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2020年3月2日 (月) 09:09時点における版
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | |
本社所在地 |
日本 〒112-0012 東京都文京区大塚二丁目15番6号 ニッセイ音羽ビル |
設立 | 1938年(昭和13年)6月30日(創業:1910年(明治43年)) |
業種 | 食料品 |
法人番号 | 3010001034910 |
事業内容 | 菓子食品の製造販売、および喫茶・食堂の経営 |
代表者 |
山田憲典(代表取締役会長) 河村宣行(代表取締役社長) |
資本金 |
182億8,014百万円 (2018年12月31日現在) |
発行済株式総数 |
2,578万4,659株 (2018年12月31日現在) |
売上高 |
連結:1,052億41百万円 単体:825億12百万円 (2018年12月期) |
純利益 |
連結:13億70百万円 単体:9億44百万円 (2018年12月期) |
純資産 |
連結:483億95百万円 単体:397億80百万円 (2018年12月31日現在) |
総資産 |
連結:715億94百万円 単体:571億73百万円 (2018年12月31日現在) |
従業員数 |
連結:2,125人 単体:1,143人 (2018年12月31日現在) |
決算期 | 12月末 |
主要株主 |
山崎製パン株式会社 53.94% 不二家不二栄会持株会 2.85% 株式会社バンダイナムコHD 1.93% 株式会社りそな銀行 1.17% (2018年12月31日現在) |
主要子会社 | 関連会社の項目を参照 |
関係する人物 |
藤井林右衛門(創業者) 藤井総四郎(3代目社長) 藤井林太郎(6代目社長) 桜井康文(7代目社長) 峯野龍弘(元社外取締役) |
外部リンク | https://www.fujiya-peko.co.jp |
株式会社不二家(ふじや、英称 Fujiya Co.,Ltd.)は、ケーキなど洋菓子を中心に菓子類の製造販売を主とする老舗の食品メーカー。洋菓子店のほかレストランをフランチャイズ展開している。1910年(明治43年)創業。2008年より山崎製パンの子会社となっている。
カスタマーメッセージは「すべてを『おかあさんのきもち』で」。
概要
社名は、創業者である藤井家の「藤」と日本のシンボルである「富士山」、そして「二つと無い存在に」(不二)との意から。不二家のシンボルマークである「ファミリーマーク」のFには、不二家のイニシャルのほか、ファミリア(親しみやすい)、フラワー(花)、ファンタジー(夢)、フレッシュ(新鮮)、ファンシー(高級な・かわいらしい)の5つの意味が含まれている。デザイナーはレイモンド・ローウィ[1]。
1960年代に、インダストリアルエンジニアリング (IE) やコーポレートアイデンティティ (CI) という、当時としては革新的な経営管理手法を導入し、フランチャイズチェーンの展開へつなげた。
イメージマスコットは、ペコちゃんとポコちゃん。キャッチコピーは「おいしさは、しあわせに向かう」である。ペコちゃんとポコちゃんは、日本ケンタッキーフライドチキンのカーネル・サンダース像に続いて、立体商標として1998年6月19日に登録された。
本社は、東京都文京区大塚に所在。後述の期限切れ原材料使用問題による業績悪化を最小限に抑えるため、東京都中央区銀座7丁目の本社ビルを売却し、2008年7月1日に現在地に移転した。
沿革
- 1910年11月 - 創業者の藤井林右衛門が25歳で、現在の横浜市中区元町2丁目86番地(跡地は現在のElegant洋装店)にて洋菓子店・不二家を創業。
- 1910年12月 - 日本初のクリスマスケーキ販売を開始。
- 1914年 - 元町店の隣に喫茶店「ソーダ・ファウンテン」を開業。
- 1922年 1月 - 伊勢佐木町店開店、レストラン第1号店を併設。日本初のショートケーキ販売を開始。
- 1923年 8月 - 銀座6丁目店を開店し東京進出。
- 1923年9月 - 関東大震災で被災、銀座店・伊勢佐木町店・元町店が火災で焼失。
