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「鳥獣保護区」の版間の差分

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{{Law}}
'''鳥獣保護区'''（ちょうじゅうほごく）とは、[[鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律]]（鳥獣保護法）に基づき、鳥獣の保護繁殖を図るために指定される区域である。ここでの鳥獣とは、野生に生息する[[鳥類]]と[[哺乳類]]を対象とする。
'''鳥獣保護区'''（ちょうじゅうほごく）とは、[[鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律]]（鳥獣保護管理法）に基づき、鳥獣の保護繁殖を図るために指定される区域である{{R|eGov-H14}}。ここでの鳥獣とは、野生に生息する[[鳥類]]と[[哺乳類]]を対象とする{{R|Env-Summary|eGov-H14}}。


== 概要 ==
== 概要 ==
鳥獣保護区は野生生物の保護・管理を目的に[[生息地]]を含む区域を[[自然保護区|保護区]]として設定する制度の一つである。鳥獣保護区の指定者は[[環境大臣]]または都道府県[[知事]]であり、それぞれ'''国指定鳥獣保護区'''（国設鳥獣保護区）、'''都道府県指定鳥獣保護区'''（都道府県設鳥獣保護区）と呼ばれる。鳥獣保護区では、鳥獣の捕獲が禁止されるほか、[[2007年]]の法改正から野生鳥獣の保全事業が実施できる。また、特に重要な区域を'''特別保護地区'''に指定することができる。特別保護地区では、建築物や工作物の設置、[[埋め立て]]・[[干拓]]及び木竹の伐採などの[[野生動物]]の生息に支障をきたすおそれのある行為について指定者の事前の許可が必要となる。なお、2002年の法改正の際に、鳥獣保護区の「設定」から「指定」に文言が改められたため、現在では国'''指定'''鳥獣保護区とする方が正しい。
鳥獣保護区は野生生物の保護・管理を目的に[[生息地]]を含む区域を[[自然保護区|保護区]]として設定する制度の一つである。鳥獣保護区の指定者は[[環境大臣]]または都道府県[[知事]]であり、それぞれ'''国指定鳥獣保護区'''（国設鳥獣保護区）、'''都道府県指定鳥獣保護区'''（都道府県設鳥獣保護区）と呼ばれる。鳥獣保護区では、鳥獣の捕獲が禁止されるほか、[[2007年]]の法改正から野生鳥獣の保全事業が実施できる。また、特に重要な区域を'''特別保護地区'''に指定することができる。特別保護地区では、建築物や工作物の設置、[[埋め立て]]・[[干拓]]及び木竹の伐採などの[[野生動物]]の生息に支障をきたすおそれのある行為について指定者の事前の許可が必要となる{{R|eGov-H14}}。なお、2002年に旧・狩猟法（大正7年4月4日法律第32号）が改廃{{R|Hourei-H14}}された際に、鳥獣保護区の「設定」から「指定」に文言が改められた{{要出典|date=2020年1月}}。


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「鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針」に基づき鳥獣保護区には下記の指定区分がある。
平成19年（2007年）公布の「鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針」（環境省告示第3号）に基づき、鳥獣保護区には下記の指定区分がある{{R|Env-OrderH19}}。
# 森林鳥獣生息地 - 森林に生息する鳥獣の保護を目的とする。
# 森林鳥獣生息地 - 森林に生息する鳥獣の保護を目的とする。
# 大規模生息地 - 行動圏が広域に及ぶ大型鳥獣の保護を目的する。
# 大規模生息地 - 行動圏が広域に及ぶ大型鳥獣の保護を目的する。
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# 身近な鳥獣生息地 - [[市街地]]やその近郊での鳥獣の良好な生息地の確保あるいは創出を目的とする。
# 身近な鳥獣生息地 - [[市街地]]やその近郊での鳥獣の良好な生息地の確保あるいは創出を目的とする。


