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歌でしか言えない

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
C.Q.から転送)
『歌でしか言えない』
中島みゆきスタジオ・アルバム
リリース
録音 Burnish Stone, Sound Valley, Victor, Onkio Haus, Epicurus (Tokyo)
Studio ULTIMO (Los Angeles)
ジャンル J-POP
時間
レーベル ポニーキャニオン
AARD-VARK
プロデュース 瀬尾一三中島みゆき
チャート最高順位
  • 週間4位(CD、オリコン
  • 週間48位(APO、オリコン)
中島みゆき アルバム 年表
夜を往け
(1990年)
歌でしか言えない
(1991年)
中島みゆき BEST SELECTION II
(1992年)
『歌でしか言えない』収録のシングル
  1. トーキョー迷子
    (シングル・ヴァージョン)」

    リリース: 1991年6月5日
  2. Maybe
    リリース: 1992年3月4日
  3. 笑ってよエンジェル
    リリース: 1990年8月21日
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歌でしか言えない』(うたでしかいえない)は、1991年10月23日にリリースされた中島みゆきの19作目のオリジナルアルバムである。

解説

[編集]
  • デビュー16年目にして初めて本格的な海外でのレコーディングに臨んだアルバムで、「渚へ」・「南三条」の2曲でディーン・パークスエイブラハム・ラボリエルらがバックを務めている。また、同時期に瀬尾がアルバムのプロデュースに携わった縁で、リタ・クーリッジが「おだやかな時代」にコーラスで参加している。それ以外の収録曲は、これまでと同じく鈴木茂など国内メンバーによる演奏。
  • このアルバムのポニーキャニオン盤は既に廃盤となっているが、2021年現在でも、このアルバムを含んだ通販限定CDボックスは、ポニーキャニオンショッピングクラブにて販売中である[1]
  • 通常盤のCDの他に、APO-CD盤とカセットテープでも発売された。なお、初回盤CDとAPO-CDのライナーノーツに掲載されていた歌詞カードには中島みゆきによる手書きの歌詞が印刷されていたが、2001年ヤマハミュージックコミュニケーションズから発売された現行盤では全て印刷された文字の歌詞カードに替わっている。
  • APO-CD盤には“音質の向上を目指したところ高価になってしまった”との旨を綴った中島本人のお詫びの手書きメッセージを印刷したカードが封入されていた(赤い背景に白抜きのカードであった)。
  • ライナーノーツ残間里江子呉智英などが寄稿している。

収録曲

[編集]
  1. C.Q.
    • モールス符号(信号)のような無機質なイントロで始まる作品。C.Q.はアマチュア無線で通信開始時に、コールサインを名乗る前に発する符号であり、主に不特定多数へ呼びかける(コールする)時に使用する。音声では「CQ CQ こちらは J○○XXX」、モールス符号(欧文)では「― ‐ ― ‐ 、― ― ‐ ― (ツートツート ツーツートツー)」となる。「C.Q.」の語源はイギリス英語の Seek You や Call to Quarters が訛ったもの、若しくは アメリカ英語の Come Quick の省略形と諸説ある。
  2. おだやかな時代
  3. トーキョー迷子
    • アルバムの発表に先駆ける形で、同年の6月にシングルで発売された。アルバムに収録されているのはシングルとはドラムの打ち込みが違う別ミックス(ベーシック・トラックはシングル、アルバム共に同じ)。シングルの発表に際してプロモーション・ビデオが作られ、PV集『A FILM of Nakajima Miyuki』と『THE FILM of Nakajima Miyuki』に収録されている。1992年に発売されたコンピレーション『中島みゆき BEST SELECTION II』に収録されているのはこのアルバムに入っていた方のバージョンである。
  4. Maybe
    • 1989年から毎年年末に渋谷で行われていた音楽劇、『夜会』の第2回(1990年上演)のために書き下ろされた曲。その際に演奏されたバージョンとほぼ同じアレンジでこのアルバムには収録されている。また、1991年冬に放送された鈴木保奈美が出演したPanasonic VHS-Cカメラ「ブレンビー」のCMソングとしても使用された。翌年に、「誕生」との両A面扱いでシングルカットされている。『夜会』のために書かれた曲を集めたセルフカバー作品『10 WINGS』(1995年)でリメイクされた。
  5. 渚へ
  6. 永久欠番
    • 歌詞は東京書籍から発行された中学3年生向けの国語の教科書『新しい国語』に掲載された。
  7. 笑ってよエンジェル
    • 1990年発売のシングル「with」のカップリングに収録されていた曲。テイクはシングルで発売されたものとは異なっている。
  8. た・わ・わ
  9. サッポロSNOWY
  10. 南三条
    • 曲名は札幌市の繁華街より。アルバム発表より数ヶ月前に東京・渋谷のBunkamuraシアターコクーンで上演された中島が構成・音楽を担当した自由劇場『ラヴ・ミー・テンダー』の劇中歌。「渚へ」と同じく大部分がロサンゼルスで録音された。また、翌年にフジテレビ系列で放送された柳葉敏郎浅野ゆう子主演のドラマ『親愛なる者へ』(中島が主題歌を手掛け、一部出演している)の脚本もこの曲の詞世界を基に作られたという。北海道放送1990年代後半に南3条通界隈の特別番組を制作した際も、BGMにこの曲が用いられた。
  11. 炎と水
    • タイトルである「炎と水」は一般的なイメージとは逆に、女を“炎”、男を“水”に例えている。本作に収録されている曲はその殆どが翌1992年に行われたコンサートツアー『カーニヴァル1992』や『夜会』で演奏されたが、唯一この曲だけがこれまで一度もステージで演奏されたことが無い。

