システム通信団
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システム通信団 JGSDF C5 Command | |
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システム通信団の部隊章 | |
創設 |
1960年(昭和35年)1月14日 (通信団) |
廃止 | 2018年(平成30年)3月26日 |
再編成 |
2018年(平成30年)3月27日 (システム通信団) |
所属政体 | 日本 |
所属組織 | 陸上自衛隊 |
部隊編制単位 | 団 |
兵科 | システム通信科 |
所在地 | 東京都 新宿区 |
編成地 | 市ヶ谷 |
上級単位 | 陸上総隊 |
担当地域 | 日本全国 |
システム通信団(しすてむつうしんだん、JGSDF C5 Command[1])は、東京都新宿区の市ヶ谷駐屯地に団本部を置く陸上自衛隊陸上総隊隷下の団のひとつでシステム通信科部隊である。
概要・任務
[編集]防衛省・陸上幕僚監部および陸上総隊司令部のための通信・写真を担任する部隊として、市ヶ谷駐屯地(東京都新宿区)、朝霞駐屯地(東京都練馬区)、久里浜駐屯地(神奈川県横須賀市)に所在し、システム・通信、ビデオ・写真、セキュリティなど多岐にわたる業務を担当する。また、団本部が所在する防衛省庁舎B棟には通信鉄塔がそびえ立っている。
陸上自衛隊のシステム通信科部隊において最大の規模を持ち、陸自の指揮通信中枢として全国の駐(分)屯地間の通信運営に関する統制業務を担うほか、同地に所在する自衛隊サイバー防衛隊、海上自衛隊システム通信隊群および航空自衛隊航空システム通信隊ととも密接に連携し防衛中枢の通信組織の維持運営を行っている。
長らく、通信団隊員の制服左肩の部隊章(師団等標識)は防衛大臣直轄部隊の部隊章だったが、2018年(平成30年)のシステム通信団改編・陸上総隊に隷属替えと同時にシステム通信団独自の部隊章が設定された[2]。
沿革
[編集]通信団
- 1960年(昭和35年)
- 1月14日:通信団が編成完結。
- ※1960年頃の編成:団本部及び本部付隊・中央野外通信隊・中央基地通信隊・通信監査隊・第301写真中隊・第101固定通信教育大隊
- 臨時特別通信隊(久里浜駐屯地)が通信標定隊に改編され、団隷下に編合[3]。
- 中央野外通信隊(久里浜駐屯地)が中央野外通信群に称号変更[3][5]。
- 航空保安通信隊が防衛庁長官直轄部隊の中央管制気象隊に改編[5]。
- 1981年(昭和56年)
- 1987年(昭和62年)3月26日:通信監査隊を通信保全監査隊に改編。
- 1994年(平成 6年)
- 2000年(平成12年)3月28日:第301写真中隊が第301映像写真中隊に改編。中央業務支援隊新編により、駐屯地司令職務を中央業務支援隊長に移管。
- 2003年(平成15年)3月27日:システム防護技術隊を市ヶ谷駐屯地に新編。
- 2004年(平成16年)3月29日:中央基地通信隊(市ヶ谷駐屯地)を中央基地システム通信隊に改編。
- 2005年(平成17年)3月28日:システム防護技術隊(市ヶ谷駐屯地)をシステム防護隊に改編。
- 2008年(平成20年)3月26日:中央システム管理隊(市ヶ谷駐屯地)を廃止(後身は研究本部隷下のシステム開発隊)。
システム通信団
- 通信団が防衛大臣直轄から陸上総隊隷下のシステム通信団に改編。
- 研究本部隷下のシステム開発隊を団隷下に編合。
- 中央野外通信群の第301通信運用中隊が第301指揮所通信中隊に改組のうえ、朝霞駐屯地に移駐。
- 中央基地システム通信隊と第301映像写真中隊の一部を朝霞駐屯地に分派[8]。
- 制服左肩の師団等標識(部隊章)を設定[2]。
部隊編成
[編集]特記ないものは市ヶ谷駐屯地に所在している。
- システム通信団本部
- 中央野外通信群(久里浜駐屯地)
- 中央基地システム通信隊
- 通信保全監査隊
- サイバー防護隊
- システム開発隊
- 第301映像写真中隊
- システム通信団本部付隊[10]
主要幹部
[編集]官職名 | 階級 | 氏名 | 補職発令日 | 前職 |
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システム通信団長 | 陸将補 | 青木圭 | 2023年 | 3月30日防衛装備庁プロジェクト管理部装備技術官 |
副団長 | 1等陸佐 | 吉原孝典 | 2022年12月 | 1日陸上自衛隊開発実験団本部評価科長 |
