和倉温泉駅
和倉温泉駅[* 1] | |
---|---|
駅舎(2022年4月9日撮影) | |
わくらおんせん Wakuraonsen | |
所在地 | 石川県七尾市石崎町タ55-3 |
所属事業者 |
西日本旅客鉄道(JR西日本) のと鉄道 |
電報略号 | ワク |
駅構造 | 地上駅 |
ホーム | 2面2線[2] |
乗車人員 -統計年度- |
(JR西日本)438人/日 (のと鉄道)200人/日(降車客含まず) -2019年- |
開業年月日 | 1925年(大正14年)12月15日[1][3] |
乗入路線 2 路線 | |
所属路線 | ■七尾線[* 2](JR西日本) |
キロ程 |
59.5 km(津幡起点) 金沢から71.0 km |
◄七尾 (5.1 km) | |
所属路線 | ■七尾線[* 2](のと鉄道) |
キロ程 | 5.1 km(七尾起点) |
◄七尾 (5.1 km) (3.5 km) 田鶴浜► | |
備考 |
共同使用駅(JR西日本の管轄駅) 無人駅[注釈 1][4][5][6] みどりの券売機プラス設置駅[7][6] |
和倉温泉駅(わくらおんせんえき)は、石川県七尾市石崎町にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)・のと鉄道の駅である[2]。
概要
[編集]能登地方の代表的な温泉である和倉温泉への最寄駅。2015年の有間川駅のえちごトキめき鉄道移管に伴い、JR西日本管内で最も北に位置する駅となり(2023年時点)[8]、中日本のJR線の駅では最北端に位置する[注釈 2]。また、同時に寝台特急「トワイライトエクスプレス」が廃止されたため、JR西日本の自社車両が定期運用で乗り入れる駅としても最北端となった[注釈 3]。事務管コードは▲541820[9]。JR西日本七尾鉄道部管理の無人駅[7][6]。
1925年に鉄道省七尾線が延伸した際に「和倉駅」として開業した(1928年までは終点駅)[1][10]。1980年に「和倉温泉駅」に改称され、1987年からJR西日本の駅となった[1]。 国鉄時代は貨物の取り扱いもあり、当駅近隣にあるイソライト工業の貨物運送のため陶器車も常備車として在籍していた。同駅から約500mほど枝分かれしたイソライト工業への引込線も貨物取扱廃止時まで営業していて、専用のディーゼル入替機関車が工場と駅を往復していた。[要出典] 1991年に七尾線が当駅まで電化されるのと同時に、路線の北半分がのと鉄道に経営移管され、JR七尾線の終点駅は当駅、のと鉄道七尾線の起点駅は1駅南の七尾駅となり(当駅は国鉄・JRとしては63年ぶりに終点駅に戻ったことになる)、七尾駅 - 当駅間はJRとのと鉄道の共用区間となった[1][11][12]。その際、普通列車は七尾駅を境に系統分離して金沢駅 - 七尾駅間はJR、七尾駅 - 穴水駅 - 輪島駅間はのと鉄道が運行することとし、共用区間ではJRは特急列車のみの運行となった[1]。
したがって当駅には、金沢駅から七尾線に直通する当駅発着のJRの特急列車と、七尾駅を起点とするのと鉄道の普通列車のみが乗り入れている[1][10]。かつては、大阪駅、名古屋駅、越後湯沢駅からJRの特急列車が乗り入れていたが、北陸新幹線開業により廃止され、金沢以遠への直通列車は消滅した。
歴史
[編集]- 1925年(大正14年)12月15日:鉄道省(のちの日本国有鉄道)七尾線の七尾駅 - 当駅間延伸により[13]、和倉駅(わくらえき)として開業[1][3][14]。一般駅[15]。
- 1928年(昭和3年)10月31日:七尾線が当駅から能登中島駅まで延伸し、途中駅となる[1]。
- 1947年(昭和22年)10月28日:石川県内に昭和天皇の戦後巡幸。金沢駅発、和倉駅着のお召し列車が運行[16]。
- 1976年(昭和51年)8月1日:貨物の取扱を廃止[15]。
- 1980年(昭和55年)
- 1983年(昭和58年)5月23日:石川県で開催された全国植樹祭に昭和天皇が行幸。和倉温泉駅発、小松駅着でお召し列車が運行[18]。
- 1987年(昭和62年)4月1日:国鉄分割民営化に伴い、西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅となる[1][14][15]。
- 1989年(平成元年)4月1日:みどりの窓口営業開始[19]。
- 1991年(平成3年)9月1日:津幡駅から当駅まで直流電化[1][14]。非電化区間(当駅 - 輪島駅間)は西日本旅客鉄道からのと鉄道に移管[1]。両社の共同使用駅となる[20]。
