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都道府県民の日

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

都道府県民の日(とどうふけんみんのひ、: prefectural citizens' day)は、都道府県1年のうちの特定の(専ら1日)を記念日として主に条例によって定めた日である。総じて県民の日と通称される。個々の具体的名称はそれぞれ異なる(県民の日、ふるさとの日等)。

現行の都、道及び県(法人格を継承した前身を含む)が成立した暦日が選定されることが多いが、その場合であっても、具体的に1年のうち何時の日であるかは各都道県の歴史により異なるため、国民の祝日のような全国一律の日でない。また、国民の祝日の場合と異なり、必ずしも県庁が閉庁となるものでない[注釈 1]

都道府県民の日にあたる記念日が存在しない府県もある。

各都県の日とその名称

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都道府県 月日 名称 由来 制定年 関連法規
000/北海道 07月17日 北海道みんなの日
(道みんの日)
1869年7月17日旧暦)、松浦武四郎蝦夷地に替わって「北加伊道」の名称を明治政府に提案したことに由来[1][2] 2017年 北海道みんなの日条例
001/秋田県 08月29日 県の記念日 1871年8月29日、廃藩置県で秋田県が誕生したことに由来[3][4] 1965年 「県の記念日」を定める条例が不存在[注釈 2]
002/福島県 08月21日 福島県民の日 1876年8月21日、若松県・旧福島県・磐前県の3県が合併されて、現在の福島県が誕生したことに由来[5] 1997年 福島県民の日条例
福島県民の日条例施行規則
003/茨城県 11月13日 県民の日
(茨城県民の日)
1871年11月13日(旧暦)、廃藩置県の際に初めて茨城県という名称が使われたことに由来[6] 1968年 県民の日を定める条例
004/栃木県 06月15日 県民の日 1873年6月15日、旧栃木県と宇都宮県が合併され、ほぼ現在の栃木県の形が誕生したことに由来[7][8] 1985年 栃木県県民の日に関する条例
005/群馬県 10月28日 県民の日
(群馬県民の日)
1871年10月28日(旧暦)、廃藩置県で初めて群馬県という名称が使われたことに由来[9] 1985年 群馬県民の日を定める条例
006/埼玉県 11月14日 県民の日
(埼玉県民の日)
1871年11月14日(旧暦)、廃藩置県で埼玉県が誕生したことに由来[10] 1971年 県民の日を定める条例
007/千葉県 06月15日 県民の日
(千葉県民の日)
1873年6月15日、木更津県印旛県が合併されて、千葉県が誕生したことに由来[11] 1984年 県民の日を定める条例
008/東京都 10月1日 都民の日 1898年10月1日、東京市が誕生し市役所が設置されたことに由来[12] 1952年 都民の日条例
009/富山県 05月9日 県民ふるさとの日 1883年5月9日に石川県から分離して富山県が設置されたことに由来[13] 2013年 県民ふるさとの日を定める条例
010/福井県 02月07日 ふるさとの日 1881年2月7日、石川県・滋賀県から分離して福井県が設置されたことに由来[14][15] 1982年 ふるさとの日に関する条例
011/山梨県 11月20日 県民の日
(山梨県民の日)
1871年11月20日(旧暦)、甲府県が山梨県に改称されたことに由来[16] 1986年 県民の日条例
012/静岡県 08月21日 県民の日 1876年8月21日、旧静岡県と浜松県が合併され、現在の静岡県が誕生したことに由来[17] 1996年 静岡県県民の日条例[注釈 3]
013/愛知県 11月27日 あいち県民の日 1872年11月27日(旧暦)、旧愛知県(名古屋県が改称)と額田県が合併され、現在の愛知県が誕生したことに由来[19][20] 2022年 あいち県民の日条例[注釈 4]
014/三重県 04月18日 県民の日 1876年4月18日、安濃津県度会県が合併され、現在の三重県が誕生したことに由来[21] 1976年 県民の日条例
015/和歌山県 11月22日 ふるさと誕生日 1871年11月22日(旧暦)、和歌山県の現在の県域が定まったことに由来[22] 1989年 ふるさと誕生日条例
016/鳥取県 09月12日 とっとり県民の日 1876年に島根県に編入されて消滅した鳥取県が、1881年9月12日に再び分離独立して、現在の鳥取県が誕生したことに由来[23] 1998年 とっとり県民の日条例
017/愛媛県 02月20日 県政発足記念日 1873年2月20日、石鐵県神山県が合併されて愛媛県が誕生したことに由来[24] 1973年 愛媛県政発足記念日知事表彰要綱
018/鹿児島県 07月14日 県民の日 1871年7月14日(旧暦)、鹿児島県が誕生した廃藩置県布告の日に由来。明治維新百五十年記念[25] 2018年 鹿児島県県民の日を定める条例

