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熊本地震 (2016年)

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平成28年(2016年)熊本地震[1]
熊本地震 (2016年)の位置(日本内)
熊本地震 (2016年)
熊本
熊本
熊本地震 (2016年) (日本)
地震の震央の位置を示した地図
本震
発生日 2016年(平成28年)4月14日
発生時刻 21時26分36秒(JST[2]
震央 日本の旗 日本 熊本県熊本地方
座標 北緯32度50.94分 東経130度38.10分 / 北緯32.84900度 東経130.63500度 / 32.84900; 130.63500[2]
震源の深さ 11 km
規模    気象庁マグニチュード(Mj) 6.5、モーメントマグニチュード(Mw)6.2
最大震度    震度7:熊本県上益城郡益城町宮園
津波 なし
地震の種類 横ずれ断層
大陸プレート内地震
余震
回数 135回[3](増加中)
最大余震 同年4月15日 0時3分 Mj6.4 最大震度6強
被害
死傷者数 9人死亡[4]
負傷者多数(1100人以上[5]
出典:特に注記がない場合は気象庁[6][7]による。
プロジェクト:地球科学
プロジェクト:災害
テンプレートを表示

平成28年(2016年)熊本地震[1](へいせい28ねん〈2016ねん〉くまもとじしん)とは、2016年(平成28年)4月14日21時26分(JST)に発生した熊本県熊本地方を震源とするM6.5、最大震度7の地震[6][8]。因みに震度7を観測したのは阪神淡路大震災新潟県中越地震東日本大震災に次4回目。[9]

概要

震源は熊本県の熊本地方、震源の深さは11km、マグニチュードは6.5である。気象庁はこの地震についてこの地方で一般的な「横ずれ断層型」だと発表した[6]。この地震は、地震としての規模は特別大きなものではなかったが、内陸で発生した直下型地震で震源が浅かったことが被害を大きくしたものと見られている。

この地震は布田川・日奈久断層帯や近くの小規模活断層の活動が原因である可能性が指摘されている[10]気象庁は本地震とこの断層との関連性は不明としている[要出典]

気象庁はこの地震を平成28年(2016年)熊本地震英語: The 2016 Kumamoto Earthquakeと命名した[1]

震度

震度4以上の揺れを観測した地域は以下の通り[11]

震度 都道府県 市区町村
7 熊本県 益城町
6弱 熊本県 玉名市 西原村 宇城市 熊本市東区西区南区
5強 熊本県 菊池市 宇土市 大津町 菊陽町 御船町 美里町 山都町 氷川町 合志市 熊本市(中央区北区
5弱 熊本県 高森町 阿蘇市 南阿蘇村 八代市 長洲町 大津町 甲佐町 和水町 上天草市 天草市
宮崎県 椎葉村
4 山口県 下関市
福岡県 福岡市博多区 筑紫郡那珂川町 大野城市 宗像市 新宮町 古賀市 粕屋町 みやこ町 大牟田市 久留米市 柳川市 八女市 筑後市 大川市 小郡市 大木町 広川町 筑前町 朝倉市 みやま市
佐賀県 唐津市 佐賀市 上峰町 江北町 白石町 鳥栖市 みやき町 小城市 嬉野市 吉野ヶ里町 神埼市
長崎県 諫早市 島原市 雲仙市 南島原市
熊本県 産山村 荒尾市 山鹿市 玉東町 南関町 人吉市 あさぎり町 多良木町 山江村 水俣市 芦北町 津奈木町 苓北町
大分県 臼杵市 津久見市 佐伯市 豊後大野市 日田市 竹田市 九重町
宮崎県 延岡市 西都市 川南町 高千穂町 日之影町 小林市
鹿児島県 阿久根市 長島町 薩摩川内市 さつま町 湧水町 霧島市 伊佐市

余震

震度5弱以上の余震は以下の通り。これ以外にも120回以上余震が起きた。

発生日時 震央 震源の深さ 地震の規模 最大震度 出典
4月14日22時7分頃 熊本県熊本地方 10km M5.7 6弱(益城町) [1]
4月14日22時38分頃 熊本県熊本地方 10km M5.0 5弱(宇城市) [2]
4月15日0時3分頃 熊本県熊本地方 10km M6.4 6強(宇城市) [3]
4月15日1時53分頃 熊本県熊本地方 10km M4.8 5弱(山都町) [4]

緊急地震速報

気象庁は地震検知の3.7秒後の21時26分42.5秒に第1報の深さ10km、マグニチュード6.4、最大震度は7という緊急地震速報の警報を九州全域などに発表した[12][13]

また、第一報から深さ、マグニチュードが変更されている。

被害・影響

人的被害

熊本県内では住宅の下敷きや火災により、益城町と熊本市東区で計9人の死亡が確認されている[4]

熊本市によると、同市内の病院には同日23時頃現在、地震で重軽傷を負った70人以上が運ばれているという[9]

建物被害

熊本城では、天守閣の屋根瓦が崩れ[14]石垣が少なくとも6か所で崩れ、塀が100mに渡って倒壊した[15]

