胎内市
たいないし 胎内市 | |||||||
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国 | 日本 | ||||||
地方 |
中部地方、北陸地方 甲信越地方 | ||||||
都道府県 | 新潟県 | ||||||
市町村コード | 15227-7 | ||||||
法人番号 | 7000020152277 | ||||||
面積 |
264.89km2 | ||||||
総人口 |
26,854人 [編集] (推計人口、2024年10月1日) | ||||||
人口密度 | 101人/km2 | ||||||
隣接自治体 |
新発田市、村上市、岩船郡関川村 山形県西置賜郡小国町 | ||||||
市の木 | ヤマボウシ、マツ | ||||||
市の花 | チューリップ | ||||||
市の鳥 | ヤマセミ | ||||||
胎内市役所 | |||||||
市長 | 井畑明彦 | ||||||
所在地 |
〒959-2693 新潟県胎内市新和町2番10号 北緯38度03分35秒 東経139度24分37秒 / 北緯38.05969度 東経139.41033度座標: 北緯38度03分35秒 東経139度24分37秒 / 北緯38.05969度 東経139.41033度 | ||||||
外部リンク | 公式ウェブサイト | ||||||
ウィキプロジェクト |
胎内市(たいないし)は、新潟県の北部に位置する市。2005年9月1日に北蒲原郡中条町、黒川村の合併により発足。新発田市への通勤率は14.1%(平成22年国勢調査)。
地理
[編集]新潟県の北部に位置し、市域は胎内川流域に沿って東西に、「へ」の字に曲がった細長い形をしている。平野部の中条地区と、山間部の黒川地区の間に櫛形山脈があり、それを横切る形で胎内川が流れている。 典型的な扇状地であり、扇央部では胎内川の水は伏流水となるため、夏場の降雨の少ない時期は水無川となることがある。扇端部では、湧水が豊富で「どっこん水」と呼ばれている。
気候
[編集]冬の降水量(降雪量)は多いが、気温そのものはそれほど低くならず、アメダス中条地点の1月の平均最低気温は関東地方の内陸部と同程度である。一方、夏は平均値としてはアメダス東京地点や金沢地点よりもやや涼しい程度であるが、台風シーズンにフェーン現象による異常な高温を観測することがある。
- 2018年8月23日には台風20号等の影響で吹き込んだ南風がフェーン現象によって熱風となり、市内の中条アメダスで最高気温40.8°Cを観測。これは新潟県ならびに北陸地方の観測史上最高気温である[1]。
- 2019年8月15日には最高気温40.7°Cを観測。これは同年における国内最高気温であった。
- 2020年9月3日には最高気温40.0°Cを観測。同日最高気温40.4°Cを観測した三条市とともに、前述の40°C以上の最高気温を観測した時期の最も遅い記録を更新した。
- また、三条市と共に国内観測史上初めて同一の観測地点で3年連続して40°C以上の最高気温を観測した。
胎内市(中条地域気象観測所)の気候 | |||||||||||||
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月 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 年 |
最高気温記録 °C (°F) | 15.1 (59.2) |
22.1 (71.8) |
24.2 (75.6) |
31.7 (89.1) |
33.2 (91.8) |
36.3 (97.3) |
39.2 (102.6) |
40.8 (105.4) |
40.0 (104) |
33.7 (92.7) |
27.3 (81.1) |
20.8 (69.4) |
40.8 (105.4) |
平均最高気温 °C (°F) | 5.1 (41.2) |
5.9 (42.6) |
10.1 (50.2) |
16.6 (61.9) |
22.2 (72) |
25.7 (78.3) |
29.3 (84.7) |
31.3 (88.3) |
27.2 (81) |
21.1 (70) |
14.6 (58.3) |
