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「セガサターン」の版間の差分

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2021年9月10日 (金) 10:14時点における版

セガサターン
ファイル:Sega Saturn Japanese logo with blue planet.svg、Sega Saturn USA logo.svg
メーカー セガ・エンタープライゼス
種別 据置型ゲーム機
世代 第5世代
発売日 日本の旗 1994年11月22日
大韓民国の旗 1995年2月
アメリカ合衆国の旗 1995年5月11日
欧州連合の旗 1995年7月8日
対応メディア CD-ROM
対応ストレージ 内蔵メモリー
パワーメモリー[1]
オンラインサービス サターンモデム
売上台数 日本の旗 580万台
アメリカ合衆国の旗 128万台
世界 926万台[2]
最高売上ソフト 世界 バーチャファイター2 /193万本[3]
互換ハードウェア Vサターン
Hiサターン
後方互換 なし
前世代ハードウェア メガドライブ
次世代ハードウェア ドリームキャスト
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セガサターンSEGA SATURN)は、セガ・エンタープライゼスから発売された家庭用ゲーム機である。一般にはサターンもしくはSSの略称で呼ばれる。発売時の日本での価格は44,800円。

本体開発に関わった日本ビクター(後のJVCケンウッド)からはVサターン日立製作所からはHiサターンがそれぞれ互換機として発売された。

2D描画機能は当時のアーケードゲームや競合機と比較しても高水準であり、そのため変形スプライトによる3D描画も出来る。一方で3D表示はCPUによる演算と変形スプライトに頼っているため、3D全体の表現能力では専用ハードウェアを搭載する同時代の競合機であるPlayStationNINTENDO64に比べ劣っている。

世界展開したセガ歴代コンソールであるSG-1000M3を含むSG-1000シリーズ、メガドライブシリーズ、ゲームギアドリームキャストよりも販売台数は少なく、唯一1,000万台を下回り、全世界累計で最も売れなかったハードである。しかし日本国内に限れば、長年の競合相手だった任天堂の同世代機NINTENDO64の販売台数を上回っており[注 1]、日本市場ではセガとして最も売れたハードである[注 2]

沿革

  • 1994年11月22日 - 日本で発売。
  • 2007年9月28日 - 佐倉事業所CSサービスセンター到着受付分をもって、セガによる本体有償修理が終了[4]

開発

サターン開発企画当時は、まだMODEL1基板の『バーチャレーシング』が投入された頃で、本格的な3DCGゲームへの移行を実現可能にしたMODEL2基板は存在せず、リサーチ結果でも全てのゲームが3Dになる可能性はせいぜい20から30%という予測だったため、従来型の2Dゲームを開発する際には「メガドライブより桁違いに性能の良いシステム」という側面を伸ばしつつ、MODEL1基板のポリゴンカウントと同程度の相対性能にテクスチャ機能を持たせるなど、2Dと3Dの両機能を重んじた性能にした[5]

ソフトに関しては、メガCD末期からコスト高となっており、スーパーファミコンでは1万円以上のソフトも登場したROMカートリッジをやめ、コストが安くなっていたCD-ROMにすることが開発早期の段階で決定された[6]

セガサターンの名称は、セガの第六番目のコンシューマゲーム機ということから太陽系第六惑星である土星から付けられた[6]

展開と販売戦略

価格設定

メーカー希望小売価格44,800円(HST-0001・本体はHST-3200)で販売開始。正式な価格は49,800円で「新発売から6か月限定の5,000円引き」としていたが、「半年後に値上げする」ことに意義は無いと判断され、49,800円に戻すことは見送られた。市場での実売価格はさらに5,000程度値引きされ、ほとんど定価販売しか見られなかった競合機プレイステーションの価格(39,800円)とほぼ同一となった。

その後小型パッケージのHST-0004に切り替わり少しずつ値下がりをしていったが、1995年6月、100万台キャンペーンBOXとして『バーチャファイターリミックス』が同梱されたモデル(専用パッケージHST-0005に加え0001や0004にステッカー貼り付けたタイプもあり)を34,800円で発売。翌7月から通常版(HST-0004)の販売が再開され、ソフト無しで定価34,800円となったものの、11月より年末年始商戦に向けて2か月限定の5,000円キャッシュバックを実施、店舗での値引きも含めると24,800円程度で購入できるようになった(キャンペーンBOXの在庫分にも同様にキャッシュバックが適用された)。

1996年1月にキャッシュバックが終了したが、同年3月9日にセガにより”セガサターンパワーアップミーティング’96スプリング”と銘打った戦略発表会が行われた。セガ副社長の入交は「大量生産によるコストダウンや内部回路の簡略化などさまざまな工夫を凝らして、20000円という価格を実現した」と述べている[7]。プレイステーションに先んじて値下げを行い、デザイン変更のモデルチェンジをして20,000円(HST-0014・本体はHST-3220)となった[6] が、実際には初期のHST-3220は内部構造がHST-3210とほぼ同じであることが分かっており、製造コストの削減は後追いで行われたようである。

ビクターから販売のVサターンはオープン価格であり、販売店によってはセガサターンと若干の価格差がつけられていたが、ほぼ同一価格であった。モデルチェンジはセガより遅れて1996年6月から新型となった。

日立から販売のHIサターンは当初64,800円という定価が付けられていたが、実売価格は50,000円を少し超える程度であり、主に家電販売店により販売されていたことから店舗により価格差が見られた。

流通

セガは日本国内において、任天堂寄りの玩具問屋団体「初心会」を経由して自社の家庭用ゲーム機とゲームソフトを販売しなければならないことに不満を持っていた。そこでセガは、セガサターンの発売に先立つ1994年9月、セガサターンのハードとソフトを専門に扱う卸売子会社「セガユナイテッド」を設立した。この会社は一次問屋の役割を持つとともに大手ゲーム販売専門店との直接取引を行うもので、いくつかの二次問屋からも出資が行われた。さらにセガはハピネットやムーミンといった非初心会系の玩具問屋を流通システムに取り込むとともに、日立メディアフォースとの提携により家電の販売ルートを、東芝EMIとの提携によりレコードの販売ルートを活用した。これによりセガは日本国内でセガサターンを取り扱う小売店の数を急拡大させた。しかし親会社のソニー・ミュージックエンタテインメントのCD-ROM生産設備を使用できたソニー・コンピュータエンタテインメント(以下、SCE)と異なりセガはCD-ROMの生産設備を所有しなかったため、CD-ROMの特性を生かした柔軟な生産調整を行うことはできず、見込み生産による投機的ソフト流通という点で任天堂と同じ問題を抱えたままであった[8]

1997年にセガはセガユナイテッドとムーミンを合併させ、「セガ・ミューズ」へと再編した。セガ・ミューズはSCEの流通システムを模倣し小売店への直販化・直送化を推し進め、リピート発注にかかる期間の短縮を図るとともに、サターンを取り扱う小売店の絞込みを行った[8][9]