- 1924年 - 銀座店・伊勢佐木町店をバラック建てで営業再開。元町店は閉店。
- 1930年1月 - 大森店開店。
- 1930年3月 - 合名会社不二家を設立。社長は創業者の藤井林右衛門、資本金10万円。
- 1930年5月 - 新宿店開店。1階が菓子売り場と喫茶店、2階はレストラン(地下は工場)。
- 1931年3月 - 銀座工場完成。
- 1931年5月 - 心斎橋店開店。翌6月には京都四条店開店、関西進出。
- 1938年6月 - 株式会社第二不二家を設立。
- 1938年9月 - 株式会社第二不二家が、合名会社不二家を吸収合併(事実上の組織変更)。
- 1938年12月 - 株式会社第二不二家が、株式会社不二家に商号変更。
- 1946年8月 - 本社を東京都中央区銀座七丁目2番17号に移転。
- 1948年 - 藤井誠司(創業者・藤井林右衛門の次男)が2代目社長に就任( - 1969年)。
- 1950年 - マスコットキャラクター「ペコちゃん」制定(翌年には「ポコちゃん」も制定)
- 1951年 - 主力商品の一つとなるミルクソフトキャンディ「ミルキー」の販売開始。
- 1953年10月 - 銀座に数寄屋橋店開店。
- 1954年 - 「パラソルチョコレート」の販売開始[2]。
- 1956年10月 - 藤井食品合名会社が、合名会社不二家(2代目)に商号変更。
- 1958年11月 - 株式会社不二家が、合名会社不二家(2代目)を吸収合併。
- 1959年9月 - 神奈川県平塚市に平塚工場完成。
- 1962年5月 - 北海道札幌市に札幌工場完成。
- 1962年6月 - 東証第2部、大証第2部、名証第2部に上場。
- 1962年8月 - 不二家乳業株式会社を設立、乳製品製造分野に進出。
- 1963年10月 - フランチャイズチェーン展開開始、フランチャイズ1号店として京都伏見店を開店。
- 1964年 - 桃の果汁飲料「不二家ネクター」の販売開始。
- 1965年2月 - 東証、大証、名証、それぞれ第1部に指定替え。
- 1968年 - 神奈川県秦野市に秦野工場(8月)、埼玉県新座市に埼玉工場(11月)が完成。
- 1969年 - 藤井総四郎(藤井林右衛門の4男)が3代目社長に就任( - 1985年)。
- 1973年 - 英国ロントリー・マッキントッシュ社(1988年にネスレに買収された)と提携し、キットカットを発売する。
- 1973年12月 - 米国バスキン・ロビンス社との合弁会社として、ビー・アールジャパン株式会社(現在のB-R サーティワン アイスクリーム株式会社)を設立し、アイスクリームチェーン「サーティワン アイスクリーム」の店舗展開開始。
- 1977年 - 米国ペプシコ社と合弁で不二家フリトレーを設立(1990年に提携解消)。
- 1978年3月 - 子会社・株式会社不二家ロードサイドレストランを設立。翌4月、ロードサイド店舗1号店として川口青木店開店。
- 1982年 - 仏国パリの洋菓子店「ダロワイヨ」とライセンス契約。
- 1985年 - 藤井和郎(藤井林右衛門の6男)が4代目社長( - 1989年)、藤井五郎(藤井林右衛門の5男)が会長に就任(〜1989年)。
- 1989年 - 藤井俊一(藤井五郎の息子)が5代目社長に就任( - 1995年)。
- 1989年6月 - ネスレ社との菓子製造販売の合弁会社として、ネスレマッキントッシュ株式会社。2000年10月に株式売却)を設立。
- 1989年10月 - 完全子会社として株式会社ダロワイヨジャポンを設立。
- 1995年 - 藤井林太郎(藤井誠司の息子)が6代目社長に就任( - 2007年)。
- 1998年 - 「ペコちゃん・ポコちゃん」人形が特許庁から立体商標第一号として認可。
- 2003年 - 藤井義郎と藤井正郎(いずれも藤井総四郎の息子)が取締役に就任。
- 2004年 - 株式会社不二家ロードサイドレストランが、不二家の外食部門を統合し、株式会社不二家フードサービス(初代)に商号変更。
- 2005年 - 藤井隆三(藤井和郎の息子)が不二家フードサービスの社長に就任。