上記のうち、国際的または全国的に重要な区域を国（[[環境省]]）が指定し、それ以外の各都道府県内の区域を都道府県が指定する。また、都道府県知事から環境大臣へ指定者が変更される場合もある（[[名蔵アンパル]]参照）。なお、国指定鳥獣保護区では大規模生息地、集団渡来地、集団繁殖地、希少鳥獣生息地の4つの区分が指定されている。
上記のうち、国際的または全国的に重要な区域を国（[[環境省]]）が指定し、それ以外の各都道府県内の区域を都道府県が指定する{{R|eGov-H14}}。また、都道府県知事から環境大臣へ指定者が変更される場合もある{{R|eGov-H14}}（[[名蔵アンパル]]参照）。なお、国指定鳥獣保護区では大規模生息地、集団渡来地、集団繁殖地、希少鳥獣生息地の4つの区分が指定されている{{R|Env-OrderH19}}。


== 沿革 ==
== 沿革 ==
* [[1892年]]（明治25年） - 狩猟規則が制定され、それまで野放しであった狩猟の制度化とともに保護鳥獣が指定される。
* [[1892年]]（明治25年） - 狩猟規則が制定され、それまで野放しであった狩猟の制度化とともに保護鳥獣が指定される。
* [[1895年]]（明治28年） - '''狩猟法'''制定（狩猟規則の法律化）。
* [[1895年]]（明治28年） - '''狩猟法'''制定（狩猟規則の法律化）{{R|WWF}}。
* [[1901年]]（明治34年） - 狩猟法が改正され、鳥獣の保護繁殖を目的とする'''禁猟区'''制度が創設される。
* [[1901年]]（明治34年） - 狩猟法が改正され、鳥獣の保護繁殖を目的とする'''禁猟区'''制度が創設される。
* [[1918年]]（大正7年） - 狩猟法全面改正。このとき、現行法まで引き継がれる鳥獣保護区の基本理念が確立する。
* [[1918年]]（大正7年） - 狩猟法全面改正{{R|Hourei-T7}}。このとき、現行法まで引き継がれる鳥獣保護区の基本理念が確立する。
* [[1950年]]（昭和25年） - '''鳥獣保護区制度'''（現在の特別保護地区制度。捕獲規制に加え、開発行為が規制される）が創設される。
* [[1950年]]（昭和25年） - '''鳥獣保護区制度'''（現在の特別保護地区制度。捕獲規制に加え、開発行為が規制される）が創設される。
* [[1963年]]（昭和38年） - 狩猟法が'''鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律'''に改正され、従来の禁猟区が廃止され鳥獣保護区になる。また旧鳥獣保護区は特別保護地区になる。
* [[1963年]]（昭和38年） - 狩猟法が'''鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律'''に改正されて「鳥獣保護法」と呼ばれるようになり{{R|WWF}}、従来の禁猟区が廃止され鳥獣保護区になる。また旧鳥獣保護区は特別保護地区になる。
* [[1971年]]（昭和46年） - 鳥獣保護法の管轄が[[林野庁]]から環境庁（現在の[[環境省]]）に移管{{R|WWF}}
* [[1972年]]（昭和47年） - 「日米渡り鳥条約」を締結。
* [[1972年]]（昭和47年） - 「日米渡り鳥条約」を締結。
* [[1973年]]（昭和48年） - 「日ソ渡り鳥条約」を締結。
* [[1973年]]（昭和48年） - 「日ソ渡り鳥条約」を締結。
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* [[1999年]]（平成11年） - 特定鳥獣保護管理計画制度が創設される。
* [[1999年]]（平成11年） - 特定鳥獣保護管理計画制度が創設される。
* [[2000年]]（平成12年） - 第9次鳥獣保護事業計画の基準にて、鳥獣保護区の目的に[[生物多様性]]の保全を明記する。指定（設定）区分に「生息地回廊」が追加される。
* [[2000年]]（平成12年） - 第9次鳥獣保護事業計画の基準にて、鳥獣保護区の目的に[[生物多様性]]の保全を明記する。指定（設定）区分に「生息地回廊」が追加される。
* [[2002年]]（平成14年） - 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律が'''[[鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律]]'''に改正され、今まで対象ではなかった、ネズミ類、モグラ類、海棲哺乳類が対象となった。
* [[2002年]]（平成14年） - 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律が'''[[鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律]]'''に改正され{{R|Hourei-H14|Hourei-T7}}、今まで対象ではなかった、ネズミ類、モグラ類、海棲哺乳類が対象となった。
* [[2006年]]（平成18年） - 第10次鳥獣保護事業計画に関する'''鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針'''が公表される。
* [[2006年]]（平成18年） - 第10次鳥獣保護事業計画に関する'''鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針'''が公表される。
* [[2007年]]（平成19年） - 鳥獣保護法改正。鳥獣保護区における「保全事業」が創設された。
* [[2007年]]（平成19年） - 鳥獣保護法改正。鳥獣保護区における「保全事業」が創設された。


