コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

酒井直次 (陸軍軍人)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
酒井 直次
生誕 1891年3月26日
大日本帝国の旗 大日本帝国山形県鶴岡五日町
死没 (1942-05-28) 1942年5月28日(51歳没)
中華民国の旗 中華民国浙江省蘭渓県
所属組織  大日本帝国陸軍
軍歴 1911 - 1942
最終階級 陸軍中将
墓所 東京都
テンプレートを表示

酒井 直次(さかい なおじ、1891年明治24年)3月26日 - 1942年昭和17年)5月28日)は、日本陸軍軍人第15師団長、陸軍通信学校長、歩兵第19旅団長等を歴任し、階級は陸軍中将功二級に至る。暗号通信の権威として知られる。本籍東京府

人物

[編集]

1891年(明治24年)3月26日、出羽国庄内藩初代藩主酒井忠勝の6男酒井忠直(藩主家一門・酒井奥之助家)の後裔である、酒井直興の次男として山形県西田川郡鶴岡五日町(現・鶴岡市)に生まれる。1902年(明治35年)、東京に移住し、1903年(明治36年)、成城中学校に入学。

1904年(明治37年)、陸軍中央幼年学校予科に入学し同本科を経て、1911年(明治44年)5月27日、陸軍士官学校を92番/740名で卒業する。酒井は第23期士官候補生で、同期には第5軍司令官の清水規矩中将(1番/740名)、第28軍司令官桜井省三中将(3番/740名)や、第31軍司令官の小畑英良中将(12番/740名)、北支那方面軍司令官根本博中将(16番/740名)らがいる。

同年12月26日、陸軍歩兵少尉に任官され歩兵第29連隊付となる。1920年(大正9年)12月には陸軍大学校(32期)を卒業し、以後、歩兵将校として累進した。1921年(大正10年)5月、参謀本部付勤務となり、参謀本部員を経て、1923年(大正12年)3月、サガレン州派遣軍参謀となりシベリア出兵に出動。1925年(大正14年)5月、参謀本部付に転じ、第16師団参謀を経て、1927年(昭和2年)5月、歩兵少佐に昇進し歩兵第2連隊付となる。参謀本部員を経て、1929年(昭和4年)7月、暗号研究のためポーランドへ出張した。

1930年(昭和5年)6月、参謀本部員に発令され、1931年(昭和6年)3月、歩兵中佐に進級。1933年(昭和8年)8月、関東軍司令部付(特種情報班長)となり満州に赴任。1935年(昭和10年)8月1日、歩兵大佐に昇進し陸軍通信学校教育部長に就任。その後、1937年(昭和12年)3月1日、歩兵第4連隊長となる。1938年(昭和13年)7月15日、陸軍少将に進み、同郷の師団長・石原莞爾の下で歩兵第19旅団長を勤める。

1940年(昭和15年)12月2日、陸軍通信学校長、1941年(昭和16年)3月1日、陸軍中将進級を経て、同年8月20日、第15師団長に親補され、中国前線に復帰する。1942年(昭和17年)5月28日、酒井は浙江省蘭渓県で作戦中に乗馬が地雷を踏み戦死する。歴代の第15師団長では唯一の戦死者である。酒井は数々の戦功から功二級金鵄勲章のほか、功三級金鵄勲章も受章している。

なお、『庄内人名辞典』では、名前の読みが「なおつぐ」となっている。

系図

[編集]
酒井忠直・・・直寛━┳━直方
          ┃
          ┗━直鳳━┳━恒可(大山春治)
               ┃
               ┣━直興━━直次━━次武
               ┃
               ┗━直温━━温理

栄典

[編集]
位階
勲章等
外国勲章佩用允許

親族

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ 『官報』第8608号「敍任及辞令」1912年3月2日。
  2. ^ 『官報』第765号「叙任及辞令」1915年2月22日。
  3. ^ 『官報』第2289号「叙任及辞令」1920年3月23日。
  4. ^ 『官報』第3847号「叙任及辞令」1925年6月20日。
  5. ^ 『官報』第1046号「叙任及辞令」1930年6月26日。
  6. ^ 『官報』第2539号「叙任及辞令」1935年6月21日。
  7. ^ 『官報』第4726号「叙任及辞令」1942年10月9日。
  8. ^ 『官報』第3297号「叙任及辞令」1923年7月26日。
  9. ^ 『官報』第241号「叙任及辞令」1927年10月15日。
  10. ^ 『官報』第2131号「叙任及辞令」1934年02月10日。
  11. ^ 『官報』第3711号「叙任及辞令」1939年5月23日。
  12. ^ 『官報』第4438号・付録「辞令二」1941年10月23日。
  13. ^ 『官報』第2984号・付録「辞令二」p10三段目 1936年12月11日。

参考資料

[編集]
  • 『庄内人名辞典』 編纂・出版:庄内人名辞典刊行会。
  • 秦郁彦編『日本陸海軍総合事典』第2版、東京大学出版会、2005年。
  • 福川秀樹『日本陸軍将官辞典』芙蓉書房出版、2001年。
  • 外山操編『陸海軍将官人事総覧 陸軍篇』芙蓉書房出版、1981年。