- 2007年1月11日 - 消費期限切れの材料で一部洋菓子の製造が行なわれていたことが報道され、すべての洋菓子製品の製造販売を休止(後節にて記述)。
- 2007年1月15日 - 期限切れ原材料使用問題により、社長の藤井林太郎が責任放棄する形で辞任表明。
- 2007年1月22日 - 桜井康文取締役が7代目社長に就任。
- 2007年3月26日 - 山崎製パンと資本業務提携、休止していた製品の製造販売を再開。
- 2007年4月11日 - 山崎製パンに対して第三者割当増資を実施し、同社の持分法適用会社(35%出資)となる。
- 2007年8月1日 - 株式会社不二家フードサービス(初代)がレストラン事業について会社分割を行い、株式会社エフアンドビイが事業承継。同時に、株式会社エフアンドビイは株式会社不二家フードサービス(2代目)に、株式会社不二家フードサービス(初代)は株式会社FFSに、それぞれ商号変更。
- 2008年7月1日 - 1946年以来使用していた銀座の本社ビルを売却し、文京区大塚2丁目15番6号に所在するニッセイ音羽ビル6-9階へ移転。
- 2008年11月7日 - 筆頭株主の山崎製パンと新たに資本業務提携。
- 2008年11月27日 - 山崎製パンに対して第三者割当増資を再度実施、同社の子会社(51%出資)となる。
- 2010年8月25日 - ペコちゃんの新衣装を新宿高島屋でお披露目した。2010年11月で創業100年・ペコちゃん生誕60年の記念企画。東京モード学園にデザインを発注し、同校生徒の作品539点への高島屋の来店客による投票で新衣装を決定した。翌日8月26日より全国の店頭のペコちゃんが一斉に新衣装となる[3]。
- 2011年8月22日 - ミルキー発売60周年を記念し「ペコちゃんミュージアム ミルキータウン2011」が銀座6丁目の不二家銀座ビルにて9月4日まで開催。
- 2014年4月1日 - タカラブネやスイートガーデンを展開するスイートガーデンをプレシアホールディングスから9億5000万円で取得し完全子会社とする。
- 2015年7月11日 - 平塚市美術館で「ペコちゃん展」開催。
- 2019年2月14日 - 河村宣行取締役が8代目社長に就任。
- 2020年11月 - 創業110年・ペコちゃん生誕70年(予定)。
主な商品
ケーキ・アイス
明治期に日本で初めてクリスマスケーキを販売し、また日本式のショートケーキ販売の先駆けでもある。日本国内における洋生菓子の普及に貢献した点が特筆される。
- クリスマスケーキ - 1910年(明治43年)発売
- ショートケーキ - 1922年(大正11年)発売
- シュークリーム - 1922年(大正11年)発売
- チョコ生ケーキ
- スコッチケーキ
- カップアイス
- ペコちゃんのほっぺ - 1994年(平成6年)発売
- ミルキークリームロール - 2009年(平成21年)発売
菓子
- ハートチョコレート - 1935年(昭和10年)発売
- ミルキー - 1951年(昭和26年)発売
- ポップキャンディ - 1954年(昭和29年)発売
- パラソルチョコレート - 1954年(昭和29年)発売
- ルックチョコレート - 1962年(昭和37年)発売
- ホームパイ - 1968年(昭和43年)発売
- ピーナッツチョコレート - 1979年(昭和54年)発売
- カントリーマアム - 1984年(昭和59年)発売
- アーモンドチョコレート - 1985年(昭和60年)発売
- ソフトエクレア - 廃番後、2010年(平成22年)復刻発売
- バニラ、チョコ、コーヒーと、3種類のクリーム入りソフトキャンディ。
ドリンク
飲料部門はポッカサッポロフード&ビバレッジ(旧・サッポロ飲料)に販売を委託している。
このほか2010年5月、サッポロビールから不二家ネクターとカクテルをコラボレーションした商品「ネクターサワー」が新発売された。
かつての製品
キャンディ
- フランスキャラメル - 1934年(昭和9年)発売
- フランスの国旗をイメージしたパッケージで、戦前の名子役シャーリー・テンプルをモチーフにした少女のキャラクターが描かれていた。戦後名前を一般公募し「ピコちゃん」と命名。
