「ドラえもん のび太と鉄人兵団」の版間の差分
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| 作品名 = ドラえもん<br/>のび太と鉄人兵団 |
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2021年9月6日 (月) 06:51時点における版
ドラえもん のび太と鉄人兵団 | |
---|---|
Doraemon: Nobita and the Steel Troops | |
監督 | 芝山努 |
脚本 | 藤子不二雄 |
原作 | 藤子不二雄 |
出演者 |
レギュラー 大山のぶ代 小原乃梨子 野村道子 たてかべ和也 肝付兼太 ゲスト 山本百合子 三ツ矢雄二 田中康郎 加藤治 熊倉一雄 |
音楽 | 菊池俊輔 |
主題歌 | わたしが不思議/大杉久美子 |
編集 | 井上和夫、渡瀬祐子 |
制作会社 | シンエイ動画 |
製作会社 |
シンエイ動画 テレビ朝日 小学館 |
配給 | 東宝 |
公開 | 1986年3月15日 |
上映時間 | 97分 |
製作国 | 日本 |
言語 | 日本語 |
配給収入 | 13億円[1] |
前作 | ドラえもん のび太の宇宙小戦争 |
次作 | ドラえもん のび太と竜の騎士 |
『ドラえもん のび太と鉄人兵団』(ドラえもん のびたとてつじんへいだん)は、月刊コロコロコミック1985年8月号から1986年1月号に掲載された「大長編ドラえもんシリーズ」の漫画作品、およびそれを元に1986年3月15日に公開されたドラえもん映画作品。大長編・映画ともにシリーズ第7作。
同時上映は『オバケのQ太郎 とびだせ! バケバケ大作戦』『プロゴルファー猿 スーパーGOLFワールドへの挑戦!!』。
また、2011年には本作のリメイク作品である『ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜』が公開された。
テレビシリーズのキャラクターデザイン第3期になってから最初の映画である。
概要
ロボット惑星メカトピアから地球侵略にやってきた鉄人兵団と、ドラえもんとのび太達の戦いを描いた作品。作者である藤子・F・不二雄が「ドラえもんの映画史上最強の敵」(1991年7月執筆当時)と語る[2]メカトピア星鉄人兵団による地球侵攻作戦は、地球人の総奴隷化を目的とした『ドラえもん』作品中でも特に熾烈なものである。
映画化7周年記念作品として製作され、これまでの「のび太の-」だったタイトルから「のび太と-」が初めて採用された作品である。予告では、何度かの爆撃音の後「今度の映画は、何が何だかとにかくすごいぞ」というセリフが流れる。
本作では、基本的にしずかは怪我をした鉄人兵団側の少女ロボット・リルルの介抱に専念し、鉄人兵団と戦闘するドラえもんやのび太ら他の4人とは別行動をとっている。大長編の中では最もしずかの出番が多く、しずかとリルルとの友情も今作の見どころの一つでもある。リルルの別れるシーンにおいても彼女のみが立ち会っている。
また、原作者が何度も加筆修正した作品であり、連載時と単行本の終わり方が異なっている。連載時は鏡面世界から戻ってきたところで終わっているが、単行本ではドラえもんたちが戻ってきたシーンはカットされ、後日談が加筆された。なお、この後日談のラスト3ページ分は、単行本発刊(1987年2月)前に、本作が再掲載された『別冊コロコロコミックスペシャル9号』(1986年4月発行)の時点で既に加筆されていた。他にも、のび太がスネ夫に自分は巨大ロボットを持っていると言い放つシーンが冒頭から中盤(映画も同様)に変更されている(初期の中盤ではミクロスがのび太の部屋に果たし状を置いている)。鏡面世界の作画ミス(町の看板の文字が鏡映しになっていない)も修正された。服装は、原作が長袖なのに対し、映画版(新旧共に)は半袖となっている。
