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エディー・ジョーンズ (ラグビー指導者)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
エディー・ジョーンズ
生年月日 (1960-01-30) 1960年1月30日(64歳)
出身地 オーストラリアの旗オーストラリア タスマニア州
身長 1.64 m (5 ft 5 in)
学校 マトラヴィルスポーツ高校
ラグビーユニオンでの経歴
ポジション フッカー
シニア経歴
チーム 出場 (得点)
ランドウィック 210 ()
州代表
チーム 出場 (得点)
1987–1989 ニューサウスウェールズ 12 (0)
コーチ歴
チーム
1994
1995–1996
1996
1997
1998–2001
2001–2005
2006
2007
2007
2007–2009
2009–2012
2012–2015
2015-2022
2023
2024-
ランドウィック (アシスタントコーチ)
東海大学 (アシスタントコーチ)
日本の旗日本 (アシスタントコーチ)
サントリー (アシスタントコーチ)
ブランビーズ (ヘッドコーチ)
オーストラリアの旗オーストラリア (ヘッドコーチ)
サラセンズ (テクニカルアドバイザー)
レッズ (ヘッドコーチ)
南アフリカ共和国の旗南アフリカ共和国 (テクニカルアドバイザー)
サラセンズ (テクニカルアドバイザー)
サントリー (ヘッドコーチ)
日本の旗日本 (ヘッドコーチ)
イングランドの旗イングランド (ヘッドコーチ)
オーストラリアの旗オーストラリア (ヘッドコーチ)
日本の旗日本 (ヘッドコーチ)

エディー・ジョーンズ英語: Eddie Jones, 1960年1月30日 - )は、オーストラリアタスマニア州バーニー出身のラグビーユニオンの指導者、元選手。2024年から8年ぶりにラグビー日本代表ヘッドコーチに再就任した[1]。2015年から2023年まではオーストラリア代表イングランド代表のヘッドコーチを務めた。東京サントリーサンゴリアスアドバイザー[2]と、ゴールドマン・サックス日本アドバイザリーボードを務めている[3][4]

人物

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オーストラリアタスマニア州バーニー出身。メルボルン出身のオーストラリア人の父と、広島県をルーツに持つ日系アメリカ人2世のハーフの母の間に生まれ[5][6][7]、姉が2人いる。シドニー大学体育学を専攻し1982年に卒業(学位は教育学士)。大学卒業後は教員となり、体育を教える。

プロラグビーコーチ転身前の1994年は「インターナショナル・グラマー・スクール」(シドニー)で副校長を務めていた[8]。インターナショナル・グラマー・スクール時代に出会ったヒロコ夫人は日本人で、当時日本語教師を務めていた[8][9]。娘が1人いる。

選手として

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現役時代のポジションはフッカー。身長173センチ、体重82キロ(公式発表)と大柄なフッカー選手が揃うオーストラリアラグビー界では小柄な体形であるが機敏な動きで活躍した。ニューサウスウェールズ州代表に選出された経歴を持つ。1992年シーズンで現役生活から引退した。

マトラヴィル・ハイスクール在学時にはD・ノックス(ワラビーズ13キャップ)、エラ兄弟(マーク(ワラビーズ25キャップ)、ギャリー(ワラビーズ6キャップ)、グレン(ワラビーズ4キャップ))らと共にランドウィッククラブでプレーした。

コーチとして

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東海大学ラグビー部監督 兼 日本代表スタッフ

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ブランビーズヘッドコーチ

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  • 1997年4月、サントリーサンゴリアスフォワードコーチに就任するも、スーパーラグビーACTブランビーズヘッドコーチに内定したため同年9月に移籍。ACTブランビーズとは4年契約を結び2001年までヘッドコーチを務める[11]
  • 1999年にオーストラリアン・バーバリアンズのコーチを兼任。
  • 2001シーズンのブランビーズは、スーパー12ファイナルで南アフリカのシャークスに36-6で勝利し初タイトルを獲得。オーストラリアのラグビーチームとしては初となるリーグ制覇を達成[12]

