赤坂御用地
赤坂御用地(あかさかごようち)は、東京・赤坂にある皇室関連施設の名称であり[1]、敷地内には以下の御所・宮邸がある[2]。
また、敷地の内部には園遊会が開催されることで知られる赤坂御苑がある[2]。
財務省によれば、赤坂御用地の資産価値は、1565億円として計上されており、1平米あたり30万円程度[3]。
概要
現在の住所で東京都港区元赤坂二丁目のほぼ全域を占める赤坂御用地は江戸時代、紀州徳川家の上屋敷(紀州藩赤坂藩邸)があったところで、明治維新後、政府に接収されて帝室(現在の皇室)に献上されたものである。
赤坂御用地は元々、他の御料地などと同様に皇室財産であったが、第二次世界大戦の敗戦と日本国憲法の公布とともに日本国有に移され、国有財産たる皇室用財産として皇室の用に供せられている[1]。
1873年(明治6年)に失火により皇居が焼失した際は、明治天皇がこの地に移り、1888年(明治21年)に新皇居(明治宮殿)が落慶するまでの間、ここを皇居としていた。赤坂御用地の北東に隣接して迎賓館(旧赤坂離宮)があり、訪日した外国賓客の接遇に用いられる。
御所・宮邸
東宮御所
東宮御所は、赤坂御用地の北部に位置する皇太子徳仁親王一家の御所である。
秋篠宮邸
秋篠宮邸は御用地の南東部に位置する秋篠宮家の宮邸である。北に赤坂東邸が隣接し、正門は巽門という。
秋篠宮邸は、改修した旧秩父宮邸を1997年(平成9年)3月から現宮邸として使用しているものである[2]。
三笠宮邸
三笠宮邸は御用地の南側に位置する三笠宮家の宮邸であり、高円宮邸と三笠宮東邸(旧・寬仁親王邸)との間に位置している。
三笠宮邸は1970年(昭和45年)11月から現宮邸として使用されている[2]。
高円宮邸
高円宮邸 | |
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情報 | |
用途 | 高円宮家の住居 |
延床面積 | 690 m² |
階数 | 地上2階 |
着工 | 1985年(昭和60年)8月 |
竣工 | 1986年(昭和61年)10月 |
改築 | 1991年と2000年に増築。2010年に倉庫を新設。 |
所在地 |
〒107-0051 東京都港区・元赤坂二丁目1-4 |
座標 | 北緯35度40分35秒 東経139度43分27秒 / 北緯35.67639度 東経139.72417度座標: 北緯35度40分35秒 東経139度43分27秒 / 北緯35.67639度 東経139.72417度 |
高円宮家の宮邸。南側に位置し三笠宮邸に隣接する。
高円宮邸は、1986年(昭和61年)12月から使用されている[2]。地上2階建ての鉄筋コンクリートで、総工費は4億377万円。宮務官・侍女、事務室を含め19室ある。
三笠宮東邸
三笠宮東邸 | |
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情報 | |
用途 | 三笠宮家と職員の住居 |
旧用途 | 寬仁親王の住居 |
延床面積 | 680 m² |
階数 | 地上2階 |
竣工 | 1982年(昭和57年) |
改築 | 2004年(平成16年)に増改築。 |
所在地 |
〒107-0051 東京都港区・元赤坂二丁目1 |
座標 | 北緯35度40分31秒 東経139度43分47秒 / 北緯35.67528度 東経139.72972度座標: 北緯35度40分31秒 東経139度43分47秒 / 北緯35.67528度 東経139.72972度{{#coordinates:}}: 各ページで primary のタグは複数指定できません |
「みかさのみやとうてい」と読む。かつての寛仁親王の宮邸(寬仁親王邸)。やはり南側に位置し三笠宮邸に隣接する。 地上2階の鉄筋コンクリート建てであり、外回りを含めた総工費は3億8591万円。 当初は、寛仁親王邸として、1982年(昭和57年)12月から使用されている[2]状態となっていた。2012年6月の寬仁親王の薨去に伴い、当主不在のまま寬仁親王家の構成員が、居所はそのままに三笠宮本家に合流することになったため、2013年7月末に、現在の「三笠宮東邸」に改められた。
5人の侍女のための侍女棟が90㎡。侍女棟を抜かして15室。当初計画より40㎡広く建築された[4]。
赤坂東邸
「あかさかひがしてい」と読む。皇族が仮住まいなどに使う共用の邸宅。東側に位置し南に秋篠宮邸が隣接する[5]。
その他の施設
赤坂御苑
赤坂御苑 は赤坂御用地の中央に位置する池を中心とした回遊式庭園がある。1963年(昭和38年)以来、天皇主催の園遊会会場として用いられることから、テレビ・新聞などのメディアに登場する機会が多い。
赤坂御用地の正門は北側の安鎮坂に面している。薬医門形式で「鮫が橋門」と呼ばれる。前庭や裏庭には、皇后美智子のお印である、シラカバが植えられている。ほかに各宮邸への出入り等に用いられる門が御用地の南側と東側にいくつか設けられている。
赤坂御用地は国有財産であるが、原則非公開で、一般市民は原則として立ち入り禁止となっている。
皇宮警察本部赤坂護衛署
皇宮警察本部の護衛署のひとつ。鮫が橋門の東にある。赤坂御用地内及び常盤松御用邸(常陸宮邸)の区域を担当する。
過去に存在した施設
事件・事故
- 1975年(昭和50年)9月4日、赤坂御用地前の青山通りに停車していた車の中から爆弾が発見された(東宮御所前爆弾所持事件)。
- 2006年(平成18年)7月2日、第26回全国高等学校クイズ選手権の関東予選のテレビ番組収録で、オリエンタルラジオの中田敦彦とインストラクターがタンデムジャンプでクイズの正解を示すために神宮球場に降下する予定だった[6]。しかし本番で予想外の突風が吹き流された[6]。インストラクターが空き地を探して降下したところ、神宮球場から約1.1km離れた赤坂御用地の鮫が橋門近くの広場に着地した[6]。日本テレビ広報部は「事前にテスト降下し成功していた。本番でも風の情況でも問題がないと判断した」とコメント[6]。降下後、2名は皇宮警察署から厳重注意を受けたあと解放された[6]。日本テレビは、このハプニング映像を収録していたが、「全国高等学校クイズ選手権」の本放送に際してはカットされ、映像は放送されていない。
脚注
- ^ a b 皇室関連施設、宮内庁のウェブサイト、平成24年4月2日閲覧
- ^ a b c d e f 東宮御所・宮邸、宮内庁のウェブサイト、平成24年4月2日閲覧
- ^ 国有財産の増減及び現在額に関する説明書
- ^ 朝日新聞縮刷版(1982年12月)1036頁
- ^ 赤坂御用地の略図
- ^ a b c d e 「「ご難続き」皇宮警察の困惑 ニュース・スピリッツ」『週刊朝日』第40巻第2号、朝日新聞社、2006年7月21日、142頁。
関連項目
外部リンク
- 赤坂御用地の略図 - 宮内庁のウェブサイト
座標: 北緯35度40分38.6秒 東経139度43分42.9秒 / 北緯35.677389度 東経139.728583度{{#coordinates:}}: 各ページで primary のタグは複数指定できません