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* 『[[ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔]]』 - ''The Lord of the Rings: The Two Towers'' (2002) |
* 『[[ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔]]』 - ''The Lord of the Rings: The Two Towers'' (2002) |
2021年9月28日 (火) 08:29時点における版
ハーヴェイ・ワインスタイン Harvey Weinstein | |||||||||||||||
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2014年 | |||||||||||||||
生年月日 | 1952年3月19日(72歳) | ||||||||||||||
出生地 | アメリカ合衆国 ニューヨーク州ニューヨーク市フラッシング | ||||||||||||||
国籍 | アメリカ合衆国 | ||||||||||||||
職業 | 映画プロデューサー | ||||||||||||||
ジャンル | 映画 | ||||||||||||||
配偶者 |
イヴ・チルトン(1986年 - 2004年) ジョージナ・チャップマン(2007年 - 2017年) | ||||||||||||||
著名な家族 | ボブ・ワインスタイン(弟) | ||||||||||||||
主な作品 | |||||||||||||||
プロデュース作品 『パルプ・フィクション』 『イングリッシュ・ペイシェント』 『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』 『恋におちたシェイクスピア』 『ギャング・オブ・ニューヨーク』 『シカゴ』『キル・ビル』 『マスター・アンド・コマンダー』 『コールド マウンテン』 『華氏911』『アビエイター』 『イングロリアス・バスターズ』 『英国王のスピーチ』『アーティスト』 『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』 | |||||||||||||||
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備考 | |||||||||||||||
ミラマックス ワインスタイン・カンパニー |
ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein [ˈhɑɚvi ˈwaɪ̯nstiːn]、1952年3月19日 - )は、アメリカ合衆国の映画プロデューサー。ニューヨーク州立大学バッファロー校中退[1]。
ミラマックス社の設立者であり、2005年からは弟のボブと共にワインスタイン・カンパニーを経営した。毎年アカデミー賞に大量の作品をノミネートさせた。また『恋におちたシェイクスピア』ではプロデューサーとしてアカデミー作品賞を受賞した。
米国映画界の実力者として、業界内で非常に大きな影響力を持ち、業界の人々から恐れられ、逆らいがたい存在となっていた(そしてそれを悪用し、女優など多数の女性に対し、セクシャルハラスメントや性的暴行を長年にわたり繰り返していたが、被害者らはワインスタインによる報復を恐れ、被害届を出せずにいた)。
だが、2017年10月頃から、ワインスタインが女優など多数の女性に対しセクハラや性的暴行を長年に亘って行っていたことが、ようやく、次々と明るみに出て、様々な役職を剥奪された。また、この事件は「ワインスタイン効果」(en:Weinstein effect)やMeToo運動(en:Me Too (hashtag))と呼ばれる社会現象を引き起こした。
セクハラや性的暴行が発覚したことで、ワインスタインが経営するワインスタイン・カンパニーは経営が悪化、2018年3月19日に連邦破産法(Chapter11)の適用申請手続きが行われた。被害者(ら)によって申し立てられていた性的暴行の件で、2018年5月25日にニューヨーク市警によって(公式に)逮捕され、逮捕された姿がマスコミにもさらされ、訴追された[2]。
2020年2月24日に強姦罪などで有罪の判決が下り、3月11日に禁固23年の刑が言い渡された。その後、en:Wende Correctional Facility刑務所に収監された[3]。
表記と発音
本人や複数のハリウッド関係者の発音に近いカタカナ表記は「ワインスティーン」である[4][5]。テレビ番組でも「ワインスティーン」の発音が主流である[6][7][8]。BBCの記事の日本語版でも、「ワインスティーン」としている[9][10]。日本メディアではNHKがワインスティーンと表記している[11][12]。