オーストラリア代表ヘッドコーチ(1期目)

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南アフリカ代表スタッフ

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サラセンズヘッドコーチ

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  • 2008-2009シーズンはイングランドのサラセンズヘッドコーチ(12チーム9位)。

サントリーサンゴリアスGM 兼 ヘッドコーチ

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  • 2009-2010シーズンはジャパンラグビートップリーグのサントリーサンゴリアスGM、2010-2011シーズンはサントリーサンゴリアスGM 兼 ヘッドコーチを務め日本選手権優勝。
  • 2011- 2012シーズンはトップリーグ制覇と日本選手権優勝の2冠達成。外国人指導者としては初となるリーグ制覇を達成した。

日本代表ヘッドコーチ(1期目)

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  • 2011年12月、ラグビー日本代表ヘッドコーチに内定。契約期間は2012年4月からラグビーワールドカップ2015終了後の12月31日まで。2012年4月に正式就任し、同年6月にウェールズ代表から初勝利をあげるなど日本チームの向上に貢献した。2013年10月に脳梗塞と診断され、一時入院した[15]
  • 2013年11月から歴代最多連勝記録11を達成し、2013年6月のウェールズ戦や2014年6月のイタリア戦での初勝利など数々の実績を挙げていたが[16]、ジョーンズは「日本ラグビーを変えるにはW杯で勝つことがすべて。サッカーみたいにW杯で勝てないチームになりたくはない」とW杯での勝利に強いこだわりをみせていた[17]。ジョーンズは、日本独自のスタイル「ジャパン・ウェー(Japan Way)」を掲げ、俊敏性、フィットネス、スタミナを生かした攻撃ラグビーを目指した[18]
  • 2015年9月19日、2015年ラグビーワールドカップの初戦で南アフリカと対戦したが、英国の大手ブックメーカー・ウィリアムヒルにおける事前の南ア勝利の倍率は1倍で、勝利は確定的とされていた[19]。しかし、試合は終了間際に途中出場のカーン・ヘスケスが逆転トライを挙げ34-32で勝利。試合前に勝利予告していたジョーンズも「本当に感慨深いとしか言いようがない。南アフリカを破るなんて、最後の結果が本当かどうかを疑った。選手たちは勇敢なんてもんじゃない」と語った[20]。日本国内および海外のメディアにより「ブライトンの奇跡」、「スポーツ史上最大の番狂わせ」、「W杯史上最も衝撃的な結果」と報じられ社会現象を巻き起こし[21][22][23][24]、2019年には映画化された[25](「ブライトン・ミラクル」を参照)。
  • 続くスコットランド戦は中3日の日程などに苦しみ敗れたが、サモア戦・米国戦と連勝し、目指してきた8強進出は逃したもののW杯で3勝を挙げた[26]。W杯において3勝したチームが1次リーグ敗退となるのは史上初[27]。国内外のメディアからは「最強の敗者」と形容された[28][29]
  • 林敏之はジョーンズについて「彼は小さい選手だったし、日本人とのハーフで、日本のことを理解している。それは大きいと思います。単なる外国人の指導者ではない」と評価している。一方で松尾雄治は「FWであれば日本のサイド攻撃を使ってもらいたい。モールからもそう。単調に出していてはだめだと思う」「BKはある程度、キックを使わないと強くはなれない」と注文を付けている[30]
  • 2015年8月25日、同年11月1日付けで日本代表ヘッドコーチを退任することが日本ラグビーフットボール協会より正式に発表される[31]2015年9月21日スーパーラグビーに参戦するストーマーズヘッドコーチに内定[32][15]。契約期間は2018年シーズン終了までの2年。

イングランド代表ヘッドコーチ

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東京サントリーサンゴリアス アドバイザー

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オーストラリア代表ヘッドコーチ(2期目)