- 2015年(平成27年)10月3日:当駅を発着する観光列車「花嫁のれん」の運行を開始[21][22][23][24]。
- 2016年(平成28年)5月22日:待合室内の「キオスク」が閉店。
- 2017年(平成29年)3月2日:改修工事終了[25][26]。
- 2021年(令和3年)
- 2022年(令和4年)3月12日:無人駅となる[注釈 1][7][4][5][6][31]。みどりの券売機プラスを導入[7][4][5][6]。
- 2024年(令和6年)
駅構造
[編集]相対式ホーム2面2線を持ち[35]、列車交換が可能な地上駅[2][3]。コンクリート2階建の駅舎を備える。1番のりば側に駅舎があり、2番のりばへは跨線橋で連絡している[2]。
JR用の自動券売機、みどりの券売機プラス(七尾線内では唯一えきねっとで予約したきっぷ受け取りが可能)が設置されている[7][4][5][6]。のと鉄道の自動券売機は2022年の駅の無人化に伴い撤去されている。2021年3月13日から七尾・金沢方面のみJRの特急を利用する場合に限りICOCAなどの全国相互利用サービスに対応した交通系ICカードが利用可能となっている[28][29]。ただし、当駅 - 七尾駅間をのと鉄道の列車では利用できない(七尾駅で乗り換えて徳田駅以遠にまたがってICOCAエリア内を乗車する場合を含む)[28][30]。
のりば
[編集]のりば | 路線 | 方向 | 行先 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1・2 | ■JR七尾線 | 上り | 七尾・金沢方面 | 「能登かがり火」「花嫁のれん」 |
■のと鉄道七尾線 | 七尾行き | 普通 特急「のと里山里海号」 | ||
下り | 穴水方面 | 普通 特急「のと里山里海号」 |
- 付記事項
- のと鉄道の普通列車は基本的に上下線とも1番のりばに停車するが、1番のりばに特急列車が停車している間は2番のりばに停車する[36]。また、列車交換を行う場合は七尾行き(上り)が1番のりば、穴水方面(下り)が2番のりばに停車する。
- 入線メロディは七尾線内のほかの駅とは異なり、「和倉音頭」が使用されている[36]。
-
駅前(2012年8月)
-
駅入口(改修前)
-
改札前に展示されている「花嫁のれん」
-
ホーム(2007年8月)
-
到着する観光列車「花嫁のれん」
利用状況
[編集]「石川県統計書」によると、近年の1日平均乗車人員は以下の通りである。
年度 | 乗車人員 (人/日) |
年度 | 乗車人員 (人/日) |
年度 | 乗車人員 (人/日) | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
JR西日本 | のと鉄道 | JR西日本 | のと鉄道 | JR西日本 | のと鉄道 | |||
2001 | 647 | 416 | 2011 | 382 | 230 | |||
2002 | 588 | 329 | 2012 | 384 | 230 | |||
2003 | 546 | 296 | 2013 | 410 | 233 | |||
2004 | 548 | 290 | 2014 | 422 | 253 | |||
1995 | 1,033 | 637 | 2005 | 460 | 274 | 2015 | 626 | 263 |
1996 | 959 | 560 | 2006 | 489 | 265 | 2016 | 556 | 212 |
1997 | 875 | 581 | 2007 | 461 | 251 | 2017 | 515 | 205 |
1998 | 751 | 552 | 2008 | 455 | 277 | 2018 | 466 | 194 |
1999 | 708 | 534 | 2009 | 406 | 259 | 2019 | 438 | 200 |
2000 | 704 | 507 | 2010 | 400 | 252 | |||
出典:石川県統計書 七尾市統計書 |
駅周辺
[編集]駅のロータリーは、石川県道1号七尾輪島線と 石川県道248号和倉和倉停車場線が丁字型に交差する部分にある。石川県道248号和倉和倉停車場線を北に向かい、「和倉温泉東」交差点をさらに進むと 和倉温泉の温泉街に至る。「和倉温泉東交差点」から東に 石川県道47号七尾能登島公園線で能登島大橋をわたると能登島に至る。
また、駅から東には石川県道133号石崎港線が伸びている。
- 駅北
- 石崎郵便局
- 七尾市立石崎小学校
- 七尾市立能登香島中学校
- 和倉昭和博物館とおもちゃ館
- 和倉温泉お祭り会館
- イソライト珪藻土記念館
