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「日野・レインボー」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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==レインボー RJ・RR(路線系==
== レインボーRJ・レインボーRR (路線系) ==
=== K-RJ/RR系 ===
=== K-RJ/RR系 ===
[[1980年]]、それまでの[[モノコック構造]]による車体をもった、'''RL'''系をモデルチェンジして誕生した。車体は直線的な[[日本のバス車両#スケルトンボディー|スケルトン]]([[フレーム形式 (自動車)#マルチチューブラーフレーム|マルチチューブラーフレーム]])構造となり、中型バスに対するイメージを一新した。
[[1980年]]、それまでの[[モノコック構造]]による車体をもった、'''RL'''系をモデルチェンジして誕生した。車体は直線的な[[日本のバス車両#スケルトンボディー|スケルトン]]([[フレーム形式 (自動車)#マルチチューブラーフレーム|マルチチューブラーフレーム]])構造となり、中型バスに対するイメージを一新した。
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== レインボー RJ・RR系(観光・自家用系 ==
== レインボーRJ・レインボーRR (観光・自家用系) ==
{{BusModelImage2|レインボーRR 観光系 (1987年以前)|File:Kagawakenkotsu HINO P-RR172B.jpg|File:Kagawakenkotsu HINO P-RR172B ria.jpg|P-RR172B [[香川県交通]]|right|180px}}
{{BusModelImage2|レインボーRR 観光系 (1987年以前)|File:Kagawakenkotsu HINO P-RR172B.jpg|File:Kagawakenkotsu HINO P-RR172B ria.jpg|P-RR172B [[香川県交通]]|right|180px}}
1980年に路線系とともに、まず板ばねの'''RJ'''の発売を開始した。路線系とはラインナップは明確に区別されることになった。ハイカスタム(フルデッカ)、デラックス観光、ツーリング(デラックスおよびスタンダード)の4グレードを設定。全長は2タイプあり、短尺のRJ170A系と長尺のRJ172A系が用意された。昭和54年排出ガス規制適合車で、エンジンは路線系と同じEH700型(直6、170ps)である。
1980年に路線系とともに、まず板ばねの'''RJ'''の発売を開始した。路線系とはラインナップは明確に区別されることになった。ハイカスタム(フルデッカ)、デラックス観光、ツーリング(デラックスおよびスタンダード)の4グレードを設定。全長は2タイプあり、短尺のRJ170A系と長尺のRJ172A系が用意された。昭和54年排出ガス規制適合車で、エンジンは路線系と同じEH700型(直6、170ps)である。
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[[1970年]]、金産製K型車体をマイナーチェンジ。助手席窓を引き違いから[[三角窓]]+Hゴムの[[はめ殺し]]へ変更し、客席窓も角の[[アール]](丸み)がなくなる。
[[1970年]]、金産製K型車体をマイナーチェンジ。助手席窓を引き違いから[[三角窓]]+Hゴムの[[はめ殺し]]へ変更し、客席窓も角の[[アール]](丸み)がなくなる。


== レインボー AM・AC ==
== レインボーAM・レインボーAC ==
[[ファイル:Kagawakenkotsu HINO K-AM101.jpg|thumb|200px|レインボーAM 香川県交通 AM101]]
[[ファイル:Kagawakenkotsu HINO K-AM101.jpg|thumb|200px|レインボーAM 香川県交通 AM101]]
[[ファイル:P-AC140AA-Joshin-Bus.jpg|thumb|200px|レインボーAC [[上信電鉄]] AC140AA]]
[[ファイル:P-AC140AA-Joshin-Bus.jpg|thumb|200px|レインボーAC [[上信電鉄]] AC140AA]]
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[[1983年]]に[[昭和58年排出ガス規制]]によるマイナーチェンジが行われ、シリーズ名もAMから変更され'''AC140'''系となり、レインボーの名称も使われた。エンジンはW06C型(直4、145ps)に変更し、型式はP-AC140AAとなった。外観の変化は前照灯の角型への変更など軽微である。観光用・自家用のほか[[スクールバス|幼児専用車]]、路線[[ワンマン運転|ワンマン]]仕様もあり、路線用では2ドア車も販売された。
[[1983年]]に[[昭和58年排出ガス規制]]によるマイナーチェンジが行われ、シリーズ名もAMから変更され'''AC140'''系となり、レインボーの名称も使われた。エンジンはW06C型(直4、145ps)に変更し、型式はP-AC140AAとなった。外観の変化は前照灯の角型への変更など軽微である。観光用・自家用のほか[[スクールバス|幼児専用車]]、路線[[ワンマン運転|ワンマン]]仕様もあり、路線用では2ドア車も販売された。


[[1988年]]、レインボー7Wに引き継がれ、製造を終了した。
[[1988年]]、レインボー7Wに引き継がれ、製造を終了した。
{{-}}
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== レインボー 7M・7W ==
== レインボー7M・レインボー7W ==
{{main2|車幅2mの小型バス|日野・リエッセ#レインボー (RB・AB系)}}
{{main2|車幅2mの小型バス|日野・リエッセ#レインボー (RB・AB系)}}
{{BusModelImage2|日野・レインボー7W|File:KC-RH4JEAA NagoyaCity SH-7 front.jpg|File:KC-RH4JEAA NagoyaCity SH-7 rear.jpg|KC-RH4JEAA [[名古屋市交通局]]|right|180px}}
{{BusModelImage2|日野・レインボー7W|File:KC-RH4JEAA NagoyaCity SH-7 front.jpg|File:KC-RH4JEAA NagoyaCity SH-7 rear.jpg|KC-RH4JEAA [[名古屋市交通局]]|right|180px}}
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== HR系/いすゞ・エルガJ ==
== HR系ノンステップ車 ==
{{BusModelImage2|レインボーHR 観光マスク(9m車)|ファイル:Sakai Shuttle 003.JPG|ファイル:Sakai Shuttle 002.JPG|KK-HR1JKEE [[南海バス]]|right|180px}}
{{BusModelImage2|レインボーHR 観光マスク(9m車)|ファイル:Sakai Shuttle 003.JPG|ファイル:Sakai Shuttle 002.JPG|KK-HR1JKEE [[南海バス]]|right|180px}}
'''HR'''系は、[[1999年]]に登場した中型幅の'''ノンステップバス'''専用モデル。当時路線バスの主流となりつつあったノンステップ車をいち早く7m、9m、10.5mの3車体長でラインナップを完成させたが、ラインナップ整理が徐々に行われ、モデル末期は中型長尺の10.5m車のみとなった。
[[1999年]]に登場した中型幅の[[ノンステップバス]]専用モデルとして'''レインボーHR'''が誕生。当時路線バスの主流となりつつあったノンステップ車をいち早く7m、9m、10.5mの3車体長でラインナップを完成させたが、ラインナップ整理が徐々に行われ、モデル末期は中型長尺の10.5m車のみとなった。


[[#レインボー RJ・RR(路線系|レインボー RJ・RR(路線系]]のノンステップ版後継車種として、1999年12月のHR系(KK-HR)発売から[[2004年]]8月のRJ系(KK-RJ/RR)製造終了までは、HR系とRJ路線系が併売されていた(詳細は[[#KK-RJ/RR系]]を参照)。
[[#レインボーRJ・レインボーRR (路線系)|レインボーRJ・レインボーRR (路線系)]]のノンステップ版後継車種として、1999年12月のHR系(KK-HR)発売から[[2004年]]8月のRJ系(KK-RJ/RR)製造終了までは、HR系とRJ路線系が併売されていた(詳細は[[#KK-RJ/RR系]]を参照)。


発売当初の製造は日野車体工業で行われていたが、同社はいすゞ自動車と日野のバス製造事業に伴って設立された2社の合弁会社・[[ジェイ・バス]]に吸収合併され、生産終了までジェイ・バス小松事業所(旧日野車体工業)で製造されていた。また、いすゞ自動車には'''エルガJ'''として[[OEM]]供給もされた(2007年に中止)、本稿ではそちらも扱う
発売当初の製造は日野車体工業で行われていたが、同社はいすゞ自動車と日野のバス製造事業に伴って設立された2社の合弁会社・[[ジェイ・バス]]に吸収合併され、生産終了までジェイ・バス小松事業所(旧日野車体工業)で製造されていた。また、いすゞ自動車には[[#エルガJ|エルガJ]]として[[OEM]]供給もされた(2007年に中止)。