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日本代表ヘッドコーチ(2期目)

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ヘッドコーチとしての戦績

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オーストラリアHC(第1期)の戦績(2001年-2005年)

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対戦相手 試合数 勝率 (%) 得点 失点
 アルゼンチン 2 2 0 0 100 41 14
 イングランド 7 2 0 5 029 165 158
 フランス 6 3 0 3 050 140 139
 アイルランド 4 3 0 1 075 101 64
 イタリア 2 2 0 0 100 103 24
 ナミビア 1 1 0 0 100 142 0
 ニュージーランド 11 5 0 6 045 201 246
パシフィックアイランダーズ 1 1 0 0 100 29 14
 ルーマニア 1 1 0 0 100 90 8
 サモア 1 1 0 0 100 74 7
 スコットランド 5 5 0 0 100 164 75
 南アフリカ共和国 12 4 1 7 033 283 267
 スペイン 1 1 0 0 100 92 10
 ウェールズ 3 2 0 1 067 73 47
合計 57 33 1 23 058 1698 1073

オーストラリアHC(第1期)での主な記録(2001年-2005年)

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日本HC(第1期)での戦績(2012年-2015年)

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対戦相手 試合数 勝率 (%) 得点 失点
 カナダ 3 3 0 0 100 70 44
 フィジー 3 0 0 3 000 49 74
 ジョージア 3 2 0 1 067 62 67
 香港 5 4 1 0 080 195 8
 イタリア 1 1 0 0 100 26 23
 カザフスタン 1 1 0 0 100 87 0
 ニュージーランド 1 0 0 1 000 6 54
 フィリピン 2 2 0 0 100 220 10
 ルーマニア 2 2 0 0 100 52 36
 ロシア 1 1 0 0 100 40 13
 サモア 3 2 0 1 067 85 46
 スコットランド 2 0 0 2 000 27 87
 南アフリカ共和国 1 1 0 0 100 34 32
 韓国 5 5 0 0 100 300 58
 スペイン 1 1 0 0 100 40 7
 スリランカ 1 1 0 0 100 132 10
 トンガ 3 0 0 3 000 57 82
 アラブ首長国連邦 2 2 0 0 100 199 6
 アメリカ合衆国 4 3 0 1 075 121 90
 ウルグアイ 2 2 0 0 100 70 8
 ウェールズ 2 1 0 1 050 41 30
合計 48 34 1 13 071 1913 785

日本HC(第1期)での主な記録(2012年-2015年)

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イングランドHCでの戦績(2016年-2022年)

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対戦相手 試合数 勝率 (%) 得点 失点
 アルゼンチン 5 5 0 0 100 160 91
 オーストラリア 11 10 0 1 091 348 215
 カナダ 1 1 0 0 100 70 14
 フィジー 1 1 0 0 100 58 15
 フランス 8 5 0 3 063 185 155
 ジョージア 1 1 0 0 100 40 0
 アイルランド 9 5 0 4 056 209 165
 イタリア 8 8 0 0 100 324 76
 日本 1 1 0 0 100 35 15
 ニュージーランド 2 1 0 1 050 34 23
 サモア 1 1 0 0 100 48 14
 スコットランド 7 3 1 3 043 163 130
 南アフリカ共和国 7 4 0 3 057 153 155
 トンガ 2 2 0 0 100 104 6
 アメリカ合衆国 2 2 0 0 100 88 36
 ウェールズ 11 8 0 3 073 231 211
合計 77 58 1 18 075 2263 1290

イングランドHCでの主な記録(2016年-2022年)

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オーストラリアHC(第2期)の戦績(2023年)