あらすじ
夏のある日、のび太は偶然北極で巨大なロボットの足を拾い、自宅に持ち帰った。それ以来、家の庭に次々と降ってくるロボットの部品を、ドラえもんと協力して鏡面世界で組み立ててザンダクロスと名づけ、しずかを呼んで遊んでいた。
だがその最中、その巨大ロボット(ザンダクロス)に恐るべき兵器が組み込まれていたことが判明。安全のため、ロボットを3人の秘密にすることを誓ったが、のび太のもとにロボットの持ち主と名乗る少女リルルが現れ、のび太はうっかり口を滑らせてしまう。のび太はロボットを返すことを断れず、さらに鏡面世界へ入り込むために必要なひみつ道具「おざしきつり掘」まで貸してしまった。
実は、リルルはロボット惑星メカトピアから派遣された少女型スパイロボットであり、メカトピアの地球侵略作戦の足がかりとして尖兵である他のロボットとともに鏡面世界で前線基地を建設し始めた。偶然現場近くで真相を知って逃げたドラえもんたちを追うため、リルルたちが鏡面世界の入り口を無理やり広げようとした結果、時元震による爆発が発生し「おざしきつり掘」による入り口は塞がれた。それにより危機は免れたかに見えた。
しかしそれも束の間、巨大ロボの頭脳となるはずだった部品から鉄人兵団がワープ航法によってメカトピアから地球へ送り込まれてくることを知らされ、のび太たちはジャイアンやスネ夫と協力し、取り返した巨大ロボを改造して味方につけ、高井山の湖を巨大な鏡面世界の入り口にした上で巨大ロボの誘導信号で鉄人兵団を誘い込み、迎え撃つことになる。計画は成功し、鏡面世界に誘い込まれた鉄人兵団は世界各地の大都市を破壊するも、人間の姿が全く見えないことに疑念を抱く。
一方、ふとしたことで傷つき倒れていたリルルを見つけたしずかは、ドラえもんに頼んで介抱してもらう。当初は機械的な冷たい心を持ち、メカトピアを侮辱したとしてしずかを傷つけまでしたリルルだったが、暖かな人間の心に触れたことで次第に心に変化が生じ、自分たちの行いに疑問を抱くようになっていく。こっそりと抜け出して兵団司令官の元に戻ったリルルは、人間たちがいる場所を教えろと迫られる。それを拒否して作戦の中止を進言するものの、裏切り者としてとらわれてしまう。処刑されるため基地に連行されかけたところをドラえもんたちに助けられたリルルは、自分たちの行いが悪事だと理解しつつも捨て去ることのできない祖国への忠誠心を吐露し自らを軟禁するよう求める。
自分達が鏡面世界に誘い込まれたことに気付いた鉄人兵団は、地球に到達したポイントが鏡面世界の入り口だと看破し、高井山の湖に向け進撃を開始。しずか、ミクロス、リルルの3人を残し、秘密道具で高井山に立てこもったドラえもんたちは、兵団と戦闘を開始する。必死に抵抗を続けるが、物量にものを言わせた相手の進撃に次第に押されていき、遂には最大の戦力であった巨大ロボも動くことが出来なくなってしまう。
そのころ、留守を任されたしずか達は、ミクロスの何気ない一言から事態の打開策を思いつく。それは、過去の時代に遡り、メカトピアのロボットたちを作り出した張本人である神様=博士に相談しに行くことだった。博士はロボットの先祖であるアムとイムに、競争本能を取り付けたことがすべての原因だったのだろうと語り、競争本能を取り去り他者を思いやる心を植え付けるためにアムとイムを改造しようとするが、老齢による体の衰えには勝てず倒れてしまう。リルルは歴史改変によって自身の存在が消えてしまうことを承知の上で、アムとイムの改造作業を引き受ける。改造の完成と共に生じたパラドックスにより大量のロボット兵たちが一瞬にして消え去ってしまい、リルルもしずかに見守られながら消えていく。なにが起きたのか理解できないながらも歓喜する一行の元に沈んだ顔のしずかが戻り、彼女の言葉からドラえもんたちはリルルが自身の命と引き換えに鉄人兵団を消し去ったことを知る。