交通機関

西日本旅客鉄道(JR西日本)では山陽新幹線小倉 - 博多間、山陽本線の門司 - 下関間、九州旅客鉄道(JR九州)では九州新幹線と在来線全線で運転を見合わせた[16]。その為、「みずほ」「さくら」が新大阪~博多間のみの運行となった。九州新幹線では、下りの6両編成の回送列車が熊本駅南側で脱線した[17]

全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL)は、地震発生当時、既に熊本空港を発着する便は運航を終了。日航の空港施設には被害がないという[9]

九州自動車道南関インターチェンジえびのインターチェンジの間で通行止めとなり、高速バスの運休が相次いだ[18]

ライフライン

九州電力川内原子力発電所は地震の影響はなく通常運転を行っており[16]、鹿児島県は「九電から『異常なし』との連絡が午後9時44分に入った」としている[9]玄海原子力発電所では、地震による被害は確認されていないという[9]

催事

教育

地震発生の翌日の15日、熊本県内にある公私立の幼稚園や小中高校などのうち計342校が休校の措置をとり、短縮授業とする措置をとった学校は29校(文部科学省調べ)[25]。また、文部科学省の調べで、県内の公立高校8校と特別支援学校2校の計10校に天井やガラスが破損するなどの被害があったこともわかった。大学でも熊本大学で休講となった。[26]

対応

政府の対応

防衛省、自衛隊

4月14日夜、防衛省は初動対処部隊「ファストフォース」を派遣、航空自衛隊は「F2戦闘機」2機、海上自衛隊は「P3C哨戒機」1機、陸上自衛隊は多用途ヘリコプター「UH-1」1機を派遣した[32]。4月15日7時30分現在、陸上自衛隊を中心に地上での救助活動・被災者支援を実施している。[33]

各党の対応

4月14日夜、自民党公明党民進党は、党幹部を各々の党本部に召集し、独自に対策本部や緊急情報連絡室を設置[34]

メディアの対応

テレビは、NHK・各民放とも21時26分の、地震発生と同時に、放送中の番組を一斉に中断・休止し、緊急報道特別番組を、熊本や福岡にある系列局からのレポートを交えて放送[35]。このうちNHKは、総合テレビ・Eテレ、BS放送ともに報道特番に切り替え(七波全中)、インターネット(NHKの公式サイト)でテレビの報道特番を同時配信した[36]。ただし、熊本県に系列局の置局が無いテレビ東京は、地震関連の緊急特番を組まず、通常放送する番組をそのまま放送[37]

ラジオでも、地震発生に伴い、NHK・民放ともに地震関連の報道特番に切り替えた[38]

インターネット上の反応

短文投稿サイト「Twitter」では、商品が散乱するコンビニエンスストアの店内や、自宅の家具が倒れた様子を撮影したとする画像、本が落ちて本棚が空っぽになった様子や、隆起した道路、倒れた電柱などの画像などが相次いでアップロードされた[39]。TwitterやLINEなどのSNS運営側、あるいは公的機関、また東日本大震災を体験した人や著名人などから被災地の人々へのアドバイスや情報提供も多数寄せられた[40]