HR系は改造仕様の車両が多数納入されている。観光マスクは[[東京特殊車体]]で、CNG(圧縮[[天然ガス]])車は[[フラットフィールド]]もしくは[[協同]]による改造で対応する。
HR系は改造仕様の車両が多数納入されている。観光マスクは[[東京特殊車体]]で、CNG(圧縮[[天然ガス]])車は[[フラットフィールド]]もしくは[[協同]]による改造で対応する。
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[[2004年]][[10月1日]]、いすゞ・日野のバス製造事業統合に伴い、製造会社が日野車体工業からジェイ・バス小松事業所へ移管された。
[[2004年]][[10月1日]]、いすゞ・日野のバス製造事業統合に伴い、製造会社が日野車体工業からジェイ・バス小松事業所へ移管された。


レインボーHRの新短期規制適合マイナーチェンジにあたり、レインボーRJの生産終了を受け、車名が単に'''レインボー'''を名乗るようになった。
=== KKKL-HR系 ===

=== レインボーHR ===
{{BusModelImage2|レインボーHR(KK・KL-HR系10.5m車)|ファイル:KeioDentetsuBus C20209.jpg|ファイル:KeioDentetsuBus C20209 rear.jpg|KL-HR1JNEE [[京王電鉄バス]]|right|180px}}
{{BusModelImage2|レインボーHR(KK・KL-HR系10.5m車)|ファイル:KeioDentetsuBus C20209.jpg|ファイル:KeioDentetsuBus C20209 rear.jpg|KL-HR1JNEE [[京王電鉄バス]]|right|180px}}
KK・KL-HR系は、長期規制(7m車と9m車は平成10年・10.5m車は平成11年規制)適合車で、全長7m車・9m車・10.5m車の3種からなる。
KK・KL-HR系は、長期規制(7m車と9m車は平成10年・10.5m車は平成11年規制)適合車で、全長7m車・9m車・10.5m車の3種からなる。
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車体はレインボーRJに準じた意匠だが改良点も多数見られる。ノンステップ化に伴う窓位置の低下、方向幕板の大型化、前照灯ベゼル・[[尾灯|後面コンビネーションランプ]]の配置、[[非常口]]位置(非公式側中央部)などが挙げられる。
車体はレインボーRJに準じた意匠だが改良点も多数見られる。ノンステップ化に伴う窓位置の低下、方向幕板の大型化、前照灯ベゼル・[[尾灯|後面コンビネーションランプ]]の配置、[[非常口]]位置(非公式側中央部)などが挙げられる。

[[2003年]]末より、10.5m車がエルガJとして[[いすゞ自動車]]へ供給を開始している


型式は以下のとおり。
型式は以下のとおり。
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! 10.5m車<br/>WB5.48m
! 10.5m車<br/>WB5.48m
|-
|-
! レインボーHR
! レインボーHR
| KK-HR1JEEE
| KK-HR1JEEE
| KK-HR1JKEE
| KK-HR1JKEE
| KL-HR1JNEE
| KL-HR1JNEE
|-
! いすゞ・エルガJ
|
|
| KL-HR1JNEC
|}
|}


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=== PB・PK-HR系 ===
=== レインボー (HR系) ===
==== PBPK-HR系 ====
{{BusModelImage2|レインボーHR(10.5m)|画像:Ck290.jpg|画像:Ck290back.jpg|PK-HR7JPAE [[千葉海浜交通]]|right|180px}}
{{BusModelImage2|レインボーHR(10.5m)|画像:Ck290.jpg|画像:Ck290back.jpg|PK-HR7JPAE [[千葉海浜交通]]|right|180px}}
[[ファイル:Akan-bus HR7JHAE cockpit.jpg|thumb|180px|right|PB-HR7JHAEの運転席]]
[[ファイル:Akan-bus HR7JHAE cockpit.jpg|thumb|180px|right|PB-HR7JHAEの運転席]]
[[2004年]][[8月24日]]に発売された、新短期規制(9m車は平成15年/10.5m車は平成16年排出ガス規制)適合車。PM([[粒子状物質]])排出レベルは平成12年基準値比85%減(☆☆☆☆適合)である。RJ系の生産終了を受け、車名が「レインボーHR」から単に'''レインボー'''を名乗るようになった
[[2004年]][[8月24日]]に発売された、新短期規制(9m車は平成15年/10.5m車は平成16年排出ガス規制)適合車。PM([[粒子状物質]])排出レベルは平成12年基準値比85%減(☆☆☆☆適合)である。


このモデルではKK-HR系から多くの点が変更されている。エンジンの置き方は横置きから縦置きになり、客室面積が拡大して9m車では中扉より後ろの座席が3列から4列に増えたが、その一方で7m車は対応できずに製造中止となった。またホイールベースも見直され、9m車は短縮された一方で10.5m車は延長されてノンステップ部分の床面積を拡大した。さらに、トランスミッションも5速ATがオプション設定(改造扱い)で設定可能になった。
このモデルではKK-HR系から多くの点が変更されている。エンジンの置き方は横置きから縦置きになり、客室面積が拡大して9m車では中扉より後ろの座席が3列から4列に増えたが、その一方で7m車は対応できずに製造中止となった。またホイールベースも見直され、9m車は短縮された一方で10.5m車は延長されてノンステップ部分の床面積を拡大した。さらに、トランスミッションも5速ATがオプション設定(改造扱い)で設定可能になった。
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! 10.5m車<br/>WB5.58m
! 10.5m車<br/>WB5.58m
|-
|-
! レインボーHR系
! HR系
| PB-HR7JHAE
| PB-HR7JHAE
| PK-HR7JPAE
| PK-HR7JPAE
|-
! いすゞ・エルガJ
|
| PK-HR7JPAC
|}
|}


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ファイル:Nagoyacitybus M-02 me~guru.jpg|9m車<br/>PB-HR7JHAE<br/>名古屋市交通局<br/>(東京特殊車体・トルコンAT車)
ファイル:Nagoyacitybus M-02 me~guru.jpg|9m車<br/>PB-HR7JHAE<br/>名古屋市交通局<br/>(東京特殊車体・トルコンAT車)
ファイル:Yokohamacitybus 4-3773 akaikutsu.jpg|9m車をベースに改造された特殊車両<br/>横浜市交通局<br/>(東京特殊車体)
ファイル:Yokohamacitybus 4-3773 akaikutsu.jpg|9m車をベースに改造された特殊車両<br/>横浜市交通局<br/>(東京特殊車体)
ファイル:Tachikawa bus H407.JPG|エルガJ<br/>PK-HR7JPAC<br/>[[立川バス]]
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=== BDG-HR7JPBE ===
==== BDG-HR系 ====
{{BusModelImage2|レインボー(BDG-HR系10.5m車)|ファイル:RinkoBus 2A339.JPG|ファイル:RinkoBus 2H353 rear.JPG|BDG-HR7JPBE [[川崎鶴見臨港バス]]|right|180px}}
{{BusModelImage2|レインボー(BDG-HR系10.5m車)|ファイル:RinkoBus 2A339.JPG|ファイル:RinkoBus 2H353 rear.JPG|BDG-HR7JPBE [[川崎鶴見臨港バス]]|right|180px}}
[[2007年]][[6月6日]]に発売された、[[新長期規制]]([[平成17年排出ガス規制 (ディーゼル車)|平成17年排出ガス規制]])適合車。基準値に対し、NOx(窒素酸化物)・PM(粒子状物質)の10%減を達成している。エンジンはJ07E-TG(225PS)、ホイールベースは5.58m。このモデルからAT車の設定が廃止され、トランスミッションが[[フィンガーシフト|FFシフト]]のMTのみとなった。型式は'''BDG-HR7JPBE'''。
[[2007年]][[6月6日]]に発売された、[[新長期規制]]([[平成17年排出ガス規制 (ディーゼル車)|平成17年排出ガス規制]])適合車。基準値に対し、NOx(窒素酸化物)・PM(粒子状物質)の10%減を達成している。エンジンはJ07E-TG(225PS)、ホイールベースは5.58m。このモデルからAT車の設定が廃止され、トランスミッションが[[フィンガーシフト|FFシフト]]のMTのみとなった。型式は'''BDG-HR7JPBE'''。
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=== エルガJの供給先 ===
== いすゞ・エルガJ ==
10.5m車としては、国内では日産ディーゼル工業のJP系や[[三菱ふそうトラック・バス]]の[[三菱ふそう・エアロミディMK|エアロミディMK]]が発売されているが、いすゞ自動車からは発売されず、レインボーHR系のOEM供給車としての発売となっており、日野自動車からの導入がない事業者で納入例がみられる。しかしながら供給先はごくわずかで、全国で15台ほどしかいない。
10.5m車としては、国内では日産ディーゼル工業のJP系や[[三菱ふそうトラック・バス]]の[[三菱ふそう・エアロミディMK|エアロミディMK]]が発売されているが、いすゞ自動車からは発売されず、レインボーHR系のOEM供給車としての発売となっており、日野自動車からの導入がない事業者で納入例がみられる。しかしながら供給先はごくわずかで、全国で15台ほどしかいない。


