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ピート・マクロード

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ピート・マクロード
Pete McLeod
}
ピート・マクロード
生誕 (1984-02-23) 1984年2月23日(40歳)
カナダの旗 オンタリオ州カプスケーシング英語版
国籍 カナダの旗 カナダ
レース経歴
初出場 2009
最高順位 1位(2014年
機体 エッジ 540、ジャイルズ G-200
公式サイト
www.petemcleodracing.com
テンプレートを表示
2017年レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ 千葉 ピート・マクロード(カナダ)の機体 - C-GYRB

ピート・マクロードPete McLeod1984年2月23日 - )は、カナダ曲技飛行パイロット2009年より、レッドブル・エアレース・ワールドシリーズに参戦していた[1]オンタリオ州カプスケーシングに生まれ、州北西部の小さな町レッド・レイクホッケー狩猟、釣りをしたり、スノーモービルやボート、飛行機に乗って育った[2]

飛行キャリア

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初めて飛行機に乗ったのは生後2か月にも満たない頃で、家族が所有する飛行機だった[3]。母マーガレットによると、6歳のピートは父デイヴの膝に乗せられて人けのない湖の上で操縦かんを握らせてもらったという[4]。雪に覆われたカナダ北部を飛ぶために雪上機の飛ばし方も覚えた。マニトバ州シュタインバッハのハーブス・エア・サービスでトレーニングを積んで、16歳の時にパイロットのライセンスを取得。まだ車の免許を取る前だったが、マクロードにとっては飛行機の方がより身近な体験で、他の生徒が離着陸の練習をしている時に、マクロードは曲技飛行の基礎練習を終えていた。それから数年のうちに飛行時間を積み上げていき、18歳の時には商業パイロットの資格を取得した。夏には人里離れた場所でフライトと釣りばかりしていた[4]

同じく18歳の時、曲技飛行のインストラクターのレイティングを取得。初めて曲技飛行の大会で高度なパフォーマンスに成功したのはこれより後、曲技飛行用のピッツ・スペシャルを手に入れてからだった。翌2004年にはフルシーズンで各地の大会に参戦、負けなしで勝ち続け、アメリカの地方大会でも勝利を収め、北米の大学チャンピオンとなった。

ウェスタンオンタリオ大学経済学の学位を取得、2006年シーズンからはエアショー・サーキットに加わり、プロの曲技飛行として全精力を注ぐことを決意する。エアショーのデビューシーズンとなる2007年は、期待をはるかに超える結果を残した。最も成績が良かったのは、2位に入ったアメリカの国内選手権だった。ナショナルチームとワールドチームの双方で好成績を出したマクロードは、カナダ国内ではチーム戦及びソロ双方のトップランクのパイロットとしてのポジションを確固たるものとした。同年には無制限レベルの飛行解除の権利を得て、次のより高いレベルのフライトができるようになった。マクロードは当時24歳で、最年少記録である。

レッドブル・エアレース参戦へ

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2008年、チェコで行われたヨーロッパ選手権で12位に入ったマクロードは、同年9月にスペインカサルビオスで行われるレッドブル・エアレースに参戦するためのキャンプへの参加を認められる。キャンプに招待された6人のパイロットの内、5人が世界選手権に出場するのに必要なスーパーライセンスを取得、マクロードは最終選考でルーキー4人の内の1人に選ばれた。

2009年からレッドブル・エアレースに参戦。レッドブル・エアレースでは最年少ルーキーではなかったものの、カナダ人としては初参戦となった。

レッドブル・エアレースでは「Team McLeod」として活動していた。

2009年シーズン開始に先立って、自動車レース「NASCAR」の技術者とサポート・スタッフを、自身の初参戦の年のピットクルーとして招集した。レッドブル・エアレースとの契約で、スポンサー、推薦書、ブランドの権利などで得た資金でマクロードはプロのエアレーサーに転向。新たに350馬力の曲技飛行専用機ジブコ エッジ540を手に入れ、より高いパフォーマンスが披露できるようになった。