8.4 (47.1) |
18.1 (64.6) |
日平均気温 °C (°F) | 2.4 (36.3) |
2.6 (36.7) |
5.8 (42.4) |
11.4 (52.5) |
17.0 (62.6) |
21.0 (69.8) |
24.9 (76.8) |
26.5 (79.7) |
22.4 (72.3) |
16.4 (61.5) |
10.4 (50.7) |
5.2 (41.4) |
13.9 (57) |
平均最低気温 °C (°F) | −0.2 (31.6) |
−0.5 (31.1) |
1.8 (35.2) |
6.5 (43.7) |
12.2 (54) |
17.0 (62.6) |
21.5 (70.7) |
22.7 (72.9) |
18.6 (65.5) |
12.4 (54.3) |
6.5 (43.7) |
2.1 (35.8) |
10.1 (50.2) |
最低気温記録 °C (°F) | −9.7 (14.5) |
−11.2 (11.8) |
−9.7 (14.5) |
−1.7 (28.9) |
4.0 (39.2) |
8.1 (46.6) |
12.9 (55.2) |
13.3 (55.9) |
9.0 (48.2) |
1.8 (35.2) |
−1.3 (29.7) |
−10.5 (13.1) |
−11.2 (11.8) |
降水量 mm (inch) | 266.6 (10.496) |
172.5 (6.791) |
143.8 (5.661) |
120.3 (4.736) |
126.8 (4.992) |
143.8 (5.661) |
241.4 (9.504) |
189.0 (7.441) |
172.7 (6.799) |
190.6 (7.504) |
255.9 (10.075) |
304.5 (11.988) |
2,331.2 (91.78) |
平均降水日数 (≥1.0 mm) | 26.4 | 21.5 | 18.5 | 13.0 | 12.1 | 11.1 | 13.8 | 11.3 | 13.5 | 15.6 | 20.3 | 25.0 | 202.4 |
平均月間日照時間 | 30.7 | 52.0 | 113.2 | 168.8 | 200.3 | 177.9 | 160.0 | 201.0 | 150.4 | 128.4 | 82.0 | 41.8 | 1,516.9 |
出典:気象庁 (平均値:1991年-2020年、極値:1978年-現在)[2][3] |
歴史
[編集]市名の由来
[編集]市域を流れる胎内川に由来する。合併にともなう新市名称の公募で「胎内市」が応募数1位であり、選定基準を満たすことから決定した[4]。
沿革
[編集]人口
[編集]胎内市と全国の年齢別人口分布(2005年) | 胎内市の年齢・男女別人口分布(2005年) | |||||||||||||||||||||||||||||||||
■紫色 ― 胎内市
■緑色 ― 日本全国 |
■青色 ― 男性
■赤色 ― 女性 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
胎内市(に相当する地域)の人口の推移
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総務省統計局 国勢調査より |
行政
[編集]代 | 氏名 | 就任年月日 | 退任年月日 |
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初-3代 | 吉田和夫 | 2005年10月2日 | 2017年10月1日 |
4代- | 井畑明彦 | 2017年10月2日 | 現職 |
議会
[編集]定数16[6]
経済
[編集]農業
[編集]稲作を中心に、野菜類、花き栽培、養豚・養鶏などの畜産、果樹栽培も盛んである。主なものは以下の通りである。
- やわ肌ねぎ(長ネギ)
- チューリップ
- 胎内高原ワイン - 2003年に黒川村(当時)主導でブドウ栽培が始まり、2007年に醸造施設「胎内高原ワイナリー」が設立されてワイン生産が始まった[7]。
- タノブラック、タノレッド(ぶどう)