その一方で、プラットフォームホルダーによるゲームソフト流通のコントロールを嫌った有力ソフトメーカー各社は、コナミが1996年4月からプレイステーション用ソフトにおいて自主流通を開始したのを皮切りに、セガ(の卸売子会社)を介さず量販店・大手小売チェーン店に直接ソフトを卸売販売する自主流通を日本国内で開始した[8]

年齢制限

セガサターン用ゲームソフトのジャケットには、以下4種類のうちいずれかのアイコンが記載されており、これによってレイティングを示していた。以下、規制の厳しい順に列挙する。

全年齢
アイコンは緑。全年齢対象
推奨年齢18歳以上
アイコンは黄色。「18推」と略される。
MA-18
アイコンは水色。「Mature Age 18」の略。海外で展開されたセガハードのレーティングを日本で適用したもので、日本語に訳せば「18歳以上推奨」となる[注 3]ので、上記の推奨年齢18歳以上と同等のレイティングである。日本で適用されたのは『アイドル雀士スーチーパイSpecial』のみ。
X指定
アイコンは赤。「18禁」とも呼ばれる。

セガサターンの初期段階では、一部のジャンルのソフトに残虐な暴力や性描写などを理由に18禁(通称:X指定)などの年齢制限(CEROZ(18才以上のみ対象)ないしCEROD(17才以上対象)に相当)を設けて販売を許可していた。

消費者の一部には後々性表現を前提としたアダルトゲーム(エロゲー)の移植を期待するユーザーもいたが、1996年頃から「X指定」に区分されるゲームの発売が認められなくなった。

それ以降、暴力・性表現を抑える形で「年齢制限(推奨年齢18才以上)」に限って発売が認められるようになった。

ハードウェア

その多彩な機能を支えるべく、多くのLSIに分散された構成となっている。

初代機(HST-3200)相当に実装されているLSIはおおよそ以下の通り。他の本体形番ではLSIが異なる。

CPU

メインCPU(Central Processing Unit)に日立製作所(後のルネサス エレクトロニクス)の32ビットマイコンSH-2を2基搭載している[6]。SH-2は1992年に登場した制御用マイコンSH-1の後継で、セガサターンに搭載するに当たり、オリジナルのSH-2からいくつかの機能強化が行われている[要出典]

動作周波数の向上
20MHzから28.6MHzへ上昇させた。なお、28.6MHzはビデオ出力の同期タイミングと一致する。
除算器の搭載、乗算器の高精度化
SH-1から新規に除算器を搭載した。また乗算器を16bit×16bit=32bitから32bit×32bit=64bitへ高精度化し、これらにより投影変換などジオメトリ演算を実用的な精度や速度で実行することが可能となった。
マルチプロセッサ機能
元々は日立製作所の研究開発のためにSH-2に用意されていた機能であるが、2基のCPUは内部にあるバスアービトレーション機能によりコミュニケーションをとることができる。セガサターンは共有メモリ構成であるため、命令やデータがCPU内のキャッシュにヒットしている時や内部2kバイトのメモリへのアクセス時などは同時に演算させることが可能となる。またユーザブレーク機能で外部バスサイクルによるブレークを行えばキャッシュコンシステンシを保つことも可能であり、マルチコアシステムを構築することもできる。ただし大方の3Dゲームタイトルではセガから提供されたライブラリを活用し、サブCPUをジオメトリ演算専用のプロセッサ としてのみ使用していた。この仕様は、競合機であるプレイステーションの高い3D描画性能を受けて急遽追加された仕様で、システムアーキテクチャの面で最適なプロセッサ配置とは言えず、コストパフォーマンスに劣っていた。
SDRAMインタフェースの搭載
当時策定されたばかりのSDRAMインタフェースを搭載し、データ転送能力を従来よりアップさせた。

SH-2は制御用マイコンであり、16ビット命令語長を基本とするなど小メモリ構成のシステムに向いた特長を持っている。概してこの当時のゲーム機器は限定された環境であり、セガサターンはメインメモリは2Mバイト、キャッシュも4kバイトと小容量だった。

開発はセガ・システム32の開発スタッフを中心に2D描画機能優先で進められた[10]。当初は1CPUのアーキテクチャとして開発が進められたが、競合機であったSCEのPlayStationがより高い演算性能を持つことが判明したこと、また任天堂の次世代機が64ビットCPUを採用するという噂などがあり急遽演算能力の向上を迫られることとなった。当時残された開発期間の短さなどにより、2基のCPUを搭載する方向へとそのアーキテクチャを変更した[11]

さらにSCU(System Control Unit)内蔵のDMAコントローラやDSPとの連携も可能である。またサブCPUとして、サウンド処理にMC68EC000、CD-ROMドライブの制御にSH-1が搭載されており、各種の処理を並列化する非常に贅沢なアーキテクチャを持つ。

VDP

VDP(Video Display Processor)はCPUなどがVDPにデータや命令を送ることで画像の描画や表示を行うデバイスで、セガサターンを特徴付ける描画の多彩さを担っている。セガサターンでは2基のVDPを搭載し、変形スプライト機能(VDP1)と、BG(バックグラウンド画面)機能(VDP2)に処理を分散している。

VDP1
VDP1は変形スプライトやポリライン、ラインなどを描画するデバイスで、スプライトゲームのデカキャラから3Dゲームのポリゴンオブジェクトまで様々な表現が可能である。4MビットのVRAMと2Mビット×2個のフレームバッファを接続しており、320×224から704×480までの解像度に対応している。旧来のゲーム機において標準的だったラインバッファによる横方向の表示制限はなく、フレームバッファ上に描画して出力する構造である。
スプライトおよびBGに関しては、セガが当時主力としていた業務用ゲーム基板のシステム32以上の機能や性能を有しており、同時代のゲーム用VDPとしては最高水準の一つだった。その一方で、例えば半透明処理に機能的な制約がありメッシュ機能で代用される場合も多いなど、ポリゴン描画機能にはいくつかの制限があり、3D表現の自由度は競合機、特にプレイステーションのGPUと比較し低かった。
VDP1単体の描画性能は最大50万ポリゴン/秒、テクスチャ付きでも10万ポリゴン/秒だが、セガサターンのシステムとしてみた場合、ピクセル描画性能やCPUが担当するジオメトリ演算性能などに制限され、最大描画性能が出ることはない。
VDP2
VDP2が担当するBG機能は、拡大縮小・回転等が可能な独立したBGを5面もつなど、当時の水準ではきわめて強力なものを搭載しており、特に業務用ゲームなどの移植においてはその威力を遺憾なく発揮した。VDP2から見たVDP1はBG面の1つという位置付けであり、他のBG面と同様な合成処理が可能である。