- ノースキャロライナ - 1968年(昭和43年)発売
- 金太郎飴構造の、断面が渦を巻いたソフトキャンディ。
- ソフトミルキー
- 生ミルキー(平成版キャンディ)
- ミルクキッス(キャンディ)
- いちごキッス(キャンディ)
- ペップル(サワーキャンディ)
チョコレート
- メロディ(ブロックチョコ)
- サクレ(スナックチョコ)
- パフィー(ケーキチョコ)
- アメリカンバー(チョコレート)
- ウッディ(チョコレート)
- ヌーベルガナッシュ(チョコレート)
- ガウディ(チョコレート)
- エクレアン(チョコレート)
- ロコ(チョコレート)
- ポップス(チョコレート)
- ザ・ギンザ(チョコレート他)
クッキー・ビスケット
- ミセスガレット(ケーキクッキー)
- プチガトー(厚焼きクッキー)
- ザ・ニューヨーク(チョコクッキー)
- パイパイビスケット(幼児向けビスケット)
- ソフトパイパイ(乳児向けビスケット)
- おばけ・トリック大集合(チョコスナック)
キャラクター菓子
- 銀河伝説バトラーの聖剣(キャラクター菓子)
- 聖闘士星矢シリーズ(キャラクター菓子)
飲料
- ハイカップ(濃縮乳酸菌飲料)- 1959年(昭和34年)発売
- 不二家レモンスカッシュ・ミニ(ドリンク)
- 不二家レモンスカッシュ・NEW TASTE(ドリンク)
- 不二家レモンスカッシュDRY(ドリンク)
- 不二家オレンジスカッシュ(ドリンク)
- 不二家グレープフルーツスカッシュ(ドリンク)
- 不二家Pinkグレープフルーツスカッシュ(ドリンク)
- 不二家ペコボコスカッシュ(ドリンク)
- 青りんごのスカッシュ(ドリンク)
- すりおろし・りんごスカッシュ(ドリンク)
- つぶつぶ・レモンスカッシュ(ドリンク)
- 白桃スカッシュ(ドリンク)
- アロエ&マスカットスカッシュ(ドリンク)
- ピンクレモンスカッシュ(ドリンク)
- うめカッシュ(ドリンク)
- オールドファッションレモネード(ドリンク)
- 不二家フルーティ・アップル(ドリンク)
- 桃の実デザートネクター(ドリンク)
- パンナコッタ(ドリンク)
- ナタ・デ・ココシリーズ(ドリンク)
- まろやかバナナ(ドリンク)
- 元気一番シリーズ(ドリンク)
- 酸梅湯・中国伝統の秘味(ドリンク)
- 不二家コーヒー(ドリンク)
- 炭焼コーヒー(ドリンク)
- コーヒーマイルド(ドリンク)
- ロッキーコーヒー(ドリンク)
- コーヒーウェイ(ドリンク)
- カフェ・サン・ラザール(ドリンク)
- カフェ・オ・レ(ドリンク)
- カフェ・クオリティ(ドリンク)
- カフェ・アサンラス(ドリンク)
- ジャスミン茶(ドリンク)
- ルイボス茶(ドリンク)
- 峠の茶屋(ドリンク)
- フルーツ紅茶(ドリンク)
- 烏龍茶(ドリンク)
- 烏龍茶館(ドリンク)
アイス
- ミルキーアイス抹茶(アイス)
- ミルキーアイスれん乳(アイス)
- ミルキーアイス(アイス)
- ミルキーアイスいちご(アイス)
- シューアイスクリームミルキー(アイス)
- シューアイスクリームいちごミルキー(アイス)
- シュークリーム凍っちゃいました!カスタードバニラ(アイス)
- カントリーマアムアイスサンドクラッシュカントリーマアム入り(アイス)
プリン・ゼリー
- ストロベリームース(プリン)
- ミルキークリームプリン(プリン)
- カスタードプリン(プリン)
- アンパンマンフルーツゼリー(ゼリー)
- レモンスカッシュゼリー(ゼリー)
- ネクターゼリー(ゼリー)
- スイートガーデンほろ苦コーヒージュレの夏ティラミス(プリン)
ほか多数。
不祥事・事件
期限切れ原材料使用問題
2006年10月と11月の計8回にわたって、埼玉県新座市の同社埼玉工場でシュークリームを製造する際に、賞味期限が切れた(実際は「社内規定の使用期限」が切れた)牛乳を使用していた。このことは、同年11月までに社外プロジェクトチームの調査によって判明し、11月13日に管理職など約30人に向けてこの件に関する報告書を配布していた。この報告書の中に「マスコミに知られたら雪印乳業(雪印集団食中毒事件)の二の舞になることは避けられない」という表現があったが、これは不二家に委託された外部コンサルタント会社が危機意識を喚起する意図で使った表現だったとされる。