2009年シーズンは、自身の技術力強化に重点を置き、機体の機能を最大限引き出すよう取り組み[4]、「最初だから100%の力を出し切ることはできないだろうが、自身もチームも学ぶことは多いはずだ、いきなり1番になる必要はない、とにかく勉強だ」「レースパイロットとして自分の能力を最大限引き出し、経験を積み、ペナルティはなるべく少なく、早く安全に飛ぶこと」と考えながら臨んだ[5]

2年目と3年目は最終順位で5位以内に入ることを目指し、30歳までにワールドチャンピオンになりたいという目標を掲げ[6]、前者の目標は達成したが、後者は達成できなかった。

好きな日本食は「品川巻き」で[7]、日本で開催される大会ではファンから多数プレゼントされている[8]

2019年のレッドブル・エアレース終了後、2022年開幕のワールドチャンピオンシップエアレース(WACR:World Championship Air Race)にもレースパイロットとして参加[9]

戦績

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2003年 - 2008年

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2003年
  • 1位:オンタリオ・オープン・エアロバティック・チャンピオンシップ - 初の競技会参戦
  • Completion of highly recognized Emergency Maneuver Training course.[1]
2004年
  • 北米 大学生曲技飛行チャンピオン
  • 中米 シリーズチャンピオン
  • 2004年シリーズ 全戦無敗
  • ピッツ賞 4度の最高得点で優勝
  • 北米でポイント獲得率最高の90.67%を記録
2006年
  • 2位:アメリカ・ナショナル・エアロバティック・チャンピオンシップ アドバンスト・カテゴリー - C-GPNM Giles G-200英語版[10]
  • アメリカ・ナショナル・チャンピオンシップにてB・F・グッドリッチ賞受賞
  • 最年少カナダ人エアショー・パフォーマー
  • 全9レース中、7レースで1位、2レースで2位を記録
2007年
  • エアロバティック・ディスプレー・ウェイヴァー 無制限レベル
2008年

レッドブル・エアレース

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金色 銀色 銅色 ポイント圏内完走 ポイント圏外完走
1位 2位 3位 4-11位(2009年・2010年)
4-08位(2014年・2015年)
4-10位[注 1](2016年 - 2018年)
4-13位(2019年 - [注 2]
12位以下(2009年・2010年)
09位以下(2014年・2015年)
11位以下[注 1](2016年 - 2018年)
14位(2019年 - )
カナダの旗 ピート・マクロード
レッドブル・エアレース・ワールドシリーズ戦績
開催年 1 2 3 4 5 6 7 8 ポイント 勝利数 最終順位
2009年 アラブ首長国連邦の旗
15位
0
アメリカ合衆国の旗
15位
0
カナダの旗
11位
1
ハンガリーの旗
13位
0
ポルトガルの旗
14位
0
スペインの旗
12位
0
1 0 15位
2010年 アラブ首長国連邦の旗
5位
7
オーストラリアの旗
5位
7
ブラジルの旗
7位
5
カナダの旗
9位
3
アメリカ合衆国の旗
5位
7
ドイツの旗
8位
4
ハンガリーの旗
中止
ポルトガルの旗
中止
33 0 5位
2011年から2013年はレース休止
2014年 アラブ首長国連邦の旗
3位
7
クロアチアの旗
4位
5
マレーシアの旗
4位
5
ポーランドの旗
8位
1
イギリスの旗
11位
0
アメリカ合衆国の旗
3位
7
アメリカ合衆国の旗
1位
12
オーストリアの旗
8位
1
38 1 5位
2015年 アラブ首長国連邦の旗
3位[13]
7
日本の旗
12位
0
クロアチアの旗
7位[14][15]
2
ハンガリーの旗
4位[16][17]
5
イギリスの旗
13位[18]
0
オーストリアの旗
5位[19]
4
アメリカ合衆国の旗
8位[20]
1
アメリカ合衆国の旗
11位[21]
0
19 0 8位
2016年 アラブ首長国連邦の旗
6位[22]
4
オーストリアの旗
4位[23]
7
日本の旗
12位[24]
0
ハンガリーの旗
9位[25]
1.5
イギリスの旗
13位[26]
0
ドイツの旗
3位[27]
9
アメリカ合衆国の旗
3位[28]
9
アメリカ合衆国の旗
中止[29]
30.5 0 9位
2017年 アラブ首長国連邦の旗
3位[30]
9
アメリカ合衆国の旗
10位[31]
1
日本の旗
7位[32]
4
ハンガリーの旗
2位[33]
12
ロシアの旗
2位[34]
12
ポルトガルの旗
2位[35]
12
ドイツの旗
5位[36]
6
アメリカ合衆国の旗
11位[37]
0
56 0 3位
2018年 アラブ首長国連邦の旗
14位 (DNF)[38]
0
フランスの旗
7位[39]
4
日本の旗
4位[40]
7
ハンガリーの旗
12位 (DNF)[41]
0
ロシアの旗
11位[42]
0
オーストリアの旗
7位[43]
4
アメリカ合衆国の旗
2位[44]
12
アメリカ合衆国の旗
11位[45]
0
27 0 8位
2019年 アラブ首長国連邦の旗
9位
5+2
ロシアの旗
9位
5
ハンガリーの旗
3位
20
日本の旗
4位
18
50 0 4位