こうして、鉄人兵団の脅威が去ってからしばらくの後、いつものように学校で居残りを命じられたのび太の元にリルルにそっくりの少女が現れ、のび太に微笑みかけるとどこかへ飛び去っていった。「平和になったメカトピアに生まれ変わったんだ」という確信と喜びと共に、のび太は空き地に集まっていたジャイアン、スネ夫、しずかの元に駆けていった。
舞台
- 鏡面世界
- 「入りこみ鏡」及び「逆世界入りこみオイル」を投与した水面から入り込むことのできる特殊な異世界。出入口はお座敷釣り堀(のび太がリルルに貸して兵站基地の建設に使われたがジュドによって破壊された)、しずかちゃんの風呂場、高井山の湖(鉄人兵団が鏡面世界に入り込んだ入口で、最後はドラえもんたちとの最終決戦の舞台になる。)が使われた。鏡の中のように左右が逆転した世界で、人間・動物は一切いない。詳しくは先に述べたひみつ道具を参照とするが、加工品についてはその限りではなく、スーパーマーケットにはハムやステーキ肉などの食品が陳列してあり、電気水道も機能している[注 1]。
- 鏡面世界内の地球で戦うという設定上、左右が逆で無人の住友ビル、新宿三井ビルディング、伊勢丹、新宿中央公園、東京タワー、国会議事堂、霞ケ関駅(上映当時は営団地下鉄であったため、当社のロゴも登場している)、自由の女神、ビッグ・ベン、凱旋門など、実在の建造物が数多く登場する。なお、自由の女神はコロコロ連載時の原稿では誤って元のまま(左右逆になっていないまま)掲載された。
- 鉄人兵団は鏡面世界の各都市を制圧した末、宇宙空間から左右あべこべの日本列島を見てトリックだと判ったため、実世界を攻撃すべく高井山の湖へ戻った。
- メカトピア
- 約3万年前に神によって建国された鉄人兵団の母星。建国から長い月日をかけて歴史を紡ぐ内、人間の歴史同様に支配階層が構築されていき、貴族によって奴隷制度が始まった。やがて自由を求めての戦争が勃発した末に奴隷制廃止が決定。自由を勝ち取ったロボット市民に代わる新たな労働力を確保するため、地球人を奴隷にしようとしたのが全ての始まりとなる。
- メカトピアの伝説
- 『遠い過去に文明の栄えた人間の世界があった。しかし神は傲慢な人間達を見放し、無人の惑星に降り立つとアムとイムというロボットを創り「天国のような社会を作れ」と命じた。神によって創られたアムとイムは子孫を増やした。』
- メカトピアには上記の伝説が伝わっており、アムとイムの子孫であるメカトピアのロボットたちは、自らを神の子と称し宇宙の支配者として運命づけられたと信じている。しかしそれは伝説に隠された事実が歪んだ形で伝わった物であり、結果的に神の望みとは異なる道となった。
声の出演
- ドラえもん - 大山のぶ代
- のび太 - 小原乃梨子
- しずか - 野村道子
- ジャイアン - たてかべ和也
- スネ夫 - 肝付兼太
- のび太のママ - 千々松幸子
- のび太のパパ - 加藤正之
- 先生 - 田中亮一
- ジャイアンのママ - 青木和代
- スネ夫のママ - 鳳芳野
ゲストキャラクター
鉄人兵団
メカトピア住民であるロボットによって構成された侵略部隊。ロボットに代わる新たな労働力を得るための奴隷狩りを目的とし、ターゲットを地球に絞った。
- リルル
- 声 - 山本百合子