高級幕僚 | 1等陸佐 | 秋川新吾 | 2024年 | 8月 1日陸上自衛隊教育訓練研究本部付 |
代 | 氏名 | 在職期間 | 出身校・期 | 前職 | 後職 |
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通信団長(防衛大臣直轄) | |||||
1 | 北村肇 | 1960年 | 1月14日 - 1960年 7月31日海兵55期・ 海大38期 |
第1管区総監部付 | 東部方面総監部付 →1960年12月31日 退職 |
2 | 安成季隆 | 1960年 | 8月 1日 - 1962年 1月 1日陸士40期・ 砲工37期 |
陸上幕僚監部施設課長 | 停年退官(陸将昇任) |
3 | 高木威勲 (1等陸佐) |
1962年 | 1月 1日 - 1963年 3月15日陸士44期 | 通信団副団長 | 東部方面総監部付 |
4 | 矢島源太郎 (1等陸佐) |
1963年 | 3月16日 - 1964年 7月15日海兵60期 | 通信団副団長 | 東部方面総監部付 →1965年1月1日 退職 (陸将補昇任) |
5 | 山本筑郎 | 1964年 | 7月16日 - 1966年 3月15日陸士46期・ 陸大54期 |
陸上幕僚監部通信課長 | 退職 |
6 | 田口和夫 | 1966年 | 3月16日 - 1968年 7月15日陸士47期・ 陸大55期 |
第4師団副師団長 兼 福岡駐とん地司令 |
陸上幕僚監部付 →1969年3月17日 退職 |
7 | 上阪賑一 | 1968年 | 7月16日 - 1971年11月15日陸士50期・ 陸大59期 |
第5師団副師団長 兼 帯広駐とん地司令 |
陸上自衛隊通信学校長 兼 久里浜駐とん地司令 |
8 | 田中稲雄 | 1971年11月16日 - 1973年 | 6月30日陸士52期・ 陸大60期 |
陸上幕僚監部通信課長 | 退職 |
9 | 安藤仁一 | 1973年 | 7月16日 - 1974年 6月30日陸士54期 | 第9師団副師団長 兼 青函地区輸送連絡隊長 兼 青森駐とん地司令 |
退職 |
10 | 田中邦明 | 1974年 | 7月 1日 - 1976年 8月 1日陸士55期 | 陸上幕僚監部通信課長 | 通信団付 →1977年1月1日 退職 |
11 | 竹内泉 | 1976年 | 8月 2日 - 1978年 3月15日海兵72期 | 陸上自衛隊通信学校副校長 兼 企画室長 |
東部方面総監部付 →1978年6月30日 退職 |
12 | 依田文彌 | 1978年 | 3月16日 - 1979年 3月15日東京物理学校 昭和19年卒 |
陸上自衛隊北海道地区補給処副処長 | 陸上幕僚監部付 →1979年7月1日 退職 |
13 | 飛渡洋三 | 1979年 ※1979年 7月 1日 陸将補昇任 |
3月16日 - 1981年 3月15日陸航士60期 | 陸上自衛隊東北地区補給処副処長 | 陸上幕僚監部付 →1981年4月1日 退職 |
14 | 加茂敏夫 | 1981年 | 3月16日 - 1983年 7月31日米沢工専 昭和23年卒 |
北部方面総監部装備部長 | 陸上幕僚監部付 →1983年12月20日 退職 |
15 | 中本吉昭 | 1983年 ※1984年 3月16日 陸将補昇任 |
8月 1日 - 1985年 8月 7日早稲田大学 昭和29年卒 |
陸上自衛隊通信学校副校長 兼 企画室長 |
陸上自衛隊通信補給処長 兼 大宮駐屯地司令 |
16 | 高橋清 | 1985年 | 8月 8日 - 1987年 7月 6日防大1期 | 陸上自衛隊通信補給処長 兼 大宮駐屯地司令 |
陸上自衛隊通信学校長 兼 久里浜駐屯地司令 |
17 | 中里義弘 | 1987年 | 7月 7日 - 1990年 3月15日防大3期 | 陸上幕僚監部装備部副部長 | 陸上幕僚監部装備部長 |
18 | 成松徳三 | 1990年 ※1991年 7月 1日 陸将補昇任 |
3月16日 - 1993年 3月24日防大4期 | 東北方面総監部装備部長 | 陸上自衛隊通信補給処長 兼 大宮駐屯地司令 |
19 | 日裏昌宏 | 1993年 ※1993年 4月 1日 陸将補昇任 |
3月25日 - 1995年 6月29日防大5期 | 陸上自衛隊幹部学校研究部長 | 退職 |
20 | 重村勝弘 | 1995年 | 6月30日 - 1996年12月15日防大10期 | 装備開発実験隊長 | 陸上自衛隊通信学校長 兼 久里浜駐屯地司令 |
21 | 廣田英雄 | 1996年12月16日 - 1998年12月 | 9日防大8期 | 陸上自衛隊北海道地区補給処副処長 | 退職 |