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対戦相手 試合数 勝率 (%) 得点 失点
 アルゼンチン 1 0 0 1 000 31 34
 フランス 1 0 0 1 000 17 41
 ニュージーランド 2 0 0 2 000 38 61
 南アフリカ共和国 1 0 0 1 000 12 43
 ウェールズ 1 0 0 1 000 6 40
 フィジー 1 0 0 1 000 15 22
 ジョージア 1 1 0 0 100 35 15
 ポルトガル 1 1 0 0 100 34 14
合計 9 2 0 7 022 188 270

オーストラリアHC(第2期)での主な記録(2023年)

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日本HC(第2期)での戦績(2024年- )

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2024年6月22日イングランド戦が、HC第2期の初戦。

対戦相手 試合数 勝率 (%) 得点 失点
 イングランド 1 0 0 1 000 17 52
 カナダ 0 0 0 0 ! 0 0
 アメリカ合衆国 0 0 0 0 ! 0 0
 ジョージア 1 0 0 1 000 23 25
 イタリア 0 0 0 0 ! 0 0
 ニュージーランド 0 0 0 0 ! 0 0
合計 2 0 0 2 000 40 77

日本HC(第2期)での主な記録(2024年- )

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メディア

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テレビ

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書籍

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CM

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映画化

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コーチング・チームマネージメント哲学

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  • ジョーンズは日本代表のスケジュールを、怪我人の発生や天候不順による練習や試合の中止などを考慮して、常に変化するものと割り切っていた。それをジョーンズは「まず考えるべきは、スケジュールではなく、チームをどこに連れて行きたいか。つまり目的地だ」と表現[105]。その上でジョーンズは、2か月ごとの目標を立てて定期的にレビューを行うことで、達成したい目標を明確化している[106]
  • ジョーンズは体格やフィジカルを言い訳とすることを決して許さず、それらを問題にしたことも1度もない。ジョーンズはバレーボールでは男子よりも女子の方が成績で優れていることに注目しており、バレーボール男子はパワー勝負中心なのに対し、女子はスキルで勝てる要素も比較的大きいという点に着目しているのだろう、というのは関連書籍のライターによる分析である[107]
  • 2015年の時点では、日本社会にある特長がラグビーとリンクしていない、つまり日本には独自のラグビー文化と呼べるものが無いと指摘。同時に「ゲームの進め方まで礼儀正しく序列を重んじるばかりでは、その先の道を閉ざしてしまうことにもなる」と言い切っている。また「『ノーサイドの精神』だけでは足りないんだ。ラグビーをしている限り勝たなければいけないのだから」とも述べている。ジョーンズはそれらを踏まえた上で「"できない理由"を探すよりも、"何ができるのか"を考えるべきだよ」と話している[108]
  • 人の名前を覚えるのが苦手、妻の誕生日を忘れるなど、ジョーンズの記憶力は一概に高いとは言い切れない。しかしジョーンズは会話の中で具体的な数値を用いて説明することが多く、手元に資料がなくてもそうした説明を行うことができる。そんなジョーンズは「データの活用法は、チームによって変わる」と前置きした上で「チェックする項目は3つに絞る」としている[109]