メモリ構成

セガサターンのアーキテクチャにおいて特筆すべき点のひとつとして、同時代の家庭用ゲーム機としては豪華なメモリシステムがある。メインメモリに2Mバイト、ビデオメモリに1.5Mバイト、サウンド、CD-ROMバッファメモリにそれぞれ0.5Mバイトの計4.5Mバイトもの容量を搭載し、なおかつそれぞれの機能ブロックがサブシステムとして独立しているため、各システムが並列的にアクセスすることができた。

特に、プログラムとデータの大部分を格納するメインメモリのうち前半の1Mバイト、およびビデオメモリの全てに高速なSDRAMを用いており、ボトルネックを引き起こしにくい構造としている。メインメモリの後半1Mバイトは通常のDRAMだが、後述するスロットによってROMまたはRAMを拡張することができ、競合機と比較すると潤沢かつ強力なメモリ環境を実現していた。

またCD-ROMサブシステムのバッファメモリによりCD-ROMメディアのアクセス時間が軽減され、特に格闘ゲーム等の頻繁にローディングを要するゲームなどに活用されるなど、競合機でも発売されたゲームソフトと比較するとロード時間が他機種版よりも短い場合が多い。

CD-ROM

ソフト媒体として、倍速のCD-ROMドライブを内蔵した。セガサターン用のCD-ROMは外周に海賊版対策のため「サターンリング」と呼ばれる特殊なデータ領域を持っており、そのため通常のCD-ROMと比べると容量は少ない。

初期のソフトのレーベル面にはカラーの美しいピクチャーレーベルを採用していたが中期以降のソフトは1色か2色の簡易印刷のレーベルに変わっている。

本体セーブデータ管理・時計機能

時計機能と本体に保存されたセーブデータは本体に取り付けられたボタン電池によって保たれる。このため、本体にデータを残し続けるためには定期的に電池を交換する必要がある。交換には背面にある蓋を外し、中の設置位置にある電池の切れたものを新品のものと交換するだけでよい。本体のメモリ容量は少なく、電池が切れるとデータもすべて失われるため効率が非常に悪い。そのため、ゲームデータの保存にはパワーメモリーの使用が強く推奨される。また、本体にのみデータが保存されるソフトについては、ゲームを遊び終わった後に本体のオープンボタンを押してメインメニューを開き、そこからデータ管理画面に移動し、本体メモリからパワーメモリーにデータを移し、再開するときは逆順に行うことで続きからプレイできる。

カートリッジスロット

セガサターン拡張ラムカートリッジ(1MB)の中身(基板) 171-7328A

本体上部に、カートリッジを差し込むためのスロットが存在する。

当初はゲームのデータセーブエリアを増やすフラッシュメモリカートリッジ「パワーメモリー」のために使われるのが一般的だったが、データの読み込み時間を軽減するためにCD-ROMとロムカートリッジとを併用する「ツインアドバンスドROMシステム」構想が発表され、『ザ・キング・オブ・ファイターズ95』と『ウルトラマン 光の巨人伝説』の2本に採用された。また、特定のゲーム専用のROMではなく、汎用的に扱えるようにサターンのRAMを拡張することで同様の効果を得られる「拡張RAMカートリッジ」が発表され、『メタルスラッグ』等のアクションやCPS-2システムのカプコンの格闘ゲーム等が競合機を上回るアニメーションクオリティで移植されたほか、後にRAM容量を増やした「拡張RAMカートリッジ 4MB」も発売され、『X-MEN VS. STREET FIGHTER』や『マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター』などに使われた。

またこのスロットは、それ以前のゲーム機と同様にロムカセットでソフトを供給することも考慮されており、バス信号のほとんどが出ていたため、メガドライブに接続して性能を向上させる周辺機器メガCDスーパー32XのようなCPUアクセラレータ、グラフィック機能の拡張なども仕様上は可能だったが、実現には至らなかった。他にカートリッジスロットに周辺機器を接続するものとしてはセガサターンモデムなどがある。

なお、このスロットは従来のROMカートリッジスロットを採用していたゲーム機と比較するとピンの幅が狭く、端子の接触面積が少ないことから接触不良を起こし易いため、拡張RAMカートリッジが必要なソフトをプレイする際などパワーメモリーの抜き差しを繰り返すうちに、パワーメモリー内のセーブデータが全て消去されてしまう可能性があるので、取り扱いには注意が必要である。

仕様

  • CPU
    • メイン:SH-2(HD6417095)(動作クロック28.64MHz/キャッシュ4KB/1 CORE版)×2個
    • サウンド用:MC68EC000(11.3MHz)
  • RAM 2MB
  • VRAM 1.5MB
  • バックアップRAM 256Kビット(CR2032リチウム電池一個による)
  • 画面表示(VDP2)
  • スプライト機能(VDP1)
    • 拡大縮小、回転、変形サポート
    • ポリゴン機能:フラット50万ポリゴン/秒、テクスチャ10万ポリゴン/秒(最大)
    • スプライト同士やBG面との半透明合成表示
  • DSP/DMA機能(SCU:System Control Unit)
  • 音源
  • CD-ROMドライブ
    • 1基(2倍速)
    • バッファRAM:512KB
    • 制御チップ:SH-1(SH7034、20MHz)
  • スロット:カートリッジ1、拡張用1
  • コントロール端子2個、XYZABCの6ボタン+スタート1ボタン+LRのコントロールパッド1個付属(ABC+スタートでソフトリセット可能)
  • 内蔵ソフト:セーブデータ(内蔵メモリ・パワーメモリー)管理、時計管理、CDプレイヤー(CD-G表示機能、各種エフェクト・特殊再生機能付き) *本体セーブデータ保存・時計機能の維持については別売りのボタン電池に依存する。
  • 通信拡張端子(COMMUNICATION CONNECTOR):シリアルポートとMIDIインターフェイス。
  • 寸法:260mm(幅)×230mm(奥行き)×83mm(高さ)

バリエーション

家庭用(国内版)

白サターンとコントローラー、ソフト
RG-JX2(Z)