しかし、日本のメディアによる表記は、「ワインスタイン」が主流である。メディアによっては、「ワインステーン」[要出典]や、「ワインシュタイン[要出典]などの表記も見られる。
Weinstein の姓はドイツ語の Weinstein [ˈvaɪ̯ɴ̃ʃtaɪ̯n]に起源するが、-stein(意味は石 = 英語stone)の英語圏における発音は、一定していない[13][注 1]。なおweinsteinは酒石の意である。
経歴
生い立ち
東欧から移民したユダヤ人でダイヤモンド加工業者のマックス・ワインスタイン(Max Weinstein)を父、ミリアム(Miriam)を母として、(ユダヤ系アメリカ人として)、ハーヴィは1952年にニューヨークのクイーンズ区のFlushingで誕生した。2年後に弟のボブが誕生し、一家はニューヨークの労働者が住む区域のen:housing cooperativeに暮らし、そこでハーヴェイは育った。
en:John Bowne High Schoolを卒業。そしてニューヨーク州立大学バッファロー校を卒業[14][15]。
ミラマックス設立
1970年代に弟ボブとコーキー・バーカーと共に自身の制作会社「ハーヴェイ&コーキー・プロダクション」を立ち上げ、ロック・コンサートのプロデュース・運営を始める。ワインスタイン兄弟は映画への情熱を抱いて育ち、映画産業へ参加する野望を持っており、そして1970年代後半、兄弟はコンサートのプロモーション事業の利益を使い、彼らの両親の名(ミリアムとマックス)にちなんでミラマックスという名の小さな独立系映画配給会社を設立した。
初めて公開した作品はポール・マッカートニーのコンサート映画『ROCK SHOW』(1980年)だった。1980年代初頭、ミラマックスは人権組織アムネスティ・インターナショナルの映画2本の権利を得た。ワインスタイン兄弟はオリジナル版のプロデューサーのマーティン・ルイスと協力してアメリカ市場向けに2本の映画を1本に編集し、これがミラマックス初めてのヒット作となった。アムネスティはこの映画によって多額の資金を手にし、そしてアメリカでの知名度上昇に繋がったとしている[14][16]。
ミラマックスの発展
ワインスタインは1980年代にアートハウス映画を商業的および批評的に次々と成功させ、ミラマックスを徐々に大きくしていった。1988年にはランドール・デイル・アダムスの冤罪事件を取り扱ったエロール・モリスのドキュメンタリー映画『The Thin Blue Line』を公開し、社会的な注目を集めた。翌1989年にはスティーブン・ソダーバーグ監督の『セックスと嘘とビデオテープ』で成功を収め、アメリカで最も成功した独立系スタジオとして前進した[17]。
また、1989年には『コックと泥棒、その妻と愛人』と『アタメ』がMPAAによってX指定を受け、全国的な公開は中止を余儀なくされた。ワインスタインはMPAAに抗議し、却下されたものの、その後これがきっかけでNC-17指定が新たに導入された。
ミラマックスはその後もさらに成長し続け、1993年に『クライング・ゲーム』が成功した後にはディズニーに8000万ドルで売却された[18]。ワインスタインは売却後もミラマックスの社長として残留してハリウッドでの影響力を強固なものとした。1994年にはミラマックスにとって初めてのブロックバスター映画となるクエンティン・タランティーノ監督の『パルプ・フィクション』が公開された。
1996年公開の『イングリッシュ・ペイシェント』ではミラマックスの作品としては初めてとなるアカデミー作品賞受賞を果たした。その後も、『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(1997年)などの批評的に成功した作品を輩出し、ハーヴェイ自身も『恋におちたシェイクスピア』(1998年)のプロデュースによりアカデミー作品賞を受賞した。ミラマックス作品は2005年までに249個ものアカデミー賞ノミネートを獲得している[19]。
ワインスタイン・カンパニー
この節の加筆が望まれています。 |
2005年3月29日、ワインスタイン兄弟は同年9月30日付でミラマックスを退社し、同社の800作品を超えるライブラリーを手放し、新たに自らの製作会社であるワインスタイン・カンパニーを設立することを発表した。
近年はアジア市場にも目を向けており、金融機関のゴールドマン・サックス社等と数百億円のファンドを組み、アジア映画、特に中国語映画の共同製作・買い付けに奔走している。2013年9月22日には中華人民共和国での青島東方影都の起工式にレオナルド・ディカプリオ、ニコール・キッドマン、クリストフ・ヴァルツ、ケイト・ベッキンセイル、ユアン・マクレガー、ジョン・トラボルタ、キャサリン・ゼタ=ジョーンズらとともに出席した[20]。また東京の映像専門学校にも寄付している。
