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日本とフィジーの関係

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日本とフィジーの関係
FijiとJapanの位置を示した地図

フィジー

日本

日本とフィジーの関係(にほんとフィジーのかんけい、英語: Fiji-Japan relations) では、日本フィジーの関係について概説する。正式名称から日本とフィジー共和国の関係とも。友好的な関係が築かれている。

両国の比較

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フィジーの旗 フィジー 日本の旗 日本 両国の差
人口 89万6444人(2020年)[1] 1億2583万人(2020年)[2] 日本フィジーの約140.4倍
国土面積 1万8270km2[3][注釈 1] 37万7972 km2 日本フィジーの約20.7倍
首都 スバ 東京都
最大都市 ナシヌー 東京都区部
政体 共和制 民主制議院内閣制[注釈 2]
公用語 フィジー語英語フィジー・ヒンディー語 日本語事実上
通貨 フィジー・ドル 日本円
国教 なし なし
国家元首 ウィリアメ・カトニヴェレ 岸田文雄[注釈 3]
人間開発指数 0.741[4] 0.919[4]
民主主義指数 5.61[5] 7.99[5]
GDP(名目) 45億3388万米ドル(2020年)[6] 4兆9754億1524万米ドル(2020年)[7] 日本フィジーの約1,097.4倍
一人当たり名目GDP 5,057.6米ドル(2020年)[8] 39,538.9米ドル(2020年)[9] 日本フィジーの約7.8倍
GDP(購買力平価) 108億2801万米ドル(2020年)[10] 5兆5043億3091万米ドル(2019年)[11] 日本フィジーの約508.3倍
一人当たり実質GDP 12,078.8米ドル(2020年)[12] 43,593.5米ドル(2019年)[13] 日本フィジーの約3.6倍
経済成長率 -0.4%(2019年)[14] 0.3%(2019年)[15]
軍事 7351万782米ドル(2020年)[16] 491億4855万米ドル(2020年)[17] 日本フィジーの約67.3倍
地図

歴史

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直接的な交流は近代に入ってからである。太平洋戦争以前はフィジーへの日本人移民導入の動きがあったが、気候や風土の違いから移住したのはわずかで定着せず、開戦を機に中断された[18]。戦時中には日本軍によって米豪分断のためフィジーサモア方面へ進行するFS作戦が策定されたが、戦況の悪化により実行に移されず終わっている[19]

1970年10月日本は独立と同時にフィジーを承認し国交が樹立された。1979年1月にはスバ在フィジー日本国大使館が開設。一方のフィジー側は1981年1月東京在日フィジー大使館を開設した[3]

2020年には日本・フィジー国交樹立50周年を迎えた[20]

外交

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駐日フィジー大使館の入居するノアビル

二国間関係

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フィジー2014年まで軍事政権であったが、現在では民主主義が定着しており、また資本主義自由主義法の支配人権の尊重といった概念を日本と一定程度共有する友好国である[3]。接触は近代に入ってからであるものの、日本東アジアフィジーメラネシアに位置しており距離は比較的近く、同じく太平洋に浮かぶ島国であることから政治的に同じ立場に立つことも多い[3]

日本要人のフィジー訪問

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近年では以下のようなものがある[3]

2018年8月には堀井巌外務大臣政務官オセアニア諸国を歴訪し、その中にはフィジーも含まれていた[21]

2019年6月には薗浦健太郎内閣総理大臣補佐官フィジーを訪れ、フランク・バイニマラマ首相イニア・セルイラトゥ英語版外相と会談した[22]

2019年8月には河野太郎外務大臣としては32年ぶりにフィジーを訪問[23]フランク・バイニマラマ首相に表敬したほか[24]イニア・セルイラトゥ英語版外相との会談[25]、対太平洋島嶼国政策に関する政策スピーチなどを実施した[26]

同じ時期には鈴木憲和外務大臣政務官がフィジーを訪問し、日本の経済協力事業の視察等を実施した[27]

2020年2月には中山展宏外務大臣政務官フィジーを訪問。フランク・バイニマラマ首相への表敬、イニア・セルイラトゥ英語版外相との会談などを実施し、東京オリンピック・パラリンピックに向けた人的交流の活発化の方針で一致した[28]

フィジー要人の訪日

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近年の訪日には以下のようなものがある[3]

2015年3月にはイノケ・クンブアンボラ英語版外相が国連防災世界会議出席のため仙台に滞在し、その間に当時外務大臣だった岸田文雄と外相会談を実施した[29]

2015年5月にはフランク・バイニマラマ首相太平洋・島サミット出席のため訪日。安倍晋三との首脳会談を実施した[30]

2018年5月にも太平洋・島サミット出席のためフランク・バイニマラマ首相が訪日し、再び安倍晋三との首脳会談が実施された。主な議題は「自由で開かれたインド太平洋」戦略であった[31]