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PK-規制車では、[[立川バス]]には2004年から2005年にかけて8台(401~408号車)<ref name="R65">{{Cite book |和書 |author= |year=2008-09-01 |title=[[バスジャパン]]ハンドブックシリーズ R65 小田急バス 立川バス |page= |publisher=BJエディターズ |location= |isbn=978-4-434-11565-3 }}</ref>、[[京成バス]]に2005年に2台([[京成バス市川営業所|市川営業所]]所属の2261・2262号車)、[[九州産交バス]]([[産交バス大津営業所#車両|大津営業所]]、熊本200か506)、[[熊本市交通局]](→[[熊本都市バス]]上熊本営業所、熊本200か529)などに新製導入され、九州産交バスと熊本都市バスの車両は現在も稼働中である。立川バスでは2015年までに全車除籍され<ref>{{PDFlink|[http://www.tachikawabus.co.jp/wp-content/uploads/2015/02/elga.pdf 立川バスさよなら運転【第7弾】エルガJ さよなら運転 いすゞエルガJ さよなら運転を実施します] 2015年2月26日、立川バス公式サイト、2018年6月12日閲覧。}}</ref>、[[熊本電気鉄道]]に4台<ref group="注釈">熊本電気鉄道への移籍により、[[熊本県]]内の大手バス事業者では[[熊本バス]]を除く3社でエルガJが走ることとなった。</ref>。熊本都市バスと[[道南バス]]に2台ずつ移籍した。京成バスでも2016年までに全車が除籍され、[[京成グループ]]の[[ちばグリーンバス]](元2262)と[[関東鉄道]](元2261)へ1台ずつ移籍して稼働している。
PK-規制車では、[[立川バス]]には2004年から2005年にかけて8台(401~408号車)<ref name="R65">{{Cite book |和書 |author= |year=2008-09-01 |title=[[バスジャパン]]ハンドブックシリーズ R65 小田急バス 立川バス |page= |publisher=BJエディターズ |location= |isbn=978-4-434-11565-3 }}</ref>、[[京成バス]]に2005年に2台([[京成バス市川営業所|市川営業所]]所属の2261・2262号車)、[[九州産交バス]]([[産交バス大津営業所#車両|大津営業所]]、熊本200か506)、[[熊本市交通局]](→[[熊本都市バス]]上熊本営業所、熊本200か529)などに新製導入され、九州産交バスと熊本都市バスの車両は現在も稼働中である。立川バスでは2015年までに全車除籍され<ref>{{PDFlink|[http://www.tachikawabus.co.jp/wp-content/uploads/2015/02/elga.pdf 立川バスさよなら運転【第7弾】エルガJ さよなら運転 いすゞエルガJ さよなら運転を実施します] 2015年2月26日、立川バス公式サイト、2018年6月12日閲覧。}}</ref>、[[熊本電気鉄道]]に4台<ref group="注釈">熊本電気鉄道への移籍により、[[熊本県]]内の大手バス事業者では[[熊本バス]]を除く3社でエルガJが走ることとなった。</ref>。熊本都市バスと[[道南バス]]に2台ずつ移籍した。京成バスでも2016年までに全車が除籍され、[[京成グループ]]の[[ちばグリーンバス]](元2262)と[[関東鉄道]](元2261)へ1台ずつ移籍して稼働している。

=== KL-HR1JNEC ===
{{Seealso|#レインボーHR}}
[[2003年]]末より、レインボーHRの10.5m車(KL-HR1JNEE)がエルガJとして[[いすゞ自動車]]へ供給を開始した。型式は'''KL-HR1JNEC'''

=== PK-HR7JPAC ===
{{Seealso|#PB・PK-HR系}}
[[ファイル:Tachikawa bus H407.JPG|エルガJ<br/>PK-HR7JPAC<br/>[[立川バス]]|thumb]]
日野側に合わせて2004年にマイナーチェンジされた。型式は'''PK-HR7JPAC'''で、2007年まで発売されたが、日野と異なりいすゞではこの世代をもって発売終了した。
{{-}}


== レインボーII ==
== レインボーII ==
{{Double image aside|right|NishiTokyoBus_A21052.jpg|200|NishiTokyoBus_A11056.jpg|200|レインボーIIとエルガミオはPDG-よりヘッドライト形状が異なっていた。}}
{{Double image aside|right|NishiTokyoBus_A21052.jpg|200|NishiTokyoBus_A11056.jpg|200|レインボーIIとエルガミオはPDG-よりヘッドライト形状が異なっていた。}}
'''レインボーII'''は、[[いすゞ・エルガミオ]]のOEM車として登場し、のちに同車との統合車種となる中型路線バスである。
'''レインボーII'''は、[[いすゞ・エルガミオ]]のOEM車として登場し、のちに同車との統合車種となる中型路線バスである。
{{節スタブ}}
{{-}}
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== レインボー(2代目KR) ==
== レインボー (KR系) ==
{{Double image aside|right|Tokushima Bus HINO rainbow SKG-KR290J2.jpg|200|Isuzu_Motors_DeuSEL_Demonstrator_Erga_Mio_(2nd).jpg|200|レインボーとエルガミオは両社の統合車種(OEM時代を除く)のディーゼルノンステップ中型路線バスでは初めて外観が統一された。}}<!---同一事業者の写真が揃ったら差し替えてください-->
{{Double image aside|right|Tokushima Bus HINO rainbow SKG-KR290J2.jpg|200|Isuzu_Motors_DeuSEL_Demonstrator_Erga_Mio_(2nd).jpg|200|レインボーとエルガミオは両社の統合車種(OEM時代を除く)のディーゼルノンステップ中型路線バスでは初めて外観が統一された。}}<!---同一事業者の写真が揃ったら差し替えてください-->
型式はKR系ながら、車種名は単にレインボーとなった。2017年以降は統合車種のエルガミオ共々、日本国内で製造される唯一の中型路線バス車両である。
型式はKR系ながら、車種名は単に'''レインボー'''となった。2017年以降は統合車種のエルガミオ共々、日本国内で製造される唯一の中型路線バス車両である。
{{main|いすゞ・エルガミオ#2代目}}
{{main|いすゞ・エルガミオ#2代目}}
{{-}}
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2016年5月6日にフルモデルチェンジを実施して発売<ref name="hinopressrelease2016-04-05">{{cite press release|title=日野自動車、中型路線バスをモデルチェンジして新発売|url=http://www.hino.co.jp/news_release/16-007.html|publisher=日野自動車|date=2016-04-11|accessdate=2016-04-19}}</ref>。同時に車名も「レインボーII」から「レインボー」に戻された。統合車種のエルガミオ同様に、搭載エンジンは直列4気筒の4HK1-TCN(154kw/210ps)にすることによって平成27年度燃費基準を達成するとともに、ポスト新長期排出ガス規制に適合。前年8月にデビューした新型ブルーリボンディーゼル車(QKG-KV290N1/QRG-KV290Q1)と同様の[[セミオートマチックトランスミッション|AMT]](自動クラッチマニュアルトランスミッション)を採用する。こちらはブルーリボンディーゼル車と違い[[トルクコンバーター|トルコン式]][[オートマチックトランスミッション|AT]]の設定はなく、またブルーリボンハイブリッドのAMT([[Pro Shift]])とも異なっている。
2016年5月6日にフルモデルチェンジを実施して発売<ref name="hinopressrelease2016-04-05">{{cite press release|title=日野自動車、中型路線バスをモデルチェンジして新発売|url=http://www.hino.co.jp/news_release/16-007.html|publisher=日野自動車|date=2016-04-11|accessdate=2016-04-19}}</ref>。同時に車名も「レインボーII」から「レインボー」に戻された。統合車種のエルガミオ同様に、搭載エンジンは直列4気筒の4HK1-TCN(154kw/210ps)にすることによって平成27年度燃費基準を達成するとともに、ポスト新長期排出ガス規制に適合。前年8月にデビューした新型ブルーリボンディーゼル車(QKG-KV290N1/QRG-KV290Q1)と同様の[[セミオートマチックトランスミッション|AMT]](自動クラッチマニュアルトランスミッション)を採用する。こちらはブルーリボンディーゼル車と違い[[トルクコンバーター|トルコン式]][[オートマチックトランスミッション|AT]]の設定はなく、またブルーリボンハイブリッドのAMT([[Pro Shift]])とも異なっている。