結局このことは、洋菓子需要の繁忙期であるクリスマス商戦を乗り切った後の2007年1月10日に、労働組合員からの内部告発を受けた報道機関の手により公になった。翌日になって同社は、洋菓子の製造販売を一時休止する措置を取ったが、以降もずさんな食品衛生管理の事例が明らかになり、企業倫理に欠ける安全を軽視した姿勢や隠蔽体質に対して、消費者から1,700件を超える苦情が不二家に殺到するなど批判が出た[4]。
後に不二家が設置した信頼回復対策会議の報告によると、2006年当時の報告書には不自然な点が多く社外プロジェクトチームに対する不信感が募っていたため、報告書を公表しなかったとしている。
これがきっかけで食品偽装問題が相次いで発覚し、新語・流行語大賞のトップテンに「食品偽装」が、今年の漢字に「偽」が選出されている。
判明した問題
- 1月10日 - 同社が「消費期限切れ」の牛乳をシュークリーム製造の際に使用していたと報じられる(実際は「社内規定の使用期限」であった)。
- 1月11日 - 社長らがこの問題についての釈明会見を開いた[5]。またその席上で、消費期限切れの鶏卵を用いたシュークリーム(2006年8月頃)、消費期限切れのリンゴの加工品を用いたアップルパイ、厚生労働省の定めたガイドラインである洋生菓子の衛生規範(食品衛生法ではない)に定められた値の10倍・社内規定の100倍を超す細菌が検出されたシューロール、社内基準を超過した賞味期限表示を行ったプリンなどの品質基準未達製品を出荷していたこと、埼玉工場で月に数十匹のネズミが捕獲されていたことを公表[6][7]。
- 1月14日 - 2006年11月に関東地方で同社の洋菓子を食べた消費者から腹痛や嘔吐などの健康被害を訴える苦情が釈明会見以降、数件寄せられている事実を公表[8]。
- 1月16日 - 泉佐野工場製の「ペコちゃんのほっぺ」で、1995年6月にブドウ球菌による食中毒が発生していた事実を公表していなかったことが明らかになった(患者が20人未満であったため、報告を受けた保健所は公表せず)[9]。
- 1月17日 - 厚生労働省と農林水産省は社長に出頭を求め、衛生管理体制の徹底を指導[10]。埼玉県による埼玉工場の2度目の立ち入り検査の結果、「ない」とされていた14種類の「原料消費・賞味期限チェック表」記録簿が発見された。埼玉県は食品衛生法第28条に基づき、同工場から出荷された全製品についての製造記録の報告を1月23日までに提出するよう要請[11]。
- 1月18日 - プリンなどの消費期限を社内基準より長く表示していた問題で、同社が農水省の聞き取り調査に対し「もともと安全に食べられる期間より短く設定しており、1日長くしても問題ないと現場が判断したのではないか」と説明していたことが判明。同社は商品テストなどで設定した「安全に食べられる期間」の80%を、消費期限に設定しているという[12]。
- 1月19日 - 同社が製造したチョコレート製品に、蛾の幼虫が混入していたこと、製品回収を実施しなかった事実が判明[13][14]。
- 1月26日 - 泉佐野工場における衛生基準を国の定める規範より緩くしていた事実が判明[15]。
- 1月27日 - 埼玉工場におけるプリンの消費期限延長問題で埼玉県は食品衛生法違反の疑いがあると指摘[16]。
- 1月28日 - 農林水産省は「工場内の移動は違法でない。」との見方を示し、「消費期限延長は可食期間内に収まっている」と厳重注意にとどめた[17]。
- 1月30日 - 泉佐野工場が大阪府の保健所から食品衛生法に基づく業務改善命令を受ける。消費者からの異物混入などに関する苦情・問い合わせが、2005年12月から2006年11月の1年間で1693件に達していた事を発表。
- 1月31日 - 小売り向け一般菓子を製造している3工場が取得している品質管理の国際規格「ISO 9001:2000」について、検査機関SGSジャパンの再審査の結果、基準を満たしていない事実が判明。
事件の影響