  • 「練習というものは、逆算して計画されるべきもの。チームをどうやって勝たせるかを決めたら、そのための最善の方法、環境を事前に計画していく」という考えの持ち主。オーストラリア代表の監督を務め、ニュージーランド代表に手痛い負け方をした時、その翌日物凄く過酷な練習が始まるように匂わせておきながら、選手達を連れて行った先はゴーカート場。もしここでハードな練習をさせていたら敗戦で落ち込んでいた選手たちの気分をさらに落ち込ませていたかも知れなかった。気分転換させたことによって選手達はその翌日しっかりと練習し、翌週の南アフリカ戦はいい試合をしてくれた[110]
  • 1991年のワールドカップでオーストラリアを優勝させたヘッドコーチ、ボブ・ドゥワイヤーの影響を受けている。試合を分析し、ゲームの中でプレイが継続する時間を割り出す作業を行い、そこで割り出された時間に基づいて、30秒を5回、45秒を6回という具合に有酸素運動のトレーニングを組み立てる方式をジョーンズはそのまま取り入れている。実戦から逆算して練習を計画するジョーンズからすれば、ランパスや1分以上継続したアタック練習は「実戦的でない」と批判的に見られるものである[110]
  • データを見る前に自分の目でビデオをチェックし、その後にデータが上がってきたら自分が見たことがデータ化されているかどうかを確認するのがジョーンズの仕事の1つである[111]
  • 雨中の試合対策としてボディソープをボールに塗ってわざと滑りやすくしたり、ボールを大切に扱えるようにと生卵でパスを交換し合う練習を行ったり、ジムの室温を30度まで上げた上で選手達のジャージの下にゴミ袋を着せてハードトレーニングを行わせたりすることがあるが、これには心理的なアドバンテージを得る狙いもある[112]
  • 練習では監督である自身が最も重要な人物となって選手に影響を与えるという考えを持っているが、試合では自身が最も重要でない人物となるべきと考えている。そのため、前者の場合では最後にグラウンドに入り、後者の場合では最初にグラウンドに入る[113]
  • トップリーグチームを指揮する際はシーズンレビューを作成するが、改善点は最大でも3つに絞る。その理由は「人は3つまでしか覚えられないからだ」というものから[114]
  • 「選手の習慣やリズムに変化があったら、コーチは気にかけなければいけない」と言う考えの持ち主であり、ジョーンズはその考えの下で自身の高い観察能力を発揮してきた。2009年にサントリーのGMに就任したジョーンズは選手達を観察している間に選手間のコミュニケーションが希薄であることに気付き、コミュニケーションの増加のために食堂内での携帯電話の使用を禁止した[115]
  • 選手とコーチの間、あるいはアシスタントコーチとヘッドコーチの間などで、率直な話し合いに基づいて議論を重ね、一貫性のあるコーチングを行うことを重視する考えの持ち主。ジョーンズは「日本では、会議の後に、裏の会議がもう一つ開かれると聞いた時代もあった。向き合って、正直に話し合うべきだ」とこのことに就いて言葉を残している[116]
  • 「チームにとって特別な存在であり、他の選手にはできないパフォーマンスをする選手であれば、その選手には特別な措置をすべきだ」と考えている。実際、アンドリュー・ウォーカーというブランビーズの選手に対しては「家族を置いて、長期遠征には行けない」といウォーカーの希望を飲んで遠征に妻を帯同させることを許し、他にも通常は遠征中ジャンクフードの摂取が認められない中でマクドナルドでの食事を認めた。2014年10月にオーストラリア代表のカートリー・ビールがチームスタッフへ暴言を吐いた問題に関しては「彼はアボリジニだが、所属先のワラタスでは、何の問題もなく過ごしていた。ヘッドコーチのマイケル・チェイカが、しっかり面倒をみていたからだ。一方ワラビーズ(オーストラリア代表チームの愛称)では、全くケアをされていなかったのだろう」とビールを擁護する立場をとった。山田章仁がアメリカンフットボールとラグビーの「二刀流」を行えたのも、ジョーンズの理解と考えによるという[117]
  • プロコーチは1年で勝てなければ次の契約はないという、ある意味では自分に厳しい考えを持つ[118]
  • 学生ラグビーで、試合前にロッカールームで大泣きしたり、試合中に「気持ち!気持ち!」という掛け声を上げたりして気持ちを高ぶらせることに関しては「ナンセンス。その"気持ち"なるものが試合でどのぐらい保てるか。5分か10分程度だろう」と切り捨てている。ジョーンズ曰く、精神状態の一貫性を保つには、ゲームですべきこと明確にしておく必要もあるという[119]
  • サントリー時代、従順で真面目だが失敗を極端に避けようと躊躇する日本の学生部員ら見て違和感を感じ、大人気ドラマだった「スクール☆ウォーズ」全エピソードを視聴して高校における運動部活動を分析。本人によるドラマの感想は「Just stupid」[120][要ページ番号]