===2KG-KR290J3===
=== 2KG-KR290J3 ===
{{節スタブ}}
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2017年8月8日に発表し2017年8月29日に発売<ref name="hinopressrelease2017-08-08">{{cite press release|title=路線バスを改良して新発売|url=http://www.hino.co.jp/news_release/17-016.html|publisher=日野自動車|date=2017-08-08|accessdate=2016-11-10}}</ref>。平成28年排出ガス規制に適合し、排ガス規制記号が「2KG-」となった。ロービームと車幅灯のLED化ならびに[[尿素SCRシステム]]を採用した<ref name="hinopressrelease2017-08-08" />。
2017年8月8日に発表し2017年8月29日に発売<ref name="hinopressrelease2017-08-08">{{cite press release|title=路線バスを改良して新発売|url=http://www.hino.co.jp/news_release/17-016.html|publisher=日野自動車|date=2017-08-08|accessdate=2016-11-10}}</ref>。平成28年排出ガス規制に適合し、排ガス規制記号が「2KG-」となった。ロービームと車幅灯のLED化ならびに[[尿素SCRシステム]]を採用した<ref name="hinopressrelease2017-08-08" />。
{{main|いすゞ・エルガミオ#2KG-LR290J3}}
{{main|いすゞ・エルガミオ#2KG-LR290J3}}


===2KG-KR290J4 (現行車種) ===
=== 2KG-KR290J4 (現行車種) ===
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[[2019年]]7月1日発売<ref name=nr2019 /><ref name=hama2019 /><ref name=res2019 />。ドライバー異常時対応システム(EDSS)を標準装備<ref name=nr2019 /><ref name=hama2019 /><ref name=res2019 />。近年増加傾向にあるバス運転士の健康状態の急変による交通事故の対策として、2018年7月に商用車としては世界で初めて[[日野・セレガ|セレガ]]に標準装備した非常ブレーキスイッチ式のドライバー異常時対応システム(EDSS)を、大型路線バス[[日野・ブルーリボン|ブルーリボン]]とともに標準装備してモデルチェンジした<ref name=nr2019>[https://www.hino.co.jp/corp/news/2019/20190617-002367.html 日野自動車、バスシリーズを改良して新発売] 日野自動車ニュースリリース、2019年6月17日</ref><ref name=hama2019>[http://www.yokohama-hino.co.jp/topics/topics_8248.html 日野バスシリーズ「ドライバー異常時対応システム(EDSS)」を搭載して新発売] 横浜日野自動車、2019年6月18日</ref><ref name=res2019>[https://response.jp/article/2019/06/18/323572.html 日野自動車、大・中型路線バスにもドライバー異常時対応システムを搭載] [[Response.]]、2019年6月18日</ref>。
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2020年6月12日 (金) 09:21時点における版

日野・レインボー


SKG-KR290J2 日野自動車サンプルカー

レインボー(Rainbow)は、日野自動車から発売されているバスの名称である。キャブオーバーの小型車は1966年リアエンジンの中型車は1980年に製造を開始し、国内初のスケルトンマルチチューブラーフレーム)構造を取り入れた中型バスとして、路線観光用途に1980年代から1990年代にかけて広く販売された。

もとは中型車のほか小型車も包括していたが、モデルチェンジによる名称変更が相次ぎ、現在は中型路線系(ジェイ・バス宇都宮事業所で製造するいすゞ・エルガミオOEM供給→統合モデル車・日野レインボーII)のみのラインナップとなっている。2016年5月6日のフルモデルチェンジの際、車名が「レインボー」に戻されている。

車体製造は日野車体工業金沢工場が担当していたが、2002年より同社小松工場、2004年10月にジェイ・バスへの統合で、その後は同社小松事業所が製造を担当した。車名「レインボー」は、日野自動車の社内公募によって決定した。

9mワンステップ路線車(RJ系)・および7mノンステップ路線車(HR系)は2004年に生産中止、9mノンステップ路線車(HR系)は2007年10月1日に、いすゞ・エルガミオの統合車種(当初はOEM車種)であるレインボー II へ移行し、最後まで製造された10.5mノンステップ路線車(HR系)も、2010年をもって製造を中止した。

なお、ここでは日野の中型路線バスの歴史をひも解く意味を踏まえ、1964年に発売された日本初の中型バスであるRM100系・RL系についても述べる。

また、1995年にリエッセ(RX系)に移行した小型バス、レインボーRB・ABについては日野・リエッセを参照。1998年から1999年にかけてメルファにフルモデルチェンジしたレインボー7M・7W、レインボーRJ・RR観光車については、それぞれ後継車の記事を参照。

RM100

RM100(帝国車体)東海自動車

1964年、日野自動車初の中型リアエンジンバスとしてRM100が誕生した。エンジンはDM100(90PS)。中型トラックレンジャーと主要部品を共通化したため、価格は従来のバスよりも低く抑えられている。車体はRB10/RC100系を縮小したスタイルで、特に自家用や狭隘路線用として導入されるケースが多く見られた。1967年以降はエンジン出力が100PSに引き上げられ性能が向上している。

RL

RL100

RL100 徳島西部交通

1970年、RM100を発展させたRL100に移行する。エンジンは予燃焼室式のEC100 (120PS) 。ボディスタイルはRE100/RC300系を縮小したものとなった。

RL300/RL320

1975年、エンジンを予燃焼室式のEH300 (160PS) としたRL300/RL320にマイナーチェンジされる。RL300は従来のRL100と同じサイズだが、RL320は全長やリヤオーバーハングを延長し、後輪より後への扉の設置を可能とした。

K-RL301/RL321

1980年、RLとしては最後のマイナーチェンジを受け、エンジンは昭和54年排出ガス規制に適合した直噴式のEH700 (170PS) を搭載した。車体寸法やスタイルなどはRL300/RL320に準ずる。

レインボーRJ・レインボーRR (路線系)

K-RJ/RR系

1980年、それまでのモノコック構造による車体をもった、RL系をモデルチェンジして誕生した。車体は直線的なスケルトンマルチチューブラーフレーム)構造となり、中型バスに対するイメージを一新した。

路線系は、側窓が2連ユニット式となった天地の狭い2段式が標準で、窓上の幕板が広いのが特徴。前面は左右1つずつの丸形前照灯が特徴で、「二つ目」と呼ぶファンもいる。なお、前照灯は角形4灯も選択でき、それらは異なる印象を与えた(阪急バス尼崎市営バスに納入)。前面窓も左側の下辺が右側よりも下がっている視野拡大タイプが特徴で、これは西日本車体工業のB型などにも影響を与えた。なお当初は、前面大型方向幕はオプションで、冷房装置も同様であった。