脚注・出典

[編集]

脚注

[編集]
  1. ^ a b 2016年シーズンは初戦のみ9位までポイント圏内、第2戦以降改訂された。
  2. ^ 2019年シーズンから予選上位3位までポイントが与えられる。[12]

出典

[編集]
  1. ^ a b Pete McLeod Racing”. 2008年12月12日閲覧。
  2. ^ Canadian Rookie Youngest Ever Red Bull Air Race Pilot”. Red Bull Air Race GmbH (2008年11月24日). 2008年12月12日閲覧。
  3. ^ Difalco, Salvatore (2008年12月9日). “Pete McLeod”. Toro. 2008年12月12日閲覧。
  4. ^ a b c Clayton, Reg (2008年12月9日). “Red Lake bush pilot prepares to take on the Red Bull Air Race series by the horns”. Lake Of The Woods Enterprise. 2008年12月12日閲覧。
  5. ^ Sheiban, Shakeri (2008年11月3日). “An Hour With Pete McLeod Part II: Career, Early Ambitions, Tech and More!”. Bleacher Report. 2008年12月12日閲覧。
  6. ^ Introducing Pete McLeod”. Red Bull Canada. 2008年12月12日閲覧。
  7. ^ 名古屋メイ (2018年5月27日). “千葉の空に熱狂が帰ってきた!『レッドブル・エアレース2018千葉 』予選結果”. FINEPLAY. 2018年6月4日閲覧。
  8. ^ 咲村珠樹 (2017年6月5日). “レッドブル・エアレース千葉大会、室屋選手優勝で年間ランキングトップに”. おたくま経済新聞. 2018年6月4日閲覧。
  9. ^ #84 PETE MCLEOD (CAN)”. 2021年5月13日閲覧。
  10. ^ Contest Profile - Aerobatic Contest Archive”. Aerobatic Contest Archive. 2018年6月23日閲覧。
  11. ^ Contest Profile - Aerobatic Contest Archive”. Aerobatic Contest Archive. 2018年6月23日閲覧。
  12. ^ 2019シーズン:ルール&チーム変更詳細”. Red Bull Air Race (2019年1月30日). 2019年2月10日閲覧。
  13. ^ アブダビはポール・ボノムが優勝”. Red Bull Air Race (2015年2月14日). 2015年9月7日閲覧。
  14. ^ 第3戦ロヴィニ:決勝レース終了後パイロットリアクション”. Red Bull Air Race (2015年5月30日). 2015年9月9日閲覧。
  15. ^ 浅田真樹 (2015年6月2日). “【エアレース】室屋義秀、第3戦で10位もトップ争いへ視界良好”. Web Sportiva. 集英社. 2015年9月23日閲覧。
  16. ^ ブダペストはハンネス・アルヒが優勝!”. Red Bull Air Race (2015年7月5日). 2015年9月11日閲覧。
  17. ^ 浅田真樹 (2015年7月8日). “【エアレース】室屋義秀が強くなったからこそ味わう「勝つことの難しさ」”. Web Sportiva. 集英社. 2015年9月23日閲覧。
  18. ^ 浅田真樹 (2015年8月19日). “【エアレース】今季初の表彰台獲得。室屋義秀が「さらに上を狙える」根拠”. Web Sportiva. 集英社. 2015年9月6日閲覧。
  19. ^ 第6戦シュピールベルク:決勝レース後リアクション”. Red Bull Air Race (2015年9月6日). 2015年9月15日閲覧。
  20. ^ Bonhomme takes decisive win in Fort Worth”. Red Bull Air Race (2015年9月27日). 2015年9月29日閲覧。
  21. ^ 第8戦ラスベガス:決勝レース後リアクション”. Red Bull Air Race (2015年10月18日). 2015年10月20日閲覧。
  22. ^ アブダビ決勝: パイロットリアクション”. Red Bull Air Race (2016年3月12日). 2016年3月14日閲覧。