== 国指定鳥獣保護区 ==
== 国指定鳥獣保護区 ==
[[2014年]]（平成26年）[[3月16日]]現在、以下の81区域が国指定鳥獣保護区に指定されている<ref>[http://www.env.go.jp/nature/choju/area/area2-1.pdf 国指定鳥獣保護区一覧（平成26年3月16日現在）]</ref>。位置図については[http://www.env.go.jp/nature/choju/area/area2-3.pdf 国指定鳥獣保護区指定状況（2014（平成26）年3月16日現在）]を参照。
[[2019年]]（[[令和]]元年）11月1日現在、以下の86区域が国指定鳥獣保護区に指定されている{{R|NationalList|NationalMap}}。


[[画像:Deer-at-Odaigahara 01.JPG|thumb|300px|大台山系に生息する[[ニホンジカ]]]]
[[画像:Deer-at-Odaigahara 01.JPG|thumb|300px|大台山系に生息する[[ニホンジカ]]]]
* 大規模生息地（10区域）
* 大規模生息地（10区域）{{R|NationalList}}
** [[大雪山]]鳥獣保護区 - [[北海道]]、平成4年3月1日指定
** [[大雪山]]鳥獣保護区 - [[北海道]]、平成4年3月1日指定
** [[十和田湖|十和田]]鳥獣保護区 - [[青森県]]、[[秋田県]]、昭和28年10月10日指定
** [[十和田湖|十和田]]鳥獣保護区 - [[青森県]]、[[秋田県]]、昭和28年10月10日指定
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[[画像:Miyajimanuma2004 0429 01.jpg|thumb|300px|宮島沼で休息する水鳥]]
[[画像:Miyajimanuma2004 0429 01.jpg|thumb|300px|宮島沼で休息する水鳥]]
* 集団渡来地（32区域）
* 集団渡来地（36区域）{{R|NationalList}}
** [[クッチャロ湖|浜頓別クッチャロ湖]]鳥獣保護区 - [[北海道]]、昭和58年3月31日指定
** [[クッチャロ湖|浜頓別クッチャロ湖]]鳥獣保護区 - [[北海道]]、昭和58年3月31日指定
** [[サロベツ原野|サロベツ]]鳥獣保護区 - 北海道、平成4年3月1日指定
** [[サロベツ原野|サロベツ]]鳥獣保護区 - 北海道、平成4年3月1日指定
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** [[宍道湖]]鳥獣保護区 - 島根県、平成17年11月1日指定
** [[宍道湖]]鳥獣保護区 - 島根県、平成17年11月1日指定
** [[和白干潟]]・[[多々良川|多々良川河口]]鳥獣保護区 - [[福岡県]]、平成15年11月1日指定
** [[和白干潟]]・[[多々良川|多々良川河口]]鳥獣保護区 - [[福岡県]]、平成15年11月1日指定
** [[東よか干潟]] - [[佐賀県]]、平成27年5月1日指定
** [[肥前鹿島干潟]] - 佐賀県、平成27年5月1日指定
** [[荒尾干潟]]鳥獣保護区 - [[熊本県]]、平成24年6月1日指定
** [[荒尾干潟]]鳥獣保護区 - [[熊本県]]、平成24年6月1日指定
** [[出水ツル渡来地|出水・高尾野]]鳥獣保護区 - [[鹿児島県]]、昭和62年11月1日指定
** [[出水ツル渡来地|出水・高尾野]]鳥獣保護区 - [[鹿児島県]]、昭和62年11月1日指定
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[[画像:Nakanokamishima.jpg|thumb|300px|仲の神島]]
[[画像:Nakanokamishima.jpg|thumb|300px|仲の神島]]
* 集団繁殖地（19区域）
* 集団繁殖地（19区域）{{R|NationalList}}