国内版としてはセガが発売したセガサターン、日本ビクターが発売したVサターン、日立製作所が発売したHiサターンがある。

セガサターン HST-3200(前期型)
1994年11月22日発売、価格44,800円・灰色の本体初期型。本体ケース上側に実装されている部品が多く、基板も2段構成となっている。本体正面から見て左側に丸型の通風孔があるのが特徴(冷却ファンを搭載する予定だったが省略された)。電源ランプおよびアクセスランプはそれぞれLEDが2つ並んでいる。
セガサターン HST-3210(中期型)
1995年前半より出回り始めた灰色の本体後期型。価格は同一であったが後に34,800円に下げられた。部品や基板などの配置が変更になり全体的な構造も最適化されている。CDサブシステム(SH-1とゲートアレイ、DRAM)をメイン基板に集約した。外観では本体側面や底面の通風孔削減、電源ランプとアクセスランプはそれぞれLEDが1個になったのが変更点。
セガサターン HST-3220(後期型)
セガサターン(後期型)
1996年3月22日発売、価格20,000円。
本体の低価格化と共にデザインを一新したモデル。保証期間が6ヶ月から12ヶ月に延ばされた。それまで濃い灰色だったカラーを白(メーカー呼称はミストグレー)に変更したことから「白サターン」とも呼ばれる。内部的なコストダウンが逐次行われたが、その影響で最も後に生産された個体は一部のソフトとの互換性が失われた。
スケルトンセガサターン[1]
1998年4月4日発売、価格20,000円。
白サターンの外装を半透明にしたもの。「This is Cool.」のプリントがある。このモデルは後期型の最も後に生産された個体と同様一部ソフトとの互換性が失われている。
ダービースタリオン発売記念特別限定版
1999年3月25日発売、価格20,000円。
セガサターン版ダービースタリオンの発売を記念して発売。パワーメモリー用ダビスタシール付き。
本体成型色はやや青みがかった半透明になった。
Vサターン【ブイサターン、V-Saturn】RG-JX1、RG-JX1(X)、RG-JX1(Y)
1994年11月22日発売、オープン価格。
ワンダーメガの後継で、セガサターンと同仕様の互換機。サターン本体の配色や起動時のロゴなどが異なる。セガサターンと本体の発売日は同日で、実売価格もセガサターンとほぼ同じだった。広告のイメージキャラは菅野美穂流通ルートは、玩具店やゲーム専門店を主としていたセガサターンと異なり、こちらは家電量販店が主だった。セガサターンと同様、途中でモデルチェンジを行い実質価格を値下げしている。発売前の仮称は「ビクターサターン」。
Vサターン RG-JX2(X)、RG-JX2(Y)、RG-JX2(Z)
1996年6月7日発売、オープン価格。
薄紫色のHST-3220と同仕様の後期型。
Hiサターン【ハイサターン、Hi-Saturn】日立マルチメディアプレーヤー MMP-1、MMP-1-1、MMP-1-2
1995年4月1日発売、価格64,800円。
セガサターンの拡張スロットに独自の拡張カードを搭載し、ビデオCDフォトCD再生機能を備えたマルチメディアプレイヤーとして発売された。黒のサターン本体に金のロゴなど配色と起動画面が異なっている。他のサターン同様にモデルチェンジを行っている。
Hiサターン MMP-11
1996年10月発売
HST-3220と同仕様の後期型。
ゲーム&カーナビ ハイサターン(型番:MMP-1000NV)
1995年12月6日発売、価格150,000円。
車内利用向けとして従来のサターン本体よりも一回り小さいサイズになり、カーナビゲーション機能を装備したモデル。ビデオCDやフォトCDの再生機能が標準搭載されている。また、実際の道路情報上に仮想都市空間を描画して3次元仮想空間をナビゲーション出来るなど、ゲーム感覚で目的地までのドライブシミュレーションを楽しめる「バーチャナビ」を搭載している[12]。専用モニター(型番:NX-4YD)も発売している。
対応ディスク - 音楽CD、CD-G、サターンCD-ROM、ナビゲーションシステム研究会規格CD-ROM
寸法 - 幅25.2cm、高さ5.7cm、奥行き21.4cm、重さ1.9kg
消費電力 - 22W

家庭用(海外版)

北米版
セガサターン(北米版)
SEGA SATURN MK-80000(HST-3200/3210相当品)
SEGA SATURN MK-80000A(HST-3220相当品)
AC120V 60Hz NTSC
日本に遅れて1995年に発売開始、初期のモデルはHST-3200相当でコントローラはUS独自仕様のものが付属する。筐体はスイッチ等を含め全て黒で、マスターシステムやジェネシスからのイメージを踏襲している。途中でHST-3220相当品にモデルチェンジをしている。日本と異なり「SATURN」の商標が得られたようで続き文字にはなっていない。また現地の文字認識感覚を考慮し「A」を「Λ」と表記することは避けられた。
欧州版
SEGA SATURN MK-80200-50(HST-3200/3210相当品)
SEGA SATURN MK-80200A-50(HST-3220相当品)
AC220-240V 50/60Hz PAL
US版より少し遅れて発売開始。基本デザインはUS仕様と同じである。
香港版
SEGASATURN MK-80219-07(HST-3220相当品)等
AC220-240V 50/60Hz PAL
外観は日本国内版に準じるが、内部はEU版に近い模様。最終モデルではVCDの再生がサポートされる。
ブラジル版
SEGASATURN 型番不明(HST-3220相当品)
AC110V PAL-M
ブラジルにおける他のセガハードと同じく、Tectoyが販売を担当。外観は日本国内版に準じるが、パッケージはUS/EU版と同じSEGA SATURNのロゴ。
韓国版
サムスンサターン【SAMSUNG SATURN】SPC-SATURN、SPC-ST、SPC-ST2
AC110-220V 60Hz NTSC
1995年2月発売
セガサターンの韓国版(前期)。ハード、ソフト共にサムスン電子が正式に韓国でライセンス生産・販売していた。BIOSはUS/EU版と同じで、日本語のメニューが選択できないものもある(韓国語は元から設定が無い)。リージョン設定は日本と同一で、日本版のセガサターン用ソフトがそのまま利用でき、逆にサムスンサターン用ソフトは日本版サターンでも利用する事が可能。販売は不振で、サムスンはセガ・マスターシステム時代より続くセガのゲーム機のライセンス生産と販売をこの世代で打ち切った(サムスンはドリームキャストにGDドライブの供給を行ったが、サムスン自体はドリームキャストの韓国での販売は行っていない)。そのため後期はKama Digital Entertainment社(PCゲームのデベロッパーで、後に韓国版PC版『ファンタシースターオンライン』などもリリース)がセガと提携して販売した(KAMA Sega Saturn)が、これはライセンス生産ではなく日本からの輸入品で、外観が黒くなり220V用になった白サターンである。このため、ソフトもサムスンが完全ローカライズを行ったサムスンサターン用ソフト[注 4]と、日本から輸入したソフトにハングルでサムスンサターンで利用出来る旨を書かれたシールを張っただけのセガサターン用ソフト[注 5]の2種類が存在する。

