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メル・ギブソン

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
メル・ギブソン
Mel Gibson
Mel Gibson
2016年
本名 Mel Colm-Cille Gerard Gibson
生年月日 (1956-01-03) 1956年1月3日(68歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
ニューヨーク州ピークスキル
出身地 オーストラリアの旗 オーストラリア
ニューサウスウェールズ州ウエスト・ピンブル英語版
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
オーストラリアの旗 オーストラリア
二重国籍
職業 俳優映画監督プロデューサー脚本家
ジャンル テレビドラマ
映画
活動期間 1977年 - 
活動内容 1978年:映画初出演
1995年アカデミー賞受賞
配偶者 ロビン・ムーア(1980年 - 2011年)
著名な家族 エヴァ・ミロット(祖母)
ハットン・ギブソン(父)
ドナル・ギブソン(弟)
マイロ・ギブソン(息子)
主な作品
出演

監督
顔のない天使』/『ブレイブハート
パッション』/『アポカリプト
ハクソー・リッジ
受賞
アカデミー賞
作品賞
1995年ブレイブハート
監督賞
1995年『ブレイブハート』
放送映画批評家協会賞
監督賞
1995年『ブレイブハート』
アクション映画賞
2016年ハクソー・リッジ
ゴールデングローブ賞
監督賞
1995年『ブレイブハート』
ゴールデンラズベリー賞
最低助演男優賞
2017年パパVS新しいパパ2
名誉挽回賞
2016年『ハクソー・リッジ』の成功に対して
その他の賞
ハリウッド映画賞
監督賞
2016年『ハクソー・リッジ』
オーストラリア映画協会賞
監督賞
2016年『ハクソー・リッジ』
主演男優賞
1979年『ティム』
1981年誓い
特別賞
2002年 世界の映画界、演劇界への貢献に対して
備考
アメリカ生まれだが、1968年オーストラリアに移住。
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メル・ギブソン(Mel Gibson, 本名:Mel Colm-Cille Gerard Gibson, 1956年1月3日 - )は、アメリカ合衆国オーストラリア映画俳優映画監督脚本家映画プロデューサー。身長177センチメートル。ニューヨーク州ピークスキル生まれ。

経歴

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アメリカ生まれだが、父親の事業の失敗で1968年に家族でオーストラリアに移住した。11人兄弟で育つ。ジェフリー・ラッシュとは大学時代のルームメイトだという。ジュディ・デイヴィスらと共にオーストラリア国立演劇学院で学び、1979年にアクション映画『マッドマックス』の主役で脚光を浴びスターの座をつかんだ。

1985年

オーストラリア映画で活躍した後、1982年にアメリカ映画初出演。『リーサル・ウェポン』シリーズなどで人気を確たるものにした。監督業にも乗り出しており、1995年の『ブレイブハート』でアカデミー監督賞を受賞。2004年には、私財30億円を投じてイエス・キリストの最期を描いた『パッション』を製作。作品への評価は賛否が分かれたが、興行的には空前の大ヒットとなった。

しかし、2010年7月、下記の恋人に対するDV騒動によりハリウッド大手の「ウィリアム・モリス・エンデヴァー・エンターテイメント(WME)」はメルの代理人業を辞めることを発表。また、この影響で予定されていた『ハングオーバー!! 史上最悪の二日酔い、国境を越える』への出演が中止になった[1]

人物

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歴史スペクタクルを監督する際は、あまり知られていない役者を起用し、当時使われていた言語や衣装、時代考察に徹底的にこだわって制作をすることで知られるが、そのこだわりは歴史的リアリティよりも彼の個人的なイデオロギーを表現することに注がれる。そのため、『アポカリプト』を製作した際は、マヤ文明の研究家や関係者から激しい非難を受けた。