** [[天売島]]鳥獣保護区 - [[北海道]]、昭和57年3月31日指定
** [[天売島]]鳥獣保護区 - [[北海道]]、昭和57年3月31日指定
** [[ユルリ島|ユルリ]]・[[モユルリ島|モユルリ]]鳥獣保護区 - 北海道、昭和57年3月31日指定
** [[ユルリ島|ユルリ]]・[[モユルリ島|モユルリ]]鳥獣保護区 - 北海道、昭和57年3月31日指定
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[[画像:Torishima 07 02.jpg|thumb|300px|鳥島（中央部やや右下の黄土色をした2ヵ所が[[アホウドリ]]のコロニーである）]]
[[画像:Torishima 07 02.jpg|thumb|300px|鳥島（中央部やや右下の黄土色をした2ヵ所が[[アホウドリ]]のコロニーである）]]
* 希少鳥獣生息地（20区域）
* 希少鳥獣生息地（21区域）{{R|NationalList}}
** [[知床半島|知床]]鳥獣保護区 - [[北海道]]、昭和57年3月31日指定
** [[知床半島|知床]]鳥獣保護区 - [[北海道]]、昭和57年3月31日指定
** [[釧路湿原]]鳥獣保護区 - 北海道、昭和33年11月1日指定
** [[釧路湿原]]鳥獣保護区 - 北海道、昭和33年11月1日指定
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** [[円山川|円山川下流域]]鳥獣保護区 - [[兵庫県]]、平成24年6月1日指定
** [[円山川|円山川下流域]]鳥獣保護区 - [[兵庫県]]、平成24年6月1日指定
** [[対馬|伊奈]]鳥獣保護区 - [[長崎県]]、平成元年11月1日指定
** [[対馬|伊奈]]鳥獣保護区 - [[長崎県]]、平成元年11月1日指定
** [[舟志ノ内]]鳥獣保護区 - 長崎県、平成27年3月24日指定
** [[湯湾岳]]鳥獣保護区 - [[鹿児島県]]、昭和40年11月1日指定
** [[湯湾岳]]鳥獣保護区 - [[鹿児島県]]、昭和40年11月1日指定
** [[名蔵アンパル]]鳥獣保護区 - 沖縄県、平成15年11月1日指定
** [[名蔵アンパル]]鳥獣保護区 - 沖縄県、平成15年11月1日指定
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== 休猟区 ==
== 休猟区 ==
鳥獣保護区と同様に鳥獣の保護を目的に指定される区域として'''休猟区'''がある。個体数が減少している狩猟鳥獣（狩猟の対象となる鳥獣）の数を増加させる目的で、都道府県知事が3年を限度に休猟区を指定することができる。休猟区に指定された区域内では鳥獣の捕獲が禁止される。
鳥獣保護区と同様に鳥獣の保護を目的に指定される区域として'''休猟区'''がある。個体数が減少している狩猟鳥獣（狩猟の対象となる鳥獣）の数を増加させる目的で、都道府県知事が3年を限度に休猟区を指定することができる。休猟区に指定された区域内では鳥獣の捕獲が禁止される{{R|eGov-H14}}。


== 日本国外における同様な制度 ==
== 日本国外における同様な制度 ==
鳥獣保護区と同様に、野生生物を保護・管理のためにある一定の区域を保護区として設定する制度としては、[[アメリカ合衆国]][[アメリカ合衆国内務省|内務省]][[魚類野生生物局]]が所管する[[野生生物保護区]]（[[:en:National Wildlife Refuge|National Wildlife Refuge]]）がある。アメリカ合衆国の野生生物保護区は540ヵ所設定されている<ref>吉田正人 『野生生物の保護管理と狩猟』 「生態学からみた野生生物の保護と法律」 財団法人日本自然保護協会、2003年、132頁、ISBN 4-06-155216-3。</ref>。
鳥獣保護区と同様に、野生生物を保護・管理のためにある一定の区域を保護区として設定する制度としては、[[アメリカ合衆国]][[アメリカ合衆国内務省|内務省]][[魚類野生生物局]]が所管する{{仮リンク|野生生物保護区|en|National Wildlife Refuge}}]]（National Wildlife Refuge）がある。アメリカ合衆国の野生生物保護区は540ヵ所設定されている{{Sfn|NACS-J|2003|p=132}}。


