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一体殿堂に何が起きたのか?

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
一体殿堂に何が起きたのか?
Whatever Happened to the Hall of Fame?
著者 ビル・ジェームズ
発行日 1994年5月2日
発行元 スクリブナー
ジャンル ノンフィクション
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語 英語
形態 ハードカバー
ページ数 320
コード ISBN 0684800888
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ビル・ジェームズ(2010年)

一体殿堂に何が起きたのか?』(いったいでんどうになにがおきたのか、原題:Whatever Happened to the Hall of Fame?: Baseball, Cooperstown, and the Politics of Glory 「一体殿堂に何が起きたのか?:野球、クーパーズタウン、そして政治の栄光」)は、ビル・ジェームズによるアメリカ合衆国ノンフィクション書籍。

統計的手法

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1994年5月2日にビル・ジェームズによって出版されたセイバーメトリクスの著作であり、アメリカ野球殿堂の歴史を取り上げている。ジェームズは殿堂入りメンバーに値するかを決定するために以下の統計的手法を用いている。ベテランズ委員会の選考プロセスに対して強い不満を述べている[1]

類似性スコア

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選手の成績が似通う度合いを示す指標であり、特定の選手がどの歴史的な選手に最も類似しているかを調べ、将来の通算成績を予測していく。

グレーインクテスト

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各部門成績でどのくらいの頻度でリーグ10位以内に入ってきたかの尺度である。リーグ有数の番号は伝統的にグレーインクで表されているのでこのように命名された。殿堂入り打者の平均スコアは144前後であり、投手の平均スコアは185前後である。打者のトップはタイ・カッブの417であり、投手のトップはサイ・ヤングの472である。打者は本塁打打点打率で4ポイント、得点安打長打率で3ポイント、二塁打四球盗塁で2ポイント、試合、打数三塁打で1ポイントが加算される。投手は勝利数防御率奪三振で4ポイント、投球回勝率セーブで3ポイント、完投与四球率被安打率で2ポイント、登板先発完封で1ポイント加算される。

ブラックインクテスト

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各部門成績でどのくらいの頻度でリーグ1位になったかの尺度である。リーグ1位は伝統的にブラックインクで表されているのでこのように命名された。各指標の加算ポイントはブラックインクテストと同じである。殿堂入り打者の平均スコアは27前後であり、投手の平均スコアは40前後である。打者のトップはベーブ・ルースの161であり、投手時代の10を加えた合計171で全体トップを記録している。

殿堂スタンダーズテスト

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平均的な殿堂入り選手が50に設定され、最高が100となる。通算成績のみが評価基準となる。これまでの最高値は投手はクリスティ・マシューソンの84、野手はベーブ・ルースの78である。

殿堂モニターテスト

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将来的な殿堂入りの可能性を予測する。100を超えると十分に可能性があり、130を超えるとほぼ殿堂入りが確実視されるレベルとなる。スタンダードテストと違うのは、突出したシーズン数やタイトル受賞・表彰歴、リーグチャンピオンシップシリーズ進出以上の成績を残したチームのレギュラーである事もプラス評価となる。これまでの最高値は投手はウォルター・ジョンソンの364、野手はスタン・ミュージアルの452である。