- 鉄人兵団の侵略作戦の拠点を探るべく、兵団の到着に先駆けてスパイとして送り込まれた工作兵。地球人の少女そっくりの容姿をしている(外皮の下に機械部品がある構造)。祖国に忠誠を誓い、地球人狩りを遂行するため前線兵站基地を建設しようと北極に赴いたが、先に来ていたはずの相方・ジュドが行方不明となり探していた。当初は祖国への忠誠しかなく人間らしい心や感情を持たなかったが、のび太と接し、負傷してしずかの看護を受ける内に、機械的だった心に変化が生まれていく。徐々に地球侵略の理念に疑問を抱き始め、自分たちの行為が過ちであることを理解しつつも祖国への忠誠心を捨て去ることができず、苦悩する。
- 大長編では初の、敵味方の間で揺れ動く立場のゲストキャラクター。
- 劇場版の女性ゲストの中でも人気が高く、視聴者向けアンケート「ドラデミー大賞」でゲストキャラクター賞に選ばれた[3]。
- 個人的能力として空を飛べたり、指からホッキョクグマをも打ち倒す威力の熱線(電撃)を発する。
- ザンダクロス / ジュド
- 声 - 加藤治
- 本作の主役メカ。リルルのパートナーである巨大ロボット。身長:20m / 体重:150t / 飛行速度:マッハ4[4]。青・赤・白のトリコロールを基調とした外観を持つ。
- リルルは土木工事用ロボット、鉄人兵団は工作用ロボットと呼ぶ。主武装は腹部レーザー砲で高層ビルを一瞬で破壊可能なほどの威力。また、劇中では使用描写が無かったが肩にはミサイルランチャーが内蔵されている[4]。
- ボウリングの球のような形状をした球体の頭脳のみ先に北極へ到着し、巨大な本体はバラバラの状態でメカトピアから転送していたが、偶然のび太が最初に落ちた右足の一部を自宅へ持っていったために日本へ移動。言葉が通じないために頭脳はただの転送誘導装置と思われてしまい、組み立てられた体と離れ離れになった上のび太の母親によって物置にしまわれる[注 2]。そのため、未来のスーパーでのバーゲン品(それでもドラえもんにとっては高額)のコンピュータを代用。それを「サイコントローラー」による脳波操縦方式として一応は完成した。
- 球体にある黒い丸三つを点滅させ意思表示を表し、ほんやくコンニャクを乗せることで地球人の意思疎通が可能となった。かなり口の悪い性格をしている[注 3]。しかし見つけたドラえもんによって荷物包みされた上でのび太の部屋の天井へ吊るされ、改造[注 4]を施され体に戻って仲間となった。それ以降はしゃべらなくなる(原作では「どうぞお乗りください」とだけしゃべる)。胸部にはリルルの搭乗を想定したと思しき地球人が乗ることが出来るサイズのコックピットを備え、巨大ながら兵団のロボットやリルル同様に高速飛行も可能。腹部レーザー砲や巨躯から繰り出される力をもってドラえもん達の最大の切り札となったが、最終決戦で鉄人兵団の物量の前に活動不能となり、直後にタイムパラドックスによって兵団もろとも消滅した。
- 映画版(第2期)では、当初同じ青いボール姿であるが、頭脳を改造せず新道具「おはなしボックス」を使いほんやくコンニャク機能を搭載したひよこキャラ「ピッポ」という名の新キャラとなっている。
- 正式名称はジュドでありリルル、ロボット隊長らメカトピア側住人の呼称でもあるが、ドラえもんは北極で発見したことからサンタクロースをもじって「ザンダクロス」と名づけた(しずかの提案した「ラッコちゃん」に対して、のび太が「マジンガー」や「ガンダム」みたいな強そうな名前[注 5]がいいと言ったため)。
- 一部書籍においてデザイン担当は大河原邦男と記述されているが誤認である。実際のデザインは当時藤子Fのアシスタントだったたかや健二(チーフ)と三谷幸広によるものである。藤子Fの原稿では「落ちてくるロボットの足。」という指示と丸い四角のアタリしか描かれておらず、それを受けた三谷がまず足と脛を描き[5]、そこから全体図をたかやがデザインする形となった。