脚注

[編集]
  1. ^ a b 日本代表ヘッドコーチ エディー・ジョーンズ氏 決定のお知らせ”. JRFU. 2023年12月13日閲覧。
  2. ^ 東京サントリーサンゴリアス スタッフ一覧”. サントリー サンゴリアス. 2022年12月10日閲覧。
  3. ^ a b Goldman Sachs Japan - 日本における概要” (英語). Goldman Sachs. 2022年12月6日閲覧。
  4. ^ ラグビー豪州代表HC、エディー・ジョーンズ氏が語る「リーダーシップ」の極意 | Japan Innovation Review powered by JBpress”. Japan Innovation Review. 2023年12月15日閲覧。
  5. ^ エディー・ジョーンズの少年時代の夢は「ラグビー選手」ではなく、別のスポーツでスターになることだった。”. ダイヤモンド・オンライン (2021年3月31日). 2023年12月15日閲覧。
  6. ^ https://www.suntory.co.jp/culture-sports/sungoliath/spirits/0606-20.html
  7. ^ “後任候補に清宮氏浮上 日本代表エディーHCがW杯後の退任発表”. スポーツニッポン. (2015年8月26日). https://www.sponichi.co.jp/sports/news/2015/08/26/kiji/K20150826011008250.html 2015年9月21日閲覧。 
  8. ^ a b c d e エディー・ジョーンズが日本の大学を指導して驚いた「3つのこと」”. ダイヤモンド・オンライン (2021年4月2日). 2023年12月14日閲覧。
  9. ^ Brown, Oliver (2016年1月29日). “The Making of Eddie Jones”. The Daily Telegraph. https://s.telegraph.co.uk/graphics/projects/Making-Eddie-Jones/index.html 2019年10月28日閲覧。 
  10. ^ エディー・ジョーンズに学ぶ――「朝令暮改」ができるリーダーがチームを強くする”. ダイヤモンド・オンライン (2021年6月4日). 2023年12月15日閲覧。
  11. ^ エディー・ジョーンズが、身体をはって選手を守ったある事件とは?!”. ダイヤモンド・オンライン (2021年4月4日). 2023年12月14日閲覧。
  12. ^ 2/2 日本人選手の相次ぐ“スーパーラグビー”参戦の背景 [ラグビー All About]”. All About(オールアバウト). 2023年12月14日閲覧。
  13. ^ a b 2003年準決勝、オールブラックスに勝つためにエディーさんが行ったたった1つの戦略”. ダイヤモンド・オンライン (2021年4月11日). 2023年12月14日閲覧。
  14. ^ 2003年準決勝、オールブラックスに勝つためにエディーさんが行ったたった1つの戦略”. ダイヤモンド・オンライン (2021年4月11日). 2023年12月14日閲覧。
  15. ^ a b 名将エディー、ストーマーズHC就任正式決定ラグビーリパブリック、2015年9月22日
  16. ^ 日本代表 エディー・ジョーンズヘッドコーチ ラグビーワールドカップ2015終了後 ヘッドコーチ退任決定のお知らせ2015年8月25日
  17. ^ ラグビー・リポビタンDチャレンジカップ2014 日本26-23イタリア(21日・秩父宮) スポーツ報知 2014年6月23日
  18. ^ エディー革命 パスラグビーと無限スタミナで大金星日刊スポーツ 2015年9月21日
  19. ^ 南アの勝利「確定的」…日本勝利のオッズは「34倍」sanspo 2015年9月19日
  20. ^ 日本代表 ラスト勝負のワケ エディーHC「引き分け選ばなかった主将称えたい」スポニチ 2015年9月21日
  21. ^ ラグビー日本代表、W杯33試合から選ぶ「後世に残したい、あの一戦」|インフォメーション|集英社 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva”. 集英社のスポーツ総合雑誌 スポルティーバ 公式サイト web Sportiva. 2021年6月11日閲覧。
