コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

良川駅

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
良川駅
駅舎(2020年7月)
よしかわ
Yoshikawa
能登部 (2.8 km)
(2.2 km) 能登二宮
地図
所在地 石川県鹿島郡中能登町良川17部3-1
北緯36度58分35.94秒 東経136度53分40.35秒 / 北緯36.9766500度 東経136.8945417度 / 36.9766500; 136.8945417座標: 北緯36度58分35.94秒 東経136度53分40.35秒 / 北緯36.9766500度 東経136.8945417度 / 36.9766500; 136.8945417
所属事業者 西日本旅客鉄道(JR西日本)
所属路線 七尾線
キロ程 43.9 km(津幡起点)
金沢から55.4 km
電報略号 ヨシ
駅構造 地上駅
ホーム 2面2線[1]
乗車人員
-統計年度-
260[乗車人員 1]人/日(降車客含まず)
-2020年-
開業年月日 1901年明治34年)6月15日[1][2]
備考 無人駅[3][4][5]
テンプレートを表示

良川駅(よしかわえき)は、石川県鹿島郡中能登町良川にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)七尾線である[1]

鳥屋町の中心で現在も中能登町の中心部に一番近い駅となっている。

歴史

[編集]

1898年(明治31年)4月24日に七尾鉄道線は開業したが[6]、当初鹿島郡鳥屋村においては駅の設置は行われず、同村役場内の良川区長であった門野又六は熱心に同地区内における駅開設を唱導したものの、これに反対する声が役場内に大きく実現しなかった[7]。しかし、門野の主張に共感する者は漸次村内においても増加し、殊に当時村内において「いのち」と渾名されていた栗山仁三郎の宣伝が功を奏し、1900年(明治33年)11月に村役人一同が集会して、良川地区内における駅開設の誘致の姿勢が示された[7]

しかるに七尾鉄道においては同村内の黒氏地区内における駅開設を予定しており[8]、既に同地区内においては地均しの工事が開始されていたので、門野は同社の筆頭株主たる前田侯爵家の家従であった羽野音造が血縁関係であったことを利用して侯爵に対し請願を行い、黒氏地区内における駅開設工事は中断され、良川駅の開設が決定された[7]。開設にあたっては、地元住民による多大な土地の寄附や労力の提供が行われ、同村内の神社や薬師堂内の木々も伐採されてその開設費用に充当されたという[8]。こうして1901年(明治34年)6月15日に当駅は一般駅として開業するに至った[9]

開設当時には村民提供による農地の真中にあったが、やがて駅周辺には各種事業所等が進出し、繁華街を形成するに至った[10]1922年大正11年)に一日平均188人であった乗客は、1937年(昭和12年)には314人、1952年(昭和27年)には971人にまで増加し、駅周辺における人々の生活圏が拡大した[10]。戦後に至って開業時の駅舎の老朽に鑑み、鳥屋町民は良川駅改築期成同盟会を結成[8]1956年(昭和31年)1月に駅舎改築工事を完了した[11]。こののち1959年(昭和34年)には一日平均1274人の乗客数を記録している[12]

駅構造

[編集]
ホーム(2010年3月)

相対式ホーム2面2線[22]を有する地上駅である[1][2]バラスト積載用のホームを備えた側線が設けられている[22]。ホーム間は跨線橋で結ばれている[1]

下りホーム側に駅舎(西口)、上りホーム側に東口がある[1]。東口は駅舎がなく、待合室が設置されている。七尾鉄道部が管理する無人駅であるが[3][4][5]、以前は中能登町が窓口業務を受託する簡易委託駅となっていた[1]。2021年3月13日からICOCAなどの全国相互利用サービスに対応し、ICカード専用の簡易改札機が設置されている[19][20][21]