- 1月11日より洋菓子の製造・販売を休止した。また同日より同社ウェブサイトは一部商品情報を除いて、全て謝罪文のページにリダイレクト(自動転送)された。この措置により株主向け開示資料を含む企業情報が一時閲覧不能となった。
- 1月12日 - 東急ストアやクイーンズ伊勢丹などのスーパーマーケットが、洋菓子工場以外で製造されているものも含めた全ての同社製品について、全店舗の売り場から撤去を始めた[18]。
- 1月15日 - セブン&アイホールディングス、イオンの各グループのスーパーマーケット・コンビニエンスストアや、ローソン等でも同社製品の撤去を決めた[19]。
- 1月16日 - 同日より事件発覚後も営業を続けていた東京・神楽坂の「ペコちゃん焼き」の販売を休止した[20]。
- 1月19日 - TBS番組「みのもんたの朝ズバッ!」にて粉飾決算の疑惑が指摘される。
- 1月22日 - 一連の不祥事の責任をとる形で、藤井林太郎社長が退任。臨時取締役会が開かれ、当社初の創業家以外の社長となる桜井康文取締役を社長に昇格させる人事を決定、同日就任した[21]。
- 1月26日 - 藤井林太郎が子会社であるビー・アールサーティワンアイスクリーム株式会社の社外取締役を辞任[22]。
- 1月30日 - “飲料類については安全性は独自に確認した”としてソフトドリンクを取り扱っていたサッポロ飲料も、2月以降の販売休止を発表した[23]。
- 3月28日 - TBS番組「みのもんたの朝ズバッ!」が1月22日に「平塚工場の元パート従業員とする女性の証言をもとに、同工場で賞味期限切れのチョコレートを回収して、これを原料に新しいチョコレートを生産していた」などと報じた件について、不二家がTBSにクレームを付ける。TBSは一部問題点があったことを認めたものの、根幹部分については、信用できる根拠があると説明[24][25]。
- 3月30日 - 不二家が設置した信頼回復対策会議が、記者会見でTBS番組「みのもんたの朝ズバッ!」1月22日放送の内容が虚偽・捏造の疑いがあると発表[26][27]。
- 4月18日 - TBS「みのもんたの朝ズバッ!」が、番組内で1月22日の放送内容について「誤解を招きかねない表現だった」と謝罪[28]。
- 5月10日 - 不二家は翌5月11日から、製品の安全確保への取り組みを強調した内容で、テレビCMの放映を再開すると発表[29]。
事件報道との対立
- その他、報道機関全般にみられた表現
- 商品に消費期限切れの牛乳を使用していた事実に対して、食品衛生法等で規定された消費期限を過ぎていたかのように報じられたことがあった。実際に超過していたのは不二家社内で独自に設定した消費期限であり、これは牛乳メーカーの消費期限よりも3日ほど短い。
- 商品から大腸菌群が検出された事実に対して、大腸菌が検出されたかのように報じられたことがあった。実際に検出が確認されたのは大腸菌によく似た性質を持つ他の菌である。
- 商品から「洋生菓子の衛生規範」に定められた値を超す細菌が検出された事実に対して、食品衛生法の規定に違反していたかのように報じられたことがあった。洋菓子には食品衛生法による規定は存在せず、また「洋生菓子の衛生規範」に法的拘束力はない。
2008年12月、FC店における賞味期限切れ商品の販売が再び発覚したと週刊新潮に掲載された。しかし、報道の情報源が不透明である等、その内容に疑問も持たれている。なお、この掲載に対し、不二家は事実誤認として抗議をしたという事である。
業務支援
一部のマスメディア[30]によると、不二家は財務力が弱く、雪印乳業の二の舞になるのではないかと懸念する声もあり、不二家は以前から経営改善のために店舗の閉鎖等が言われていたが、この事件により事業所の閉鎖が多くなる可能性がきわめて高いという見方が出ていた。
事態打開のため不二家とりそな銀行は、山崎製パンに対して品質管理などの業務支援を要請した。これを受けて2月5日、山崎製パンから衛生管理などの業務支援を受けることが発表された[31][32]。現在は山崎製パンが51%出資している。
同社の第二位株主である森永製菓も同社支援を検討したが、2月2日に支援を見送ることを発表した[33]。5月8日、保有する不二家株を全て売却した[34]。