- 意匠がアニメ『機動戦士Ζガンダム』の百式に似ているという指摘があり、デザインを担当したたかやは藤子不二雄ファンクラブの会報誌「Neo Utopia」40号のインタビューで百式をモチーフにデザインしたことを語っている。なお、百式のバックパックに付いているバインダーに似た形状のそれは連載当時の「コロコロコミック」に掲載された、開田裕治によるイラスト付きの図解によれば太陽光パネルとして機能することが明らかとなっている。この図解は映画のアニメコミックスの巻末にも収録されている[4]。
- テレビアニメ版 の「レプリコッコ」(第914話、1987年5月1日放送)では、スネ夫の家のテレビにザンダクロスがCMに登場。その後の「プラモが大脱走」(第1474話、1997年11月28日放送)では、メカトピアの鉄人兵団がプラモデルとして登場しており、ザンダクロスはドラえもんの道具として出された巨大なプラモデルとなっている。
- 2011年5月14日に、バンダイより「ROBOT魂 ザンダクロス」として商品化された。デザインはリメイク作『ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜』に準じており、付属する頭脳の部分はジュドではなく、ピッポとなっている。稼動域が広めに取られており、劇中のようなバレエを踊るポーズを取ることも可能となっている。
- ロボット隊長
- 声 - 田中康郎
- メカトピアの鉄人兵団を総括する司令官。ボディカラーは金色で触覚など昆虫のような意匠をもち配下のロボット兵士とはまったく異なる形態をしている。
- ロボット兵士
- 声 - 広瀬正志、橋本晃一
- 鉄人兵団の主力を担う戦闘用ロボット。工事・工作用ロボットと違い互いに会話をし熱線を放つ武器を携帯しており、飛行能力も有している。また指先から熱線を放つことができるタイプも存在する。
- ロボット隊長の側近である幹部は一部意匠が異り、マントを付けているなど兵士の中では階級が区分されている。奴隷として地球人を捕獲するのが主な任務であり地球侵攻作戦の中心的な役割を担った。
- 工事・工作用ロボット
- リルルと共に尖兵として前線基地の建設用に送り込まれたロボット達。様々なタイプが存在する。戦闘ロボではないため、攻撃手段を持たず、空気砲などで簡単に破壊可能だった。
協力者
- ミクロス
- 声 - 三ツ矢雄二
- ラジコンマニアであるスネ夫の従兄弟・スネ吉が作ったラジコンロボット。プロペラの飛行能力や相当な遠距離でもリモコン電波が届くなど画期的な機能を持っているが、リルルにはただのおもちゃ扱いされている。従兄弟が追加のアカンベー機能を施した後、ドラえもんの改造によって人間並み(映画ではスネ夫に似ている様子が強調される)の知能を持ち、言語も話せるようになった。のび太が出すとんちなどの難しいことを考えると頭がショートを起こす。またプラモであるために食事はできない。金属製のボディは、対鉄人兵団に仕掛けた金属探知チョークのトラップに検知される。
- 重いテーマの本作では主にコメディリリーフとしての役回りだが、正体を知られたリルルがしずかを絞殺しようと襲い掛かった時には体当たりで阻止するなどの活躍もみせた。特に終盤において、彼のある一言が地球人を救うきっかけに繋がる[6]。しずか、リルルと共に、メカトピアの神様のもとに赴き、しずかと共にリルルの最後を見届けることとなる。
- 博士
- 声 - 熊倉一雄