初期モデルは、昭和54年排出ガス規制(規制記号:K-)適合車で、全長によってK-RJ170AAもしくはK-RJ172AAが存在した。エンジンは、RL系の最終モデルに搭載されたEH700型(直6、170ps)が引き続き採用された。前面に大型方向幕を搭載する場合はその部分が隆起していた。冷房装置は直結式が選ばれる場合は、前方屋根上にエバポレーターが搭載されて独特の外観となった。なお、事業者によっては独立機関式(サブエンジン式)も選ばれた(近畿日本鉄道など)。また、リアコンビランプは当初は規格型ではなく、縦3連式であった。

当初は、板ばねのRJ系のみだったが、1982年に板ばね併用空気ばね装備のRR系が追加され、箱根登山鉄道などに納入された。

P-RJ/RR系

レインボーRJ(初代)

P-RJ172BA 富士急行
(路線仕様・前後扉)
P-RJ172BAの運転席 P-RJ172BAの室内
P-RJ172BAの運転席
P-RJ172BAの室内

1984年に、昭和58年排出ガス規制(規制記号:P-)適合にマイナーチェンジされた。エンジンはH07C型(直6・175ps)になった。大型方向幕が標準となり、前面の大型方向幕部分の屋根の隆起がなくなった。型式は末尾がAAからBAに変更された(P-RJ(RR)170(172)BA)。また、運転席インパネ類を一新した。側窓は、2段式のほか、引き違い式(近畿日本鉄道、遠州鉄道など)や逆T字桟窓(阪急バス、東京都交通局など)も見られた。エンブレムは、筆記体で「Rainbow」と書かれたものが前面に斜めで付いていることが多かったが、1985年ごろまで、大型車などにも見られた、後面に「Hino RJ」のエンブレムが取り付けられていた。

1988年、観光系とともにボディのフルモデルチェンジが行われた。直線的なスタイルは変わらないが、エッジが柔らかな印象となりイメージを一新した。前照灯は丸型4灯が標準(角型も選択可)となった。側窓についても天地が拡大されたが、前面窓は旧モデルを引き継ぎ左側の下辺が下がった視野拡大型が継続された。1988年に登場したグループは、型式がRJ/RR171C・RJ/RR172C系となった。エンジンはH07C型(直6、180ps)である。

U-RJ/RR系

レインボーRJ(2代目)

U-RJ3HJAA ミヤコーバス

1990年7月に平成元年排出ガス規制に適合(規制記号:U-)。ラインナップは大きな変更がない。RJ長尺車には低床車(改造登録)も設定された。エンジンはH07D型(直6、195ps)になった。型式は大きく変更され、RJ/RR3H系となった。Hのあとに短尺がG、長尺がJを続け、末尾はAA(低床のみCA)となった。つまりU-RJ3HJAAという形になる。

1993年トルクコンバーター式の5速オートマチックトランスミッション(以下AT)が追加された(大阪市交通局などに納入)。低床車FFシフトの5速マニュアルトランスミッション(以下MT)が標準装備された。また冷房装置は直結式が標準となった。この代もオプションで前照灯が角形4灯や角形リアランプも選択できた(秋田市交通局や遠州鉄道、高知県交通、平和交通に納入)。

KC-RJ/RR系

レインボーRJ(2代目)

KC-RJ1JJAA 湘南神奈交バス

1995年に平成6年排出ガス規制に適合(規制記号:KC-)。ラインナップは短尺車がRRのみに変更された。エンジンはJ08C型(直6、215ps)になった。また、ステアリング・ホイールの形状が変更され、メーカーエンブレムがウィングマークから現行のマークに変更となった。前照灯は角形4灯化された。

1997年3月、RJにワンステップ車が追加され、主に都市部の事業者向けに納入された(西日本車体工業製ボディを架装した車両も実績がある)。また、アイドリングストップ装置もこの頃から設定されるようになった。

KK-RJ/RR系

レインボーRJ(二代目)

KK-RJ1JJHK ジェイアールバス関東
KK-RJ1JJHKの運転席 KK-RJ1JJHKの室内
KK-RJ1JJHKの運転席
KK-RJ1JJHKの室内

1999年に平成10年排出ガス規制に適合(規制記号:KK-)。ラインナップから短尺車が消え、9mの長尺車のみとなる。床形状はツーステップ標準床、低床、ワンステップの3種類となる。低床とワンステップはRJのみの設定である。エンジンはJ08C<j-v>型(直6、ネット220ps)となった。ホイールパーク式駐車ブレーキや衝撃吸収型ステアリング・ホイールが標準装備される。給油口や燃料タンクの位置はHR(KK・KL系)と同様、中ドアの右側に変更となった。ワンステップとツーステップ低床はFFシフトを標準装備。

東京ディズニーリゾートと提携ホテル間を走行しているディズニーリゾートクルーザーは、一部車種がレインボーRJ系であるが外見からでは分かりにくい。

2000年にRJの改造登録扱いで、ワンステップ車に空気ばね車(型式:KK-RJ1JJHK改)が追加された。FFシフトMTが標準。2001年以降はRR路線系は消滅した形となり、以後は特装用が中心となった。

2004年8月に平成15年排出ガス規制(規制記号:PA-もしくはPB-)に移行する際、いすゞ自動車とのバス事業統合に伴う生産車種見直しにより製造を終了。ワンステップ路線系については、いすゞ自動車からエルガミオの供給を受け、レインボーIIとして販売されることになった(後述)。

車体

標準の日野車体工業の車体を架装する例が大半だが、以下の例外が存在する。

1981年に加越能鉄道と大分バスが導入した車輌は、本来スケルトン構造で設計されたモデルにも関わらず、モノコック構造の14型E (4E) ボディを架装したのが特徴である。その後、北海道中央バス阪東自動車、小湊鐵道、宮城交通大分バスが導入した車輌は16型E (6E) ボディになった。最大の特徴は、阪東自動車の車輌を除き、前照灯が日野車体製と同じ左右1つずつの「二つ目」仕様となっていたことである。
  • P-RJ(RR)_BA:富士重工業製
小湊鐵道、富山地方鉄道、遠州鉄道、昭和自動車で導入例が見られる。16E型E (6E) のパネルボディが架装されたが、K-RJ系とは異なり、前照灯は日デRMやいすゞLRに架装した場合と同じ、2×2灯である。
  • P-RJ(RR)_BA:西日本車体工業製
58MCが架装される。路線バス用のB型ボディと観光バス用のE型ボディの車両がある。西日本鉄道亀の井バス堀川バスなど九州の事業者と広島県の中国バスで導入された。
  • P-RJ(RR)_CA:富士重工業製
16型E (6E) が架装される。小湊鐵道が1台のみ導入。
  • U-RJ(RR)、KC-RJ:西日本車体工業製
58MCが架装される。B型ボディのみ。西日本鉄道、亀の井バスなどが導入。
  • KC-RJ(RR)、KK-RJ:西日本車体工業製
96MCが架装される。B型ボディのみ。大分交通、昭和自動車などが導入。

レインボーRJ・レインボーRR (観光・自家用系)

レインボーRR 観光系 (1987年以前)

P-RR172B 香川県交通

1980年に路線系とともに、まず板ばねのRJの発売を開始した。路線系とはラインナップは明確に区別されることになった。ハイカスタム(フルデッカ)、デラックス観光、ツーリング(デラックスおよびスタンダード)の4グレードを設定。全長は2タイプあり、短尺のRJ170A系と長尺のRJ172A系が用意された。昭和54年排出ガス規制適合車で、エンジンは路線系と同じEH700型(直6、170ps)である。

車体の全体的雰囲気は、大型観光系スケルトン車のRS系の縮小版といった感じである。前照灯は角形4灯が標準で、丸形4灯のRSとは異なる。前面窓が傾斜している点や、1枚窓仕様も用意されているなどの点では違いも見受けられた。

1982年に路線系同様、板ばね併用空気ばねを採用したRR系が追加され、以後観光系はRR系が、自家用系はRJ系が主力と別れていく。1984年に昭和58年排出ガス規制適合車に変更。エンジンはW07型(直6、175ps)と、RR観光系にはターボ付のH06C-T型(直6、195ps)の2タイプが設定される。型式はターボなしがP-RJ/RR170/2B系、ターボ付きがP-RR192系となった。