業務用

ST-V
セガ・タイタン・ビデオゲーム・システムの略称。セガサターンのアーキテクチャを流用して拡張した、上位互換の業務用のゲーム基板。1995年発売。
サンセイブ SGX (HSG-0007)
サンセイブ製。ホテルや旅館などに設置され、コインを入れるとサターンのゲームが遊べる(またはビデオCDが見られる)業務用サターン。CD-ROMが6連装。付属のコントローラーが通常のサターンの3倍長い(ケーブル長5m)。ムービーカードが標準搭載されており、有線リモコン(ケーブル長5m)も付属しているなど、ラブホテルでの運用も想定されていたらしい。なおサンセイブは静岡県でゲームセンターなどを経営していた会社で、西部リースの社名時に東海ガスと共同でビック東海を設立したことで知られる。
Prologue 21 および Super Prologue 21(通信カラオケ・通称セガカラ)
セガ・ミュージック・ネットワークスが発売した業務用の通信カラオケ。セガサターン向けCD-ROMがそのまま使える。本体前面に六角穴付ボルト2本と蝶番で塞がれたパネルがあり、それを開くとコントローラー接続部、カラオケモードからサターンモードに切り替えるボタン、手動で開閉するフロントローディングのCDトレイ等が操作できるようになっている。付属のコントローラパッドはセガサターンと同じものが一つ付属するがカラオケ室内で使用するためコードが5メートルほどある。付属のCD-ROMはPrologue21専用パーティゲームが収録されており、サターンモードで動作するが、セガサターンなどでは動作しない。
楽曲データ(MIDI形式)は電話回線を通して配信、内蔵のHDDに格納してカラオケ機として機能した点は当時の他のカラオケ機と大差ないが、採点機能やビンゴマシン機能などのソフトウェアもHDDに格納、のちに1000点満点の全国採点機能が配信され、採点結果が楽曲ごとに全国順位が表示される機能が自動アップデートで追加された。
マイクから入力された声をボーカルラインどおりに矯正するカラオケ練習機能・ボーカルサポートを搭載。

開発用

開発メーカー向けで市販はされていない。通常のサターン相当の機能に加えてCD-R上のプログラムの実行やバグのチェックができる。

Saturn Development System
最初に登場した開発キット。「Programming target box」「Graphics target box」「Sound target box」で構成される「Saturn Programming Box」(ソフィアシステムズ製)と、ICE(インサーキット・エミュレータ)のHITACHI E7000(日立製)で構成される。1システムあたり30,575ドル(約300万円)。型番はST-1000-01。SH-2x2のデュアルCPUをICEで完全にエミュレートするには、1つでさえ高価なICEが2つ必要だった。
セガサターン アドレスチェッカー
エスアイエレクトロニクス製。サターンの開発キットの一部で、実行アドレスの不正をチェックする。Ver1.00は通常のサターンの3倍ほどの大きさで、フロッピーディスクドライブがついている。Ver1.01は通常のサターンを改造したもので、フロッピーディスクドライブが付いていない。
DEV-SATURN
1995年に登場した開発キット。亜土電子工業(当時セガと同じCSKグループ)製。通常のセガサターンを改造しただけの物で、「CARTDEV」というサターン本体より少し小さい機械と接続し、これをPC/AT互換機に接続して開発キットとする。CARTDEVはCross Products(イギリスの開発装置の開発メーカー。セガ・オブ・アメリカの子会社)製で、Rev.AとRev.Bがある。DEV-SATURNとCARTDEVに、当時亜土電子工業が代理店となっていた、統合開発環境の「CodeScape」(イマジネーションテクノロジーズ製)がセットで付属されてメーカーに販売されていた。この登場とほぼ同時期に『バーチャファイター2』(1995年12月発売)で使われたライブラリ「SGL」(SEGA Game Library)がサードパーティに提供され、資金と開発力の乏しい中小メーカーでも開発が容易になったが、1996年頃よりサターンは競合機に対して徐々に劣勢となっていったため、中小サードパーティを呼び集めるには至らなかった。
PSY-Q Saturn
1996年に登場した、開発用サターンの最終形態。Psygnosis( 『ワイプアウト』や『レミングス』で知られるデベロッパー)製。通常のセガサターンを改造しただけの物で、「Psy-Qカートリッジ」をセガサターンのカートリッジスロットに挿し、これをPCに接続して開発キットとする。

その他

セガプルート(発売中止)
NetLink(北米版セガサターンモデム)を内蔵した、インターネット対応セガサターン。プロトタイプ機が2台制作された[注 6]

周辺機器

セガ純正

型番 名称 備考
HSS-0101 セガサターンコントロールパッド[1] 本体に1つ同梱。本体色に合わせ、初期は灰色、後期は白となった。
当時のスケルトンブームに合わせ、期間限定でクールパッドが発売された。
HSS-0102
HSS-0139
シャトルマウス[1] セガサターン専用ボール式4ボタンマウス。灰と白がある。対応ソフトの多さが特徴。(左、中央、右、スタートボタン)
HSS-0103 マルチターミナル6[1] コントローラーを6個まで繋げられる拡張コネクター。本体に2つを装着すると12個まで増設が可能。サターンボンバーマンなど多人数プレイのためのマルチタップ
HSS-0104
HSS-0136
バーチャスティック[1] セガサターン本体のデザインに似せた前期型、
アーケード筐体のデザインに似せた後期型が存在する。
HSS-0105 S端子ケーブル サターン本体をテレビに接続する、S端子のAVケーブル。
同梱のAVケーブルより高画質でプレイできる。
HSS-0106 ステレオAVケーブル サターン本体をテレビに接続する、映像/音声一体型のケーブル。本体に一つ同梱。
HSS-0107 対戦ケーブル[1] ライバル機PSにも同様の製品が存在する(SCPH-1040)
HSS-0109 RGBケーブル テレビ、モニタのRGB21ピン端子を使用するAVケーブル。
詳しくはRGB21ピンを参照
ノイズには比較的弱い[注 7]
HSS-0110 RFユニット テレビとRF接続するためのRF変調器付きケーブル。
HSS-0111
HSS-0138
パワーメモリー[1] ゲームのセーブデータを保存しておくための補助記憶装置。灰と白がある。記憶容量は4Mbit(512KB)。
HSS-0112 モノラルAVケーブル HSS-0106のモノラル版。
HSS-0114 ミッションスティック[1] スペースハリアーとの同梱版も発売された。
HSS-0115
HSS-0141
レーシングコントローラ[1] 前期型、後期型の違いはセガサターン本体色の変更にあわせてレーシングコントローラー自体の色が変化しているのみ。後年のレーシングコントローラーとは違い、まだフィードバック機能がない懐かしいものとなっている。
HSS-0116 セガサターンコードレスパッドセット HSS-0125、HSS-0126のセット。
HSS-0119 ムービーカード[1] MPEGデコーダーを搭載しており、ビデオCDの再生が可能になる。また、MPEGの動画を収録したゲームソフトも、動画の再生がなめらかになる。
HSS-0120 電子ブックオペレーター[1] セガサターンで電子ブックの再生を可能にする。EBXAまでの規格に対応[13]
HSS-0121 フォトCDオペレーター[1] KodakフォトCDの再生が可能になる。
HSS-0122
HSS-0152
バーチャガン[1] 前期型はボタンも含めて黒だが、後期型はボタンが黄色に変更され、側面にセガサターンのロゴが追加された
HSS-0125 赤外線レシーバー コードレスパッドの受光部。
HSS-0126 セガサターンコードレスパッド[1] 赤外線を用いたワイヤレスコントローラ。
スイッチ切替でテレビリモコンとしても使用可能。単三乾電池2本必要。
HSS-0127
HSS-0148
セガサターンモデム[1] セガサターンネットワークス」サービスにより、XBANDの通信対戦や、インターネット接続などのサービス等を行う際に必要なモデム。本体生産はTDKへ委託
HSS-0128 セガサターンフロッピーディスクドライブ[1] 対応ゲームソフトであればセーブデータの保存も可能。
HSS-0129
HSS-0159
セガサターンキーボード[1] 後期型は価格が下げられた。
HSS-0130 バーチャスティックプロ[1] セガのアーケード筐体『アストロシティ』のコントロールパネルをそのまま取り外したような形状。厳密にはプラスチックの材質や鉄板厚さが異なり、パーツも一部省略されているが、当時としては業務用に近づけた仕様で、各種コンパネがそのまま取り付けられる。
HSS-0137 セガマルチコントローラー[1] 通称「マルコン」。コントローラーとケーブルが取り外し可能となっており、その間に周辺機器を挟み込む計画[14]もあったが頓挫した。この計画や形状はドリームキャストのコントローラーに引き継がれた。傾き検知センサーに対応した「エアロナイツ」も企画されたという。
HSS-0150
HSS-0167
拡張ラムカートリッジ[1] 前期版は1MB、後期版は4MBワークRAMを拡張する。4MB版は1MB版の上位互換性があるが、不具合を起こすソフトもある。
後期版はスケルトン仕様。
HSS-0154 ツインスティック[1] 文字通りレバーが2本付いたデジタル入力のアーケード仕様スティック。主に『電脳戦機バーチャロン』用であるが、『機動戦士ガンダム外伝 THE BLUE DESTINY』など他のゲームでも採用された。

