クロエ・ジャオ
クロエ・ジャオ 趙婷 Chloé Zhao | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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2015年 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
本名 | 趙婷 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
生年月日 | 1982年3月31日(42歳) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
出生地 | 中国 北京市 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
国籍 | 中華人民共和国 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
職業 | 映画監督、脚本家、プロデューサー | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
活動期間 | 2008年 - 活動中 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
主な作品 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
『ザ・ライダー』 『ノマドランド』 『エターナルズ』 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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クロエ・ジャオ | |||||||||
簡体字 | 赵婷 | ||||||||
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繁体字 | 趙婷 | ||||||||
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クロエ・ジャオ(繁: 趙婷、英: Chloé Zhao, 1982年3月31日[1] - )は、中国出身の映画監督、脚本家、映画プロデューサーである。
人物
[編集]2015年に長編デビュー作『Songs My Brothers Taught Me』がサンダンス映画祭でプレミア上映される。第2作『ザ・ライダー』(2017年)は批評家に高評価され、インディペンデント・スピリット賞の作品賞と監督賞にノミネートされた。『ノマドランド』(2021年)では、アジア人として初めてゴールデングローブ賞監督賞を受賞、アカデミー賞では作品賞と監督賞を受賞した。
生い立ち
[編集]北京市で生まれ育つ。父は国有鉄鋼会社の元ゼネラルマネージャーだった[2][3]。両親は後に離婚し、父は女優のソン・タンタンと結婚する。成長して非常に反抗的になった彼女は西洋の大衆文化に惹かれた[4]。15歳のとき、両親によって彼女は英国ロンドンの寄宿学校に送られた。ロンドンの寄宿学校を卒業後、ロサンゼルスに移り、高校を卒業した[5]。ジャオはマウント・ホリヨーク大学で学び、政治の学士号を取得した[6]。彼女は不動産のプロモーターやバーテンダーとして働いた後、ニューヨーク大学ティッシュ・スクール・オブ・アーツで映画製作を学んだ[2][7]。
キャリア
[編集]2010年、ジャオの短編映画『Daughters』がクレルモン=フェラン国際短編映画祭でプレミア上映される。『Daughters』はパームスプリングス国際短編映画祭で学生短編映画賞、シネクエスト映画祭で審査員特別賞を獲得した[8][9]。
2015年、初の長編映画『Songs My Brothers Taught Me』を監督する。サウスダコタ州パインリッジ・インディアン居留地で撮影されたこの映画はラコタ・スー族の兄妹関係が描かれ、サンダンス映画祭の米国劇作品コンペティション部門でプレミア上映された[10]。その後更に第68回カンヌ国際映画祭の監督週間で上映された[11]。また第31回インディペンデント・スピリット賞で第一回作品賞にノミネートされた[12]。
2017年、彼女は致命的な怪我を負ったカウボーイを描く現代の西部劇『ザ・ライダー』を監督した[13]。最初の映画と同様に彼女はロケ地に住んでいた非俳優をキャストに起用した[14]。この映画はロデオ競技中の落馬によって頭部に重傷を負ったブレイディ・ヤンドロウの実話に触発されている[15]。ヤンドロウは自身を基にしたブレディ・ブラックバーン役で出演した。映画は第70回カンヌ国際映画祭の監督週間でプレミア上映され、芸術映画賞を受賞した[16]。また第33回インディペンデント・スピリット賞で作品賞と監督賞にノミネートされ、さらにキャリア半ばの女性監督を表彰するボニー賞の初の受賞者となった[17][18]。映画は2018年4月13日にソニー・ピクチャーズ クラシックス配給で一般公開された[19]。
2018年4月、アマゾン・スタジオがジャオが監督・脚本を務める予定のバス・リーヴスの伝記映画にゴーサインを出したことが報じられた[20]。同年9月、マーベル・スタジオが『The Eternals』の監督に彼女を雇ったことが発表された[21]。
2021年2月、『ノマドランド』でアジア人女性として初めてゴールデングローブ賞監督賞を受賞[22][23]、さらに同年4月25日には第93回アカデミー賞で非白人女性として初めて監督賞を受賞した。しかしながら、出身国の中国では過去に中国批判を行ったとして反発にさらされており、ソーシャルメディアではジャオの情報が遮断される措置が取られた[24]。
私生活
[編集]幼少時から日本の漫画が好きで、お気に入りに「SLAM DUNK」や「幽☆遊☆白書」を挙げている。[25]
フィルモグラフィ
[編集]年 | 題名 | 役割 | 備考 |
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2008 | Helen's First Date in Two Years |
製作 | 短編映画 |
Post |
監督・脚本・原案・製作総指揮・編集 | ||
2009 | The Atlas Mountains |
監督・脚本・製作・編集 | |
Simple Pleasures |
製作 | ||
2010 | Daughters |
監督・脚本・製作 | |
2011 | Benachin |
監督 | |
2015 | 兄が教えてくれた歌 Songs My Brothers Taught Me |
監督・脚本・製作・編集 | |
2017 | ザ・ライダー The Rider |
監督・脚本・製作 | |
2020 | ノマドランド Nomadland |
第77回ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞 受賞 第86回ニューヨーク映画批評家協会賞監督賞 受賞[26] 第46回ロサンゼルス映画批評家協会賞監督賞 受賞[27] 第55回全米映画批評家協会賞監督賞 受賞[28] 第78回ゴールデングローブ賞監督賞受賞[22][23] 第93回アカデミー賞監督賞受賞 | |
2021 | エターナルズ Eternals |
監督・脚本 | |
TBA | Hamnet |
監督・脚本・製作 |
評価
[編集]作品 | Rotten Tomatoes[29] | Metacritic[30] | BFCA[31] | 製作費 | 興行収入[32] |