レインボーRR 観光系 (1988年以降)

U-RR2HJBA 道南バス

1988年に路線系同様、ボディのフルモデルチェンジが行われ、全体的に柔らかい印象のボディに改められる。前年に登場した7m級の7M/7W系(後述)に準じ、前照灯は異型角形2灯になる。また、「Rainbow」のエンブレムは筆記体からブロック体になった。H07C型(直6無過給、180ps)とH06C-T型(直6ターボ、205ps)の2種類となる。

1990年に平成元年排出ガス規制適合。エンジンはH07D型(直6無過給、195ps)とH07C-T型(直6ターボ、215ps)の2種類となる。型式はU-RJ/RR 3H/2H G/J AAとなる。

1995年に平成6年排出ガス規制適合。エンジンはOHC24バルブのJ08C系(直6)で、無過給の<J-II>型215psと、観光系にはターボインタークーラー付き<JT-I>型235psの2タイプとなった。RR観光系は、高床 I の超デラックス観光と高床 II のデラックス観光があり、デラックス観光には短尺も設定される。RR/RJ自家用系は標準床で、RRには長尺と短尺を設定、RJは長尺のみである。また、RR215ps車には5速ATが設定されている。

1999年に平成10年排出ガス規制適合に合わせてメルファ9にフルモデルチェンジされた。

BM320系

1966年、日野自動車のバスラインナップのボトムレンジを担うべく、RM100系よりさらに小型のフロントエンジン車となるBM320系が登場した。シャシやパワートレインを中型トラックの初代レンジャー(KM300系)と共用するため、初代三菱・ローザ(B10/B20系)同様、国産キャブオーバーマイクロバスとしてはやや大型の部類に入る。ワンマン運転に都合の良い前寄りの客用扉とも相まって営業用としての需要が多く、札幌市営バスの都心循環線など路線バスとしても用いられた。

車体架装メーカーは2社あり、帝国自動車工業製がBM320T型、金産自動車工業製がBM320K型となる。両モデルとも直列4気筒エンジンを搭載するが、車体のスタイルと構造は異なっており、帝国は「カットスタイル」と呼ばれる角形のスケルトンボディを採用し、金産は丸形のセミモノコックボディであった。

1969年、車名が「レインボー」となる。

1970年、金産製K型車体をマイナーチェンジ。助手席窓を引き違いから三角窓+Hゴムのはめ殺しへ変更し、客席窓も角のアール(丸み)がなくなる。

レインボーAM・レインボーAC

レインボーAM 香川県交通 AM101
レインボーAC 上信電鉄 AC140AA

1976年、それまでのフロントエンジン小型バスBM320系をフルモデルチェンジし、AM100系を発売した。車体はスケルトン構造を取り入れ、フロントエンジンながら車体幅は中型バス並みの幅広モデルとしていた。エンジンはEC100型(直6、120ps)を搭載。BM系からは車体も一新して洗練され、当時のトラックレンジャーにも似た一体型のフロントマスクが特徴である。主に自家用バスレンタカーとして用いられたほか、観光仕様路線仕様も用意されてバス事業者にも納入され、また特装車のベースとしても使われた。

1980年にエンジンをEH100型(直6、145ps)に変更し、型式もAM101に変更された。さらに昭和54年排出ガス規制適合により、型式がK-AM101となっている。一部の路線バス事業者向けに全長を切り詰めたものや、中後2ドア仕様も製造された。

1983年昭和58年排出ガス規制によるマイナーチェンジが行われ、シリーズ名もAMから変更されAC140系となり、レインボーの名称も使われた。エンジンはW06C型(直4、145ps)に変更し、型式はP-AC140AAとなった。外観の変化は前照灯の角型への変更など軽微である。観光用・自家用のほか幼児専用車、路線ワンマン仕様もあり、路線用では2ドア車も販売された。

1988年、レインボー7Wに引き継がれ、製造を終了した。

レインボー7M・レインボー7W

日野・レインボー7W

KC-RH4JEAA 名古屋市交通局

AC系の後継として1987年に登場したのが、レインボー7M(CH系) および7W(RH系)である。中型幅(車幅2.3m)で全長7m以下の小型観光・自家用バスで、このクラスの地位向上に果たした役割は大きい。いずれも板ばね併用空気ばねで、前輪にワイドサスを採用して乗り心地にも配慮した。

レインボー7M 奈良交通
P-CH160AA改
なら・シルクロード博シャトルバス西遊記」塗装

7Mはシリーズ名CHで、フルデッカー・トップドアの観光用モデルである。直列エンジンを中央床下に水平配置したセンターアンダーフロアエンジンで、7m車という制約のなかで重量配分にも考慮した設計である。エンジンはW06E型(直6自然吸気式、165ps[1])を搭載、型式はP-CH160AA。

奈良交通には、7Mをベースにリヤオーバーハングを延長してこの部分に展望デッキを設けた特注車が販売された。1988年奈良市で開催された「なら・シルクロード博覧会」シャトルバス(4月24日から10月23日まで運行)[2]用に導入され、博覧会終了後は塗装を生かして奈良市内の100円バスに転用された。

7Wはシリーズ名RHで、AC系の代替としてCHに準じたスタイルの、リアエンジンの自家用中心モデルである。7Mに比べて床や車体が低くグレードにも差が付けられていた。当初は中扉専用であったが、1991年以降は路線仕様も追加された。7W系はレインボーRB系の拡幅版ともいえ、シャーシはフレーム付きとして特装車のベースとしても使える設計とした。型式はP-RH160AAである。エンジンはW04C-TI型(直4ターボインタークーラー付き、165ps)[3]を搭載、型式はP-RH160AA。

レインボー7W 奈良交通
U-RH1WFBA
葛城営業所所属 632号車

1990年1月に平成元年排出ガス規制適合。7M系はエンジンをH07D型(直6、195ps)に変更し、出力を大幅に向上させるとともに、最後部席の5人掛け対応やボディ最後部へのトランクルーム設置などの改良がなされた。型式はU-CH3HFAA。7W系は、エンジンはW04C-TI型(直4ターボインタークーラー付き、165ps)、特装用胴殻仕様が追加されている。型式はU-RH1WFAA。

1991年に7Wがモデルチェンジ。型式はU-RH1WFBA。ホイールベースを短縮して中扉専用からトップドアに変更、外観的にはより7Mの下位車種の位置付けが濃くなった。また観光用のほか路線用2ドア車も追加、奈良交通などに納入され路線バスとしても使用された。

1995年に平成6年排出ガス規制適合。7MはレインボーRJ/RRと共通の新型エンジン・J08C<j-ii>型(直6無過給、215ps)に変更し、型式はKC-CH1JFAAとなった。7Wはリエッセと共通のJ05C-TI型エンジン(直4ターボインタークーラー付き、175ps)に変更、またオプションとして3速ATが追加され、同時に足回りも改良された。型式はKC-RH4JEAA。

1998年7月にフルモデルチェンジし、メルファ7に名称変更された。7Mがメルファ7(ハイデッカー・CH系)、7Wがメルファ7(ミドルデッカー・RH系)にそれぞれ引き継がれ、2004年まで製造された。

レインボー7M

レインボー7W

HR系ノンステップ車

レインボーHR 観光マスク(9m車)

KK-HR1JKEE 南海バス

1999年に登場した中型幅のノンステップバス専用モデルとしてレインボーHRが誕生。当時路線バスの主流となりつつあったノンステップ車をいち早く7m、9m、10.5mの3車体長でラインナップを完成させたが、ラインナップ整理が徐々に行われ、モデル末期は中型長尺の10.5m車のみとなった。

レインボーRJ・レインボーRR (路線系)のノンステップ版後継車種として、1999年12月のHR系(KK-HR)発売から2004年8月のRJ系(KK-RJ/RR)製造終了までは、HR系とRJ路線系が併売されていた(詳細は#KK-RJ/RR系を参照)。