セクハラ・レイプ・脅迫をめぐる報道
2017年10月5日にニューヨーク・タイムズの記者、ジョディ・カンターとミーガン・トゥーイーが、ハーヴェイ・ワインスタインによる女優や部下に対する数十年に及ぶセクシャルハラスメントを告発する記事を発表[21](報道に至るまでの取材経過についてはジョディ・カンター、ミーガン・トゥーイー『その名を暴け #MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い』[22]古屋美登里訳、新潮社、2020年7月にまとめられている)。同月、ワインスタイン社から解雇された。一連のセクハラ報道に対して、ジェニファー・ローレンスやメリル・ストリープ、ジュディ・デンチ、ジェシカ・チャステインらハリウッドの関係者が厳しく非難するコメントを発している[23][24][25]。グレン・クローズは本件に関して発したコメントの中で、ワインスタインがセクハラを行っているという噂が長らく業界内に存在していたことを証言している[26]。同月10日には、ワインスタインにレイプされたと訴える女性たちの証言が『ザ・ニューヨーカー』上に掲載された[27]。11日、ワインスタイン・カンパニーは彼を非難するコメントを重役陣の連名で発表した[28]。12日には、ワインスタインが当時未成年の女優に飲酒を勧めた上でセクハラ発言を行ったとの告発が報じられた[29]。また、ジェーン・フォンダは今回の報道の1年ほど前にワインスタインがセクハラを行っている事実を把握していたとインタビューで述べた。フォンダはその事実をすぐに公にしなかったことを後悔しているとも語った[30]。なお、リンジー・ローハンはワインスタインを擁護するビデオコメントを自身のInstagramに投稿したが、その後すぐに削除している[31]。
ワインスタインは代理人を通して「ハラスメントに関する一連の報道は虚偽である」という声明を発表した[32]。こうしたワインスタインの姿勢に対し、弟のボブは「兄の後悔の念と被害者への謝罪の言葉は空虚なものです。」「兄は自らを世界有数の嘘つきであると証明してしまいました。兄は助けを求めているというよりも、むしろ他者を非難しているように見えます。兄の主張は何から何まで不誠実です。」と厳しく批判する一方、「兄に必要な助けがあることを祈っています。」と述べている[33]。
セクハラやレイプを告発した女性たちに対するバッシングがネット上を中心に発生した。特にイタリアではバッシングが深刻なものとなり、新聞が「性行為は合意の上だったに違いないのだから、ワインスタイン氏は被害者を身体的に傷つけたわけではない。もし何かあったのだとしても、オーラルセックスを強要したくれた彼に感謝すべきでしょう。」と記事内で述べたり[34]、ヴィットーリオ・スガルビ元下院議員が「ワインスタイン氏こそ真の被害者である」と発言したりした[35]。これが原因で、被害者の一人がイタリアからドイツに移住しなければならない事態となった[36]。
ワインスタインは妻(当時)のジョージナ・チャップマンが経営するブランド、マルケーザの服を着用することを女優たちに強要していたとも報じられている。ワインスタイン・カンパニー配給の『トランスアメリカ』(2005年)で主演を務めたフェリシティ・ハフマンは「マルケーザの服を着ないならば、俺はお前の賞レースキャンペーンをやらんぞ」と脅迫されたと証言している[37]。
ワインスタインは民主党の支持者として多額の資金援助を行っていたこともあって、今回の一件は政界を巻き込む騒動にまで発展した。バラク・オバマやヒラリー・クリントンらが相次いでワインスタインを批判するコメントを公表している[38][39]。また、共和党選出の大統領であるドナルド・トランプは「ワインスタイン氏と知己になってから久しいが、こういう話を聞いても驚かない。」「彼の行動は不適切なものだった。」と述べた[40]。
2017年10月12日、英国映画テレビ芸術アカデミーはワインスタインの会員資格を一時停止すると発表した[41]。14日、映画芸術科学アカデミー(AMPAS)が理事会を開催し、評決の結果「ワインスタインを団体より追放する」ことを決定して発表した[42]。
ワインスタインをめぐる一連の報道がワインスタイン・カンパニー(TWC)に与えた影響も大きなものとなった。2017年10月9日、AppleはTWCと共同で製作する予定だったエルヴィス・プレスリーの伝記ドラマへの関与を打ち切ると発表した[43]。12日、出版社のアシェットがTWC傘下のワインスタイン・ブックスとの提携関係を解消したと報じられた[44]。13日、Amazonはデヴィッド・O・ラッセルが手掛ける予定だったTWC製作のテレビドラマシリーズの発注をキャンセルすると発表した[45]。18日、チャニング・テイタムはマシュー・クイックの小説『Forgive Me, Leonard Peacock』の映画化をTWCと共同で進めていたが、その計画を一時中断するというコメントを出した[46]。後にテイタムはTWCとの絶縁を宣言した[47][48]。
