呉服町 (福岡市)
上呉服町、中呉服町および下呉服町 | |
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呉服町(大博通りより) | |
呉服町の地図 | |
北緯33度35分59.8秒 東経130度24分36.2秒 / 北緯33.599944度 東経130.410056度 | |
国 | 日本 |
都道府県 | 福岡県 |
市町村 | 福岡市 |
区 | 博多区 |
面積 | |
• 合計 | 28.92 ha |
人口 (2023年(令和5年)7月末現在)[2] | |
• 合計 | 4,267人 |
等時帯 | UTC+9 (JST) |
郵便番号 |
上呉服町が812-0036、中呉服町が812-0035、下呉服町が812-0034 |
市外局番 | 092 |
呉服町(ごふくまち)は、福岡県福岡市博多区にある地名。現行の行政地名は、上呉服町(かみごふくまち)、中呉服町(なかごふくまち)および下呉服町(しもごふくまち)となる[3]。面積は、上呉服町が107,080平方メートル (10.71 ha)、中呉服町が74,880平方メートル (7.49 ha)、下呉服町が107,250平方メートル (10.73 ha)、合計が289,210平方メートル (28.92 ha)[1]。2023年7月末現在の人口は、上呉服町が1,291人、中呉服町が1,009人、下呉服町が1,967人、合計が4,267人[2]。郵便番号は上呉服町が812-0036、中呉服町が812-0035、下呉服町が812-0034[4]。
地理
[編集]福岡市の都心部とされる中央区天神の北東約1.3キロメートル、博多区の北西側に位置し、現行の行政地名は北から順に下呉服町、中呉服町、上呉服町の3つの町域に分かれている。下呉服町および中呉服町の北東で御笠川を介して千代三丁目と、上呉服町の北東で御笠川を介して千代二丁目と、上呉服町の南東で御供所町と、上呉服町の南西で大博通りを挟んで店屋町と、中呉服町の南西で大博通りを挟んで綱場町と、下呉服町の南西で大博通りを挟んで奈良屋町と、下呉服町の北西で大浜通りを挟んで大博町と接している。また、下呉服町と中呉服町の間を昭和通りが走り、中呉服町と上呉服町の間を明治通りが走っている。大博通り、昭和通り、明治通りなどの沿線はオフィス街として賑わっているが、一歩裏手に入ると昔ながらの下町の風情が残っており、寺院も多い。
かつては博多祇園山笠の流の一つ「呉服町流」を形成していたが、1966年(昭和41年)の町名町界整理事業により東西に分離して東側は東町流と合流し東流と恵比須流に、西側は西町流と合流して西流となった。これは呉服町流の大半が大博通りに含まれ、また分断されることになり、流の運営が苦しくなるためであった。毎年山笠期間中は、大博通りと明治通りが交差する呉服町交差点の呉服町ビジネスセンタービル(旧・エレデ博多寿屋)前に飾り山が設置され、追い山の際には大博通りがコースとなる。
また呉服町交差点付近は、毎年5月3日から4日にかけて行われる博多どんたくの際に行われるどんたくパレードや、福岡ソフトバンクホークスが優勝した年に行う優勝パレードのスタート地点となっている。
河川
[編集]呉服町の北東側に次の河川が横断している[5]。
都市計画
[編集]呉服町の都市計画における位置づけについては、2012年(平成24年)12月21日に策定された『第9次福岡市基本計画』[6][注釈 1]の「都市空間構想図」において、「都心部」[注釈 2]に含まれている。都心部のなかでも特に天神・渡辺通地区、博多駅周辺地区、ウォーターフロント地区(博多ふ頭および中央ふ頭)の3地区が都心部の核とされており、呉服町は博多駅周辺地区とウォーターフロント地区の間に位置する。都市計画に関しては、「福岡市都市計画マスタープラン」[8]において定められた方針については次のとおりである。環境資源に関しては、御笠川の河川沿いが散策・憩いの場となるとともに、緑と広がりのある景観が連続したゆとりと潤いのある水辺空間として「河川緑地軸」に位置付けられている。交通ネットワークに関しては、都市の骨格となる昭和通り、明治通りの沿線や幹線道路である大博通りの沿道は、商業、業務、サービス施設や中高層住宅などが連続した「都市軸」や「沿道軸」に位置付けられている。