発売当初の製造は日野車体工業で行われていたが、同社はいすゞ自動車と日野のバス製造事業に伴って設立された2社の合弁会社・ジェイ・バスに吸収合併され、生産終了までジェイ・バス小松事業所(旧日野車体工業)で製造されていた。また、いすゞ自動車にはエルガJとしてOEM供給もされた(2007年に中止)。

HR系は改造仕様の車両が多数納入されている。観光マスクは東京特殊車体で、CNG(圧縮天然ガス)車はフラットフィールドもしくは協同による改造で対応する。

2004年10月1日、いすゞ・日野のバス製造事業統合に伴い、製造会社が日野車体工業からジェイ・バス小松事業所へ移管された。

レインボーHRの新短期規制適合マイナーチェンジにあたり、レインボーRJの生産終了を受け、車名が単にレインボーを名乗るようになった。

レインボーHR

レインボーHR(KK・KL-HR系10.5m車)

KL-HR1JNEE 京王電鉄バス

KK・KL-HR系は、長期規制(7m車と9m車は平成10年・10.5m車は平成11年規制)適合車で、全長7m車・9m車・10.5m車の3種からなる。

1999年12月に7m車・9m車(KK-HR)を発売。7m車はクラス初のノンステップ車となった。9m車は横置きエンジン+アングルドライブ採用により、わずかながらホイールベースを長くしてノンステップ部分の床面積を拡大した。

2000年7月、ラインナップに10.5m車(KL-HR)が追加された。このタイプの中型長尺車(中型ロング車)は、1999年に発売されたUDトラックス(旧:日産ディーゼル)JP系に続くものとなる。後述のように5速マニュアルトランスミッション(以下MT)のみのラインナップだが、日野の大型ノンステップブルーリボンはAT仕様のみのため、MT車を要望する事業者や、全体的な導入コストを下げたい事業者に好評を得た。

エンジンはJ08C<J-VA>型(直6、ネット220ps)に統一され、横置きエンジン+アングルドライブ(名称は「日野パラレルドライブ」)を採用し、低床化とコストダウンを両立させた。中扉から後ろは7m車はツーステップ、9m車と10.5m車はワンステップ+スロープとなっている。トランスミッションはFFシフトによる5速MTのみ。酸化触媒マフラーやEGRを使用して指定低公害車にも適合している。

車体はレインボーRJに準じた意匠だが改良点も多数見られる。ノンステップ化に伴う窓位置の低下、方向幕板の大型化、前照灯ベゼル・後面コンビネーションランプの配置、非常口位置(非公式側中央部)などが挙げられる。

型式は以下のとおり。

7m車
WB3.35m
9m車
WB4.6m
10.5m車
WB5.48m
レインボーHR KK-HR1JEEE KK-HR1JKEE KL-HR1JNEE

レインボー (HR系)

PB・PK-HR系

レインボーHR(10.5m)

PK-HR7JPAE 千葉海浜交通
PB-HR7JHAEの運転席

2004年8月24日に発売された、新短期規制(9m車は平成15年/10.5m車は平成16年排出ガス規制)適合車。PM(粒子状物質)排出レベルは平成12年基準値比85%減(☆☆☆☆適合)である。

このモデルではKK-HR系から多くの点が変更されている。エンジンの置き方は横置きから縦置きになり、客室面積が拡大して9m車では中扉より後ろの座席が3列から4列に増えたが、その一方で7m車は対応できずに製造中止となった。またホイールベースも見直され、9m車は短縮された一方で10.5m車は延長されてノンステップ部分の床面積を拡大した。さらに、トランスミッションも5速ATがオプション設定(改造扱い)で設定可能になった。

外観も変更点が多く、前面フォグランプ部分、右側面の非常口(中央部から後部へ)、後面コンビネーションランプの位置(下部へ)、後面ナンバープレート取り付け位置の変更のほか、前面の通気口がなくなった。この他、次期灯火規制(側面の反射板取り付け)や標準仕様ノンステップバス認定制度への対応を行った。

エンジンはJ07E-TC(直5ターボインタークーラー付き、ネット225ps、MT車)もしくはJ07E-TB(同、220ps、AT車)を搭載する。なお、J07E-TC型エンジンは、日産ディーゼル(現:UDトラックス)にも供給され、同時期にモデルチェンジした中型バスJPRMRPにも搭載されている。

いすゞ自動車へのOEM供給車「エルガJ」としては、KK-HR系に引き続き10.5m車の供給となる。

名古屋市市民経済局が運営する名古屋観光ルートバス「メーグル」(運行は名古屋市営バス)には、東京特殊車体が車両改造を手掛けたブルーリボンシティと同様のフロントマスクの車両が存在する。

型式は以下のとおり。

9m車
WB4.24m
10.5m車
WB5.58m
HR系 PB-HR7JHAE PK-HR7JPAE

BDG-HR系

レインボー(BDG-HR系10.5m車)

BDG-HR7JPBE 川崎鶴見臨港バス

2007年6月6日に発売された、新長期規制平成17年排出ガス規制)適合車。基準値に対し、NOx(窒素酸化物)・PM(粒子状物質)の10%減を達成している。エンジンはJ07E-TG(225PS)、ホイールベースは5.58m。このモデルからAT車の設定が廃止され、トランスミッションがFFシフトのMTのみとなった。型式はBDG-HR7JPBE

ラインナップから9m車が姿を消し、10.5m車のみに縮小された。9m車に関してはいすゞと日野で車種が重複していたが、エルガミオ側に整理され、レインボーIIとして供給されるようになった。いすゞへの「エルガJ」としての供給も終了した。

2010年9月をもって製造終了となった。

いすゞ・エルガJ

10.5m車としては、国内では日産ディーゼル工業のJP系や三菱ふそうトラック・バスエアロミディMKが発売されているが、いすゞ自動車からは発売されず、レインボーHR系のOEM供給車としての発売となっており、日野自動車からの導入がない事業者で納入例がみられる。しかしながら供給先はごくわずかで、全国で15台ほどしかいない。

平成17年規制・低排出ガス重量車(NOxPM10%低減)適合車(排出ガス規制識別記号BDG-)は発売されていない。

PK-規制車では、立川バスには2004年から2005年にかけて8台(401~408号車)[4]京成バスに2005年に2台(市川営業所所属の2261・2262号車)、九州産交バス大津営業所、熊本200か506)、熊本市交通局(→熊本都市バス上熊本営業所、熊本200か529)などに新製導入され、九州産交バスと熊本都市バスの車両は現在も稼働中である。立川バスでは2015年までに全車除籍され[5]熊本電気鉄道に4台[注釈 1]。熊本都市バスと道南バスに2台ずつ移籍した。京成バスでも2016年までに全車が除籍され、京成グループちばグリーンバス(元2262)と関東鉄道(元2261)へ1台ずつ移籍して稼働している。

KL-HR1JNEC

2003年末より、レインボーHRの10.5m車(KL-HR1JNEE)がエルガJとしていすゞ自動車へ供給を開始した。型式はKL-HR1JNEC

PK-HR7JPAC

エルガJ
PK-HR7JPAC
立川バス

日野側に合わせて2004年にマイナーチェンジされた。型式はPK-HR7JPACで、2007年まで発売されたが、日野と異なりいすゞではこの世代をもって発売終了した。

レインボーII

レインボーIIとエルガミオはPDG-よりヘッドライト形状が異なっていた。 レインボーIIとエルガミオはPDG-よりヘッドライト形状が異なっていた。
レインボーIIとエルガミオはPDG-よりヘッドライト形状が異なっていた。

レインボーIIは、いすゞ・エルガミオのOEM車として登場し、のちに同車との統合車種となる中型路線バスである。

PA-KR234J1改

レインボーII ワンステップ

PA-KR234J1改 関東鉄道
PA-KR234J1改の運転席 PA-KR234J1改の室内
PA-KR234J1改の運転席
PA-KR234J1改の室内
詳しい車種説明は、いすゞ・エルガミオ#PA-LR234J1を参照。