2007年3月1日、一部の工場で、一般菓子の生産が再開された。洋菓子についても、23日から販売を再開した。飲料は19日から販売再開[35][36]。
ホワイトデー
ホワイトデーの元祖は諸説あるが、1973年(昭和48年)に不二家とエイワが協力し、チョコレートのお返しにキャンディやマシュマロを贈ろうと『メルシーバレンタイン』キャンペーンを開催したとする新聞記事がある(読売新聞)。その中では“白(ホワイト)には「幸福を呼ぶ」「縁起が良い」という意味がある”ということで、バレンタインデーの1ヶ月後にと称してホワイトデーを設定したと記事は伝えており、最古の記録となっている。
関連会社
※社名あとの数字は不二家の持株率。記載のないものはリンク先を参照のこと。
- B-R サーティワンアイスクリーム株式会社 - 持分法適用会社
- 株式会社ダロワイヨジャポン 100%
- 株式会社不二家フードサービス
- ブロンズパロット - かつて実験的に展開されたファミリーレストラン。
- 株式会社不二家システムセンター 100% - 不二家の事務業務の受託やアウトソーシングの受託。
- 株式会社不二家東北
- 日本食材株式会社 49.5% - さいたま市中央区。不二家製品の一部を製造。 - 持分法適用会社
- 不二家サンヨー株式会社 95.0% - 福島県伊達市。不二家製品の一部製造および不二家への原料の販売。
- 不二家(杭州)食品有限公司 71.7%
- 不二家テクノ株式会社
- 不二家乳業株式会社
- スイートガーデン株式会社100%
提供番組
現在
- 情報プレゼンター とくダネ!(フジテレビ系)月曜・水曜・金曜の8:30〜9:30頃
- それいけ!アンパンマン(日本テレビ、筆頭スポンサー扱い[37])
- サンリオキャラクターズ ポンポンジャンプ!(BSフジ)
- JFN時報 - 平日の23時に放送。JFN系列。
過去(一社提供)
過去(各社提供)
- 機動警察パトレイバー(日本テレビ系)
- スーパーロボット レッドバロン(日本テレビ系)
- 新オバケのQ太郎(日本テレビ系)
- お昼のワイドショー(不二家チェーン名義、日本テレビ系)
- ザ・チャンス!(TBS)
- 痛快なりゆき番組 風雲!たけし城(TBS)
- まんがはじめて物語(TBS)
- 火曜ワイドスペシャル(フジテレビ系)
- 銀河鉄道999(フジテレビ系)
- 聖闘士星矢(テレビ朝日系)
CM出演者
- 大塚愛 - ルックチョコレート(2006年)
- CMソングに自身歌唱の「ハニカミジェーン」を起用。
- 中川翔子 - ルックチョコレート(2006年)
- CMソングに自身歌唱の「綺麗ア・ラ・モード」を起用。
- ローラ - ミルキー(2012年)
- 上記時報読み上げも行っていた。
- 前田敦子 - 生ミルキー(2013年9月 - )、カントリーマアム(2014年3月 - )
- 生ミルキーは同時期のキャンペーンキャラクターも担当。
- 伊原六花 - 自分をLOOK編(2019年9月10日 - )
- CM楽曲はmiwaさん書下ろし「Look At Me Now」、振り付けはair:manが担当。
脚注・出典
- ^ ロゴの秘密|ルック|不二家
- ^ 【不二家】変わらぬ“ハイカラ”さが魅力「パラソルチョコレート」(男の浪漫伝説 Vol.83) | ドリームメール
- ^ “還暦”ペコちゃん ジュニアモデル風に衣替え スポーツニッポン2010年8月26日付ニュース
- ^ 不二家 不正使用発覚から10日、再開のめど立たず FujiSankei Business i 2007年1月20日報道
- ^ 不二家社長が謝罪、洋菓子販売を一時休止 NIKKEI NET 2007年1月11日報道
- ^ 不二家が隠蔽文書、全国894店舗休止 nikkansports.com 2007年1月12日報道
- ^ 不二家:埼玉工場 ネズミ、実は485匹捕獲 内部文書 毎日インタラクティブ 2007年1月26日報道
- ^ 不二家:腹痛や嘔吐を訴える苦情数件 問題発覚後 毎日インタラクティブ 2007年1月14日報道
- ^ 不二家 食中毒発生を公表せず Sponichi Annex 2007年1月17日報道
- ^ 不二家社長に「改善」要求、厚労・農水両省 NIKKEI NET 2007年1月17日報道