== 参考文献 ==
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
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* [https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=414AC0000000088 鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律]平成14年7月12日法律第88号
{{Reflist|2|refs=
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* [http://www.env.go.jp/nature/yasei/choju_ho/index.html 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の施行について] - 環境省自然環境局
<ref name=Hourei-H14>{{Cite web |url=https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?lawId=0000092935 |title=鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律（平成14年7月12日法律第88号）（大正7年法律第32号の全部改正） |publisher=[[国立国会図書館]] |website=日本法令索引 |accessdate=2020-01-07 |quote=「通称：狩猟法, 鳥獣保護管理法, 鳥獣保護法, 鳥獣法」「公布年月日：平成14年7月12日」「改正：平成26年5月30日号外　法律第46号〔第二次改正〕 【題名改正：標題に同じ】 」}}</ref>
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* [http://www.env.go.jp/nature/yasei/choju_ho/04.pdf 鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針] - 環境省自然環境局

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* [http://www.biodic.go.jp/cbd/2/ei2-3-1.pdf (PDF) 鳥獣保護区制度の概要] - 環境省[[生物多様性センター]]
<ref name=eGov-H14>{{Cite web |url=https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=414AC0000000088 |title=鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律（平成十四年法律第八十八号） |publisher=[[総務省行政管理局]] |website=[[e-Gov法令検索]] |accessdate=2020-01-07 |quote=「第二十八条（鳥獣保護区）」「第二十九条（特別保護地区）」「第三十三条（国指定鳥獣保護区と都道府県指定鳥獣保護区との関係）」「第三十四条（休猟区の指定）」}}</ref>
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* [http://www.biodic.go.jp/cbd/5/tu1-2.PDF (PDF) 野生生物に関する制度等の概略史（1870年代∼2000年代）] - 環境省生物多様性センター

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* 生物多様性政策研究会編 『生物多様性キーワード事典』中央法規出版、2002年、168-171頁、ISBN 4-8058-4422-1。
<ref name=Env-Summary>{{Cite web |url=https://www.env.go.jp/nature/choju/hunt/hunt2.html |title=狩猟制度の概要 野生鳥獣の保護及び管理 |publisher=[[環境省]] |accessdate=2020-01-07}}</ref>
* 吉田正人 『野生生物の保護管理と狩猟』 「生態学からみた野生生物の保護と法律」 財団法人日本自然保護協会、2003年、131-165頁、ISBN 4-06-155216-3。

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* [http://www.sizenken.biodic.go.jp/wildbird/simple/hogo/hogokutable.html 国指定鳥獣保護区設定状況] - インターネット自然研究所
<ref name=Env-OrderH19>{{Cite web |url=https://www.env.go.jp/hourei/18/000251.html |title=鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針 |publisher=[[環境省]] |date=2007-01-29 |accessdate=2020-01-07 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20170521021524/https://www.env.go.jp/hourei/18/000251.html |archivedate=2017-05-21}}</ref>

<ref name=Hourei-T7>{{Cite web |url=https://hourei.ndl.go.jp/#/detail?lawId=0000014505 |title=鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律（大正7年4月4日法律第32号）（明治34年法律第33号の全部改正） |publisher=[[国立国会図書館]] |website=日本法令索引 |accessdate=2020-01-07 |quote=「公布年月日：大正7年4月4日」「制定題名：狩猟法」「全改：平成14年7月12日号外　法律第88号（施行平成一五年四月一六日） 」}}</ref>

<ref name=WWF>{{Cite web |url=https://www.wwf.or.jp/activities/opinion/1452.html |title=「鳥獣保護管理法」とは？成立の経緯とその課題について |publisher=[[WWF]]ジャパン |date=2014-07-17 |accessdate=2020-01-07 |quote=（出所）参議院環境調査室資料に一部加筆}}</ref>