私生活

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資産・金銭

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2010年12月、BANG Media Internationalによると、プライバシーが足りないとの理由からコスタリカに所有している豪邸を3,500万ドル(日本円で約28億7,000万円)で売りに出した。メルが所有している500エーカー(約61万2,000坪)の土地にはスタッフが常駐しており、ベッドルームが7部屋ある母屋のほか、2ベッドルームの家が2軒ある。それぞれの建物にはプライベート・プールが完備されており、ジャングルに囲まれた土地は一部ビーチにも面しているためバケーションには最適だったが、最近はパパラッチがコスタリカまでついてくるようになったという。この土地は2007年に2,580万ドル(約21億1,560万円)で購入した土地で不動産エージェントは「当初は保養地として購入したのですが、最近ではパパラッチが追ってくるようになってしまったんです」とコメントしている。メルはこの家以外にもマリブの邸宅を1,450万ドル(約11億8,900万円)で6月に売りに出している[11]

『パッション』に関する論議

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教皇空位論ラテン語版第2バチカン公会議以降の教皇を教皇として認めない立場)を信奉する、超伝統主義カトリック教徒としても知られ、その信仰の篤さは自宅近くの丘にチャペルを建設してしまったほどである。2004年2月公開の『パッション』(日本公開は2004年5月)では、イエス・キリストの処刑までの12時間をリアルに描いて物議を醸した。