演奏者

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C.Q.

  • Programming Drums:瀬尾一三森達彦
  • Synth.Bass:倉田信雄
  • E.Lead Guitar:今剛
  • Keyboards:瀬尾一三・倉田信雄
  • Synth, Percussion:浦田恵司
  • Programmer:浦田恵司・森達彦

おだやかな時代

トーキョー迷子

  • Programming Drums:瀬尾一三・浦田恵司
  • Synth.Bass:倉田信雄
  • E.Rhythm Guitar:今剛
  • E.Lead Guitar:鈴木茂
  • Keyboards:倉田信雄・エルトン永田・国吉良一
  • Programmer:浦田恵司

Maybe

渚へ

永久欠番

  • Drums:山木秀夫
  • E.Bass:富倉安生
  • Pedalsteel Guitar:今剛
  • E.Slide Lead Guitar:今剛
  • E.Guitar:今剛
  • Acoustic Guitar:吉川忠英
  • Keyboards:倉田信雄・瀬尾一三
  • Programmer:浦田恵司
  • Background Vocals:杉本和世・坪倉唯子・瀬尾一三
  • Strings:Joe Group

笑ってよエンジェル

  • Drums:島村英二
  • E.Bass:美久月千晴
  • E.Rhythm Guitar:今剛
  • Acoustic Guitar:吉川忠英
  • Keyboards:国吉良一
  • Synth.Percussion:瀬尾一三
  • Programmer:浦田恵司
  • Background Vocals:杉本和世・木戸恭弘・比山貴咏史

た・わ・わ

  • Programming Drums:瀬尾一三・浦田恵司
  • Synth.Bass:倉田信雄
  • E.Rhythm Guitar:今剛
  • E.Slide Lead Guitar:今剛
  • F.Mandolin:吉川忠英
  • Percussion:斉藤ノブ
  • Programmer:浦田恵司・中山信彦
  • Background Vocals:杉本和世・坪倉唯子・瀬尾一三
  • Horn Section:スカパラホーンズ
  • Horn Arrangement:北原雅彦

サッポロSNOWY

  • Drums:島村英二
  • E.Bass:高水健司
  • E.Rhythm Guitar:今剛
  • Acoustic Guitar:吉川忠英
  • Keyboards:倉田信雄・瀬尾一三
  • Percussion:斉藤ノブ
  • Programmer:浦田恵司
  • Background Vocals:杉本和世・坪倉唯子
  • Strings:Joe Group
  • Strings Arrangement:萩田光雄

南三条

  • Drums:John Robinson
  • E.Bass:Abraham Laboriel
  • E.Rhythm Guitar:Paul Jackson Jr.
  • Acoustic Guitar:Dean Parks
  • Keyboards:Tom Keane
  • Percussion:Paulinho Da Costa
  • Background Vocals:杉本和世・坪倉唯子
  • T.Sax:古村敏比古

炎と水

  • Drums:山木秀夫
  • E.Bass:富倉安生
  • E.Rhythm Guitar:今剛
  • E.Lead Guitar:今剛
  • Grand Piano:倉田信雄・瀬尾一三
  • Synth.Percussion:浦田恵司
  • Programmer:浦田恵司

脚注

[編集]
  1. ^ 中島みゆき 1984~1992”. ポニーキャニオンリリース情報. 2021年3月23日閲覧。