<ref name=NationalList>{{Cite web |url=https://www.env.go.jp/nature/choju/area/pdf/area2-1.pdf |title=国指定鳥獣保護区一覧（令和元年11月1日現在） |archiveurl=https://web.archive.org/web/20200107124251/https://www.env.go.jp/nature/choju/area/pdf/area2-1.pdf |archivedate=2020-01-07 |accessdate=2020-01-07 |format=PDF |publisher=[[環境省]]}}</ref>

<ref name=NationalMap>{{Cite web |url=https://www.env.go.jp/nature/choju/area/pdf/area2-3.pdf |title=国指定鳥獣保護区一覧の位置図（令和元年11月1日現在） |archiveurl=https://web.archive.org/web/20200107125256/https://www.env.go.jp/nature/choju/area/pdf/area2-3.pdf |archivedate=2020-01-07 |accessdate=2020-01-07 |format=PDF |publisher=[[環境省]]}}</ref>
}}
; 引用文献
* {{Cite book|和書|author=公益財団法人日本自然保護協会 (NACS-J) 編 |authorlink=日本自然保護協会 |title=生態学からみた野生生物の保護と法律 |series=KS地球環境科学専門書 |publisher=講談社 |year=2003 |pages=131-165 |isbn=4-06-155216-3 |ref={{SfnRef|NACS-J|2003}}}}


== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
160行目: 177行目:
* [[鳥獣管理士]]
* [[鳥獣管理士]]


== 脚注 ==
== 関連文献 ==
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* [http://www.biodic.go.jp/cbd/2/ei2-3-1.pdf (PDF) 鳥獣保護区制度の概要] - 環境省[[生物多様性センター]]
<references/>
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* [http://www.biodic.go.jp/cbd/5/tu1-2.PDF (PDF) 野生生物に関する制度等の概略史（1870年代∼2000年代）] - 環境省生物多様性センター
⚫
* 生物多様性政策研究会編 『生物多様性キーワード事典』中央法規出版、2002年、168-171頁、ISBN 4-8058-4422-1。


== 外部リンク ==
== 外部リンク ==
⚫
* {{Egov law|414AC0000000088|鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律（平成14年7月12日法律第88号）}}
* [https://www.env.go.jp/nature/ 環境省自然環境局]
⚫
* [https://www.env.go.jp/hourei/18/000251.html 鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針（環境省告示第3号、平成19年1月29日公布）]
⚫
* [http://www.env.go.jp/nature/yasei/choju_ho/index.html 鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の施行について] - 環境省自然環境局
* [https://www.env.go.jp/nature/choju/area/area2.html 鳥獣保護区の指定状況]（国指定鳥獣保護区一覧、保護区の地図など） - 環境省自然環境局
* [https://www.env.go.jp/nature/choju/index.html 野生鳥獣の保護管理] - 自然環境局野生生物課鳥獣保護業務室
* [https://www.env.go.jp/nature/choju/index.html 野生鳥獣の保護管理] - 自然環境局野生生物課鳥獣保護業務室
* [https://www.biodic.go.jp/ 環境省生物多様性センター]
* [https://www.biodic.go.jp/ 環境省生物多様性センター]
⚫
* [http://www.sizenken.biodic.go.jp/wildbird/simple/hogo/hogokutable.html 国指定鳥獣保護区設定状況] - インターネット自然研究所


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[[Category:鳥類]]
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<!-- [[ex:en:Wildlife refuge]] -->
[[en:Wildlife Protection Areas in Japan]]

2020年1月7日 (火) 13:02時点における版

鳥獣保護区（ちょうじゅうほごく）とは、鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律（鳥獣保護管理法）に基づき、鳥獣の保護繁殖を図るために指定される区域である[1]。ここでの鳥獣とは、野生に生息する鳥類と哺乳類を対象とする[2][1]。