経済関係

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財務省貿易統計によれば2020年日本の対フィジー輸出はおよそ44億6700万円、対フィジー輸入はおよそ33億700万円で、南太平洋の島嶼国としては比較的大きな数字である[32]

日本オーストラリアに次ぐフィジーの主要援助国と見做されており、2018年までの累計援助実績は500億円を上回る。内訳としては有償資金協力23億円、無償資金協力213.59億円、技術協力297.44億円である[3]。現在までの対フィジーODAのうちおよそ5分の1を日本が占めており[33]、近年の主要な事業は以下の通り。

  • 防災の主流化促進プロジェクト(2020年~2024年)」‐技術協力。フィジーにおいてハザード評価能力の向上、地方防災計画策定・普及体制の整備及び中央政府の防災事業の実施促進体制の整備を行うことにより、国家災害管理局の防災活動の実施促進能力の強化を図り、同局の調整の下、国家防災政策ロードマップに基づいた防災事業の実施に寄与[34]
  • ナンディ川洪水対策策定プロジェクト(2014年~2016年)」‐技術協力。ナンディ川流域の包括的な洪水対策マスタープランの策定と優先プロジェクトの選定などを支援し、フィジー第三の都市ナンディの早急な治水安全度の向上を目指す[35]
  • 太平洋地域ハイブリッド発電システム導入プロジェクト(2017年~2022年)」‐技術協力。フィジーを拠点とし、キリバスツバルミクロネシア連邦マーシャル諸島を対象に、ハイブリッド発電システム技術の普及を支援[36]
  • ナンディ・ラウトカ地域上水道整備事業(1998年、22.87億円)」‐フィジーの主要都市であるナンディラウトカにおいて、既存の水源を利用した水道施設の改良・拡張を行い、給水状況の改善を支援。現在までで唯一のフィジーに対する円借款事業である[37]
  • 中波ラジオ放送復旧計画(2015年、8.65億円)」‐無償資金協力。フィジー放送会社に対し、中波アンテナシステム、中波送信機、送信機建屋などの整備を支援[38]
  • 広域防災システム整備計画(2012年、3億円)」‐無償資金協力。自動気象観測装置や雷検知システム、潮位計測システムといった観測機器の整備を支援[39]

文化交流

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フィジーの在留邦人数は2020年時点で276人。一方で在日フィジー人は270名程度となっている[3]

フィジーラグビーの強豪国として知られる。一方日本では2019年にラグビーワールドカップが開催されるなど近年ラグビーへの注目が高まりつつあり、東京オリンピック・パラリンピックでは日本の初戦としてフィジーと対決している[40]

外交使節

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駐フィジー日本大使

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駐日フィジー大使

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駐日フィジー大使館

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  • 住所:東京都港区麻布台2-3-5 ノアビル14F
  • アクセス:東京メトロ日比谷線神谷町駅より徒歩6分
  • 備考:在フィリピンフィジー大使館、在ロシアフィジー大使館を兼轄

在フィジー日本大使館

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  • 住所: スバ市トムソン通りBSPライフセンター2階
  • 備考:在ツバル日本国大使館、在ナウル日本国大使館を兼轄

脚注

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脚注

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  1. ^ 四国とほぼ同じ大きさ。
  2. ^ 日本国憲法で明確に定められている。
  3. ^ 憲法で明確な規定がなく元首内閣総理大臣天皇かは公式見解が出されていない。しかし国民主権国家の政府の長であることから、学説上多数派を占めるのは内閣総理大臣元首説となっている。詳細は「日本の元首」を参照。