土地利用については、全域が住宅を中心に都心機能を支援する業務施設、商業施設が共存する「複合市街地ゾーン」に位置付けられ、職住が調和した複合市街地づくりと良好な街並みの形成などがまちづくりの視点とされている。今後の課題については、中呉服町および上呉服町の大部分が太平洋戦争の後に進められた戦災復興都市計画による土地区画整理事業の施工地区から外れ、古くから市街地が形成されている地区であり、幅員4メートル未満の狭隘道路が多く、特に上呉服町の西門通りの北東側[注釈 3]には建築後30年以上の木造住宅が多いため、災害時の安全性などが懸念されている。用途地域については、呉服町の大部分が商業地域に、ただし、上呉服町のうち福岡市道御供所線および西門通りの道路境界線より概ね30メートルを除く南東側の範囲が第一種住居地域に指定されている[10]。
歴史
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町域の変遷
[編集]-
上呉服町の町名町界整理後における、旧町名の位置関係(推定)。(SVG形式のファイルへのリンク)
-
中呉服町の町名町界整理後における、旧町名の位置関係(推定)。(SVG形式のファイルへのリンク)
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下呉服町の町名町界整理後における、旧町名の位置関係(推定)。(SVG形式のファイルへのリンク)
現在の地名は、1966年(昭和41年)における住居表示の実施に伴う地名変更によって定められたものであり、その実施前後の地名は次表のとおりである[3]。
住居表示実施後 | 実施年月日 | 住居表示実施前(各大字の一部) |
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上呉服町 | 1966年(昭和41年) | 上呉服町・西門町・中小路・上魚町・中魚町・下魚町・北船町・下桶屋町・上普賢堂町・下普賢堂町・蓮池町・上東町・上店屋町・下小山町・上桶屋町・金屋小路・御供所町・寺中町 |
中呉服町 | 1966年(昭和41年) | 官内町・下東町・中石堂町・上竪町・蓮池町・上呉服町・上東町・上浜口町・上市小路・上金屋町 |
下呉服町 | 1966年(昭和41年) | 下竪町・福吉町・中竪町・横町・下金屋町・下浜口町・中浜口町・廿家町・鏡町・柳町・小金町・上竪町・上金屋町・大浜町1丁目 - 3丁目・上浜口町・上市小路・中市小路・下市小路 |
人口
[編集]上呉服町、中呉服町および下呉服町を合わせた人口の推移を福岡市の住民基本台帳(公称町別)[2]に基づき示す(単位:人)。集計時点は各年9月末現在である。
- 2001年(平成13年):2,485
- 2002年(平成14年):2,502
- 2003年(平成15年):2,658
- 2004年(平成16年):2,732
- 2005年(平成17年):2,682
- 2006年(平成18年):2,815
- 2007年(平成19年):2,818
- 2008年(平成20年):3,008
- 2009年(平成21年):3,133
- 2010年(平成22年):3,245
- 2011年(平成23年):3,308
- 2012年(平成24年):3,436
- 2013年(平成25年):3,506
- 2014年(平成26年):3,509
- 2015年(平成27年):3,587
- 2016年(平成28年):3,636
- 2017年(平成29年):3,746
- 2018年(平成30年):3,747
- 2019年(令和元年):3,796
- 2020年(令和2年):4,046
- 2021年(令和3年):4,205
主な施設
[編集]公共・公益施設
[編集]業務施設
[編集]- 呉服町ビジネスセンタービル(旧・エレデ博多寿屋) - 1953年(昭和28年)、この地にデパート博多大丸が開業した[13]が、1975年(昭和50年)に天神へ移転[14]、跡には1982年(昭和57年)にエレデ博多寿屋が入居したが、1999年(平成11年)に老朽化による再開発のため閉店、呉服町ビジネスセンタービルに建て替えられた。地階にスーパーマーケットサニー呉服町店が入る[注釈 7]。
- しんわ本社
- クレディセイフ企業情報本社
- 田辺製薬株式会社 九州支店
教育施設