- 約3万年前、人間社会に嫌気が差し、機械(メカ)によるユートピア(理想郷)の成立の理想を託して「メカトピア」を建国した地球人型の異星人の科学者。3万年もの遠い過去の時代の人間であるため、現在のメカトピアでは正しい素性が伝わっておらず、メカトピアのロボットたちからは「人間を見限ってロボットを創造した神」と呼ばれている。メカトピア最古のロボット、アムとイムを作り後の理想郷を託したが、理想郷の発展を目指して、その頭脳に「競争本能」を植えつけたため子孫たちが「自分の発展のために他者を犠牲にする」という、人の心の悪い部分を引き継いでしまい、彼の想いとは違った形でメカトピアが発展していくことになった。登場時すでに高齢で体も衰弱しきっている。原作漫画では痩せ気味だがアニメ版では恰幅がいい。
- アムとイム
- メカトピアのロボットたちの先祖。人間の醜さに失望し、ロボットによる理想郷建国の願いを込めた博士によって作りだされた。
- アムとイムは子孫のロボットたちを作るのに精を出したが、頭脳に植えつけられた競争本能の影響により、子孫の代になって、支配する側のロボットと支配される側のロボットという階級が生まれ、金持ちロボット、貴族ロボットが奴隷ロボットを使役するという、現実の人類史同様の不平等な社会が形成されていった。後にロボットは皆平等という思想が広まり奴隷制度は廃止されたものの、階級と差別・被差別の概念がなくなることはなく、今度は人間を新たな労働力として奴隷化するという目論見に発展し、その第一歩として地球侵略に乗り出すことになっていく。
ひみつ道具
- ・逆世界入りこみオイル
- ・おざしきつりぼり
- ・入り込みミラー
- ・どこでもドア
- ・糸なし糸電話
- ・サイコントローラー
- ・かるがる手袋
- ・タケコプター
- ・メカ救急箱
- ・金属探知チョーク
- ・ほんやくコンニャク
- ・空気砲
- ・タイムテレビ
- ・スモールライト
- ・瞬間接着銃
- ・コンピュータ睡眠薬
- ・スペアポケット
- ・ショックガン
- ・探しものステッキ
- ・改良型山びこ山
- ・かべ紙シェルター
- ・タイムマシン
- ・ビッグライト
- ・即席落とし穴
スタッフ
- 原作・脚本 - 藤子・F・不二雄
- レイアウト - 本多敏行
- 作画監督 - 富永貞義
- 美術設定 - 川本征平
- 美術監督 - 高野正道
- 録音監督 - 浦上靖夫
- 音楽 - 菊池俊輔
- 効果 - 柏原満
- 撮影監督 - 斎藤秋男
- 特殊撮影 - 原真悟
- 監修 - 楠部大吉郎
- プロデューサー - 別紙壮一 / 小泉美明、波多野正美
- 監督 - 芝山努
- 演出助手 - 安藤敏彦、原恵一
- 動画チェック - 石井文子、内藤真一
- 色設計 - 野中幸子
- 仕上監査 - 代田千秋、片川喜好
- 特殊効果 - 土井通明
- エリ合成 - 平田隆文、古宮慶多
- リスワーク - 阿武千恵
- 編集 - 井上和夫、渡瀬祐子
- 文芸 - 水出弘一
- 制作事務 - 片山幸子、北沢育子
- 制作進行 - 伊坂武則、神田高秀
- 制作デスク - 田中敦
- 制作担当 - 山田俊秀
- 制作協力 - 藤子スタジオ、旭通信社
- 制作 - シンエイ動画、小学館、テレビ朝日
主題歌
レーベルは全てコロムビアレコードである。
- オープニングテーマ「ドラえもんのうた」
- 作詞 - 楠部工 / 作曲 - 菊池俊輔 / 歌 - 大杉久美子
- エンディングテーマ「わたしが不思議」
- 作詞 - 武田鉄矢 / 作曲 - 菊池俊輔 / 歌 - 大杉久美子
- 挿入歌「ポケットの中に」
- 作詞 - 武田鉄矢 / 作曲 - 菊池俊輔 / 歌 - 大山のぶ代