出演作品

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映画

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題名 役名 備考 吹替
1977 青春グラフィティ
Summer City
スカロップ 日本劇場未公開
1979 マッドマックス
Mad Max
マックス・ロカタンスキー 安原義人[12]日本テレビ版)
ティム
Tim
ティム 日本劇場未公開
1981 誓い
Gallipoli
フランク
マッドマックス2
Mad Max 2: The Road Warrior
マックス・ロカタンスキー 柴田恭兵フジテレビ版)
鈴置洋孝[12]TBS版)
山寺宏一[12]テレビ朝日版)
安原義人[12](スーパーチャージャー版)
1982 特別奇襲戦隊・Z
Attack Force Z
ポール 日本劇場未公開
危険な年
The Year of Living Dangerously
ガイ・ハミルトン
1984 バウンティ/愛と反乱の航海
The Bounty
フレッチャー・クリスチャン
ザ・リバー
The River
トム・ガーベイ 牛山茂(フジテレビ版)
燃えつきるまで
Mrs. Soffle
エド・ビドゥル
1985 マッドマックス/サンダードーム
Mad Max Beyond Thunderdome
マックス・ロカタンスキー 岡本富士太[12](フジテレビ版)
安原義人[12](スーパーチャージャー版)
1987 リーサル・ウェポン
Lethal Weapon
マーティン・リッグス 鈴置洋孝(TBS版)
磯部勉(テレビ朝日版)
1988 テキーラ・サンライズ
Tequila Sunrise
マック
(デイル・マキュージック)
神谷明(ソフト版)
野沢那智(フジテレビ版)
1989 リーサル・ウェポン2/炎の約束
Lethal Weapon 2
マーティン・リッグス 世良公則(ソフト版)
鈴置洋孝(TBS版)
磯部勉(テレビ朝日版)
1990 バード・オン・ワイヤー
Bird on a Wire
リック・ジャーミン 富山敬(ソフト版)
安原義人(テレビ朝日版)
エア★アメリカ
Air America
ジーン・リアック 小川真司(ソフト版)
磯部勉(日本テレビ版)
ハムレット
Hamlet
ハムレット 竹内想
1992 リーサル・ウェポン3
Lethal Weapon 3
マーティン・リッグス 安原義人(ソフト版)
磯部勉(テレビ朝日版) 
フォーエヴァー・ヤング 時を越えた告白
Forever Young
ダニエル 小川真司(ソフト版)
磯部勉(日本テレビ版)
山寺宏一(テレビ朝日版)
1993 顔のない天使
The Man Without a Face
ジャスティン・マクラウド 兼監督 磯部勉(ソフト版)
大塚智則名古屋テレビ放送版)
1994 マーヴェリック
Maverick
ブレット・マーヴェリック 安原義人(ソフト版)
大塚明夫(日本テレビ版、テレビ東京版)
1995 ブレイブハート
Braveheart
ウィリアム・ウォレス 兼監督・製作
アカデミー監督賞受賞
大塚明夫(ソフト版)
山寺宏一(テレビ朝日版)
キャスパー
Casper
本人役 TBA(旧ソフト版)
TBA(日本テレビ版)
梅津秀行(新ソフト版)
ポカホンタス
Pocahontas
ジョン・スミス 声の出演 古澤徹
立花敏弘(歌唱部分)
1996 身代金
Ransom
トム・ミューレン 磯部勉(ソフト版、テレビ朝日版)
小山力也(日本テレビ版)
1997 ファーザーズ・デイ
Father's Day
ピアス店の男 青山穣
陰謀のセオリー
Conspiracy Theory
ジェリー・フレッチャー 安原義人(ソフト版)
山寺宏一(テレビ朝日版)
フェアリーテイル
Fairy Tale: A True Story
フランシスの父 クレジットなし TBA
1998 リーサル・ウェポン4
