ホンダ・P型エンジン
ホンダ・P型エンジン | |
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P10A型エンジン | |
生産拠点 | 本田技研工業 |
製造期間 |
2003年8月 - 2013年12月 (P07A) 2015年8月 - (P10A) |
タイプ |
直列3気筒SOHC6バルブ (P07A) 直列3気筒DOHC12バルブ (P10A) |
排気量 |
0.66L(P07A) 1.0L(P10A) |
ホンダ・P型エンジン(ホンダ・Pがたエンジン)は、2003年8月から2013年12月まで本田技研工業で製造されていた軽自動車用直列3気筒ガソリンエンジン、および2013年11月に発表され、2015年8月から製造されている小型車用ガソリンエンジンである。
機構
[編集]i-DSI
[編集]従来のE型エンジンの後継機にあたり、スポーツカー向けのエンジンではなく実用型ではあるが、かなりのショートストロークエンジンとなった。これは軽自動車では車重に比してエンジンの排気量が小さく、他の乗用車用エンジンよりも高い回転域が常用されるために、その回転域での効率を重視したためである。ボアピッチはL型エンジンと同一の80mm。
吸・排気バルブはそれぞれ1個で、タイミングベルトで駆動されるカムシャフトにより、ロッカーアームを介し開閉される。そのロッカーアームの摺動部には動弁系の摩擦を低減するためにローラー機構を使用している。点火プラグが対角の位置に2個ずつ取付けられ、その1つ1つに点火コイルを装着し、エンジン回転や負荷に応じて最適なタイミングと位相で点火する。シリンダーヘッドの吸・排気ポートは、燃焼室内にスワールが形成される形状にし、燃焼速度の向上を図っている。シリンダーブロックはアルミ製で、シリンダーとクランクシャフトの中心軸がオフセットされ、ピストンとシリンダー間の摩擦抵抗の低減を図っている。
燃料供給装置はPGM-FI仕様のみで、インテークマニホールドの各気筒のポートにインジェクターが取付けられたマルチポイント式である。エキゾーストマニホールドが無く、エンジンと三元触媒との間隔を近づけ、冷間時でも早期から排気ガスの浄化を可能にした。
後継はS型エンジン。
VTEC TURBO
[編集]2013年11月に発表。走りと燃費を両立させる新世代パワートレイン技術「EARTH DREAMS TECHNOLOGY」の1つである「VTEC TURBO」シリーズの中で、主に小~中型車用エンジンとして開発され、主に欧州・中国向けに販売される10代目シビックに搭載されている。完全自社設計ではなく、ドイツの技術プロバイダ・FEVと共同で開発されている[1]。
開発経緯から軽自動車向けのP型とは関連がなく、DOHCおよび直噴機構のほか水冷式EGRも採用された。
歴史
[編集]- 2003年9月、4代目ライフに自然吸気とターボ過給のP07A(i-DSI)が初めて採用された。
- 2013年12月、5代目ライフの生産終了に伴い、P07A型エンジンの製造も終了した(同5代目ライフは2014年4月を以って販売終了)。
- 2015年9月、欧州および中国で発表された10代目シビックにP10Aが採用された。
バリエーション
[編集]現在
[編集]P10A
[編集]- VTEC TURBO
- 弁機構:DOHC 湿式(油中式)タイミングベルト駆動 吸気2 排気2
- 排気量:988cc
- 内径×行程:73.0mm×78.7mm
- 圧縮比:10.0
- 過給機:ターボチャージャー
- 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
- 参考スペック (FK4 シビック)
- 最高出力:95kW(129PS)/5,500rpm
- 最大トルク:200N·m(20.4kg·m)/2,250rpm
- クライダー / エンヴィックス(2018年-)
- シティ(GN1/7)
過去
[編集]P07A
[編集]- NA
- 弁機構:SOHC 乾式タイミングベルト駆動 吸気1 排気1
- 排気量:658cc
- 内径×行程:71.0mm×55.4mm
- 圧縮比:11.2
- 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
- 参考スペック (JE1ゼスト)
- 最38kW(52PS)/7,100rpm
- 最大トルク:61N·m(6.2kg·m)/3,800rpm
- ターボ
- 弁機構:SOHC 乾式タイミングベルト駆動 吸気1 排気1
- 排気量:658cc
- 内径×行程:71.0mm×55.4mm
- 圧縮比:8.5
- 過給機:ターボチャージャー
- 燃料供給装置形式:電子制御燃料噴射式(PGM-FI)
- 参考スペック (JC1 ライフ)
- 最高出力:47kW(64PS)/6,000rpm
- 最大トルク:93N·m(9.5kg·m)/4,000rpm
過去の搭載車種
[編集]- NA
- ライフ(JB5/6/JC1/2)
- ゼスト(JE1/2)
- ターボ
- ライフ(JB7/8/JC1/2)
- ゼスト(JE1/2)
- VTEC TURBO
- シビック(FK4/6)
脚注
[編集]- ^ 高根英幸 (2018年8月22日). “人とくるま展で感じた、技術コンサルの存在感”. 日経クロステック(日経BP). 2020年7月21日閲覧。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- 本田技研工業(オフィシャル)
- テクノロジー・ダイジェスト i-DSI(オフィシャル)
- テクノロジー・ダイジェスト i-DSIターボ(オフィシャル)
- クラストップレベルの出力性能と環境性能を両立した直噴ガソリンターボエンジン「VTEC TURBO」を新開発(オフィシャル)
(← 1990年代以前)ホンダ自動車用エンジン系譜図 1990年以降 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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1990年代 | 2000年代 | 2010年代 | 2020年代 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 0 | 1 | 2 | 3 | |||||||
直列3気筒 | 軽自動車用 | E型 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
P型 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
S型 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Bセグメント用 | E型(ハイブリッド) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
P型 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
直列4気筒 | D型 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
L型 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Cセグメント用 | ZC型 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
A型 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
B型 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
D型 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
F型 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
K型 | K型(ターボ) | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
L型(ハイブリッド) | L型 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
R型 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Dセグメント用 | F型 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
H型 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
K型 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
L型(ハイブリッド) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
直列5気筒 | G型 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
V型6気筒 | Eセグメント用 | C型 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
J型 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ディーゼル | N型 |