- 和倉温泉
- 国道249号
- 能登島大橋
- 駅南
- 七尾鹿島消防本部和倉消防署
- 和倉ゴルフ倶楽部
- 田鶴浜道路和倉インターチェンジ
-
能登島大橋
-
和倉温泉
バス路線
[編集]駅前に北鉄能登バス・能登島交通・丸一観光の「和倉温泉駅前」バス停がそれぞれ設置されている[37][38][39]。
隣の駅
[編集]- 西日本旅客鉄道(JR西日本)
- ■七尾線
- 普通列車の設定がないため、施設上の隣の駅を記載する。
- 七尾駅 -
(小島信号場)- 和倉温泉駅打消線は廃止信号場
- のと鉄道
- ■七尾線
- 七尾駅 - 和倉温泉駅 - 田鶴浜駅
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ a b ただし、午前10時前後は当面、七尾駅員を1人配置している[4][6]。
- ^ 中日本最北端の駅は石川県最北端でもあるのと鉄道の穴水駅。広義の中部地方の最北端の駅は新潟県村上市にある羽越線の府屋駅。
- ^ 最西端は川内駅(在来線は梅ヶ峠駅)、最南端は鹿児島中央駅(在来線は串本駅)で、山陽・九州新幹線のN700系が、最東端は上野駅(在来線は東京駅)で、北陸新幹線のW7系がそれぞれ乗り入れ。
- ^ のと鉄道の窓口は、翌4月1日から七尾駅のと鉄道のりば付近に移転した。
- ^ 和倉線の支線、「石崎漁港」発着便は「和倉温泉駅」バス停より1つ七尾駅寄りの「石崎口」バス停を経由し、「和倉温泉駅」は経由しない。
出典
[編集]- ^ a b c d e f g h i j k l m n 全駅43号、p.11。
- ^ a b c d 全駅43号、p.27。
- ^ a b c 川島 2010, p. 56.
- ^ a b c d e “粟津、和倉温泉駅 3月12日無人化 JR西、乗降客減少 利便性の確保住民求める声”. 北國新聞 (北國新聞社). (2022年2月11日). オリジナルの2022年2月11日時点におけるアーカイブ。 2022年2月11日閲覧。
- ^ a b c d “和倉温泉駅、3月無人化 「話せる券売機」設置 JR西検討、利用者から戸惑いの声”. 北國新聞 (北國新聞社). (2022年1月19日). オリジナルの2022年1月19日時点におけるアーカイブ。 2022年1月19日閲覧。
- ^ a b c d e f g “JRダイヤ改正で無人化 「話せる券売機」始動 和倉温泉駅(石川県)”. 北國新聞 (北國新聞社). (2022年3月12日). オリジナルの2022年3月13日時点におけるアーカイブ。 2022年3月13日閲覧。
- ^ a b c d e 『みどりの券売機プラス 導入日決定のご案内』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2022年2月10日。オリジナルの2022年2月10日時点におけるアーカイブ 。2022年2月10日閲覧。
- ^ “データで見るJR西日本2020 駅” (PDF). 西日本旅客鉄道. p. 91 (2020年9月). 2021年5月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年9月15日閲覧。
- ^ 日本国有鉄道旅客局(1984)『鉄道・航路旅客運賃・料金算出表 昭和59年4月20日現行』。
- ^ a b 朝日 2010, p. 19.
- ^ 朝日 2010, p. 26.
- ^ “のと鉄道に「いろは」順で名づけられた49のトンネルがあった”. マイナビニュース (2018年2月24日). 2021年9月15日閲覧。
- ^ 『中島町史 通史編』中島町役場、1996年3月28日、677頁。
- ^ a b c d 朝日 2011, p. 21.
- ^ a b c d 『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』JTB、1998年10月1日、153頁。
- ^ 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、98頁。ISBN 978-4-10-320523-4。
- ^ “グンと広くスマートに 七尾線和倉温泉駅が新装オープン”. 交通新聞 (交通協力会): p. 2. (1980年7月12日)
- ^ 原武史『昭和天皇御召列車全記録』新潮社、2016年9月30日、153頁。ISBN 978-4-10-320523-4。
- ^ 『JR金沢支社、みどりの窓口増設』平成元年2月22日日本経済新聞地方経済面北陸[要ページ番号]
- ^ 朝日 2011, p. 20.
