚基 (2022年10月11日). “異色の小説家、8年ぶりの新作 橋本長道さん「真正面から将棋を描く」”. 神戸新聞NEXT. 神戸新聞社. 2022年10月14日(UTC)閲覧。
- 大森望 (2012年). “新刊レビュー 橋本長道『サラの柔らかな香車』【集英社 定価1260円(税込)】”. 小説すばる. 集英社. 2014年12月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年10月15日(UTC)閲覧。
- 細谷正充「小説で「将棋・囲碁」を楽しむ」『文蔵』2018年5月号。
- 増子信一. (2012年). “特集 小説の天才とは、「おわり」がいっぱい書ける人 京極夏彦×橋本長道”. 青春と読書. 集英社. 2022年10月14日(UTC)閲覧。『青春と読書』第47巻第3号、2012年3月、集英社、2-7頁。収録(NAID 40019201447)
- 杉江松恋 (2012年2月17日). “【書評】才能とは何かと問う将棋小説『サラのやわらかな香車』”. ウレぴあ総研. ぴあ 2022年10月16日(UTC)閲覧。
- 谷津矢車 (2022年11月6日). “くすぶり続けていた棋士と現王座、同期2人による因縁の対決の決着は…棋士にしか見ることの許されない“対局の景色” 谷津矢車が『覇王の譜』(橋本長道 著)を読む”. 文春オンライン. 文藝春秋社. 2023年2月15日(UTC)閲覧。
外部リンク
[編集]- 長道ログ|小説家・橋本長道の公式ブログ - ウェイバックマシン(2023年6月11日アーカイブ分)
- 橋本長道 - ITmedia著者別インデックス
- 橋本長道 (@ChodoHashi) - X(旧Twitter)
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