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Songs My Brothers Taught Me | 91% (22 reviews) | 63 (10 reviews) | 65/100 | — | $0.1 million |
ザ・ライダー | 97% (147 reviews) | 92 (42 reviews) | 96/100 | — | $3.4 million |
参考文献
[編集]- ^ Sam Fragoso (15 April 2018). "Talk Easy with Sam Fragoso" (Podcast). Talk Easy. 2018年5月11日閲覧。
- ^ a b c “How Chloé Zhao Reinvented the Western”. Vogue. Condé Nast (March 23, 2018). April 28, 2018閲覧。
- ^ “赵婷(华语影视女导演)” (中国語). Baidu Baike. Baidu. April 11, 2019閲覧。
- ^ Mullen, Matt (April 13, 2018). “THE RIDER IS AN EARLY CONTENDER FOR BEST FILM OF 2018”. Interview. April 28, 2018閲覧。
- ^ Gardiner, Margaret (May 23, 2017). “Chloé Zhao: A Woman Telling a Cowboys’ Tale”. Golden Globes. April 28, 2018閲覧。
- ^ “Chloé Zhao”. Filmmaker. 7 December 2015閲覧。
- ^ “Filmmaker Chloé Zhao is the Accidental Realist”. American Way Magazine (March 2018). April 28, 2018閲覧。
- ^ “CHLOÉ ZHAO”. Adrienne Shelly Foundation. 2015年7月8日時点のオリジナルよりアーカイブ。April 28, 2018閲覧。
- ^ “TALENT GUIDE :: Chloe Zhao”. Film Independent. April 28, 2018閲覧。
- ^ “Songs My Brothers Taught Me”. Sundance. 7 December 2015閲覧。
- ^ “More Sundance Deals: 'Hot Girls Wanted,' '10,000 Saints,' 'Songs My Brother Taught Me'”. 18 November 2015時点のオリジナルよりアーカイブ。7 December 2015閲覧。
- ^ “31st FiLM iNDEPENDENT SPiRiT AWARDS NOMiNATiONS ANNOUNCED”. Film Independent. June 14, 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。June 14, 2018閲覧。
- ^ “Cannes 2017 Women Directors: Meet Chloé Zhao — “The Rider””. Women and Hollywood (18 May 2017). 7 October 2017閲覧。
- ^ Ponsoldt, James (March 8, 2018). “Rodeo Dream: Chloé Zhao on The Rider”. Filmmaker. June 14, 2018閲覧。
- ^ Hodson, Hayley (June 9, 2018). “Chloe Zhao’s ‘The Rider’ is riveting”. The Stanford Daily. June 14, 2018閲覧。
- ^ “Tisch Alumni Win Cannes Honors”. Tisch School of the Arts (June 2, 2017). April 28, 2018閲覧。
- ^ “Spirit Awards Grants” (英語). Film Independent. 2019年10月27日閲覧。
- ^ “The Bonnie Award” (英語). www.thebonnieaward.com. 2019年10月27日閲覧。
- ^ “The Rider Reviews - Metacritic”. Metacritic. June 14, 2018閲覧。
- ^ “Amazon Studios Lands Biopic on Bass Reeves, First Black U.S. Deputy Marshal, From ‘The Rider’ Helmer Chloé Zhao”. Deadline (April 20, 2018). April 28, 2018閲覧。
- ^ Kit, Borys (September 21, 2018). “Marvel Studios' 'The Eternals' Finds Its Director With Chloé Zhao”. The Hollywood Reporter. September 21, 2018時点のオリジナルよりアーカイブ。September 21, 2018閲覧。
- ^ a b “2021年、早くも歴史に名を残した7人の女性”. businessinsider. 2021年3月14日閲覧。
- ^ a b “ゴールデンクローブ賞、「ノマドランド」に作品賞と監督賞”. BBCニュースジャパン. 2021年3月14日閲覧。
- ^ “中国、自国出身ジャオ監督のアカデミー賞受賞情報を遮断”. AFP (2021年4月26日). 2021年4月26日閲覧。
- ^ WOWOW「中島健人の今、映画について知りたいコト。」第4回 本人の発言
- ^ “New York Film Critics Circle Winners Full List: ‘First Cow’ Takes Top Prize”. Variety (2020年12月18日). 2020年12月19日閲覧。
- ^ “46th Annual Los Angeles Film Critics Association Awards”. LAFCA (2020年12月20日). 2020年12月21日閲覧。
- ^ “‘Nomadland’ & Delroy Lindo Win Key 2020 National Society Of Film Critics Honors”. The Playlist (2021年1月9日). 2021年1月11日閲覧。
- ^ “Chloé Zhao - Rotten Tomatoes”. Rotten Tomatoes. June 14, 2018閲覧。
- ^ “Chloé Zhao Movies Profile - Metacritic”. Metacritic. June 14, 2018閲覧。
- ^ “Critics Choice”. Broadcast Film Critics Association. January 2, 2018閲覧。
- ^ “Chloe Zhao - Box Office - The Numbers”. The Numbers. June 14, 2018閲覧。