ワインスタインの騒動が興行や賞レースに影響を及ぼす可能性が出てきたため、彼の名前をクレジットから外す動きが出ている。10月8日、映画『エジソンズ・ゲーム』のクレジットからワインスタインの名前が削除されるとの報道があった[49]。25日、『ウインド・リバー』と『フェリシーと夢のトウシューズ』、『チューリップ・フィーバー 肖像画に秘めた愛』のクレジットからワインスタインの名前とTWCのロゴが消されることになったと報じられた[50]。
ワインスタインのセクハラ報道以降、他の映画関係者によるセクハラの告発も相次いで行われた。この動きはワインスタイン効果(en:Weinstein effect)又は#MeToo運動と呼ばれている[51]。アマゾン・スタジオズのロイ・プライス社長(当時)[52] や『バグジー』で知られる脚本家のジェームズ・トバック[53]、映画監督のブレット・ラトナー[54]、俳優のケヴィン・スペイシー、ダスティン・ホフマンが過去にセクハラを行ったと告発されている[55][56]。MeToo運動の影響は映画界だけではなく政治の世界にも波及した。11月1日には過去のセクハラ行為を理由にマイケル・ファロン英国防相が辞任するに至った[57][58]。また、労働党の幹部にレイプされたという告発も出ている[59]。タイム誌は2017年のパーソン・オブ・ザ・イヤーにセクハラ・性犯罪の告発者を選んだ。
2017年12月7日、ミラ・ソルヴィノは『ハリウッド・レポーター』のコラムで「ワインスタインの性的強要を拒絶したことが、自分のキャリアに悪影響を与えたのではないか」という主旨のことを述べた[60]。15日、ピーター・ジャクソンがソルヴィノの主張を裏付けるような証言をした。1998年、ジャクソンはワインスタイン率いるミラマックスの出資を受けて『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの製作を進めていたが、その際、同社から「以前に散々な目に遭ったので、アシュレー・ジャッドとミラ・ソルヴィノは起用しないように」と言われたのだという。ジャクソンはその要求の裏にあった真実について知らなかったと述べつつも、結果的に2人のキャリアを損なったことについて謝罪している[61]。翌日、テリー・ツワイゴフもジャクソンと同様の証言をした[62]。
2018年2月11日、ニューヨーク州司法省はワインスタインに対して、ワインスタイン・カンパニーの女性従業員を暴行し、従業員を殺害すると脅迫したとして提訴した。またこれらの不法行為から従業員を守らなかったとして、同社や弟で最高経営責任者のボブも訴えられた[63]。
ワインスタインは、2018年5月25日にニューヨーク市警により、強姦などの容疑で逮捕・訴追された。100万ドルの保釈金を支払い釈放されたが、パスポートを没収され、GPS追跡装置の着用を義務付けられている[64]。またニューヨーク州とコネチカット州以外の地に赴くことを禁止された。
2019年に出版されたローナン・ファローの著書「Catch and Kill」では、ワインスタインが、密かに契約を結んだ出版社による偽装取材や元イスラエル諜報員による特殊技能のチーム等を通じてセクハラ被害者の情報を入手し、周辺調査により被害者のスキャンダルを入手したうえで、脅迫や買収によって自らのスキャンダル潰しを行おうとしたり、スキャンダルを調査しているメディアに圧力をかけるなどしていたと告発している。
2020年3月11日、ニューヨークの裁判所は、ワインスタインに対しレイプと性的暴行の罪で禁錮23年の刑を言い渡した[65]。
評価
ワインスタインは英国の映画産業への貢献が認められ、大英帝国勲章のコマンダーを授与された(その後、前述の刑事事件により褫奪[66])。また、ミラマックスでアメリカでの外国映画の存在と人気を高める努力をしたことが認められ、ニューヨークのフランス領事館より芸術文化勲章シュヴァリエ(騎士)が贈られた[67][68]。
オスカー・シーズンには自身の作品にアカデミー賞を受賞させるために積極的なキャンペーンを行っており、後に映画芸術科学アカデミーがそのような行為を禁止させるに至った[69]。
映画以外の活動
ワインスタインはエイズ、糖尿病、多発性硬化症などの問題に熱心である。彼は、ニューヨーク市の貧困問題に取り組む非営利団体であるボード・オブ・ロビン・フッドの会員である[68]。
民主党の支持者であり、2008年の大統領選ではヒラリー・クリントンを応援していると報じられた[70]。
私生活
2010年8月29日、妻のジョージナ・チャップマンが女児を出産した。その他にも前妻との娘が二人いる[71]。2017年10月10日、上述のセクハラ報道が原因でチャップマンがワインスタインとの離婚を決意したと報じられた[72]。