軽工業
[編集]鉱工業
[編集]平野部の中条地区では石油を背景とした工業が発展し、現在でも工場が数多く立地している。主なものは以下の通りである。
発電
[編集]胎内川のダムを利用して新潟県が設置・管理する胎内第一~第四水力発電所が稼働中である。
沿岸部には風力発電所が立地している。
- 日立ウィンドパワー 中条風力発電所(日立産機システム中条事業所内、1990 kW×1基)[8][9]
- JEN胎内ウィンドファーム(伊藤忠エネクスの孫会社[10]) 胎内風力発電所(2000 kW×10基)[8]
このほか、当市沖から村上市沖にかけての海域で洋上風力発電の計画が進められており、2021年9月には「有望な区域」として国から選定を受けた[11][12]。
ライフライン
[編集]- 東北電力ネットワーク(電気)
- 新発田ガス(都市ガス)
観光
[編集]山間部の黒川地区では、旧黒川村時代から積極的な観光開発が行われており、四季を通じて観光産業が盛んである。パラグライダーを楽しむことができる。
商業
[編集]3・8のつく日に熊野若宮神社前で六斎市「中条市」(胎内市露店市場)が開催される[13]。
姉妹都市・提携都市
[編集]国内
[編集]- 旧・中条町が旧・境川村と姉妹都市提携。
海外
[編集]- 旧・中条町が姉妹都市提携。
教育
[編集]専門学校・各種学校
[編集]- 新潟インターナショナルハイスクール
- かつて、つつじヶ丘地区にインターナショナル留学カレッジという専門学校が存在した。元は1988年に南イリノイ大学カーボンデール校の分校「南イリノイ大学新潟校」として開校し、のちNSGグループの傘下となり名称変更。学生数減少などにより2007年3月をもって閉校した。
高等学校
[編集]中学校
[編集]- 中条中学校(中条・胎内小学校区)
- 乙中学校(きのと小学校区)
- 築地中学校(築地小学校区)
- 黒川中学校(黒川小学校区)
小学校
[編集]- 中条小学校
- 胎内小学校
- きのと小学校
- 築地小学校
- 黒川小学校
その他の教育施設
[編集]- 新潟県少年自然の家
交通
[編集]鉄道路線
[編集]高速バス
[編集]かつては新潟市と山形市を結ぶZao号が胎内BSに停車していたが、胎内BSは2020年3月に廃止となりZao号は市内に停車しなくなった。
路線バス
[編集]新潟交通観光バスなどによる路線バスは2017年9月までに全て廃止となり、以下の2つの公共交通に再編された。
- 予約型のりあい自動車「のれんす号」
- 市内ほぼ全域を網羅するデマンド型交通である。
- 無料観光バス「くるっと胎内」
道路
[編集]高速道路
[編集]一般国道
[編集]道の駅
[編集]名所・旧跡・観光スポット・祭事・催事・ご当地グルメ・スポーツ
[編集]名所・旧跡・観光スポット
[編集]- 乙寶寺 - 三重塔は国の重要文化財
- 奥山荘城館遺跡:国の史跡[17]
- 鳥坂城
- 江上館跡
- 奥山荘歴史館
- 城の山古墳:国の史跡
- 胎内観音
- 地本水芭蕉群生地(絶滅危惧種のイバラトミヨが生息する)
- シンクルトン記念公園(黒川油田)
- きのと観光物産館
温泉・レジャー
[編集]胎内川沿いはリゾートとして開発されており、胎内スキー場、ゴルフ場、天文台、ホテルなどがある[18]。
- 胎内リゾート(胎内平エリア)
- ロイヤル胎内パークホテル
- 国設胎内スキー場
- 胎内フラワーパーク
- 胎内フィッシングパーク
- 胎内高原ビール園
- 胎内昆虫の家
- クレーストーン博士の館
- 胎内自然天文館
- スポーツハウスキャンプ場(胎内平キャンプ場)
- 胎内平MTBエンジョイパーク - 2020年オープン[19]
- 胎内リゾート(樽ケ橋エリア)
- 塩の湯温泉
- 越後の里親鸞聖人総合会館西方の湯
- 日本海カントリークラブ
- 村松浜海水浴場
祭事・催事
[編集]- 胎内検定(体験型のご当地検定)
- チューリップフェスティバル(4月下旬 - 5月上旬)
- 胎内星まつり(8月下旬の金曜日 - 日曜日)
- 黒川祭(8月31日 - 9月1日)
- 中条祭り(9月3日 - 6日)
- 中秋の名月・板額の宴(9月中旬)
- いいもんまつり(11月)
ご当地グルメ
[編集]- 胎内黒豚バーガー
- 胎内黒豚らぁめん
