イーヴァルディ
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イーヴァルディ[1](古ノルド語:Ívaldi[2]、「大力無双の者」の意[2])は、北欧神話に登場する小人(ドヴェルグ)の一人。
イーヴァルディは鍛冶屋であり、その息子たちによってシヴの髪、スキーズブラズニル、グングニル、といった宝物が作り出されたという[3]。これらの宝物は、ロキがシヴの美しい髪を切ってしまったことを発端とし、その代わりになるものとしてロキが作らせたものである。この神話ではこの後、ロキが同じくドヴェルグであるブロック・エイトリ兄弟と賭けを行い、兄弟によって別の宝物(グリンブルスティ、ドラウプニル、ミョルニル)が生み出されることとなる。
このいきさつは『スノッリのエッダ』第2部『詩語法』に詳しいが、他に、同第1部『ギュルヴィたぶらかし』第43章[4]、『古エッダ』の『グリームニルの言葉』第43節[5]において、「イーヴァルディの子らがスキーズブラズニルを作った」という趣旨で簡単に説明されている。
別のエッダ詩『オージンのワタリガラスの呪文歌』第6節では、「イーヴァルディの年長の方の子供たちの中で、最も若き者」[6]として、イズン (Iðunn[7], Iþunn[8]) という名のアールヴが紹介されている。この詩を英語に訳したエイモス・サイモン・コトルは訳注で、ブラギの妻である女神イズンとは違う存在であると注記している[9]。
脚注
[編集]- ^ 『「詩語法」訳注』41頁にみられる表記。
- ^ a b 『エッダ 古代北欧歌謡集』61頁、訳注120。
- ^ 『「詩語法」訳注』41-42頁。
- ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』260頁。
- ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』56頁。
- ^ ベンジャミン・ソープによる英語訳 Northvegr - Poetic Edda - Thorpe Trans. 2010年3月9日閲覧
- ^ ヨゥナス・クリスチャゥンッソン版 Grein - HRAFNAGALDUR ÓÐINS - FORSPJALLSLJÓÐ - mbl.is 2010年3月9日閲覧
- ^ ソーフス・ブッゲによる校訂版 Forspjallsljóð 2010年3月9日閲覧
- ^ エイモス・サイモン・コトルによる英語訳 Northvegr - Poetic Edda - Cottle Trans. 2010年3月9日閲覧
参考文献
[編集]- 谷口幸男「スノリ『エッダ』「詩語法」訳注」『広島大学文学部紀要』第43巻No.特輯号3、1983年。
- V.G.ネッケル他編 『エッダ 古代北欧歌謡集』谷口幸男訳、新潮社、1973年、ISBN 978-4-10-313701-6。