愛煙家であり、毎日数本のダイエットコークを愛飲している。
2020年3月22日、新型コロナウイルスの検査で陽性反応が検出され、収監されているニューヨーク州の刑務所内で隔離されていることが報じられた[73][74]。
性格・その他
- 「ハーヴェイ・シザーハンズ」とも揶揄されており、買い付けた作品をそのまま公開する事はまずなく、長期間に渡る再編集、再撮影、更にはマーケティング試写でのアンケート結果の数字が上昇するまで絶対に公開しないスタンスを取っている。日本映画『Shall we ダンス?』の買い付け後、1年近くにも及ぶこうしたプロセスが敢行された(周防正行監督著『Shall we ダンス?アメリカに行く』より。文春文庫刊)。なお、ミラマックス社の元重役のマーク・ギル(現ザ・フィルム・デパートメント社社長)はラジオのインタビューで「ハーヴェイ・シザーハンズとは私自身の事だ」と告白しており、ワインスタインの指示を請け負い、実際、再編集を実行していたのはギル自身であった事を明かした。
- 2013年1月10日、セス・マクファーレンとエマ・ストーンが第85回アカデミー賞のノミネート者を発表した。助演女優賞の候補者の中に、ワインスタイン・カンパニーが配給した『世界にひとつのプレイブック』に出演したジャッキー・ウィーヴァーの名前があった。ウィーヴァーは賞レースの前哨戦でほとんど名前が挙がっていなかったため、このことは少なからぬ驚きを持って受け止められたと共に、ワインスタインの猛烈なプロモーションの影響があったことが容易に推察された。5人の名前が読み上げられた後、マクファーレンは「おめでとう、皆さんはもうハーヴェイ・ワインスタインに媚びを売る必要はなくなりました。」と発言した[75][76]。当時、この発言は痛烈なジョークとして受け止められたが、この発言の裏には別の意味があった。ノミネーション発表以前に、マクファーレンは映画で共演した女優から「ワインスタインからホテルでセクハラを受けた」と相談されていた。ワインスタインを揶揄したのはその怒りと不快感を抑え込めなかったからだという[77]。
- 2013年、ハーヴェイと娘のリリーの発案で第85回アカデミー賞の作品賞をミシェル・オバマが発表することになった[注 2]。このことは当日まで授賞式のプロデューサーとホワイトハウスのスタッフしか知らなかった[78]。しかし、イランとアメリカの関係が悪化する中、作品賞が『アルゴ』[注 3]に渡ったこともあり、あらぬ憶測や「政治色が強い」という批判を招く結果となった[79]。
- 2014年、イギリスの人気グループワン・ダイレクションのメンバーであるハリー・スタイルズに「自分の3人の娘とデートすれば、好きなハリウッド映画に出演できる」と持ちかけて物議を醸した[80][81]。
- 2014年3月に開催された第86回アカデミー賞の授賞式において、司会のエレン・デジェネレスが会場のドルビー・シアターまで宅配ピザを頼んだ。そのチップの回収の際に、エレンから「ハーヴェイ、あなたお金持ちなんだからチップたくさん出してよ!」と言われた[82][注 4]。
主なプロデュース作品
- 『トゥルー・ロマンス』 - True Romance (1993)
- 『ブルー・イン・ザ・フェイス』 - Blue in the Face (1995)
- 『ビューティフル・ガールズ』 - Beautiful Girls (1995)
- 『ウェールズの山』 - The Englishman Who Went up a Hill but Came down a Mountain (1995)
- 『クロッシング・ガード』 - The Crossing Guard (1995)
- 『スクリーム』 - Scream (1996)
- 『イングリッシュ・ペイシェント』 - The English patient (1996)
- 『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』 - Good Will Hunting (1997)
- 『ゴッド・アーミー/復讐の天使』 - The Prophecy II (1997)
- 『もののけ姫』 - PRINCESS MONONOKE (1997) ※英語版・製作総指揮
- 『恋におぼれて』 - Addicted to Love (1997)
- 『ジャッキー・ブラウン』 - Jackie Brown (1997)
- 『ベルベット・ゴールドマイン』 - Velvet Goldmine (1998)
- 『ラウンダーズ』 - Rounders (1998)
- 『パラサイト』 - The Faculty (1998)
- 『恋におちたシェイクスピア』- Shakespeare in Love (1998)
