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クレージーだよ奇想天外

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
クレージーだよ奇想天外
監督 坪島孝
脚本 田波靖男
製作 渡辺晋
音楽 萩原哲晶広瀬健次郎
撮影 宇野晋作
編集 武田うめ
配給 東宝
公開 日本の旗 1966年5月28日[1][2]
上映時間 103分[注釈 1]
製作国 日本の旗 日本
言語 日本語
配給収入 1億9,946万円[3]
前作 大冒険
次作 クレージー大作戦
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クレージーだよ奇想天外』(クレージーだよきそうてんがい)は、1966年に制作された、東宝クレージー映画唯一の谷啓単独主演作品。「作戦シリーズ」第6作。同時上映は『アルプスの若大将[4][注釈 2]。この二本立ては、興行収入8億8,000万円、配給収入4億4,000万円と、当時の東宝の興行新記録を樹立した(観客動員数は400万人)[6]

主演の谷啓と同様にアメリカの喜劇映画ファンであった、脚本家の田波靖男坪島孝監督のコンビによる作品で、SFスラップスティック・ギャグ社会風刺[1][注釈 3]・そして人情喜劇とさまざまな要素を詰め込み、一連の植木等主演作とはかなり色合いの異なる作品に仕上がった[4]。坪島監督が助監督時代から温めてきたプロットの一つである『天国から来た男』をもとにしている[7]。他のクレージーのメンバーも全員出演して谷を支えており、植木は主人公・M7の上司であるα星長官と、国会に紛れ込み、自ら総理大臣を名乗る男の二役を演じている[4]

ストーリー

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地球より文明の発達した遊星αでは、いつまでも戦争を続ける地球人に頭を悩ませていた[4]。落ちこぼれのM7(ミステイク・セブン)が休暇を楽しんでいると、またも地球からロケットが降ってきた[4]。堪忍袋の緒が切れた遊星αの長官はその場に居合わせたM7に、憲法で戦争を放棄している日本へ赴いて平和活動を行うようにとの指令を出す。嫌々ながらも地球へやって来たM7は、地球人の鈴木太郎と入れ替わって任務を遂行しようとする[4]

キャスト

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※ノンクレジット出演者

スタッフ

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挿入歌

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「虹を渡って来た男」
作詞:田波靖男
作曲:萩原哲晶
歌:谷啓
「俺のハートは3333万3330℃」
作詞・作曲:不明
歌:内田裕也
「イヤダイヤダと云ったのに」
作詞:田波靖男
作曲:萩原哲晶
歌:谷啓
「文句節」
作詞:田波靖男
作曲:萩原哲晶
歌:植木等

関連作品

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  • 空想天国 - 本作に近い雰囲気を持つ[4]1968年8月公開の谷啓主演作。脚本も本作同様、田波靖男が手がけているが、監督は松森健が担当した。

脚注

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注釈

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  1. ^ 資料によっては、90分と記述している[2]
  2. ^ アルプスの若大将』は、本作監督の坪島孝と共に東宝クレージー映画を支えた、古澤憲吾が監督を務めた。星由里子は、二本立てで公開された本作と『アルプスの若大将』の両方でヒロインを演じている[5][4]。また、ブルージーンズも本作と『アルプスの若大将』の両方に出演しているが、『アルプスの若大将』には寺内タケシのみ出演していない。
  3. ^ ただし、公開当時の劇場向けプレスシートには「この映画では社会風刺的な場面が多分にありますが、“社会風刺”という言葉は表面に出して宣伝しない方が得策と思います」という注意書きが記されており、娯楽作品に社会風刺を織り込むことを良しとしなかった、当時の東宝の姿勢がうかがえる。

出典

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  1. ^ a b 東宝写真集 2005, p. 4, 「クレージーだよ奇想天外」
  2. ^ a b c d e f g h i j 小林淳 2022, p. 430, 「付章 東宝空想特撮映画作品リスト [1984 - 1984]」
  3. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)230頁
  4. ^ a b c d e f g h 小林淳 2022, pp. 252–254, 「第七章 多彩なファンタジー映画をきらめかせる声調 [1966 - 1969] 一『クレージーだよ 奇想天外』『空想天国』『クレージーの大爆発』『奇々怪々 俺は誰だ?!』」
  5. ^ 別冊映画秘宝編集部 編「星由里子インタビュー(聞き手:手塚昌明/構成:鈴木啓之)」『<保存版>別冊映画秘宝 東宝特撮女優大全集』洋泉社、2014年9月24日、75頁。ISBN 978-4-8003-0495-7 
  6. ^ 田波靖男・著『映画が夢を語れたとき』(1997年・広美出版事業部・ISBN 9784877470074)P.124
  7. ^ 『クレージー映画大全』(1997年・フィルムアート社・ISBN 9784845997701)所収「坪島孝インタビュー」より(同書P.148)。

参考文献

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関連項目

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外部リンク

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