Lethal Weapon 4
マーティン・リッグス 安原義人(ソフト版)
小山力也(日本テレビ版)
磯部勉(テレビ朝日版)
1999 ペイバック
Pay Back
ポーター 磯部勉(ソフト版、テレビ朝日版)
小山力也(日本テレビ版)
ザ・シンプソンズ
The Simpsons
本人役 声の出演 大塚芳忠
2000 ミリオンダラー・ホテル
The Million Dollar Hotel
スキナー刑事 菅生隆之
チキンラン
Chicken Run
ロッキー 声の出演 岸谷五朗[13]
青山譲(予告)
パトリオット
The Patriot
ベンジャミン・マーティン 菅生隆之(ソフト版)
磯部勉(テレビ東京版)
ハート・オブ・ウーマン
What Women Want
ニック・マーシャル ゴールデングローブ 賞主演男優賞ノミネート 安原義人(ソフト版)
磯部勉(日本テレビ版)
2001 インビンシブル
Invincible
製作総指揮
2002 ワンス・アンド・フォーエバー
We Were Soldiers
ハル・ムーア 兼製作 磯部勉(ソフト版、フジテレビ版)
サイン
Signs
グラハム・ヘス
2003 歌う大捜査線
The Singing Detective
ギボン医師 兼製作
2004 パッション
Passion of the Christ
監督
パパラッチ
Paparazzi
兼製作、クレジットなし TBA
2006 アポカリプト
Apocalypto
監督
2010 復讐捜査線
Edge Of Darkness
トーマス・クレイヴン 磯部勉
2011 それでも、愛してる
The Beaver
ウォルター・ブラック (吹き替え版なし)
2012 キック・オーバー
Get the Gringo
ドライバー 兼脚本 磯部勉
2013 マチェーテ・キルズ
Machete Kills
ルター・ヴォズ さかき孝輔
2014 エクスペンダブルズ3 ワールドミッション
The Expendables 3
コンラッド・ストーンバンクス 磯部勉[14]
アサイラム 監禁病棟と顔のない患者たち
Stonehearst Asylum
製作
2016 ブラッド・ファーザー
Blood Father
ジョン・リンク 磯部勉
ハクソー・リッジ
Hacksaw Ridge
監督
アカデミー監督賞ノミネート
2017 パパVS新しいパパ2
Daddy's Home 2
カート・メイロン 日本劇場未公開 菅生隆之
2018 エア・ストライク
大轟炸
アートコンサルタント
ブルータル・ジャスティス
Dragged Across Concrete
ブレット・リッジマン 磯部勉
2019 博士と狂人
The Professor and the Madman
ジェームズ・マレー博士
2020 リーサル・ストーム
Force of Nature
レイ・バレット 小原雅人
クリスマス・ウォーズ
Fatman
クリス・クリングル / サンタクロース 磯部勉
2021 コンティニュー
Boss Level
クライヴ・ヴェンター大佐 井上和彦
バッド・トレジャー
Dangerous
エルダーウッド博士 カナダ公開:11月5日
日本公開:2022年7月19日
カリテ・ファンタスティック! シネマコレクション2022
金尾哲夫
2022 ファーザー・スチュー/闘い続けた男
Father Stu
ビル・ロング 日本劇場未公開 菅生隆之
ホット・シート
Hot Seat
ウォレス さかき孝輔
ミッドナイト・マーダー・ライブ
On the Line
エルヴィス 磯部勉
2023 サウンド・オブ・フリーダム
Sound of Freedom
製作総指揮
2025
Flight Risk
監督・製作
TBA Last Looks Alastair Pinch ポストプロダクション
リーサル・ウェポン5
Lethal Weapon 5
マーティン・リッグス 兼監督・製作
Passion of the Christ sequel