上記レインボーRJワンステップ車を、2004年8月の平成16年排出ガス規制適合の際に製造を終息させ、バス事業を統合するいすゞ自動車から、エルガミオワンステップ車のOEM供給を受けて、レインボーIIの名称で発売することにした。こちらはジェイ・バス宇都宮事業所が製造する。外観・仕様はエルガミオと同一で見分けはつかない。車内のコーションプレートも「ISUZU」のままである。

エンジンはいすゞ製6HK1-TCN型(直6ターボインタークーラー付、177kW/240ps)で、6速MT(いすゞ・ACT)が標準。粒子状物質(PM)排出レベルは平成12年基準値比75%減の「三つ星」仕様で、日野の自社製に対しては環境性能が劣るのが難点。これにより、一時期、日産ディーゼルの中型バスは日野製エンジンを搭載するようになった(日デからのキャパシタハイブリッド技術の供与に対する補完契約)一方で、日野が発売する一部の中型バスには自社製エンジンが載らないという現象を生んだ。その後日産ディーゼルの中型バスは三菱ふそう製エンジンに変更となった。

また、CNG(圧縮天然ガス)エンジン車もあり、こちらはディーゼル車とは異なりノンステップ車のみの設定となっている。エンジンはいすゞ製6HA1型(直6、140kW/190ps)で、5速MT(いすゞ・ACT)が標準。

ワンステップ・CNGノンステップともにホイールベース4.4mのエアサス車であり、型式はPA-KR234J1改である。

PDG-KR234J2

レインボーII ノンステップ

PDG-KR234J2 東武バスウエスト
詳しい車種説明はいすゞ・エルガミオ#PDG-LR234J2を参照。

2007年8月29日には、平成17年排出ガス規制適合車にマイナーチェンジされ、OEM車から「統合車種」に移行した。基準に対し、NOx(粒子状物質)10%減を達成している。同時にディーゼルのノンステップ車が発売された。変速機は標準の6速MT(いすゞ・ACT)に加えて5速AT車がオプションで設定された。レインボーHRが9mノンステップを廃止しているため、今後は当モデルが9m路線車全般をカバーする。外観上はヘッドライトがブルーリボンIIと同様に規格型角形2灯化されたことで、エルガミオとの区別が可能になった。また、PA-代では車内のコーションプレートは「ISUZU」になっていたが、当モデルより「日野自動車」になっている。 CNG車については市販車ではなく、ベースに改造されたものである。 ノンステップ・ワンステップともにホイールベース4.4mのエアサス車であり、型式はPDG-KR234J2である。

SKG/SDG-KR290J1

レインボーII ワンステップ

SKG-KR290J1 神姫バス

約2ケ月の空白期間を経て、2011年11月30日に、平成22年排出ガス規制適合車にマイナーチェンジした。型式はSDG-KR290J1。ベース車である、いすゞ・エルガミオに準じ、エンジンは直列4気筒排気量5,193cc、出力177kW(240PS)、最大トルク765N・m(78kg・m)の4HK1-TCH型に変更。尿素を用いずに、排出ガス規制に適合している。型式の数字も234から290に変更となった。4気筒と小型化されたが出力は従来なみで最大トルクは706N・m(72kg・m)からアップしている。発進時にエアコンを停止させる機能をもたせるなどして燃費向上も実現した。また、ABSが本モデルより標準装備となっている[6]。なお、いすゞが開発を担当しているため、ブルーリボンII同様に排出ガス浄化システムに「AIR LOOP」の名称は用いられていない。

2012年6月19日には、新ワンマンバス構造要件適合(中扉開時の動力伝達カット装置標準装備)、MT車に新アイドリングストップ&スタートシステムを標準装備した上で平成27年重量車燃費基準達成などの、マイナーチェンジを実施して発売された[7]。型式はSDG/SKG-KR290J1。なお、新アイドリングストップ&スタートシステム未装着車・並びにAT車の型式は、SDG-のままで変わりはない。 今回のマイナーチェンジでは、ブルーリボンII同様に、開発を担当しているいすゞが発売しているいすゞ・エルガミオより先行発売された。

レインボー (KR系)

レインボーとエルガミオは両社の統合車種(OEM時代を除く)のディーゼルノンステップ中型路線バスでは初めて外観が統一された。 レインボーとエルガミオは両社の統合車種(OEM時代を除く)のディーゼルノンステップ中型路線バスでは初めて外観が統一された。
レインボーとエルガミオは両社の統合車種(OEM時代を除く)のディーゼルノンステップ中型路線バスでは初めて外観が統一された。

型式はKR系ながら、車種名は単にレインボーとなった。2017年以降は統合車種のエルガミオ共々、日本国内で製造される唯一の中型路線バス車両である。

SKG-KR290J2

2016年5月6日にフルモデルチェンジを実施して発売[8]。同時に車名も「レインボーII」から「レインボー」に戻された。統合車種のエルガミオ同様に、搭載エンジンは直列4気筒の4HK1-TCN(154kw/210ps)にすることによって平成27年度燃費基準を達成するとともに、ポスト新長期排出ガス規制に適合。前年8月にデビューした新型ブルーリボンディーゼル車(QKG-KV290N1/QRG-KV290Q1)と同様のAMT(自動クラッチマニュアルトランスミッション)を採用する。こちらはブルーリボンディーゼル車と違いトルコン式ATの設定はなく、またブルーリボンハイブリッドのAMT(Pro Shift)とも異なっている。

2KG-KR290J3

2017年8月8日に発表し2017年8月29日に発売[9]。平成28年排出ガス規制に適合し、排ガス規制記号が「2KG-」となった。ロービームと車幅灯のLED化ならびに尿素SCRシステムを採用した[9]

2KG-KR290J4 (現行車種)

2019年7月1日発売[10][11][12]。ドライバー異常時対応システム(EDSS)を標準装備[10][11][12]。近年増加傾向にあるバス運転士の健康状態の急変による交通事故の対策として、2018年7月に商用車としては世界で初めてセレガに標準装備した非常ブレーキスイッチ式のドライバー異常時対応システム(EDSS)を、大型路線バスブルーリボンとともに標準装備してモデルチェンジした[10][11][12]

脚注

注釈

  1. ^ 熊本電気鉄道への移籍により、熊本県内の大手バス事業者では熊本バスを除く3社でエルガJが走ることとなった。

出典

  1. ^ 日野自動車発行、レインボー7Mのカタログに「W06E 165ps」の記載あり。
  2. ^ 昭和19年~昭和64年(奈良交通設立後)”. www.narakotsu.co.jp. 奈良県バス100周年記念特設サイト | 奈良交通 (2017年5月). 2020年3月20日閲覧。
  3. ^ 『TLB-0020 日野レインボーバス P-RH160AA型車 取扱説明書』日野自動車工業株式会社、155頁
  4. ^ バスジャパンハンドブックシリーズ R65 小田急バス 立川バス』BJエディターズ、2008年9月1日。ISBN 978-4-434-11565-3 
  5. ^ 立川バスさよなら運転【第7弾】エルガJ さよなら運転 いすゞエルガJ さよなら運転を実施します 2015年2月26日、立川バス公式サイト、2018年6月12日閲覧。 (PDF)
  6. ^ 日野自動車、中型路線バス「日野レインボーII」を改良し平成22年(ポスト新長期)排出ガス規制に適合させ新発売日野自動車プレスリリース 2011年11月30日
  7. ^ "日野自動車、大型バス「日野ブルーリボンII」と中型バス「日野レインボーII」を改良して新発売" (Press release). 日野自動車. 19 June 2012. 2012年6月19日閲覧
  8. ^ "日野自動車、中型路線バスをモデルチェンジして新発売" (Press release). 日野自動車. 11 April 2016. 2016年4月19日閲覧
  9. ^ a b "路線バスを改良して新発売" (Press release). 日野自動車. 8 August 2017. 2016年11月10日閲覧
  10. ^ a b c 日野自動車、バスシリーズを改良して新発売 日野自動車ニュースリリース、2019年6月17日
  11. ^ a b c 日野バスシリーズ「ドライバー異常時対応システム(EDSS)」を搭載して新発売 横浜日野自動車、2019年6月18日
  12. ^ a b c 日野自動車、大・中型路線バスにもドライバー異常時対応システムを搭載 Response.、2019年6月18日

関連項目

外部リンク