  23. ^ シュピールベルク決勝:パイロットリアクション”. Red Bull Air Race (2016年4月24日). 2016年4月25日閲覧。
  24. ^ Muroya celebrates stunning home victory”. Red Bull Air Race (2016年6月5日). 2016年6月6日閲覧。
  25. ^ Dolderer unstoppable in Budapest”. Red Bull Air Race (2016年7月17日). 2016年7月18日閲覧。
  26. ^ アスコット:決勝レース・リアクション”. Red Bull Air Race (2016年8月14日). 2016年8月15日閲覧。
  27. ^ Lausitz 2016: Master Class Race Day reactions”. Red Bull Air Race (2016年9月4日). 2016年9月5日閲覧。
  28. ^ インディアナポリス:決勝レース・リアクション”. Red Bull Air Race (2016年10月2日). 2016年10月3日閲覧。
  29. ^ NEWS UPDATE: Las Vegas race cancelled due to desert wind”. Red Bull Air Race (2016年10月17日). 2016年10月17日閲覧。
  30. ^ アブダビ:ソンカがキャリア初優勝”. Red Bull Air Race (2017年2月11日). 2017年2月14日閲覧。
  31. ^ サンディエゴ:室屋義秀が優勝!”. Red Bull Air Race (2017年4月16日). 2017年4月17日閲覧。
  32. ^ 千葉:室屋がホームレース2連覇を達成”. Red Bull Air Race (2017年6月4日). 2017年6月4日閲覧。
  33. ^ ブダペスト:チャンブリスが優勝 室屋は3位”. Red Bull Air Race (2017年7月2日). 2017年7月3日閲覧。
  34. ^ カザン:チャンブリスが2連勝”. Red Bull Air Race (2017年7月23日). 2017年7月24日閲覧。
  35. ^ Sonka stuns rivals with Porto win”. Red Bull Air Race (2017年9月3日). 2017年9月4日閲覧。
  36. ^ Muroya the master of Lausitz”. Red Bull Air Race (2017年9月17日). 2017年9月18日閲覧。
  37. ^ インディアナポリス:室屋が優勝&ワールドチャンピオン獲得”. Red Bull Air Race (2017年10月15日). 2017年10月16日閲覧。
  38. ^ 2018シーズン開幕戦アブダビ:優勝はグーリアン 室屋は2位”. Red Bull Air Race (2018年2月3日). 2018年2月4日閲覧。
  39. ^ Hall has the Edge in Cannes with historic win”. Red Bull Air Race (2018年4月22日). 2018年4月26日閲覧。
  40. ^ 千葉:マット・ホールが優勝”. Red Bull Air Race (2018年5月27日). 2018年5月28日閲覧。
  41. ^ ブダペスト:ソンカが優勝 室屋は11位”. Red Bull Air Race (2018年6月24日). 2018年6月26日閲覧。
  42. ^ Sensational scenes in Kazan as Sonka takes dramatic victory”. Red Bull Air Race (2018年8月26日). 2018年8月27日閲覧。
  43. ^ ウィーナー・ノイシュタット:決勝レース後 パイロットリアクション”. Red Bull Air Race (2018年9月15日). 2018年9月27日閲覧。
  44. ^ Goulian becomes a home race hero in Indy”. Red Bull Air Race (2018年10月7日). 2018年10月8日閲覧。
  45. ^ フォートワース:決勝レース後 パイロットリアクション”. Red Bull Air Race (2018年11月18日). 2018年12月3日閲覧。

外部リンク

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