順位 スコア 選手名 守備位置 備考
1 452 スタン・ミュージアル 左翼手 候補1年目に得票率93%で選出
2 445 タイ・カッブ 中堅手 創設1年目に得票率98%で選出
3 421 ハンク・アーロン 右翼手 候補1年目に得票率98%で選出
4 411 ベーブ・ルース 右翼手 創設1年目に得票率95%で選出
5 390 アレックス・ロドリゲス 遊撃手 候補2年目は34%で落選
6 376 ウィリー・メイズ 中堅手 候補1年目に得票率95%で選出
7 364 ウォルター・ジョンソン 投手 創設1年目に得票率84%で選出
7 354 テッド・ウィリアムズ 左翼手 候補1年目に得票率93%で選出
9 352 ルー・ゲーリッグ 一塁手 病の進行による特別投票で選出、得票率は不明
10 350 ロジャース・ホーンスビー 二塁手 候補5年目に得票率78%で選出
11 340 バリー・ボンズ 左翼手 候補10年目に得票率66%で落選、資格喪失
12 338 サイ・ヤング 投手 創設2年目に得票率78%で選出
13 337 デレク・ジーター 遊撃手 候補1年目に得票率99%で選出
14 334 アルバート・プホルス 一塁手 2028年から候補者に加わる
15 332 ロジャー・クレメンス 投手 候補10年目に得票率65%で落選、資格喪失
16 331 ランディ・ジョンソン 投手 候補1年目に得票率97%で選出
17 314 ジミー・フォックス 一塁手 候補7年目に得票率79%で選出
18 313 ホーナス・ワグナー 遊撃手 創設1年目に得票率95%で選出
19 311 ピート・ローズ 一塁手 野球賭博により、球界から永久追放処分
20 303 クリスティ・マシューソン 投手 創設1年目に得票率84%で選出
21 301 ミッキー・マントル 中堅手 候補1年目に得票率88%で選出
22 293 ミゲル・カブレラ 一塁手 現役選手
23 279 トニー・グウィン 右翼手 候補1年目に得票率98%で選出
24 277 チャーリー・ゲーリンジャー 二塁手 候補6年目の決選投票、得票率85%で選出
25 271 ティム・キーフ 投手 19世紀にプレー、ベテランズ委員会選考により選出
26 269 ジョー・ディマジオ 中堅手 候補4年目に得票率89%で選出
27 268 ウェイド・ボッグス 三塁手 候補1年目に得票率92%で選出
28 266 スティーブ・カールトン 投手 候補1年目に得票率96%で選出
29 264 ナップ・ラジョイ 二塁手 創設2年目に得票率84%で選出
30 260 ウォーレン・スパーン 投手 候補1年目に得票率83%で選出
31 257 ピート・アレクサンダー 投手 創設3年目に得票率81%で選出
31 257 ノーラン・ライアン 投手 候補1年目に得票率98%で選出
31 257 トリス・スピーカー 中堅手 創設2年目に得票率82%で選出
34 256 ジョン・クラークソン 投手 19世紀にプレー、ベテランズ委員会選考により選出
35 254 グレッグ・マダックス 投手 候補1年目に得票率97%で選出
36 253 ポール・ウェイナー 右翼手 候補5年目に得票率83%で選出
37 250 エディ・コリンズ 二塁手 創設4年目に得票率78%で選出
37 250 マイク・シュミット 三塁手 候補1年目に得票率97%で選出
39 244 トム・シーバー 投手 候補1年目に得票率99%で選出
40 243 ロッド・カルー 二塁手 候補1年目に得票率91%で選出
41 236 カル・リプケン・ジュニア 遊撃手 候補1年目に得票率99%で選出
42 235 ケン・グリフィー・ジュニア 中堅手 候補1年目に得票率99%で選出
42 235 イチロー 右翼手 2025年から候補者に加わる
42 235 エド・デラハンティ 左翼手 19世紀にプレー、ベテランズ委員会選考により選出
45 234 ジャスティン・バーランダー 投手 現役選手
46 233 レフティ・グローブ 投手 候補4年目に得票率76%で選出
46 233 キッド・ニコルズ 投手 19世紀にプレー、ベテランズ委員会選考により選出
48 231 ロベルト・クレメンテ 右翼手 事故死による特別投票、得票率93%で選出
49 227 サンディー・コーファックス 投手 候補1年目に得票率87%で選出
49 227 ヨギ・ベラ 捕手 候補2年目に得票率86%で選出
51 226 イバン・ロドリゲス 捕手 候補1年目に得票率76%で選出
51 226 マニー・ラミレス 左翼手 候補7年目は得票率29%で落選