概要

鳥獣保護区は野生生物の保護・管理を目的に生息地を含む区域を保護区として設定する制度の一つである。鳥獣保護区の指定者は環境大臣または都道府県知事であり、それぞれ国指定鳥獣保護区（国設鳥獣保護区）、都道府県指定鳥獣保護区（都道府県設鳥獣保護区）と呼ばれる。鳥獣保護区では、鳥獣の捕獲が禁止されるほか、2007年の法改正から野生鳥獣の保全事業が実施できる。また、特に重要な区域を特別保護地区に指定することができる。特別保護地区では、建築物や工作物の設置、埋め立て・干拓及び木竹の伐採などの野生動物の生息に支障をきたすおそれのある行為について指定者の事前の許可が必要となる[1]。なお、2002年に旧・狩猟法（大正7年4月4日法律第32号）が改廃[3]された際に、鳥獣保護区の「設定」から「指定」に文言が改められた[要出典]。

国指定鳥獣保護区・特別保護地区（環境省指定）の標示
都道府県指定鳥獣保護区（神奈川県指定）の標示

平成19年（2007年）公布の「鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針」（環境省告示第3号）に基づき、鳥獣保護区には下記の指定区分がある[4]。

  1. 森林鳥獣生息地 - 森林に生息する鳥獣の保護を目的とする。
  2. 大規模生息地 - 行動圏が広域に及ぶ大型鳥獣の保護を目的する。
  3. 集団渡来地 - 集団で渡来する水鳥等の渡り鳥の保護を目的とする。
  4. 集団繁殖地 - 集団で繁殖する鳥類やコウモリ類の保護を目的とする。
  5. 希少鳥獣生息地 - 環境省レッドリストで絶滅危惧I類、絶滅危惧II類、絶滅のおそれのある地域個体群に評価された希少な鳥獣の保護を目的とする。
  6. 生息地回廊 - 生息地が分断された鳥獣の保護を目的として、生息地間をつなぐ樹林帯や河畔林を対象とする。
  7. 身近な鳥獣生息地 - 市街地やその近郊での鳥獣の良好な生息地の確保あるいは創出を目的とする。

上記のうち、国際的または全国的に重要な区域を国（環境省）が指定し、それ以外の各都道府県内の区域を都道府県が指定する[1]。また、都道府県知事から環境大臣へ指定者が変更される場合もある[1]（名蔵アンパル参照）。なお、国指定鳥獣保護区では大規模生息地、集団渡来地、集団繁殖地、希少鳥獣生息地の4つの区分が指定されている[4]。

沿革

  • 1892年（明治25年） - 狩猟規則が制定され、それまで野放しであった狩猟の制度化とともに保護鳥獣が指定される。
  • 1895年（明治28年） - 狩猟法制定（狩猟規則の法律化）[5]。
  • 1901年（明治34年） - 狩猟法が改正され、鳥獣の保護繁殖を目的とする禁猟区制度が創設される。
  • 1918年（大正7年） - 狩猟法全面改正[6]。このとき、現行法まで引き継がれる鳥獣保護区の基本理念が確立する。
  • 1950年（昭和25年） - 鳥獣保護区制度（現在の特別保護地区制度。捕獲規制に加え、開発行為が規制される）が創設される。
  • 1963年（昭和38年） - 狩猟法が鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律に改正されて「鳥獣保護法」と呼ばれるようになり[5]、従来の禁猟区が廃止され鳥獣保護区になる。また旧鳥獣保護区は特別保護地区になる。
  • 1971年（昭和46年） - 鳥獣保護法の管轄が林野庁から環境庁（現在の環境省）に移管[5]
  • 1972年（昭和47年） - 「日米渡り鳥条約」を締結。
  • 1973年（昭和48年） - 「日ソ渡り鳥条約」を締結。
  • 1974年（昭和49年） - 「日豪渡り鳥条約」を締結。
  • 1978年（昭和53年） - 国設鳥獣保護区の指定条件を改訂（国有地の割合等による基準を削除）、狩猟者登録制度の整備。
  • 1980年（昭和55年） - 絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約（ワシントン条約）、ラムサール条約締結。
  • 1981年（昭和56年） - 「日中渡り鳥協定」を締結。
  • 1992年（平成4年） - 種の保存法が制定される。
  • 1999年（平成11年） - 特定鳥獣保護管理計画制度が創設される。
  • 2000年（平成12年） - 第9次鳥獣保護事業計画の基準にて、鳥獣保護区の目的に生物多様性の保全を明記する。指定（設定）区分に「生息地回廊」が追加される。
  • 2002年（平成14年） - 鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律が鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律に改正され[3][6]、今まで対象ではなかった、ネズミ類、モグラ類、海棲哺乳類が対象となった。
  • 2006年（平成18年） - 第10次鳥獣保護事業計画に関する鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針が公表される。
  • 2007年（平成19年） - 鳥獣保護法改正。鳥獣保護区における「保全事業」が創設された。