脚注

  1. ^ a b c 平成28年4月14日21時26分頃の熊本県熊本地方の地震について(第4報)” (PDF). 気象庁 (2016年4月15日). 2016年4月15日閲覧。
  2. ^ a b M6.2 - 7km SW of Ueki, Japan”. アメリカ地質調査所 (2016年4月14日). 2016年4月15日閲覧。
  3. ^ “震度7「熊本地震」 激しい揺れ伴う余震のおそれ”. NHK. (2016年4月15日). http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160415/k10010481001000.html?utm_int=news_contents_news-main_001 
  4. ^ a b “熊本で震度7、死者9人に”. TBS. (2016年4月15日). http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2750146.html 2016年4月15日閲覧。 
  5. ^ 熊本県内 9人死亡確認 けが1100人超 NHK 2016年4月15日
  6. ^ a b c 平成28年4月14日21時26分頃の熊本県熊本地方の地震について(第3報)” (PDF). 気象庁 (2016年4月15日). 2016年4月15日閲覧。
  7. ^ 2016年04月14日21時26分 熊本県熊本地方 M 6.4”. 気象庁 (2016年4月14日). 2016年4月15日閲覧。
  8. ^ 熊本地震、マグニチュード6.5に修正 日本経済新聞 2016年4月14日
  9. ^ a b c d e 熊本市内の病院に70人超搬送 震度7、余震も 朝日新聞 2016年4月14日23時44分
  10. ^ “浅い震源、内陸型か 震源地周辺の断層帯、動いた可能性”. 朝日新聞. (2016年4月14日). http://www.asahi.com/articles/ASJ4G7JBTJ4GULBJ01D.html 2016年4月15日閲覧。 
  11. ^ 地震情報(各地の震度に関する情報) 気象庁 2016年4月14日21時36分
  12. ^ 緊急地震速報(警報)発表状況”. 気象庁 (2016年4月14日). 2016年4月15日閲覧。
  13. ^ 平成28年4月14日21時26分頃の熊本県熊本地方の地震について”. 気象庁 (2016年4月14日). 2016年4月15日閲覧。
  14. ^ “熊本城も地震被害 天守の瓦落下、石垣も崩落”. 朝日新聞デジタル. (2016年4月15日). http://www.asahi.com/articles/ASJ4H2VX8J4HTIPE01H.html 2016年4月15日閲覧。 
  15. ^ “熊本城 重要文化財の長塀など被害”. NHK. (2016年4月14日). オリジナルの2016年4月14日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160414135525/http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160414/k10010479551000.html 2016年4月14日閲覧。 
  16. ^ a b “熊本で震度7の地震発生、津波の恐れなし 余震続き、JRなど九州全土で運転見合わせ”. Jcastニュース. (2016年4月14日). http://www.j-cast.com/2016/04/14264126.html 2016年4月14日閲覧。 
  17. ^ “九州新幹線、回送列車が脱線 熊本駅の南側”. 日本経済新聞. (2016年4月15日). http://www.nikkei.com/article/DGXLASJC14H75_U6A410C1000000/ 2016年4月14日閲覧。 
  18. ^ “地震・九州の大動脈寸断 新幹線、自動車道”. 西日本新聞. (2016年4月15日). http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/article/238267/ 2016年4月15日閲覧。 
  19. ^ “熊本地震 KKT杯バンテリンレディース第1日中止”. 日刊スポーツ. (2016年4月15日). http://www.nikkansports.com/sports/golf/news/1631832.html 2016年4月15日閲覧。 
  20. ^ “KKT杯バンテリンレディース、地震で大会開催中止”. 日刊スポーツ. (2016年4月15日). http://www.nikkansports.com/sports/golf/news/1632024.html 2016年4月15日閲覧。 
  21. ^ TDSが15周年オープニングセレモニー中止 毎日新聞 2015年4月15日
  22. ^ “〈地震関連速報〉「カントリー&クラフトフェア」は3日間とも中止”. くまもとにち. (2016年4月15日). http://kumanichi.com/news/local/main/20160415024.xhtml 
  23. ^ “<地震速報>牛深ハイヤ祭りは中止”. 熊本日日新聞. (2016年4月15日). http://kumanichi.com/news/local/main/20160415027.xhtml 
  24. ^ “「ミス・ティーン・ジャパン」地震で会見中止 押切もえら出席予定”. スポーツニッポン. (2016年4月15日). http://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2016/04/15/kiji/K20160415012408290.html 
  25. ^ 熊本県内で342校が休校 公私立の小中高など産経新聞 2016年4月15日
  26. ^ 地震に伴う4月15日(金)の授業休講について 熊本大学
  27. ^ 熊本で震度7の地震 総理官邸前から最新情報 テレビ朝日 2014年4月14日
  28. ^ a b c “自衛隊350人、県外から警察200人を派遣 熊本地震”. 朝日新聞. (2016年4月15日). http://www.asahi.com/articles/ASJ4G7RJFJ4GUTFK011.html 2016年4月15日閲覧。 
  29. ^ 熊本知事、陸上自衛隊に災害派遣要請 熊本震度7 朝日新聞 2014年4月14日
  30. ^ "熊本県熊本地方を震源とする地震に係る災害派遣について(05時00分現在)" (Press release). 防衛省. 15 April 2016.
  31. ^ "熊本県熊本地方を震源とする地震(第12報)" (PDF) (Press release). 消防庁災害対策本部. 15 April 2016.
  32. ^ “自衛隊が初動対処部隊や戦闘機など派遣”. 産経ニュース. (2016年4月14日). http://www.sankei.com/politics/news/160414/plt1604140067-n1.html 2016年4月15日閲覧。 
  33. ^ "熊本県熊本地方を震源とする地震に係る災害派遣について(07時30分現在)" (Press release). 防衛省. 15 April 2016.
  34. ^ 熊本地震で自民幹部参集 「人命第一で対応」 日本経済新聞 2016年4月14日
  35. ^ 【熊本震度7】NHK、民放各局が地震番組に変更 新番組延期も 産経新聞 2016年4月14日
  36. ^ NHK、ネットでテレビニュースを同時配信 熊本の地震受けねとらぼ 2016年4月14日
  37. ^ 在京TV各局一斉に「情報」も…テレ東はバラエティー番組続行、スポーツニッポン 2016年4月15日
  38. ^ 熊本の地震受け関西のラジオ局でも報道特別番組を放送 THEPAGE大阪 2016年4月14日
  39. ^ 熊本地震 ツイッターに続々書き込み、被害画像も - 日刊スポーツ(2016年4月15日0時45分)
  40. ^ 熊本震度7地震、被害報告相次ぐ...ツイッターでは3.11経験者からアドバイスも(全文表示) - Jタウンネット 東京都(2016年4月14日 23:45)

関連項目

外部リンク

政府

報道

テレビ・生放送

消息伝言板等

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