出典

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  1. ^ 世界銀行. “Population, total - Fiji” (英語). 2022年2月20日閲覧。
  2. ^ 世界銀行. “Population, total - Japan” (英語). 2021年7月24日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h 外務省. “フィジー共和国(Republic of Fiji)基礎データ”. 2022年2月20日閲覧。
  4. ^ a b 国際連合開発計画. “Human Development Report 2020” (pdf) (英語). 2021年3月17日閲覧。
  5. ^ a b エコノミスト・インテリジェンス・ユニット. “Democracy Index 2021: the China challenge” (英語). 2022年2月20日閲覧。
  6. ^ 世界銀行. “GDP (current US$) - Fiji” (英語). 2022年2月20日閲覧。
  7. ^ 世界銀行. “GDP (current US$) - Japan” (英語). 2021年11月10日閲覧。
  8. ^ 世界銀行. “GDP per capita (current US$) - Fiji” (英語). 2022年2月20日閲覧。
  9. ^ 世界銀行. “GDP per capita (current US$) - Japan” (英語). 2021年11月10日閲覧。
  10. ^ 世界銀行. “GDP, PPP (current international $) - Fiji” (英語). 2021年11月10日閲覧。
  11. ^ 世界銀行. “GDP, PPP (current international $) - Japan” (英語). 2021年3月17日閲覧。
  12. ^ 世界銀行. “GDP per capita, PPP (current international $) - Fiji” (英語). 2022年2月20日閲覧。
  13. ^ 世界銀行. “GDP per capita, PPP (current international $) - Japan” (英語). 2021年7月24日閲覧。
  14. ^ 世界銀行. “GDP growth (annual %) - Fiji” (英語). 2022年2月20日閲覧。
  15. ^ 世界銀行. “GDP growth (annual %) - Japan” (英語). 2021年3月17日閲覧。
  16. ^ 世界銀行. “Military expenditure (current USD) - Fiji” (英語). 2021年11月10日閲覧。
  17. ^ 世界銀行. “Military expenditure (current USD) - Japan” (英語). 2021年7月24日閲覧。
  18. ^ 石川友紀「オセアニアにおける日本人移民の歴史と実態-ニューカレドニア移民を中心に-」『立命館言語文化研究』第20巻第1号、立命館大学国際言語文化研究所、2008年9月、83-92ページ、ISSN 09157816NAID 40016461677 
  19. ^ 千早正隆『日本海軍の驕り症候群(下)』中央公論社〈中公文庫〉、1997年、184-202頁。ISBN 4122029937 
  20. ^ 外務省 (2020年10月23日). “日・フィジー外交関係樹立50周年における中西外務大臣政務官のビデオメッセージ”. 2022年2月20日閲覧。
  21. ^ 外務省 (2018年8月14日). “堀井巌外務大臣政務官の豪州,トンガ,クック諸島,フィジー,キリバス及びマーシャル諸島訪問(結果)”. 2022年2月20日閲覧。
  22. ^ 外務省 (2019年6月7日). “薗浦内閣総理大臣補佐官のフィジー訪問”. 2022年2月20日閲覧。
  23. ^ 外務省 (2019年8月5日). “河野外務大臣のフィジー訪問”. 2022年2月20日閲覧。
  24. ^ 外務省 (2019年8月5日). “河野外務大臣のバイニマラマ・フィジー首相表敬”. 2022年2月20日閲覧。
  25. ^ 外務省 (2019年8月4日). “日・フィジー外相会談”. 2022年2月20日閲覧。
  26. ^ 外務省 (2019年8月5日). “河野外務大臣の対太平洋島嶼国政策に関する政策スピーチ”. 2022年2月20日閲覧。
  27. ^ 外務省 (2019年8月9日). “鈴木外務大臣政務官のフィジー,ツバル,ソロモン諸島及びカンボジア訪問”. 2022年2月20日閲覧。
  28. ^ 外務省 (2020年3月4日). “中山外務大臣政務官の豪州及びフィジー訪問(結果)”. 2022年2月20日閲覧。
  29. ^ 外務省 (2015年3月15日). “日・フィジー外相会談”. 2022年2月20日閲覧。
  30. ^ 外務省 (2015年5月19日). “日・フィジー首脳会談及び夕食会”. 2022年2月20日閲覧。
  31. ^ 外務省 (2018年5月16日). “日・フィジー首脳会談及び夕食会”. 2022年2月20日閲覧。
  32. ^ 財務省. “財務省貿易統計 2020年 フィジー”. 2022年2月20日閲覧。
  33. ^ 外務省. “日本とフィジー共和国との協力年表” (pdf). 2022年2月20日閲覧。
  34. ^ 国際協力機構. “防災の主流化促進プロジェクト”. ODA見える化サイト. 2022年2月20日閲覧。
  35. ^ 国際協力機構. “ナンディ川洪水対策策定プロジェクト”. ODA見える化サイト. 2022年2月20日閲覧。
  36. ^ 国際協力機構. “太平洋地域ハイブリッド発電システム導入プロジェクト”. ODA見える化サイト. 2022年2月20日閲覧。
  37. ^ 国際協力機構. “日・フィジー首脳会談及び夕食会”. ODA見える化サイト. 2022年2月20日閲覧。
  38. ^ 国際協力機構. “中波ラジオ放送復旧計画”. ODA見える化サイト. 2022年2月20日閲覧。
  39. ^ 国際協力機構. “広域防災システム整備計画”. ODA見える化サイト. 2022年2月20日閲覧。
  40. ^ NHK (2021年7月26日). “オリンピック 7人制ラグビー男子 日本の初戦 フィジーに敗れる”. 2022年2月20日閲覧。
  41. ^ 外務省 (2006年7月7日). “新任駐日フィジー大使の信任状捧呈について”. 2022年2月20日閲覧。
  42. ^ 外務省 (2010年1月12日). “新任駐日フィジー大使の信任状捧呈”. 2022年2月20日閲覧。
  43. ^ 外務省 (2020年7月29日). “中山外務大臣政務官と駐日フィジー、パラオ及びトンガ大使との懇談”. 2022年2月20日閲覧。
  44. ^ 駐日フィジー共和国大使の信任状捧呈 | 外務省

関連文献

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  • 吉岡政徳 、石森大知『南太平洋を知るための58章 : メラネシア ポリネシア』明石書店〈エリア・スタディーズ〉。ISBN 9784750332758 


関連項目

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外部リンク

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