国指定鳥獣保護区

2019年（令和元年）11月1日現在、以下の86区域が国指定鳥獣保護区に指定されている[7][8]。

大台山系に生息するニホンジカ
宮島沼で休息する水鳥
仲の神島
鳥島（中央部やや右下の黄土色をした2ヵ所がアホウドリのコロニーである）

休猟区

鳥獣保護区と同様に鳥獣の保護を目的に指定される区域として休猟区がある。個体数が減少している狩猟鳥獣（狩猟の対象となる鳥獣）の数を増加させる目的で、都道府県知事が3年を限度に休猟区を指定することができる。休猟区に指定された区域内では鳥獣の捕獲が禁止される[1]。

日本国外における同様な制度

鳥獣保護区と同様に、野生生物を保護・管理のためにある一定の区域を保護区として設定する制度としては、アメリカ合衆国内務省魚類野生生物局が所管する野生生物保護区（英語版）]]（National Wildlife Refuge）がある。アメリカ合衆国の野生生物保護区は540ヵ所設定されている[9]。

脚注

[脚注の使い方]
  1. ^ a b c d e f “鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律（平成十四年法律第八十八号）”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2020年1月7日閲覧。 “「第二十八条（鳥獣保護区）」「第二十九条（特別保護地区）」「第三十三条（国指定鳥獣保護区と都道府県指定鳥獣保護区との関係）」「第三十四条（休猟区の指定）」”
  2. ^ “狩猟制度の概要 野生鳥獣の保護及び管理”. 環境省. 2020年1月7日閲覧。
  3. ^ a b “鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律（平成14年7月12日法律第88号）（大正7年法律第32号の全部改正）”. 日本法令索引. 国立国会図書館. 2020年1月7日閲覧。 “「通称：狩猟法, 鳥獣保護管理法, 鳥獣保護法, 鳥獣法」「公布年月日：平成14年7月12日」「改正：平成26年5月30日号外　法律第46号〔第二次改正〕 【題名改正：標題に同じ】 」”
  4. ^ a b “鳥獣の保護を図るための事業を実施するための基本的な指針”. 環境省 (2007年1月29日). 2017年5月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月7日閲覧。
  5. ^ a b c “「鳥獣保護管理法」とは？成立の経緯とその課題について”. WWFジャパン (2014年7月17日). 2020年1月7日閲覧。 “（出所）参議院環境調査室資料に一部加筆”
  6. ^ a b “鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律（大正7年4月4日法律第32号）（明治34年法律第33号の全部改正）”. 日本法令索引. 国立国会図書館. 2020年1月7日閲覧。 “「公布年月日：大正7年4月4日」「制定題名：狩猟法」「全改：平成14年7月12日号外　法律第88号（施行平成一五年四月一六日） 」”
  7. ^ a b c d e “国指定鳥獣保護区一覧（令和元年11月1日現在）” (PDF). 環境省. 2020年1月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月7日閲覧。
  8. ^ “国指定鳥獣保護区一覧の位置図（令和元年11月1日現在）” (PDF). 環境省. 2020年1月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月7日閲覧。
  9. ^ NACS-J 2003, p. 132.
引用文献
  • 公益財団法人日本自然保護協会 (NACS-J) 編『生態学からみた野生生物の保護と法律』講談社〈KS地球環境科学専門書〉、2003年、131-165頁。ISBN 4-06-155216-3。 

関連項目

関連文献

外部リンク

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