- 鏡面世界での買い物のシーンで使用。ヴォーカル再録音版。『のび太の恐竜』で使用された音源と異なり、ヤング・フレッシュによるコーラスがない。
リメイク
小説
2011年に公開された前述のリメイクアニメ映画公開にあわせ[7]、漫画版を元にしたノベライズ版が瀬名秀明によって同年2月25日に出版(ISBN 978-4-092-89726-7)された[8][9]。ドラえもん初の小説となる[9][注 6]。
脚注
注釈
- ^ 『ドラえもん のび太の人魚大海戦』のエンドロール後のおまけ映像でも、「お座敷釣り堀」の中に写っている。
- ^ その後、頭脳がだすコンピュータ音がうるさいことから、玉子によって箒で複数回叩かれている。
- ^ その際、ドラえもんに鉄人兵団の出撃開始を告げドラえもんが顔面蒼白となるシーンがある。
- ^ ドラえもんにとってみた事のないコンピュータ回路であったが、改造によって見たことのある回路に修正された。
- ^ アニメ版では著作権や商標上の問題から「アントニオ」、「ダンプ」に差し替えられている。
- ^ 外伝小説ではあるものの、前例として雑誌『ドラえもんクラブ』に『コーヤコーヤ星物語』(第3号)と『魔界大冒険外伝 美夜子の魔法戦記(マジカルウォーズ)』(第4号)が掲載されたことがある(文 - 笹木輦、画 - 芝山努)。
出典
- ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)450頁
- ^ 藤子・F・不二雄『映画ドラえもん のび太と鉄人兵団』 下、小学館〈てんとう虫コミックスアニメ版〉、1991年10月25日、129頁。ISBN 978-4-09-149106-0。
- ^ 『ぼく、ドラえもん』 第7号、小学館、2004年6月5日、9頁。全国書誌番号:20607375。
- ^ a b c てんとう虫コミックスアニメ版 ドラえもん のびたと鉄人兵団 新装完全版、P245、ISBN 978-4091498687、小学館、2004年4月27日発売。
- ^ 三谷幸広のTwitter 2020年7月9日 0:18の発言
- ^ 藤子不二雄 (w, a). "のび太と鉄人兵団" 大長編ドラえもん, vol. 7, p. 186頁/5コマ目 (1987年2月25日). 小学館, ISBN 4-09-140607-6
- ^ 瀬名秀明 (著)、藤子・F・不二雄 (原作)『小説版ドラえもん のび太と鉄人兵団』小学館、2011年2月25日、353頁。ISBN 9784092897267。
- ^ “瀬名秀明がドラえもん小説版、名作「のび太と鉄人兵団」をノベライズに。 - Narinari.com”. ナリナリドットコム (2011年2月4日). 2020年2月17日閲覧。
- ^ a b “世界初!小説「ドラえもん」が発売決定!ノベライズは「パラサイト・イヴ」の瀬名秀明が担当! - シネマトゥデイ”. 株式会社シネマトゥデイ (2011年2月9日). 2020年2月17日閲覧。
関連項目
- ドラえもん 新・のび太と鉄人兵団 〜はばたけ 天使たち〜
- ドラえもん映画作品
- 映画ドラえもんのひみつ道具
- アニメーション映画
- ゾンビ (映画) - 映画版でのみ、パロディシーンがある。
外部リンク
- 漫 - 原作漫画、大長編漫画等の執筆者の頭の1文字または略記号。藤=藤子不二雄。F=藤子・F・不二雄。1987年の独立前のみ「藤」と記載した(ただし『ドラえもん』は連載開始時から藤本単独作)。FP=藤子プロ。それ以外は作画者を記載。括弧付きは藤本以外が執筆した外伝、短編など。詳細は大長編ドラえもん#作品一覧(併映作品は各作品のページ)を参照。