テレビ・配信

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題名 役名 備考 吹替
1976-1983 The Sullivans Ray Henderson 計4話出演
1977-1984 Cop Shop Peter Lang 計2話出演
1989 サタデー・ナイト・ライブ
Saturday Night Live
ホスト Mel Gibson / Living Colour
1999 ザ・シンプソンズ
The Simpsons
本人役 声の出演
第11シーズン第1話「メル・ギブソンを100倍スターにする方法」
大塚芳忠
2004-2005 Complete Savages Officer Cox 兼監督・製作総指揮
2023 ザ・コンチネンタル:ジョン・ウィックの世界から
The Continental: From the World of John Wick
コーマック ミニシリーズ 磯部勉

受賞

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作品 部門 結果
アカデミー賞 1996年 ブレイブハート 作品賞 受賞
監督賞 受賞
2017年 ハクソー・リッジ ノミネート
英国アカデミー賞 1996年 ブレイブハート 監督賞 ノミネート
2007年 アポカリプト 非英語作品賞 ノミネート
全米監督協会賞 1996年 ブレイブハート 最優秀監督賞(長編映画部門) ノミネート
ゴールデングローブ賞 監督賞 受賞
1997年 身代金 映画部門 主演男優賞 (ドラマ部門) ノミネート
2001年 ハート・オブ・ウーマン 映画部門 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門) ノミネート
2017年 ハクソー・リッジ 監督賞 ノミネート
オーストラリア映画批評家協会賞 2017年 監督賞 ノミネート
オーストラリア映画テレビ芸術アカデミー賞
(AACTA賞)
1979年 ティム 主演男優賞 受賞
1981年 誓い 受賞
1982年 危険な年 ノミネート
2002年 グローバル業績賞 受賞
2016年 ハクソー・リッジ 監督賞 受賞
2017年 国際監督賞 受賞
ブロックバスター・エンターテインメント賞 1997年 身代金 Favorite Actor - Suspense 受賞
1998年 陰謀のセオリー 受賞
1999年 リーサル・ウェポン4 Favorite Duo - Action/Adventure ノミネート
2000年 ペイバック Favorite Actor - Action ノミネート
2001年 パトリオット Favorite Actor - Drama 受賞
ハート・オブ・ウーマン Favorite Actor - Comedy/Romance ノミネート
クリティクス・チョイス・アワード 1996年 ブレイブハート 監督賞 受賞
2016年 ハクソー・リッジ ノミネート
ファンゴリア・チェーンソー賞 2003年 サイン 主演男優賞 ノミネート
オーストラリア映画批評家協会賞 2017年 ハクソー・リッジ 監督賞 ノミネート
ゴールデンラズベリー賞 2015年 エクスペンダブルズ3 ワールドミッション 最低助演男優賞 ノミネート
2017年 ハクソー・リッジ 名誉挽回賞 受賞
2018年 パパVS新しいパパ2 最低助演男優賞 受賞
2022年 バッド・トレジャー ノミネート
カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭 2014年 Special Prize for Outstanding Contribution to World Cinema 受賞
ハリウッド映画賞 2004年 パッション プロデューサー・オブ・ザ・イヤー 受賞
2016年 ハクソー・リッジ 受賞
アイルランド映画&テレビ賞 2008年 Outstanding Contribution to World Cinema 受賞
ジュピター賞 1996年 ブレイブハート 国際監督賞 受賞
MTVムービー&TVアワード 1993年 リーサル・ウェポン3 Best On-Screen Duo 受賞
Best Action Sequence 受賞
Most Desirable Male ノミネート
Best Kiss ノミネート
1996年 ブレイブハート Best Male Performance ノミネート
Most Desirable Male ノミネート
1999年 リーサル・ウェポン4 Best Action Sequence ノミネート
2001年 パトリオット Best Male Performance ノミネート
ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 1995年 ブレイブハート Special Filmmaking Achievement 受賞
キッズ・チョイス・アワード 2001年 チキンラン Favorite Voice from an Animated Movie ノミネート
北テキサス映画批評家協会賞 2017年 ハクソー・リッジ 監督賞 第3位
ピープルズ・チョイス・アワード 1991年 Favorite Motion Picture Actor 受賞
1997年 受賞
2001年 Favorite Motion Picture Star in a Drama 受賞
Favorite Motion Picture Actor 受賞
2003年 受賞
2004年 受賞
フェニックス映画批評家協会賞 2016年 ハクソー・リッジ 監督賞 ノミネート
サテライト賞 2005年 パッション 監督賞 受賞
2017年 ハクソー・リッジ ノミネート
サターン賞 1983年 マッドマックス2 主演男優賞 ノミネート
2007年 アポカリプト 監督賞 ノミネート
2019年 ブルータル・ジャスティス 主演男優賞 ノミネート