Vサターン・HIサターン周辺機器

型番 名称 備考
RG-CP5 コントロールパッド 前期型Vサターン同梱。
RG-CP6 コントロールパッド 後期型Vサターン同梱。
RG-VC1 ビデオCDオペレーター サターン本体でビデオCDを再生可能にする本体内蔵型周辺機器。
専用ソフト『ルナ シルバースターストーリー MPEG版』を遊ぶ際に必須で、他にも『Moon Cradle』『ウルトラマン図鑑』『ガングリフォン』『サクラ大戦 花組通信』『サクラ大戦 蒸気ラジヲショウ』『セガンドウィンドウ(「センチメンタルグラフィティ」同梱品)』『バトルバ』『ファルコムクラシックス』『森高千里「渡良瀬橋/ララサンシャイン」』『悠久の小箱』『湾岸デッドヒート+リアルアレンジ』などが対応している。
RG-VC2 ツインオペレーター 『RG-VC1』を本体に装着することでビデオCDフォトCDに対応するようになる。MPEG対応ゲームソフトの動画シーンが、よりクリアな映像となる。[15]
ビデオCD Ver.2.0にも対応したためプレイバックコントロール機能などが装備された。
RG-VC3 ツインオペレーター 『RG-VC2』のビデオCD機能が強化され、
海外版PAL方式にも対応している。
RN-M141 セガサターンモデム セガ製と異なり、カード挿入スロットの無いモデム
HSS-0118 コントロールパッド ハイサターン同梱。
TP-AVS10 サターン用ケーブル ハイサターン用に発売された専用接続ケーブル。
24型ワイドテレビ「C24-WX50」のサターン端子に接続してこのケーブル一本で映像と音声を送る。言わば日立版AVマルチケーブル。
MKU-1 カラオケユニット ハイサターン用に発売されたカラオケユニット。
セットはユニット本体とサターンと接続するケーブルのみでマイクは付属していない。マイクロフォン端子×2、マイク音量ボリュームスイッチ×2、それに多重音声切替スイッチとエコーボリュームスイッチを一つずつ装備している。
NX-4YD 4インチカラー液晶モニター TFTアクティブマトリックス方式を採用した、ポータブルマルチメディアプレーヤー『ゲーム&カーナビ ハイサターン(MMP-1000NV)』本体用の液晶モニター[12]
ハイサターンカード ハイサターンに内蔵されているカード。
別売りはされておらず、フォトCDを見ることが可能。

他社製品(ライセンス商品)

型番 名称 発売元 備考
ASC-0602C ファイタースティックX アスキー 全体的な配色を黒で統一した、海外版セガサターンに合わせたようなジョイスティック。
バーチャファイター』向けにA・Y・ZボタンにそれぞれG・P・Kとプリントされている。
ASC-0602ZERO ファイタースティックX ZERO2 アスキー 白を基調にボタン配色が赤で統一されたジョイスティック。
ストリートファイター ZERO2』とのタイアップ製品。
HC-735 SBOMジョイカード ハドソン A・B・C・X・Y・Z・L・Rボタンそれぞれに秒間26連射を設定可能。
また、各ボタンを押しっぱなしにするホールド機能とSTARTボタンをオート連射する2段階のスロー機能を装備している。さらにこのスロースイッチのHu-ポジションを使用してゲームの操作性を変化させる機能がハドソン製品に付加されている。『サターンボンバーマン』対応を売りに同ソフトと一緒にSBOMマルチタップ等と同時発売されたタイアップ商品でもあるために、デザインはボンバーマンがモチーフとなっている。2個パック+マルチタップの「対戦パック」等のセット販売品もある。
HSS-07 ファイティングスティックSS HORI PlayStation用『ファイティングスティックPS』の姉妹品。
HSS-09 リアルアーケードVF HORI 『バーチャファイター』シリーズ用に特化したジョイスティック。
そのため、操作ボタンはA・B・Cしか配置されていないが、その分価格が抑えられている。
HSS-12 リアルアーケードVF'(ダッシュ) HORI 従来の『リアルアーケードVF』にRボタンを追加したジョイスティック。
IMS-03 SGトルネードスティック イマジニア 初期型セガサターンに合わせ、
グレーを基調としたジョイスティック。
MIDIアダプタ ワカ製作所 サターンミュージックスクール』に同梱
PC接続ケーブル アスキー GAME BASIC for SEGASATURN』に同梱
T-7626G サターン用ワープロセット コーエー キヤノン製プリンターBJC-210、専用ワープロソフト、プリンター・インターフェースのセット[16]
T-7642G ワープロ・アップグレードキット(デジタルカメラ対応版)」 コーエー 『サターン用ワープロセット』付属ソフト「イージーワード EGWORD」の改良版とデジタルカメラに対応したプリンター・インターフェースのセット
不明 SEGA SATURN用ワープロセット DC対応版 コーエー T-7626GとT-7642Gを統合した商品。