[編集]以前は、上呉服町の地域に御供所小学校、中呉服町・下呉服町に大浜小学校があったが、児童数の減少により、冷泉・奈良屋と共に4小学校が合併して、2001年(平成13年)に旧奈良屋小学校の場所に福岡市立博多小学校として統合された。また中学校は、旧博多第一中学校(旧御供所小・旧大浜小)があったが、こちらも児童数の減少により、1983年(昭和58年)に旧博多第二中学校(旧冷泉小・旧奈良屋小)と合併して、旧博多第二中学校の位置に福岡市立博多中学校として統合された。よって、現在は全域が福岡市立博多小学校および福岡市立博多中学校の校区となっており、町内に小学校・中学校はない。
名所・旧跡
[編集]- 聖福寺西門
- 西教寺
- 妙典寺
- 善導寺
- 本長寺
- 萬四郎神社[注釈 9](写真)
- 下竪恵比須神社および地蔵大菩薩[注釈 10](写真)
- 大博劇場跡 - 1920年(大正9年)、現在の上呉服町に開業、九州最大の劇場と言われた。1922年(大正11年)11月に雑誌「改造」の企画で日本に招待されたアルベルト・アインシュタインが12月に来福、12月24日に大博劇場で講演を行った[20]。戦後は九州随一の劇場となり、歌舞伎・宝塚歌劇・商業演劇の興行が行われ、“九州の歌舞伎座”と呼ばれた。1972年(昭和47年)3月20日をもって閉館。跡地にはマンション「コアマンションルネス呉服町」が建っている[21]。
交通
[編集]道路
[編集]主な幹線道路は次の通り。
都市高速道路
[編集]都市高速道路としては福岡高速環状線が町域の北東側に通っており、町内に次の出入口がある。
- 呉服町出入口(所在地:呉服町、行先:香椎・天神方面、施設:料金所・ランプ)
県道
[編集]市道
[編集]鉄道
[編集]鉄道については、福岡市交通局が運営する地下鉄が上呉服町と中呉服町の間に通っており、次の駅がある。
バス
[編集]バスについては、複数の会社が運営する路線がある。
西日本鉄道株式会社が運営する西鉄バスの停留所は次の通り。
- 呉服町
- 呉服町大島眼科
- 蓮池
昭和自動車株式会社が運営する路線(通称:「昭和バス」)の停留所は次の通り。
- 呉服町(糸島方面行き)
JR九州バス株式会社が運営する路線の停留所は次の通り。
- 呉服町
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 『第9次福岡市基本計画』が2012年(平成24年)12月21日に策定されたときは、目標年次が2022年度末(令和4年度末)とされていたが、令和5年2月20日の市議会の議決を得て、2年延期された[7]。
- ^ 「都心部」は具体的には東は御笠川、南は百年橋通り、西は大正通りに囲まれた地域とされている[8]。
- ^ 福岡市道上呉服町303号線[9]
- ^ 所在地:812-0034福岡市博多区下呉服町10番15号北緯33度36分10.7秒 東経130度24分27.8秒 / 北緯33.602972度 東経130.407722度
- ^ 所在地の地番:福岡市博多区大博町204番3、下呉服町309番1、309番2および310番1、公園種別:(不明)、面積:2,886.79m2、開園年度:(不明)[11]
- ^ 所在地:812-0034福岡市博多区下呉服町3番北緯33度36分0.3秒 東経130度24分29.4秒 / 北緯33.600083度 東経130.408167度、公園種別:街区公園、面積:1,760平方メートル、開園年度:1952[12]
- ^ 詳細はサニー呉服町店 - SEIYUを参照
- ^ 所在地:812-0034福岡市博多区下呉服町10番40号北緯33度36分10.2秒 東経130度24分29.8秒 / 北緯33.602833度 東経130.408278度、正式名称:福岡市立特別支援学校「博多高等学園」[15]、用途:特別支援学校の高等部学校教育法第76条 - e-Gov法令検索、開校年月:2004年(平成16年)4月、移転開校年月:2013年(平成25年)4月(旧福岡市立大浜小学校跡地)[16]、発注者:福岡市、設計:環・設計工房一級建築士事務所(法人番号:2290001000984、法人名称:株式会社環・設計工房[17])、主要用途:特別支援学校、構造・規模:鉄筋コンクリート造5階建て一部鉄骨造、延床面積:3,573.55平方メートル、施工:(建築)北洋・サンコービルド・内藤建設工事共同企業体、(電気)高砂電業社、(給排水)東和施設工業、空調:サンテック、竣工年月:2013年3月[18]