- ^ “JR西日本、七尾線観光列車「花嫁のれん」公開”. トラベルWatch (2015年8月21日). 2021年9月15日閲覧。
- ^ “「トワイライトエクスプレス」団臨が北陸本線を走行! 北陸DC開催概要を発表”. マイナビニュース (2015年8月25日). 2021年9月15日閲覧。
- ^ “チャン知り 2015年09月10日 七尾線観光列車「花嫁のれん」の魅力”. あさチャン. TBSテレビ (2015年9月10日). 2021年9月15日閲覧。
- ^ “観光列車「花嫁のれん」出発 期待乗せ能登路駆ける”. 北陸新幹線で行こう!北陸・信越観光ナビ(北國新聞). (2015年10月3日) 2021年9月15日閲覧。
- ^ 「JR七尾鉄道部 七尾駅に壁画 和倉温泉駅リニューアル」『交通新聞』交通新聞社、2017年3月6日、1面。
- ^ “和倉温泉駅 改修が完了”. 北國新聞(朝刊) (北國新聞社): p. 4. (2017年3月3日)
- ^ a b 土屋武之「ワンマン新型電車とICOCAで先取り 新スタイルの七尾線」『鉄道ジャーナル』第55巻第6号(通巻656号)、成美堂出版、2021年6月1日、42 - 43頁、ISSN 0288-2337。
- ^ a b c 『七尾線でICOCAがご利用いただけるようになります! e5489で「チケットレス特急券」「eチケットレス特急券」を導入します!』(PDF)(プレスリリース)西日本旅客鉄道、2020年12月18日。オリジナルの2020年12月18日時点におけるアーカイブ 。2020年12月19日閲覧。
- ^ a b “変わる能登の鉄路 JR七尾線・イコカ利用開始、高松駅は無人化、全車両ワンマン化”. 北國新聞 (北國新聞社). (2021年3月14日). オリジナルの2021年3月14日時点におけるアーカイブ。 2021年3月24日閲覧。
- ^ a b “JR西日本、七尾線に521系新車両を導入。七尾線全線がICOCAに対応”. トラベルWatch (2019年9月10日). 2021年9月15日閲覧。
- ^ “3月で6駅無人化 七尾・北陸線 JR西、利用減少”. 北國新聞 (北國新聞社). (2021年2月27日). オリジナルの2021年2月27日時点におけるアーカイブ。 2021年4月23日閲覧。
- ^ 【動画】JR七尾線 復旧作業進むも一部で運転再開見込み立たず NHK、2024年1月9日
- ^ “和倉温泉駅|駅情報:JRおでかけネット”. www.jr-odekake.net. 2024年2月16日閲覧。
- ^ “特急「サンダーバード」にお別れ 石川・和倉温泉駅、住民ら見送り:東京新聞 TOKYO Web”. 東京新聞 TOKYO Web. 2024年3月15日閲覧。
- ^ 川島 2010, p. 38.
- ^ a b 川島 2010, p. 57.
- ^ 北鉄能登バス路線図 (PDF) - 北陸鉄道
- ^ 能登島交通 時刻表(曲線、南線) (PDF) - 七尾市総務部企画財政課
- ^ 金沢・富山発高速バス、夜行バス|丸一観光グリーンライナー
- ^ a b “1日バス券 来月発売 七尾駅−和倉温泉 商品割引も”. 北陸中日新聞Web. (2021年3月20日) 2021年9月15日閲覧。
- ^ “昭和の青バス 走ってます 北鉄能登バス 路線譲渡30周年”. 北陸中日新聞Web. (2021年8月9日). オリジナルの2021年8月9日時点におけるアーカイブ。 2021年9月15日閲覧。
参考文献
[編集]- 『週刊歴史でめぐる鉄道全路線 国鉄・JR 48 小浜線 舞鶴線・七尾線 氷見線・城端線 越美北線』朝日新聞出版、2010年6月27日。
- 川島令三『【図説】日本の鉄道中部ライン全線・全駅・全配線 第6巻 加賀温泉駅 - 富山エリア』講談社、2010年9月20日。ISBN 978-4-06-270066-5。
- 『週刊歴史でめぐる鉄道全路線 公営鉄道・私鉄 28 えちぜん鉄道 福井鉄道・北陸鉄道・のと鉄道』朝日新聞出版、2011年10月2日。
- 『週刊 JR全駅・全車両基地』 43号 富山駅・高岡駅・和倉温泉駅ほか、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2013年6月16日。
関連項目
[編集]- 日本の鉄道駅一覧
- 串本駅 - JR西日本・本州最南端の駅(紀勢本線)
- 中土駅 - JR西日本最東端の駅(大糸線) ※他社管轄によるJR西日本との会社境界駅を含めると、北陸新幹線の上越妙高駅(東日本旅客鉄道管内)となる。
- 博多南駅 - JR西日本最西端の駅(博多南線)
外部リンク
[編集]- 和倉温泉駅|駅情報:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道
- 和倉温泉駅 – のと鉄道