ソフトウェア

セガサターン専用CD-ROMディスクを音楽用CDプレーヤーで再生した時、2トラック目に以下のセガの女性社員による短めの警告メッセージが流れる。

これはセガサターン用のゲームディスクです。1トラック目にゲームのデーターが入っていますので再生しないでください。

声優などの音声演出があるゲームを中心に、通常とは異なる警告メッセージに変更されていることもあり、特に『機動戦士ガンダム ギレンの野望』のように警告メッセージだけで1分20秒に及ぶドラマCD並みの長大なものとなっているものもある。タイトルによっては、3トラック目以降にまで音楽データ(主にこのゲームに関連した楽曲)が入っているものまである。

ローンチタイトルは『バーチャファイター』『ワンチャイコネクション』『MYST』『TAMA』『麻雀悟空 天竺』の5タイトル。

セガは当時アーケードの3Dヒット作を多数持っていた[注 8]ため、『デイトナUSA』『バーチャコップ』『ファイティングバイパーズ』『セガラリーチャンピオンシップ』『電脳戦機バーチャロン』など、MODEL2基板タイトルを中心に移植された。

特に代表的なゲームタイトルは『バーチャファイター2』で日本国内ではセガ初のミリオンセラーを記録した。

最後のタイトルは2000年12月7日発売の『悠久幻想曲 保存版 Perpetual Collection』である。

広告

広告展開
広告展開の面においては、「コーンヘッド」と呼ばれる頭部の大きい土星人や、「セガール」、「アンソニー」の二匹のチンパンジーによる比較広告などで評判を集めた。
メインCPUに32ビットプロセッサSH-2を2基搭載していたことから、セガは「64ビット級」と呼称して宣伝した[17]
せがた三四郎
白サターン登場以降は仮面ライダーで有名な藤岡弘、を起用し、さまざまな若者や子供に技をかけ、「セガサターン、シロ!」と叫ぶものや、スケートリンクを裸足で走ったり、瓦を頭で割るといった強烈なインパクトのCMを流した。その後、ゲーム化もされ、せがた三四郎シリーズを展開する。これらはゲームファン層以外にも話題になった。

反響

日本

ほぼ同時期に発売されたPlayStationや後発のNINTENDO64など、当時の「次世代ゲーム機」と呼ばれた機種と共に一時代を築いた。これら3機種の中では最も早く発売し、日本市場においてサターンは発売日に20万台、発売1か月で50万台、6か月でPlayStationよりも先に100万台セールスを達成するなど、セガの歴代コンソールとしては最も好調な売り上げを記録。1996年までは後にトップシェアハードとなるプレイステーションよりも普及していた[18]

ソフトも『バーチャファイター2』の130万本をはじめ『バーチャファイター』『デイトナUSA』『ファイターズメガミックス』『セガラリーチャンピオンシップ』『サクラ大戦2』『スーパーロボット大戦F 完結編』といった50万本を超えるヒット作を排出した。

しかしハード・ソフトの両面からライバル機に対して劣勢になっていった。

ハード面
開発者としてはハードの使いこなしに時間がかかったり、3Dソフト開発においてもある癖を理解しないとパフォーマンスが発揮できないなど、開発現場からは不評であった[19]
初期の開発キットの価格はプレイステーションよりも高価かつ開発が難しく、安価で開発が容易な開発キットとライブラリの登場が1995年から1996年頃と遅れたために、中小サードパーティがプレイステーションに流れたことが、プレイステーションに次世代機戦争で敗北する遠因の一つとなった。
ライバル機の低価格攻勢に対して、後期型では内部的なコストダウンが逐次行われ、末期には2基のCPUやVDPをワンチップ化するなど、ライバル機と同様にコストダウンをしていくが、CPUなどを始めとした部品点数の多さや複数社からの多数の半導体を採用した関係による複雑なハード構成であったことに加え、外注による生産であったため、大幅なコストダウンが効かず、その状態で価格競争に対抗して値下げを続けた結果、多額の赤字を計上することとなり、セガは体力を消耗させていった[20]。このコストダウンにおけるワンチップ化などの影響で一部のソフトとの互換性が失われた[6][注 9]
セガは日立と手を組んでおり、店頭デモ機や雑誌に掲載の画面では従来の4:3での表示が標準であったが、ソニーは自社製トリニトロンのワイドテレビを使用しており、見た目の洗練さでも差をつけられていた。
ソフト面
PlayStation陣営が、当時ドラゴンクエストシリーズエニックスと双璧を成していた、ファイナルファンタジーシリーズを擁するスクウェアのPlayStationの参入と、当時最新作であった『ファイナルファンタジーVII』の開発がスタートしたことを1996年1月に発表。発売の前年から大量のTVCMや広告を投入するといった入念な販売戦略が功を奏したこともあり優位に立たれた。
ライバル機よりも優位な2Dグラフィック、実写取り込みに有利な、動画の圧縮効率を重視したCinepak規格を採用したものの、PlayStationではJPEG画像を連続して表示させるアニメーション方式(Motion JPEG[注 10])を採用したため静止画そのものはCinepakよりも良好で[21]、更に3DOやPlayStationやNINTENDO64といったライバル機が3Dグラフィックの面で優れており、前述の2つを活用したソフトに恵まれず売り上げが伸び悩んだ。

こうして、十分な対策と成果を上げられないまま、新たな市場の形成を迫られたセガはサターンの拡販を打ち切り、低コストかつ競合機より強力な後継機「ドリームキャスト」の投入を決断。ドリームキャストが新聞広告で1998年5月22日に発表されてからはサターン市場は多大な影響を受け、1998年6月以降はソフトの出荷本数も大幅に減少したこともあり、1998年には215タイトルがサターンでリリースされたものの、1999年には17本と激減。翌2000年に本体の生産やソフトの開発が終了した。

一方で3Dに特化した競合機のPlayStationやNINTENDO64と違って、旧来のゲーム機を正統進化させたオーソドックスなBG画面とスプライト/ポリゴン機能の両面を活かせるアーキテクチャであり、その性能は既存の2D対戦格闘ゲームやシューティングゲーム等にも適していたこともあって業務用ゲームから数多くのタイトルが移植され、同時代の他機種に移植された同名タイトルと比べても出来が良いと評価されている作品も多かった。また、同時期に稼働したセガサターン互換のST-V基板からの移植や、ST-Vとサターンでほぼ同時発売されたソフトもあった[注 11]

また純正コントローラはのちに登場したアナログスティックや振動機能はないが操作性の評価が高く、利用者からは「サターンパッド」の愛称で呼ばれている。

1997年にはアイ・オー・データ機器より、セガサターン用コントローラをPC用のゲームパッドとして使える拡張ボード「IF-SEGAシリーズ」が発売された[22]2018年には有志によってこの拡張ボード互換の同人ハードウェアが頒布されている[23]