日本語吹き替え

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専属声優(フィックス

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磯部勉
エア・アメリカ』(日本テレビ版)で初担当。以降、ギブソンの専属(フィックス)として大半の出演作で吹き替えを務めるようになり[15][16][17]「ギブソンの吹き替えでお馴染みの磯部」「ギブソンと共に歩んできた男」と評されるほどに定着した[18][19]
ギブソンの代表作である『リーサル・ウェポン』シリーズの主人公、マーティン・リッグス役は全作品を担当し、同シリーズのテレビ朝日版では池田勝(同じくダニー・グローヴァーの吹き替えを数多く担当)との掛け合いをマシンガントークで演じ[20][21]、『ハート・オブ・ウーマン』(日本テレビ版)、『ブラッド・ファーザー』、『キック・オーバー』などにおけるコミカルな役まで吹き替えを行った。
磯部はギブソンを吹き替えることについて、特に『リーサル・ウェポン』シリーズに関しては、スピード感と緊張感に満ちた作品であることから、セリフを言うたびに目の前に星がちらつくこともあったといい[20]、「これまで、彼(ギブソン)の激しい感じを出す事を意識していて、激しくしゃべりすぎて酸欠になった事もあった。だけど、長年吹き替えをやってきて、次第に、どこで息継ぎをするのか等クセが分かってきた」と一体感を覚えるようになったと語り、ギブソンの演技についても「やっぱり彼は、こういった荒ぶる男の役が似合うと思う。60過ぎで、自分より少し年下だけど、あのたくましさはやはりすごいね」と感嘆している[22]
後年のインタビューによると磯部は、「メル・ギブソンだったらこの声というのはない」としつつも、多くの作品で吹き替えを務めている中でギブソンの芝居のリズムや呼吸などを予測できるようになる感覚があったといい、セリフを喋るトーンや間合いなども長年に渡って吹き替えているうちに自然と掴めるようになり、現在では特徴を捉えることが出来たため演じやすくなったと話している[23]
先述の『ブラッド・ファーザー』では予告編のナレーションを担当しており、「今回は彼の映画のナレーションをするのは初めてだけど、ずっと吹替をやってきた人のナレーションが出来るのは光栄だね」と感慨深げに述べ、長年ギブソンの吹き替えを担当している磯部ならではの愛着を見せるコメントをしている[22]
ギブソンの代表作の一つである『マッドマックス』シリーズに関しても、BSジャパンにて磯部による新録吹替が企画されたことがあったものの、実現しなかった。これは同時期に後述の安原による新録が既に行われていたためである[24]
また、2024年(令和6年)度前期放送のNHK「連続テレビ小説」第110作『虎に翼』に磯部がサプライズ出演した際には、これまでの磯部の実績も相まって「ウルトラマン古谷敏)を弁護するメル・ギブソン」などとネット上で話題を集めた[25]