のりば

[編集]
のりば 路線 方向 行先 備考
1 七尾線 下り 七尾方面  
2 上り 津幡金沢方面 ただし特急のみ1番のりば
付記事項
  • 1番のりば(下り線)が一線スルー化されており[2]列車交換を行わない通過列車については、上り列車も1番のりばを通過する[1]
  • 上下線とも両方向の入線・発車に対応している[22]。ただし、一般的な一線スルーとは異なり、上りと下りの本線は分けられている。当駅には特急「能登かがり火」の上下1本ずつが停車するが、すべて1番のりばに停車する。

利用状況

[編集]

2020年(令和2年)度の1日平均乗車人員260人である[乗車人員 1]

「石川県統計書」によると、近年の1日平均乗車人員の推移は以下の通り。

年度 1日平均
乗車人員
出典
1995年 451 [乗車人員 2]
1996年 419 [乗車人員 3]
1997年 354 [乗車人員 4]
1998年 367 [乗車人員 5]
1999年 370 [乗車人員 6]
2000年 376 [乗車人員 7]
2001年 357 [乗車人員 8]
2002年 357 [乗車人員 9]
2003年 348 [乗車人員 10]
2004年 346 [乗車人員 11]
2005年 333 [乗車人員 12]
2006年 331 [乗車人員 13]
2007年 322
2008年 305
2009年 289
2010年 291
2011年 271
2012年 274
2013年 312
2014年 303
2015年 306
2016年 299
2017年 322
2018年 338
2019年 321 [乗車人員 14]
2020年 260 [乗車人員 1]

駅周辺

[編集]

駅東口側には無料の駐車場が用意されている。

バス路線

[編集]
北鉄能登バス
中能登町コミュニティバス「おりひめバス」[23]

隣の駅

[編集]

※特急「能登かがり火」(当駅には一部のみ停車)の隣の停車駅は列車記事を参照のこと。

西日本旅客鉄道(JR西日本)
七尾線
能登部駅 - 良川駅 - 能登二宮駅

脚注

[編集]

出典

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i 『週刊 JR全駅・全車両基地』 43号 富山駅・高岡駅・和倉温泉駅ほか、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2013年6月16日、27頁。 
  2. ^ a b c d 川島 2010, p. 55.
  3. ^ a b c d 広報なかのと 令和3年3月号” (PDF). 中能登町役場情報推進課. p. 5 (2021年2月25日). 2021年9月27日閲覧。
  4. ^ a b c “3月で6駅無人化 七尾・北陸線 JR西、利用減少”. 北國新聞 (北國新聞社). (2021年2月27日). オリジナルの2021年2月27日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210227000440/https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/342529 2021年2月27日閲覧。 
  5. ^ a b c “七尾線の高松駅 無人化で住民「寂しい」”. 北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ(北國新聞). (2021年3月13日). https://www.hokurikushinkansen-navi.jp/pc/news/article.php?id=NEWS0000026832 2021年9月27日閲覧。 
  6. ^ 鉄道省編、『日本鉄道史 中編』(601頁)、1921年(大正10年)、鉄道省
  7. ^ a b c 門野実、『良川の郷土史』(197から198頁)、1961年(昭和36年)1月、門野実(発行)
  8. ^ a b c 若林喜三郎、『鳥屋町史』(502から503頁)、1955年(昭和30年)1月、鳥屋町
  9. ^ a b 石野哲、『停車場変遷大事典 国鉄・JR編Ⅱ』(153頁)、1998年(平成10年)10月、JTB
  10. ^ a b 鹿島町史編纂専門委員会編、『鹿島町史 通史・民俗編』(738から739頁)、1985年(昭和60年)8月、鹿島町
  11. ^ a b 門野実、『良川の郷土史』(199頁)、1961年(昭和36年)1月、門野実(発行)
  12. ^ 鹿島町史編纂専門委員会編、『鹿島町史 通史・民俗編』(741頁)、1985年(昭和60年)8月、鹿島町
  13. ^ a b 朝日 2010, p. 19.
  14. ^ 昭和46年日本国有鉄道公示第438号(『官報』、1971年(昭和46年)11月9日)
  15. ^ 「CTC化と合わせ あすから 七尾線の営業近代化実施」『交通新聞』交通協力会、1972年3月14日、1面。
  16. ^ 昭和49年日本国有鉄道公示第208号(『官報』、1974年(昭和49年)9月12日)
  17. ^ 昭和59年日本国有鉄道公示第174号(『官報』、1984年(昭和59年)1月30日)
  18. ^ “「ハナミズキ」駅メロに JR七尾線7駅、来月から”. 北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ(北國新聞). (2015年3月27日). https://www.hokurikushinkansen-navi.jp/pc/news/article.php?id=NEWS0000001579 2021年9月27日閲覧。 
  19. ^ a b 七尾線でICOCAがご利用いただけるようになります! e5489で「チケットレス特急券」「eチケットレス特急券」を導入します!』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2020年12月18日。オリジナルの2020年12月18日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20201218120607/https://www.westjr.co.jp/press/article/items/201218_00_ticketless_hokuriku.pdf2020年12月19日閲覧 
  20. ^ a b JR七尾線、普通列車を新型車両に統一「ICOCA」サービスがスタート”. マイナビニュース (2020年12月19日). 2021年9月27日閲覧。
  21. ^ a b “変わる能登の鉄路 JR七尾線・イコカ利用開始、高松駅は無人化、全車両ワンマン化”. 北國新聞 (北國新聞社). (2021年3月14日). オリジナルの2021年3月14日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20210314095326/https://www.hokkoku.co.jp/articles/-/356080 2021年3月24日閲覧。 
  22. ^ a b c 川島 2010, p. 37.
  23. ^ 中能登町おりひめバス・デマンドタクシー時刻表 (PDF) - 中能登町

