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湯冷まし

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

湯冷まし(ゆざまし)は煎茶道における茶道具の一つ。を入れるための湯を冷ます道具である。

形状はピッチャーから取っ手を外したものである。湯の温度を効率よく下げるため、底より口を大きく作ってあることが多い。

この道具は日本独特の茶である玉露抽出のための道具である。玉露を抽出するには60度前後の湯が適温とされる。ボーフラやかんで沸かしたばかりの湯は熱いため、一旦冷まして温度を下げる必要がある。

紅茶中国茶等の外国の茶道具に類例の道具は存在しない。ただし、中国茶には「茶海」という形状の類似した道具が存在する。この茶海は湯温を下げる道具ではなく、複数の湯呑に注ぐ際に抽出した茶を急須(「茶壺」という)から茶海に移すことで茶の濃度を均一にする道具である。

通常、湯冷ましのみが単独で売られていることは少なく、同じデザインの急須あるいは宝瓶(泡瓶)茶碗数個とセットになって販売されていることが多い。