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ロギ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ロギ (Logi) は、北欧神話に登場する巨人

土星の第46衛星ロゲエポニムである。

ギュルヴィたぶらかし

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以下は『スノッリのエッダ』第一部『ギュルヴィたぶらかし』が伝える話[1]である。

トールロキたちを従えてウートガルザ・ロキの治める巨人の国ウートガルズに行った際、ウートガルザ・ロキの宮廷において、トールたちと巨人たちとで競争をすることとなった。

最初にロキとロギが骨付き肉の早食い競争を行った。ロキは器用に骨や皮を除いて食べ、無事完食したが、ロギは肉はおろか骨や木皿、さらには桶までも食べつくし、ロキの負けとなった。

実はその正体はであり、ウートガルザ・ロキが見せた幻影であった。

巨人フォルニョートの息子

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サガの一つ『ノルウェーはいかに住まわれしか英語版[2]および『ノルウェーの発見英語版[3]では、ロギは、巨人フォルニョートの息子とされている。この場合のロギも、火の支配者とされている。しかしこのロギと前述のロギが同一人物かははっきりしていない[4]

同サガでは、ロギの兄弟は、風の象徴であるカーリ (Kári) と、海の支配者であるフレール (Hlér) またはエーギル (Ægir) といわれている。

『スノッリのエッダ』第二部『詩語法』に収録されている火を表すケニングの一つに「風とエーギルの兄弟」という表現がある[5]

ハーロガランドの王

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ヴィーキングの息子ソルステインのサガ英語版[6]では別名にハーロギ (Hálogi) があったとされ、ノルウェー北部にあった王国ハーロガランド(ホロガランド)英語版 (Hálogaland) の名祖とされている[注 1]。また妻の名はグロズ英語版 (Glöð) であり、2人の間にはエイサ (Eisa) とエイミリャ (Eimyrja) という2人の娘がいたとされる。

備考

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北欧群土星の衛星)と呼ばれる天体群の1つ、ロゲ (Loge) は、ロギに由来した名前である。

脚注

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注釈

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  1. ^ ただしハーロガランドの英語版記事(2023年5月28日時点)では、由来には諸説あり、出典の記載は無いものの『ヴィーキングの息子ソルステインのサガ』が述べるハーロギを由来とする説は「疑わしい」とされている。

出典

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  1. ^ 『エッダ 古代北欧歌謡集』264、267頁。
  2. ^ Dasent 1894.
  3. ^ Chappell 2011, Chapter 1.
  4. ^ Lindow (2001), p. 214 では、前述の物語とこの伝承の間に「繋がりが無いようにみえる」と述べられている。
  5. ^ 『「詩語法」訳注』38頁。
  6. ^ Anderson & Bjarneson 1877, Chapter 1.

参考文献

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  • V.G.ネッケル他編『エッダ 古代北欧歌謡集』谷口幸男訳、新潮社、1973年、ISBN 978-4-10-313701-6
  • 「スノリ『エッダ』「詩語法」訳注」谷口幸男訳、『広島大学文学部紀要』第43巻No.特輯号3、1983年。
  • George W. Dasent (trans.) (1894年). “How Norway was Settled - germanicmythology.com”. 2023年5月28日閲覧。 - 『ノルウェーはいかに住まわれしか』の古ノルド語原文・英語訳併記
  • Gavin Chappell (trans.) (2011年). “Norway Found - germanicmythology.com”. 2023年5月28日閲覧。 - 『ノルウェーの発見』の古ノルド語原文・英語訳併記
  • Rasmus B. Anderson and Jón Bjarneson (trans.) (1877年). “Thorstein Vikingsson's Saga - germanicmythology.com”. 2023年5月28日閲覧。 - 『ヴィーキングの息子ソルステインのサガ』の古ノルド語原文・英語訳併記
  • Lindow, John (2001). “Logi (Fire)”. Norse Mythology: A Guide to Gods, Heroes, Rituals, and Beliefs. Oxford University Press. pp. 213-214. ISBN 0-19-515382-0 

関連項目

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