22 | 鈴木健 | 1998年12月10日 - 2001年 ※1999年12月10日 陸将補昇任 |
3月26日防大15期 | 陸上幕僚監部調査部調査課長 | 陸上自衛隊通信学校長 兼 久里浜駐屯地司令 |
23 | 行徳浩志 | 2001年 | 3月27日 - 2003年12月 4日防大14期 | 自衛隊沖縄地方連絡部長 | 退職 |
24 | 中村憲一 | 2003年12月 | 5日 - 2005年 1月11日防大18期 | 陸上自衛隊研究本部研究開発企画官 | 陸上自衛隊通信学校長 兼 久里浜駐屯地司令 |
25 | 大久保利通 | 2005年 | 1月12日 - 2006年 8月 3日防大18期 | 東部方面後方支援隊長 | 退職 |
26 | 岩切厚 | 2006年 | 8月 4日 - 2008年 7月31日防大18期 | 陸上自衛隊通信学校副校長 | 退職 |
27 | 時津憲彦 | 2008年 | 8月 1日 - 2009年12月 6日防大23期 | 自衛隊福岡地方協力本部長 | 陸上自衛隊通信学校長 兼 久里浜駐屯地司令 |
28 | 盛一丈嗣 | 2009年12月 ※2010年 3月29日 陸将補昇任 |
7日 - 2011年 4月26日防大22期 | 自衛隊愛知地方協力本部長 | 退職 |
29 | 小林英彦 | 2011年 | 4月27日 - 2012年 3月29日金沢大学 昭和54年卒[11] |
第1師団副師団長 兼 練馬駐屯地司令 |
陸上自衛隊通信学校長 兼 久里浜駐屯地司令 |
30 | 成田千春 | 2012年 | 3月30日 - 2013年 8月21日防大25期 | 第9師団副師団長 兼 青森駐屯地司令 |
陸上自衛隊通信学校長 兼 久里浜駐屯地司令 |
31 | 西川公康 | 2013年 | 8月22日 - 2015年 8月 3日防大26期 | 陸上自衛隊関東補給処副処長 | 陸上自衛隊通信学校長 兼 久里浜駐屯地司令 |
32 | 滝口龍治 | 2015年 | 8月 4日 - 2016年 6月30日防大27期 | 第6師団副師団長 兼 神町駐屯地司令 |
陸上自衛隊通信学校長 兼 久里浜駐屯地司令 |
33 | 藤井祥一 | 2016年 | 7月 1日 - 2018年 3月26日防大30期 | 陸上自衛隊九州補給処副処長 | 第8師団副師団長 兼 北熊本駐屯地司令 |
システム通信団長(陸上総隊隷下) | |||||
1 | 菅野俊夫 | 2018年 | 3月27日 - 2020年12月21日防大30期 | 防衛装備庁調達事業部調達総括官 | 退職 |
2 | 末田毅 | 2020年12月22日 - 2023年 | 3月29日防大34期 | 陸上総隊司令部後方運用部長 | 第3師団副師団長 兼 千僧駐屯地司令 |
3 | 青木圭 | 2023年 | 3月30日 -防大41期 | 防衛装備庁プロジェクト管理部 装備技術官 |
脚注
[編集]- ^ 陸上総隊公式HPのエンブレムより(C5はサイバー(Cyber)・情報(Communication)・コンピュータ(Computer)・指揮(Command)・統制(Control))最後のCommnadは指揮官を将官とする部隊を指す(一般的に団の部隊の英称は旅団と同じくBrigade。また、団に準ずる隊の指揮官が1佐(一)の部隊の場合はTroop、1佐(三)を指定階級とする場合はUnit)
- ^ a b 陸上幕僚監部 (2018年7月13日). “陸上自衛官及び陸上自衛隊の自衛官候補生の部隊章に関する達(達第 24-1-13 号)” (PDF). 防衛省. 2019年1月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年1月15日閲覧。
- ^ a b c 横須賀経済経営史年表, 横須賀自治研究所 1970年
- ^ 朝雲新聞(昭和35年4月7日付)
- ^ a b c d e 通信団25年の歩み
- ^ 朝雲新聞社編集局 監修・陸上幕僚監部『陸上自衛隊20年年表』朝雲新聞社、1971年
- ^ 防衛省設置法等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令
- ^ 陸上総隊司令部のためのシステム通信組織の維持管理を担任
- ^ 防衛省発令(1佐職人事)2021年3月18日付
- ^ “部隊紹介”. 2024年5月2日閲覧。
- ^ 防大23期相当、同大学院昭和56年卒・修士(工)
出典
[編集]- “防衛省人事発令”. 2016年6月17日閲覧。