- ^ 所在地:812-0034福岡市博多区下呉服町1番28号北緯33度35分59.44秒 東経130度24分28.56秒 / 北緯33.5998444度 東経130.4079333度、法人番号:9290005000041、法人名称:萬四郎神社[17]【備考】1667年(寛文7年)、江戸幕府の鎖国政策に反して朝鮮と密貿易を行った罪により、博多商人の
伊藤小左衛門 ()が処刑された際に、父に連座して処刑されたという小四郎 ()と萬之助 ()の兄弟の霊を祭ると伝えられている。[19] - ^ 所在地:812-0034福岡市博多区下呉服町10番48号北緯33度36分8.1秒 東経130度24分31.9秒 / 北緯33.602250度 東経130.408861度、法人番号:6290005000044、法人名称:
下竪恵比須神社 ()[17] - ^ 福岡市道大博町505号線および513号線
出典
[編集]- ^ a b 福岡市総務企画局企画調整部統計調査課 (2020年10月1日). “令和2年(2020年)国勢調査”. 福岡市. 2023年4月11日閲覧。→1-11/参考/面積、人口密度、人口及び世帯数-公称町別(令和5年1月31日)
- ^ a b c 福岡市統計調査課. “登録人口(公称町別)- 住民基本台帳(日本人)男女別人口及び世帯数”. 福岡市. 2023年4月13日閲覧。
- ^ a b 「角川日本地名大辞典」編集委員会 竹内理三『角川日本地名大辞典』 40 福岡県(初版)、角川書店、1988年3月8日、394,665,967頁。ISBN 4-04-001400-6。
- ^ 日本郵便株式会社. “郵便局”. 2023年4月12日閲覧。→「郵便番号を調べる」→キーワード検索等
- ^ 福岡市河川計画課. “福岡市の河川概要”. 福岡市. 2023年4月8日閲覧。より「河川図」参照
- ^ 福岡市総務企画局企画調整部企画課. “福岡市基本構想・第9次福岡市基本計画”. 2023年7月27日閲覧。→『第9次福岡市基本計画』(PDF)の48、56ページ
- ^ 福岡市議会事務局議事課. “令和5年/総務財政委員会”. 2023年4月9日閲覧。→第1回定例会→議案第26号/第9次福岡市基本計画の変更について
- ^ a b 福岡市住宅都市局都市計画部都市計画課. “福岡市都市計画マスタープラン”. 2023年7月27日閲覧。→「第4章/区別構想/博多区」(PDF)
- ^ 福岡市道路下水道局管理部路政課. “福岡市路線情報提供システム”. 2023年9月6日閲覧。→利用条件に同意→検索等
- ^ 福岡市. “福岡市WEBまっぷ”. 福岡市. 2023年9月6日閲覧。→「都市計画情報」
- ^ 福岡市財政局財産有効活用部財産活用課公有財産係. “固定資産台帳の公表”. 2023年7月27日閲覧。→固定資産台帳データの「固定資産台帳(令和3年度末時点)」※Excel形式
- ^ 公益財団法人福岡市緑のまちづくり協会. “公園等検索”. 2023年9月4日閲覧。→キーワード検索等
- ^ 花田衛『五代太田清蔵伝』東邦生命保険相互会社八十年史編纂委員会、1979年6月25日、188頁。
- ^ 花田衛『五代太田清蔵伝』東邦生命保険相互会社八十年史編纂委員会、1979年6月25日、18頁。
- ^ 福岡市. “福岡市立特別支援学校設置条例”. 2023年9月5日閲覧。
- ^ 福岡市立特別支援学校博多高等学園. “福岡市立特別支援学校「博多高等学園」”. 2023年9月5日閲覧。
- ^ a b c 国税庁長官官房企画課法人番号管理室. “国税庁法人番号公表サイト”. 2023年9月5日閲覧。→検索
- ^ 株式会社環・設計工房. “環・設計工房”. 2023年9月5日閲覧。→Works→福岡市立特別支援学校博多高等学園→Info
- ^ 福岡市経済観光文化局文化財活用部文化財活用課. “萬四郎神社”. 2023年9月4日閲覧。
- ^ “子どももおとなも楽しめるアインシュタインの宇宙”. サイエンスクェアQ. 九州大学物理学教室. 2016年5月11日閲覧。
- ^ “コアマンションルネス呉服町”. 中古マンションライブラリー. 東急リバブル. 2016年5月11日閲覧。