  22. ^ “日本が南アフリカから金星、大会史に残る衝撃的な勝利”. フランス通信社. (2015年9月20日). https://www.afpbb.com/articles/-/3060845 2015年9月21日閲覧。 
  23. ^ “世界が震撼「史上最大の番狂わせ」”. デイリースポーツ. (2015年9月21日). https://www.daily.co.jp/general/2015/09/21/0008414981.shtml 2015年9月21日閲覧。 
  24. ^ (日本語) Japan's Glorious RWC 2015 Memories, https://www.youtube.com/watch?v=SutGKWCMDsk 2021年10月3日閲覧。 
  25. ^ Inc, Natasha. “【イベントレポート】2015年ラグビーW杯の“奇跡”を映画化、工藤夕貴「完成したことがミラクル!」”. 映画ナタリー. 2023年12月14日閲覧。
  26. ^ 「南ア撃破は必然」 コメントで読む日本ラグビー快進撃 日本経済新聞 2015年10月15日
  27. ^ ラグビーW杯 日本がアメリカに勝ち3勝”. NHK (2015年10月12日). 2015年10月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年10月12日閲覧。
  28. ^ 「大会史上最強の敗者」日本代表は誇りを手に帰国 - ラグビーW杯がやってくる - スポーツ : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2021年6月11日閲覧。
  29. ^ (日本語) Japan's Glorious RWC 2015 Memories, https://www.youtube.com/watch?v=SutGKWCMDsk 2021年10月3日閲覧。 
  30. ^ ベースボールマガジン社『ラグビー 戦後70年史』p9
  31. ^ ラグビー日本代表に激震! ジョーンズHC、W杯終了後に退任決定。「私は新しいチャレンジをする」Yahoo News, 2015年8月25日
  32. ^ ジョーンズHC来期は南アのストーマーズ指揮
  33. ^ エディー・ジョーンズ氏、イングランド代表指揮官に就任へ”. www.afpbb.com. 2022年12月7日閲覧。
  34. ^ http://www.bbc.com/sport/rugby-union/34864504
  35. ^ worldrugby.org. “ラグビーアワード受賞者一覧 | ワールドラグビー”. www.world.rugby. 2023年12月13日閲覧。
  36. ^ エディーHCが年間最優秀コーチに、就任後イングランドは23戦22勝”. www.afpbb.com (2017年11月27日). 2023年12月13日閲覧。
  37. ^ i018fe (2021年2月22日). “シックスネーションズ2021 日程・結果ハイライト 順位表 |”. rugbyspreads.com. 2022年12月10日閲覧。
  38. ^ エディー解任騒動に“血の契約”を結ぶ選手が反論? 欧州の名将たちが試行錯誤する2023年W杯へのピーキングとは(竹鼻智)”. Number Web - ナンバー. 2022年12月10日閲覧。
  39. ^ a b 名将エディー・ジョーンズが電撃解任…ラグビーW杯まで9カ月なのになぜ? 協会による“冷酷な聞き取り調査”と“観衆8万人のブーイング”(竹鼻智)”. Number Web - ナンバー. 2022年12月10日閲覧。
  40. ^ シックスネーションズ チーム順位 2022年”. rugbydb.tokyo. 2022年12月10日閲覧。
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外部リンク

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ラグビーユニオン
先代
オーストラリアの旗 ロッド・マックイーン
ラグビーオーストラリア代表ヘッドコーチ
2001-2005
次代
オーストラリアの旗 ジョン・コノリー
先代
ニュージーランドの旗 ジョン・カーワン
ラグビー日本代表ヘッドコーチ
2012-2015
次代
ニュージーランドの旗 ジェイミー・ジョセフ
先代
イングランドの旗 スチュアート・ランカスター
ラグビーイングランド代表ヘッドコーチ
2015-2022
次代
イングランドの旗 スティーブ・ボーズウィック