- ^ 「ない」はずのマニュアル確認 不二家埼玉工場立ち入り asahi.com 2007年1月17日報道
- ^ 不二家、消費期限は短めに設定 農水省調査に回答 共同通信社 2007年1月18日報道
- ^ 不二家の不祥事また発覚!チョコ製品に蛾の幼虫混入とのクレーマー北海道 サンケイスポーツ 2007年1月20日報道
- ^ 不二家:チョコにガの幼虫、クレーマ4件目 回収せず 毎日インタラクティブ 2007年1月27日報道
- ^ 大腸菌回収、本社より10倍緩い基準 不二家泉佐野工場 asahi.com 2007年1月26日報道(実際に検出されたのは大腸菌ではなく大腸菌群)
- ^ 消費期限延長は「食品衛生法違反も」 不二家巡り埼玉県 asahi.com 2007年1月27日報道
- ^ 東京新聞 2007年1月27日報道
- ^ 不二家製品を撤去、食品スーパーで相次ぐ NIKKEI NET 2007年1月14日報道
- ^ 不二家商品を相次ぎ撤去 nikkansports.com 2007年1月15日報道
- ^ ペコちゃん焼き販売自粛に惜しむ声続出 JANJAN 2007年1月17日報道
- ^ 22日不二家が買い気配、新社長に桜井氏 ラジオ日経 2007年1月22日報道
- ^ 不二家の藤井前社長、サーティーワンの社外取締役も辞任 asahi.com 2007年1月27日報道
- ^ 不二家の全飲料製品、サッポロ飲料が2月から販売休止 YOMIURI ONLINE 2007年1月30日報道
- ^ 不二家、TBS「朝ズバッ」に事実誤認と申し入れ asahi.com 2007年3月28日報道
- ^ 不二家チョコ再利用報道、大筋間違いなしとTBS YOMIURI ONLINE 2007年3月29日報道
- ^ 第2回「信頼回復対策会議最終報告」記者会見 株式会社不二家 ニュースリリース 2007年4月3日
- ^ 1月22日放映のTBS『朝ズバッ!』での不二家関連報道に関する問題について 株式会社不二家 ニュースリリース 2007年4月3日
- ^ みのもんたの朝ズバッ!が不二家に謝罪 日刊スポーツ 2007年4月18日報道
- ^ 不二家:4カ月ぶりにTVCM再開 ペコちゃんも登場 MSN毎日インタラクティブ 2007年5月10日報道
- ^ 不二家に外資ファンドの触手も 業界再編焦点 SANKEIWeb 2007年1月17日報道
- ^ 山崎製パン株式会社からの食品安全衛生管理体制の整備の支援等について 株式会社不二家 ニュースリリース 2007年2月5日
- ^ 株式会社不二家に対する食品安全衛生管理体制の整備の支援等について 山崎製パン株式会社 ニュースリリース 2007年2月5日
- ^ 株式会社不二家への支援について 森永製菓株式会社 ニュースリリース 2007年2月2日
- ^ 不二家が森永製菓株を売却、売却益は4.2億円 Reuters 2007年5月8日
- ^ 不二家が「安全宣言」、菓子の生産再開 NIKKEI NET 2007年3月1日報道
- ^ 不二家、加工菓子の生産再開 洋菓子販売は23日から FujiSankei Business i 2007年3月2日報道
- ^ 副音声から、系列局の青森放送では「一社提供」。
関連項目
- キッツ - 旧・不二家電機。以前は傍系会社でオーディオ製造を手がけていたが、現在は撤退し資本関係も無い。
- りそな銀行 - 不二家のメインバンクであり、事業支援に貢献した。
- サッポロホールディングス - 子会社のサッポロビール・ポッカサッポロフード&ビバレッジ(旧・サッポロ飲料)を通じて不二家とのコラボレーション製品を販売。不二家側もサッポロ飲料の「リボンシトロン」フレーバーによるキャンディを発売。ポッカサッポロフード&ビバレッジの自動販売機では「不二家ネクター」「不二家レモンスカッシュ」が受託販売されている。
- 赤城乳業 - 「ミルキーコーン」などアイスクリーム製品の製造を委託。
- 栄屋乳業 - アイスミルク「ミルキーバー」の製造を委託。
外部リンク
- 不二家ウェブサイト
- 不二家(FUJIYA) (FUJIYA.jp) - Facebook