- 『シーズ・オール・ザット』 - She's All That (1999)
- 『恋の骨折り損』 - Love's Labour's Lost (1999)
- 『最終絶叫計画』 - Scary Movie (2000)
- 『マレーナ』 - Malèna (2000)
- 『ショコラ』 - Chocolat (2000)
- 『スパイキッズ』 - Spy Kids (2001)
- 『アザーズ』 - Los Otros (2001)
- 『アイリス』 - Iris (2001)
- 『ロード・オブ・ザ・リング』 - The Lord of the Rings: The Fellowship of the Ring (2001)
- 『シッピング・ニュース』 - The Shipping News (2001)
- 『ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔』 - The Lord of the Rings: The Two Towers (2002)
- 『リベリオン』 - Equilibrium (2002)
- 『ギャング・オブ・ニューヨーク』 - Gangs of New York (2002)
- 『シカゴ』 - Chicago (2002)
- 『コンフェッション』 - Confessions of a Dangerous Mind (2002)
- 『セレブな彼女の落とし方』 - My Boss's Daughter (2003)
- 『キル・ビル』 - Kill Bill (2003)
- 『白いカラス』 - The Human Stain (2003)
- 『マスター・アンド・コマンダー』 - Master and Commander: The Far Side of the World (2003)
- 『バッドサンタ』 - Bad Santa (2003)
- 『ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還』 - The Lord of the Rings: The Return of the King (2003)
- 『コールド マウンテン』 - Cold Mountain (2003)
- 『華氏911』 - Fahrenheit 9/11 (2004)
- 『Shall We Dance?』 - Shall We Dance (2004)
- 『アビエイター』 - The Aviator (2004)
- 『ネバーランド』 - Finding Neverland (2004)
- 『世界で一番パパが好き!』 - Jersey Girl (2004)
- 『シン・シティ』 - Sin City (2005)
- 『ブラザーズ・グリム』 - The Brothers Grimm (2005)
- 『シャークボーイ&マグマガール 3-D』 - The Adventures of Sharkboy and Lavagirl in 3-D (2005)
- 『プルーフ・オブ・マイ・ライフ』 - Proof (2005)
- 『すべてはその朝始まった』 - Derailed (2005)
- 『ファクトリー・ガール』 - Factory Girl (2006)
- 『The FEAST/ザ・フィースト』 - Feast (2006)
- 『グレート・ディベーター 栄光の教室』 - The Great Debaters (2007)
- 『ヘルライド』 - Hell Ride (2008)
- 『正義のゆくえ I.C.E.特別捜査官』 - Crossing Over (2009)
- 『イングロリアス・バスターズ』 - Inglourious Basterds(2009)
- 『キャピタリズム〜マネーは踊る〜』 - CAPITALISM: A LOVE STORY (2009)
- 『英国王のスピーチ』 - The King's Speech (2010) ※配給のみ
- 『ザ・ファイター』 - The fignter (2010)
- 『アーティスト』 - The Artist (2011) ※配給のみ
- 『ジャンゴ 繋がれざる者』 - Django Unchained (2012)
- 『世界にひとつのプレイブック』 - Silver Linings Playbook (2012)
- 『ザ・マスター』 - The master (2012)
- 『ジャッキー・コーガン』 - Killing Them Softly (2012)
- 『8月の家族たち』 - August: Osage County (2013)
- 『フルートベール駅で』 - Fruitvale Station (2013)
- 『あなたを抱きしめる日まで』 - Philomena (2013)