51 226 アル・シモンズ 左翼手 候補9年目に得票率75%で選出
54 223 フランク・ロビンソン 右翼手 候補1年目に得票率89%で選出
55 222 ボブ・ギブソン 投手 候補1年目に得票率84%で選出
56 220 チャールズ・ラドボーン 投手 19世紀にプレー、ベテランズ委員会選考により選出
57 216 メル・オット 右翼手 候補3年目に得票率87%で選出
58 215 カール・ヤストレムスキー 左翼手 候補1年目に得票率95%で選出
59 214 ジョニー・ベンチ 捕手 候補1年目に得票率96%で選出
59 214 マリアノ・リベラ 投手 候補1年目に得票率100%で選出
61 211 ジョージ・ブレット 三塁手 候補1年目に得票率98%で選出
62 209 ブラディミール・ゲレーロ 右翼手 候補2年目に得票率93%で選出
62 209 ホワイティ・フォード 投手 候補2年目に得票率78%で選出
64 207 マイク・ピアッツァ 捕手 候補4年目に得票率83%で選出
65 206 ペドロ・マルティネス 投手 候補1年目に得票率91%で選出
66 204 クレイトン・カーショウ 投手 現役選手
67 203 パッド・ガルヴィン 投手 19世紀にプレー、ベテランズ委員会選考により選出
68 202 サミー・ソーサ 右翼手 候補10年目に得票率19%で落選、資格喪失
69 200 ジョージ・シスラー 一塁手 候補4年目に得票率86%で選出
69 200 ジョー・メドウィック 左翼手 候補9年目に得票率85%で選出
71 198 ミッキー・ウェルチ 投手 19世紀にプレー、ベテランズ委員会選考により選出
72 195 ジム・マコーミック 投手 19世紀にプレー、殿堂入り出来ず
73 194 ロベルト・アロマー 二塁手 候補2年目に得票率90%で選出
73 194 フランク・トーマス 一塁手 候補1年目に得票率84%で選出
73 194 チャック・クライン 中堅手 ベテランズ委員会選考により選出
76 193 ジム・パーマー 投手 候補1年目に得票率93%で選出
77 192 ハリー・ハイルマン 右翼手 候補12年目に得票率77%で選出
78 191 ジェシー・バーケット 左翼手 19世紀にプレー、ベテランズ委員会選考により選出
79 189 ウィリー・キーラー 右翼手 19世紀にプレー、候補4年目に得票率76%で選出
80 188 ハンク・グリーンバーグ 一塁手 候補9年目に得票率85%で選出
81 187 エイモス・ルーシー 投手 19世紀にプレー、ベテランズ委員会選考により選出
81 187 エディ・プランク 投手 ベテランズ委員会選考により選出
83 186 キャップ・アンソン 一塁手 19世紀にプレー、ベテランズ委員会選考により選出
84 185 フランキー・フリッシュ 二塁手 候補6年目に得票率84%で選出
85 181 リッキー・ヘンダーソン 左翼手 候補1年目に得票率95%で選出
85 181 チッパー・ジョーンズ 三塁手 候補1年目に得票率97%で選出
85 181 ロビンソン・カノ 二塁手 現役選手
88 180 ボブ・フェラー 投手 候補1年目に得票率94%で選出
89 178 ラファエル・パルメイロ 一塁手 候補4年目に得票率4%で落選、資格喪失
89 178 ハーモン・キルブルー 一塁手 候補4年目に得票率83%で選出
89 178 ビル・ディッキー 捕手 候補9年目に得票率80%で選出
92 177 ゲイロード・ペリー 投手 候補3年目に得票率77%で選出
92 177 トム・グラビン 投手 候補1年目に得票率92%で選出
92 177 マックス・シャーザー 投手 現役選手
95 175 ジョシュ・ギブソン 捕手 ニグロリーグでプレー、ニグロリーグ特別委員会選出
95 175 カール・ハッベル 投手 候補3年目に得票率87%で選出
95 175 ジョニー・マイズ 一塁手 ベテランズ委員会選考により選出
95 175 トッド・ヘルトン 一塁手 候補5年目は得票率52%で落選
99 174 サム・トンプソン 右翼手 19世紀にプレー、ベテランズ委員会選考により選出
100 172 ジョー・モーガン 二塁手 候補1年目に得票率82%で選出

脚注

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関連項目

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外部リンク

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