その他の担当声優

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安原義人
マッドマックス』(日本テレビ版)で初担当。同シリーズをはじめとして、主にデビュー初期の作品のソフト版を担当し、磯部の次に多く吹き替えている。
『マッドマックス』シリーズのギブソン演ずるマックス・ロカタンスキー役は当初、第1作のみの担当となっていたが、『マッドマックス トリロジー スーパーチャージャー・エディション ブルーレイ版 スチールブック仕様』の発売時には2・3作目にも安原を迎えたスーパーチャージャー版が新規製作・収録された。
安原はギブソンを「意外にチャーミングな一面のある、面白みのある俳優」と評しており[26]、吹き替えを務めていた当時のギブソンについて「表情が他の役者とはちょっと違うんですよね。追い詰められた小動物みたいな目つきをしてるでしょう。そこが、不思議な役者だと思いましたね」と述べている[12]
特番『ふきカエ ゴールデン・エイジ』後編で安原自身はギブソンについて「(ギブソンは)コメディなら自分も合う」と話しており、全般的には磯部の方が適任であると考えているという。なお、『パトリオット』(テレビ東京版)ではチェッキー・カリョの吹き替えを担当し、磯部演ずるギブソンと共演した[27][28]

このほかにも、鈴置洋孝山寺宏一菅生隆之小山力也小川真司大塚明夫さかき孝輔青山穣なども複数回、声を当てたことがある。

脚注

[編集]
  1. ^ “メル・ギブソン、映画界復帰は絶望的!『ハングオーバー2』への出演はナシ!キャストが大反対!”. シネマトゥデイ. (2010年10月22日). https://www.cinematoday.jp/news/N0027805 2013年3月1日閲覧。 
  2. ^ “メル・ギブソン、2006年に別居した28年連れ添った妻との離婚がようやく成立”. シネマトゥデイ. (2011年12月24日). https://www.cinematoday.jp/news/N0038082 2013年3月1日閲覧。 
  3. ^ メル・ギブソン和解金減額 元恋人DV喋っちゃった”. 日刊スポーツ (2016年8月12日). 2022年8月26日閲覧。
  4. ^ “メル・ギブソン、暴言テープ流出!「黒人集団にレイプされてもお前自身の責任だ」元恋人オクサナを脅す”. シネマトゥデイ. (2010年7月4日). https://www.cinematoday.jp/news/N0025402 2013年3月1日閲覧。 
  5. ^ “メル・ギブソンのDV事件、泥沼劇はいよいよ佳境へ”. シネマトゥデイ. (2010年8月20日). https://www.cinematoday.jp/news/N0026338 2013年3月1日閲覧。 
  6. ^ “メル・ギブソン、逮捕時にユダヤ人を差別する発言”. シネマトゥデイ. (2006年8月2日). https://www.cinematoday.jp/news/N0008799 2013年3月1日閲覧。 
  7. ^ メル・ギブソン、4月にコロナ感染で入院していた - ハリウッド : 日刊スポーツ”. nikkansports.com. 2020年10月21日閲覧。
  8. ^ [1]
  9. ^ 千歳香奈子 (2024年10月28日). “メル・ギブソン、トランプ氏支持を表明 ハリス氏をこき下ろす「彼女のIQは…」”. 日刊スポーツ. 2024年11月7日閲覧。
  10. ^ 「トランプ支持」を貫いたハリウッド俳優たち “ハリス旋風”が席捲した業界で何を訴えていたのか”. 週刊新潮. p. 2 (2024年11月7日). 2024年11月7日閲覧。
  11. ^ “メル・ギブソンが約28億円の豪邸を売りに出す!仕事を干されてお金がない?”. シネマトゥデイ. (2010年12月26日). https://www.cinematoday.jp/news/N0029246 2013年3月1日閲覧。 
  12. ^ a b c d e f g DCプロジェクト スペシャルパッケージ | ワーナー・ブラザース”. マッドマックス トリロジースーパーチャージャー・エディション 6.17リリース. 2020年9月26日閲覧。
  13. ^ チキンラン”. db2.nbcuni.co.jp. 2020年9月26日閲覧。
  14. ^ 『エクスペンダブルズ3』最強日本語吹替え声優陣が発表!|ニュース|映画情報のぴあ映画生活(1ページ)”. ぴあ映画生活. 2020年9月26日閲覧。
  15. ^ 007 TV吹替初収録 特別版DVDシリーズ 第十一回007 TV吹替声優紹介〜第四期 悪役・脇役〜”. 2023年10月2日閲覧。
  16. ^ “「エクスペンダブルズ3」だからこそ実現!BD&DVD日本語吹き替え版に大御所声優が結集”. 映画.com (映画.com速報). (2015年2月23日). https://eiga.com/news/20150223/24/ 2023年2月26日閲覧。 
  17. ^ “ささきいさお、「このメンバーの吹替え版は貴重!」 『エクスペ3』“最強”日本語吹替え版お披露目”. シネマカフェ (イード). (2015年3月5日). http://www.cinemacafe.net/article/2015/03/05/29846.html 2017年5月15日閲覧。 
  18. ^ “『ジョン・ウィック』前日譚ドラマ、新作映画と同日に配信決定!諏訪部順一、磯部勉ら日本版声優発表”. シネマトゥデイ. (2023年8月28日). https://www.cinematoday.jp/news/N0138705 2023年8月28日閲覧。 
  19. ^ メル・ギブソン、荒野に堂々復活!『ブラッド・ファーザー』日本版予告編解禁” (2017年3月17日). 2023年10月11日閲覧。
  20. ^ a b ドラマ版『リーサル・ウェポン』、映画版でリッグスを演じた磯部勉さんが今度はマータフ役に!”. 海外ドラマNAVI. November 07, 2023閲覧。
  21. ^ “アクションだけじゃない!津田健次郎&磯部勉が明かす『リーサル・ウェポン』の魅力とは”. クランクイン. (2018年4月8日). https://www.crank-in.net/interview/55250/1 2018年4月12日閲覧。 
  22. ^ a b メル・ギブソンが娘を守るために大奮闘 『ブラッド・ファーザー』アクション満載の予告編” (2017年3月17日). 2023年6月25日閲覧。
  23. ^ 声優・磯部勉、「超音速ヘリ・エアーウルフ」は初めてのシリーズもの 「本物に乗れなかったのが唯一心残りなことですね(笑)」”. WEBザテレビジョン. September 08, 2024閲覧。
  24. ^ ダークボのふきカエ偏愛録” (2015年6月1日). 2023年8月17日閲覧。
  25. ^ 朝ドラ「虎に翼」磯部勉サプライズ出演!「ハリソン・フォードが目に浮かぶ」「ウルトラマンを弁護するメル・ギブソン」” (2024年4月30日). 2024年7月9日閲覧。
  26. ^ “『マッドマックス 怒りのデス・ロード[ザ・シネマ新録版]』 安原義人インタビュー”. ふきカエル. (2019年7月18日). https://www.fukikaekingdom.com/post-12157/ 2023年10月19日閲覧。 
  27. ^ ダークボのツイート(2017年8月13日)
  28. ^ ダークボのツイート(2011年10月12日)

外部リンク

[編集]