乗車人員

[編集]
  1. ^ a b c 令和2年石川県統計書” (PDF). 石川県. p. 104 (2022年6月). 2023年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月9日閲覧。
  2. ^ 平成7年石川県統計書” (PDF). 石川県. p. 112 (1997年3月). 2023年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月9日閲覧。
  3. ^ 平成8年石川県統計書” (PDF). 石川県. p. 108 (1998年3月). 2023年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月9日閲覧。
  4. ^ 平成9年石川県統計書” (PDF). 石川県. p. 108 (1999年2月). 2023年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月9日閲覧。
  5. ^ 平成10年石川県統計書” (PDF). 石川県. p. 108 (2000年2月). 2023年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月9日閲覧。
  6. ^ 平成11年石川県統計書” (PDF). 石川県. p. 108 (2001年3月). 2023年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月9日閲覧。
  7. ^ 平成12年石川県統計書” (PDF). 石川県. p. 108 (2002年3月). 2023年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月9日閲覧。
  8. ^ 平成13年石川県統計書” (PDF). 石川県. p. 108 (2003年3月). 2023年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月9日閲覧。
  9. ^ 平成14年石川県統計書” (PDF). 石川県. p. 108 (2004年3月). 2023年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月9日閲覧。
  10. ^ 平成15年石川県統計書” (PDF). 石川県. p. 108 (2005年3月). 2023年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月9日閲覧。
  11. ^ 平成16年石川県統計書” (PDF). 石川県. p. 108 (2006年3月). 2023年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月9日閲覧。
  12. ^ 平成17年石川県統計書” (PDF). 石川県. p. 108. 2023年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月9日閲覧。
  13. ^ 平成18年石川県統計書” (PDF). 石川県. p. 106 (2008年3月). 2023年2月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年2月9日閲覧。
  14. ^ 令和元年石川県統計書” (PDF). 石川県. p. 104 (2021年3月). 2021年4月12日閲覧。

参考文献

[編集]
  • 『週刊歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR 48 小浜線 舞鶴線・七尾線 氷見線・城端線 越美北線』朝日新聞出版、2010年6月27日。 
  • 川島令三『【図説】日本の鉄道中部ライン全線・全駅・全配線 第6巻 加賀温泉駅 - 富山エリア』講談社、2010年9月20日。ISBN 978-4-06-270066-5 

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]