未制定府県の動向

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京都府[26]大阪府は「府民の日」を、山形県[27]宮城県神奈川県新潟県[28][29]長野県岐阜県兵庫県[30]福岡県沖縄県は「県民の日」を設けていない。ただし、一部の県では制定に向けての動きや提言等がある。

  • 神奈川県は「県民の日」を制定していない[31]が、神奈川県史上は1868年3月19日旧暦)、横浜裁判所の設置を記念して、同日を「立庁記念日」としている[32]
  • 長野県は、1998年長野オリンピック開催を記念し、開幕した2月7日が「オリンピックメモリアルデー」であるとされているが、これは日本青年会議所北信越地区長野ブロック協議会が長野オリンピック開催前の1997年9月、第28回会員大会において採択、制定したもの。長野県議会の場でも2月7日を「県民の日」に制定してはどうかとの提案が何度かなされたが、実現には至らなかった[33][34][35]
  • 大阪府は府民から府に対し、「大阪府の日」に関する提言が寄せられた[36]
  • 福岡県は県民の一体性や、郷土への愛着が既に高い域に達しているからとの見方があるため、「県民の日」を制定していない[37]
  • 大分県は、1871年11月14日(旧暦)に日田県杵築県日出県府内県岡県森県臼杵県佐伯県を統合して成立した[38]。大分県あすをつくる県民運動推進協議会は、その11月14日を「県民の日」に制定した。県も11月14日が「県民の日」であるとの認識は持っているが、当日を休日としたり、イベントを開催するといったことはしておらず、県民の関心も薄い[39]

休日

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首都圏

茨城県・群馬県・埼玉県・千葉県・東京都・山梨県では都県民の日に公立学校などが休日となる[31][39][40][41]。これらの都県では、郷土愛を育み地域の魅力に触れる機会とすることを目的に休校措置をとっている[40]。特に埼玉県民の日はJR東日本を除く県内の鉄道が乗り放題となる一日乗車券が発売され、遊園地動物園等の入園料が無料になることから、外出する日として定着している[42]

その一方、関東地方でも栃木県民の日は休校とはならずに学校給食デザート(主に地元のデザートなど)が出される日という扱いであり[41][43]、神奈川県ではそもそも県民の日が制定されていない[31]。ただし、横浜市では6月2日開港記念日として関東他都県の都県民の日に準じた扱いとなる。

愛知県

愛知県では、11月21日から27日までの期間(「あいちウィーク」)のうち、土・日・祝日をのぞく任意の1日を学校や市町村がそれぞれに「県民の日学校ホリデー」に指定し、休業日としている。

脚注

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注釈

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  1. ^ むしろ、通常の官執勤務の日(=開庁日)であることの方が多い。
  2. ^ 1965年当時の知事決裁によるものかは不詳。なお「秋田県の休日を定める条例」で定める県の休日(閉庁日)の中に、県の記念日にあたる8月29日は含められていない(通常の開庁日にあたる)。
  3. ^ 「県民の日」とは別に「富士山の日」が2月23日として制定されている[18]
  4. ^ 愛知県議会において、令和4年12月定例会 議案第170号「あいち県民の日条例の制定について」を同年12月20日に可決。