- 白鳥(黄餡をマシュマロ生地で包んだ菓子、封のシールには郷土銘菓と書かれている)
- 乙まんじゅう
- 幸内商店
スポーツ
[編集]出身人物
[編集]- 板額御前(女武将)
- 山本善政(ハードオフコーポレーション創業者・会長兼社長、日本フランチャイズチェーン協会会長)
- 本間勲 (サッカー選手)
- 三國万里子 (編み物作家)
- なかしましほ (料理研究家)
- 大平實 (彫刻家)
- 水橋千佳子 (女優、舞台制作)
- 高橋正和 (アナウンサー)
- 愛田武 (実業家)
- 金子ボボ (NAMARAの芸人)
- 白寂 (DJ)
- 長谷川玲奈 (声優、タレント、元NGT48) ※胎内市観光PR大使(2019年9月1日 - 2020年8月31日)
- 板垣優稀 (声優) 生まれは村上市
- 椎野新 (プロ野球選手)
- 須貝龍(フリースタイルスキー選手)
- 吉田和夫(政治家)
- 相馬庸郎(日本文学研究者)
ゆるキャラ
[編集]脚注
[編集]- ^ “新潟・胎内で40.8度=北陸初の40度台-気象庁”. 時事ドットコム. 2018年8月23日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “平年値(年・月ごとの値)”. 気象庁. 2021年7月11日閲覧。
- ^ “観測史上1~10位の値(年間を通じての値)”. 気象庁. 2021年7月11日閲覧。
- ^ 胎内市の合併経過新潟県
- ^ 新潟県:任期満了日(定数)一覧
- ^ “胎内市議選、9月23日投開票に”. 新潟日報. 2018年12月9日閲覧。[リンク切れ]
- ^ “市直営ワイナリーで町おこし(胎内市)―国内品評会で金賞受賞(信越巡って発見)”. 日本経済新聞: p. 22 地方経済面 新潟. (2016年7月14日)
- ^ a b “新潟県新発田市、胎内市の海岸線に並ぶ風力発電機”. にいがた経済新聞. (2020年6月27日)
- ^ “低風速にも向く発電システム、新潟県で2MW”. ITmedia. (2014年3月24日)
- ^ 『当社連結子会社による風力発電事業の株式取得に関するお知らせ』(プレスリリース)伊藤忠エネクス、2013年12月25日 。
- ^ “村上・胎内沖 洋上風力の有望区域に 国が選定 県内初”. 新潟日報. (2021年9月14日). オリジナルの2021年10月4日時点におけるアーカイブ。
- ^ 「洋上風力発電事業について」(PDF)『市報たいない』第379号、胎内市、2021年10月1日、7頁。
- ^ “中条中心部”. 阿賀北の文化・歴史ガイドマップ(胎内市編). 新潟県新発田地域振興局 企画振興部. 2024年6月15日閲覧。
- ^ “新潟・胎内市、無料観光バス運行 外国人客を誘致”. 日本経済新聞. (2019年4月22日)
- ^ 胎内市・観光周遊バス ホリデー胎内 ご利用案内 平成22年4月1日改正 - 胎内市(アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
- ^ H24 胎内市地域公共交通協議会の会議資料 - 胎内市(アーカイブ) - 国立国会図書館Web Archiving Project
- ^ 胎内市文化財一覧表 - 胎内市.2019年5月17日閲覧。
- ^ 第2次胎内リゾート活性化マスタープラン(全体版) - 胎内市.2019年5月17日閲覧。
- ^ “マウンテンバイクコース 胎内に誕生 5日オープン 有志が手弁当で整備”. 新潟日報. (2020年9月3日). オリジナルの2020年9月3日時点におけるアーカイブ。
関連項目
[編集]- 伊藤孝二郎
- 日本の地方公共団体一覧
- 胎内検定
- やらにゃん
- そにアニ -SUPER SONICO THE ANIMATION- - 第7話の舞台が胎内市。 実在する中条駅やイベントである星祭りが登場する。
- 唐物抜荷事件
外部リンク
[編集]- 胎内市に関連する地理データ - オープンストリートマップ
- 行政
- 公式ウェブサイト
- 胎内市広報 (@tainaisi_koho) - X(旧Twitter)
- 胎内市 (tainaicity) - Facebook
- 新潟県新発田地域振興局
- 観光