2004年6月24日に発売された『ぷよぷよフィーバー』にはMac OS X版の同梱用コントローラとして、セガ・ロジスティクスサービスより、セガサターンの純正コントロールパッドと同デザインのゲームパッドUSB1.1接続仕様で復刻。翌月よりMacintoshWindows用として単品発売されている。2005年3月24日PS2用も発売された。

北米

元々セガの歴代家庭用コンソールは海外市場への依存度が非常に高いが、中でもかつてセガが強さを発揮していた北米市場においては、次世代機の発売ではなくこれまで好調だったジェネシス(北米版メガドライブ)市場を保持する判断を下したセガ・オブ・アメリカが主導で開発したスーパー32Xの投入や、セガ・オブ・アメリカがサターンの1996年発売を主張したものの、その意向に反して1995年5月に急遽サターンを発売することになった経緯があり、そのため、主に北米市場で絶大な人気を誇っている「ソニックシリーズ」作品がスーパー32Xで発売され、サターンへの投入が遅れるといったソフトウェア戦略や当初のサターンの販売店の少なさが北米ユーザーの混乱を招き、さらにはソニーが1995年のE3においてプレイステーションをサターンより100ドル安い299ドルで発売することを発表したことも、うまく世代を移行させられなかった要因となった[6][24]

脚注

注釈

  1. ^ ただし当時まだスーパーファミコン(ジュニア含む)もセガサターンと同時期の2000年まで日本国内のソフト供給を継続した現役機だったため、世代を限定しない「任天堂の家庭用ゲーム機」というシェアに対しては一律に比較はできない。
  2. ^ 国内販売台数ではメガドライブ358万台・セガサターン580万台で、セガサターンの売れ行きが上回っているが、北米市場ではメガドライブ2000万台に対しセガサターンは128万台しか売れていない。
  3. ^ 海外では「MA-○○」(○○には年齢が入る)で表記され、18以外の数字のタイトルも多数存在した。
  4. ^ ソフトのサイズは他の海外版と同じ縦長サイズ。北米版のソフト内容を素に、サムスンサターンで起動出来るようにリージョンを書き換えただけのものが主。
  5. ^ ソフトのサイズは日本版と同じ正方形サイズ。『ドラえもん のび太と復活の星』など、韓国で放送されているテレビアニメキャラクターゲームが主。
  6. ^ 1台は2013年にインターネットオークションで競り落とした個人が所有し、もう1台は開発に関わった元セガ社員が所有する。
  7. ^ GNDはコネクタのフレームのみで、他のGNDにはコネクタピンが無い。
  8. ^ アーケードゲーム事業は2015年4月にセガ・インタラクティブが承継
  9. ^ 互換性が失われた点はPlayStationも同様である。
  10. ^ これは同時期の32ビット機戦争の競合機でアニメーション再生性能を売りとしたPC-FXにも採用された動画形式でもある。
  11. ^ 『バーチャファイターリミックス』など

出典

  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v 関連・周辺機器 | セガサターン | セガハード大百科 | セガ
  2. ^ 「第11章 CESAゲームアーカイブス」『2014 CESAゲーム白書』、CESA、159頁。
  3. ^ http://www.vgchartz.com/platform/22/sega-saturn/
  4. ^ 『セガサターン』『Dreamcast』有償修理終了のお知らせ トピックス SEGA”. 2013年5月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2007年4月3日閲覧。
  5. ^ ASCII『月刊アスキー』1995年1月号 p.432 セガ・エンタープライゼスCSハードウェア研究開発部ゼネラル・マネージャー浜田和彦氏インタビュー 参照
  6. ^ a b c d e f 【連載】セガハードストーリー第5回 家庭用ゲーム機新時代の幕開け『セガサターン』”. セガハード大百科 (2018年3月1日). 2021年8月24日閲覧。
  7. ^ 週刊ファミ通 No.380 スクープ新型サターン発表. 株式会社アスキー. (1996年3月26日). p. 8 
  8. ^ a b c 和田剛明 (2003-11-25). “家庭用テレビゲームソフトの流通―リスクとリターンの構造と市場への影響―”. 赤門マネジメント・レビュー (特定非営利活動法人グローバルビジネスリサーチセンター(GBRC)) 2 (11): 563-580. http://www.gbrc.jp/journal/amr/AMR2-11.html. 
  9. ^ テレビゲームソフトウェア流通協会「平成一〇年(ワ)第二二五六八号 著作権に基づく差止請求権不存在確認請求事件」原告側第二準備書面
  10. ^ セガのハードに込められた熱意が語られた GAME ONトークイベント“セガハードの歴史を語り尽くす”詳細リポート ファミ通.com 2016年6月3日
  11. ^ 中 裕司がアツく語った『ソニック』『大魔界村』そしてメガドラ愛。幻のメガドラタイトルのお披露目も!?【ゲームセンターCX放送作家の「いまさらメガドラ計画」】第2回電ファミニコゲーマー 2016年7月7日
  12. ^ a b ポータブルマルチメディアプレーヤー 「ゲーム&カーナビ ハイサターン」を発売”. 2014年6月8日閲覧。
  13. ^ セガハード大百科 セガサターン ムービーカード・フォトCDオペレーター・電子ブックオペレーター
  14. ^ SEGA Multi Controller
  15. ^ テックサターン Vol.1. 株式会社アスキー. (1996年10月1日). p. 17 
  16. ^ 新作案内:サターン用ワープロセット”. 1997年10月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年6月13日閲覧。
  17. ^ セガサターンギャラリー チラシコレクション”. セガハード大百科. SEGA CORPORATION. 2014年6月4日閲覧。
  18. ^ 家庭用ゲーム機完全図鑑 平成編. オトナファミ. (2011年2月号特別付録 2011) 
  19. ^ セガハードストーリー最終回 ゲームの未来を変えた先進的ハード 『ドリームキャスト』セガ製品情報サイト 2018年11月5日
  20. ^ 西田宗千佳『美学vs.実利 「チーム久夛良木」対任天堂の総力戦15年史』講談社、2008年、pp.114-115
  21. ^ 講談社『スーパーゲームマガジン 覇王』1994年4月号 p.26 特集・セガ スペシャル ヴァーチャシネマの世界 参照
  22. ^ IF-SEGA2-PCI, IF-SEGA2-ISA
  23. ^ セガファン歓喜 サターン用パッドをPCで使える拡張ボードが登場→即完売 - ねとらぼ
  24. ^ 「セガサターン」はなぜ失敗したのか?当時のCEOが語るGigazine 2017年7月5日

関連項目

  • ゲーマガ - 1994年11月から1998年10月まで、セガサターン専門誌として『SEGA SATURN MAGAZINE』という誌名だった。

外部リンク

本体と周辺機器情報

参考文献