出典

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  1. ^ 道みんの日 28施設の利用料や観覧料無料 7月17日/北海道”. 毎日新聞 (2017年5月31日). 2019年12月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年11月5日閲覧。
  2. ^ 北海道150年道民検討会議事務局 (2016年10月). “北海道150年事業基本方針” (PDF). 北海道. 2017年1月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年11月5日閲覧。
  3. ^ 県の記念日(8月29日)”. 秋田県 (2016年8月2日). 2016年10月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年10月28日閲覧。
  4. ^ 県の記念日”. 秋田県庁. 2022年8月16日閲覧。 “「県の記念日」は、1871年(明治4年)の廃藩置県によって「秋田県」が誕生した8月29日を記念し、1965年(昭和40年)に制定されました。”
  5. ^ 福島県民の日について(8月21日)”. 福島県 (2016年7月26日). 2016年10月28日閲覧。
  6. ^ 茨城県民の日”. 茨城県 (2020年10月22日). 2021年6月17日閲覧。
  7. ^ 県民の日・とちぎの由来”. 栃木県 (2016年5月18日). 2016年10月28日閲覧。
  8. ^ 栃木県. “県民の日 これまでのあゆみ”. 栃木県. 2021年6月16日閲覧。
  9. ^ 県民の日の由来”. 群馬県. 2016年10月28日閲覧。
  10. ^ 埼玉県民の日”. 埼玉県 (2015年3月9日). 2016年10月28日閲覧。
  11. ^ 県民の日”. 千葉県 (2016年6月16日). 2016年10月28日閲覧。
  12. ^ 「都民の日」について”. 東京都 (2015年6月9日). 2016年10月28日閲覧。
  13. ^ 5月9日は、富山県の誕生日!130歳を記念し、「県民ふるさとの日」を制定(「県広報とやま」2013年4月号 vol.453)”. 富山県 (2016年10月4日). 2016年11月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年10月28日閲覧。
  14. ^ 2月7日は「ふるさとの日」です。”. 福井県 (2016年2月5日). 2016年11月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年10月28日閲覧。
  15. ^ ふくいの歴史・自然・人口編(早わかり福井〜福井統計データブック〜平成28年度版)”. 福井県 (2016年3月31日). 2016年10月28日閲覧。
  16. ^ 県民の日とは?”. 山梨県 (2016年9月5日). 2016年10月28日閲覧。
  17. ^ 県民の日に関するQ&A”. 静岡県 (2015年9月23日). 2021年10月28日閲覧。
  18. ^ 静岡県富士山の日条例(平成21年12月25日条例第72号)第2条を参照。"富士山の日は、2月23日とする。"
  19. ^ 愛知県150年の歩み - ウェイバックマシン(2022年11月27日アーカイブ分)
  20. ^ あいち県民の日条例(令和4年12月23日条例第50号)第2条第2項を参照。"あいち県民の日は、十一月二十七日とする。"
  21. ^ 県民の日”. 三重県. 2017年6月15日閲覧。
  22. ^ ふるさと誕生日”. 和歌山県. 2016年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年10月28日閲覧。
  23. ^ とっとり県民の日”. 鳥取県. 2016年10月28日閲覧。
  24. ^ 愛媛県政発足記念日について”. 愛媛県. 2016年10月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年10月28日閲覧。
  25. ^ 鹿児島県県民の日を定める条例の施行”. 鹿児島県. 2020年6月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年5月30日閲覧。
  26. ^ 質問:「府民の日」はありますか。(04142)”. 京都府. 2016年10月28日閲覧。
  27. ^ 平成24年6月定例会(第358号)3号”. 山形県議会 (2012年6月22日). 2016年11月1日閲覧。
  28. ^ 平成24年12月定例会 3号”. 新潟県議会 (2012年12月10日). 2016年11月1日閲覧。
  29. ^ 平成24年12月定例会 総務文教委員会 1号”. 新潟県議会 (2012年12月13日). 2016年11月1日閲覧。
  30. ^ 平成28年9月第333回定例会・速報版(第3日)”. 兵庫県議会 (2016年9月29日). 2016年11月1日閲覧。
  31. ^ a b c 吉田忍 (2013年4月4日). “「神奈川県民の日」がないのはなぜ?」”. はまれぽ.com. 2020年6月28日閲覧。
  32. ^ 神奈川県の県名由来・立庁記念日”. 神奈川県 (2016年4月1日). 2016年10月28日閲覧。
  33. ^ コトバンク オリンピックメモリアルデー(デジタル大辞泉プラス)”. 2016年11月1日閲覧。
  34. ^ 平成26年2月定例会本会議 4号”. 長野県議会 (2014年2月27日). 2016年11月1日閲覧。
  35. ^ 平成28年6月定例会本会議 3号”. 長野県議会 (2016年6月22日). 2016年11月1日閲覧。
  36. ^ 府民の声”. 大阪府 (2015年5月29日). 2016年11月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2016年10月31日閲覧。
  37. ^ 平成28年2月定例会(第10日)”. 福岡県議会 (2016年3月2日). 2016年11月1日閲覧。
  38. ^ 大分県公文書館だより 第16号”. 大分県公文書館 (2009年3月). 2022年11月14日閲覧。
  39. ^ a b 「県民の日」埼玉・茨城は休みで大分は「何もなし」この違いって…”. Jタウンネット 茨城県 (2013年11月14日). 2015年11月2日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月28日閲覧。
  40. ^ a b IRORIO (2016年11月14日). “「県民の日」=休み?都道府県で異なると分かり驚きの声が殺到”. ライブドアニュース. 2016年11月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年6月28日閲覧。
  41. ^ a b 県民の日なぜ休校ではない? 関東では栃木だけ、2度検討も実現せず...”. 下野新聞 (2023年6月14日). 2023年6月15日閲覧。
  42. ^ 藤目琴実・牧本真由美・後藤岳彦 (2017年11月30日). “きょうは県民の日、なんです”. NHK生活情報ブログ. 日本放送協会. 2020年6月28日閲覧。
  43. ^ 阿久津たかを『栃木あるある』TOブックス、2014年10月31日、131頁。ISBN 978-4-86472-302-2 

関連項目

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