- 『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』 - The Imitation Game (2014)
- 『ビッグ・アイズ』 - Big eyes (2014)
- 『はじまりのうた』 - Begin agein (2014)
- 『ダークハウス』 - Demonic (2015)
- 『LION/ライオン 〜25年目のただいま〜』 - Lion (2016)
- 『ゴールド/金塊の行方』 - Gold (2016)
出演作品
- 『アラン・スミシー・フィルム』 - An Alan Smithee Film: Burn Hollywood Burn (1997)
脚注
注釈
- ^ 物理学者のアインシュタイン(Einstein)の日本語での表記は、「シュタイン」がほとんどである。これは英語でも同じであり、おそらく本人自身の発音に基づいている
- ^ アメリカの映画俳優ジャック・ニコルソンと共同でのプレゼンター
- ^ イランアメリカ大使館人質事件におけるアメリカのCIAの活躍を描いた作品だが、イランから事実に反しているという批判が出た。
- ^ オスカー作品を多数輩出し、莫大なオスカーのキャンペーン費用を使うことで有名なハーヴェイをネタにした。
出典
- ^ 大学在学中に起業|オスカー荒らしと呼ばれた映画界のドン、ハーヴェイ・ワインスタインの凋落|エル・ガール オンライン
- ^ Harvey Weinstein Officially Arrested, Charged With Rape After Turning Himself In
- ^ Harvey Weinstein moved to maximum security prison to serve 23-year sentence The Irish Times, 2020-03-19
- ^ 🔶 How to Pronounce Harvey Weinstein (American Film Producer) - YouTube
- ^ How to Pronounce Harvey Weinstein - YouTube
- ^ Former Miramax Executive Describes Working For Harvey Weinstein as a 'Madhouse' 006秒
- ^ Pitt Warned Harvey Weinstein Not to Touch Gwyneth Paltrow Again 015秒、026秒、034秒など
- ^ Jane Fonda 'ashamed' she didn't call out W... 021秒
- ^ ジェーン・フォンダ氏、ワインスティーン氏について「早く言えばよかった」
- ^ ワインスティーン氏セクハラ問題 オスカー授与の米映画アカデミーが緊急協議へ BBCニュースからの翻訳、2017年10月12日 編集部注として、日本では「ワインスタイン」と表記されてきたが、本人や複数のハリウッド関係者の発音に沿って表記としている
- ^ 「#MeToo」のきっかけ 米映画プロデューサーに禁錮23年
- ^ ハリウッド発 #MeToo ~ワインスティーン スキャンダルの全貌~
- ^ The pronunciation of last names ending with -stein
- ^ a b Biskind, Peter (2004). Down and Dirty Pictures: Miramax, Sundance and the Rise of Independent Film. en:Simon & Schuster. pp. 463–464. ISBN 068486259X
- ^ Lurie, Rod. "Harvey Weinstein Gets My Criticism of "The Reader" Wrong" The Wrap, February 21, 2009
- ^ Mason, Ian Garrick (2004年10月11日). “When Harvey met Mickey”. New Statesman. 2007年1月11日閲覧。
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参考文献
ジョディ・カンター、ミーガン・トゥーイー『その名を暴け #MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い』古屋美登里訳、新潮社、2020年
関連項目
- ワインスタイン効果(en:Weinstein effect)
- MeToo
- Time's Up
- 『LAW & ORDER:性犯罪特捜班』 - シーズン18第11話"男性社会(Flight Risk)"は、ワインスタインのセクハラ事件を題材にしている。