コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

君に、胸キュン。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
「君に、胸キュン。」
YMOシングル
初出アルバム『浮気なぼくら
B面 カオス・パニック (Chaos Panic)
リリース
ジャンル テクノ歌謡
レーベル ¥EN / アルファレコード
作詞 松本隆
作曲 Y.M.O.
チャート最高順位
YMO シングル 年表
体操
1982年
君に、胸キュン。
1983年
過激な淑女
(1983年)
浮気なぼくら 収録曲
A面
  1. 君に、胸キュン。 (浮気なヴァカンス)
  2. 「EXPECTED WAY/希望の路」
  3. 「FOCUS」
  4. 「ONGAKU/音楽」
  5. 「OPENED MY EYES」
B面
  1. YOU'VE GOT TO HELP YOURSELF/以心電信(予告編)」
  2. 「LOTUS LOVE」
  3. 「KAI-KOH/邂逅」
  4. EXPECTING RIVERS/希望の河
  5. 「WILD AMBITIONS」
ミュージックビデオ
「君に、胸キュン。」(HD Remaster・Short ver.) - YouTube
「君に、胸キュン。」(MUSIC VIDEO・HD Remaster - YouTube
テンプレートを表示

君に、胸キュン。」(きみに、むねキュン。)は、イエロー・マジック・オーケストラ7枚目のシングル。1983年3月25日アルファレコード(現:ソニー・ミュージックレーベルズ)よりリリースされた。

君に、胸キュン。 (浮気なヴァカンス)」(きみに、むねキュン。 (うわきなヴァカンス))とサブタイトルが表記されることもある。

背景

[編集]

カネボウ化粧品CMソングに使用され、YMOのオリジナルアルバム浮気なぼくら』の先行シングルとしてリリースされた。

B面の「Chaos Panic」は、オリジナルアルバム未収録。1984年にリリースされたベスト・アルバム『SEALED』にて初収録となった。

CMのイメージガールは相田寿美緒が務めた[2]

制作

[編集]

君に、胸キュン。

[編集]

既にグループとしての活動を終えようと考えていたメンバーが、最後にファンや世間を驚かせたいという思いで作られた楽曲で、当時YMOは活動休止状態であったが、タイアップの話があり急遽録音を行なった。同時にアルバムを作る必要がある雰囲気となり『浮気なぼくら』の制作へとつながり、当初の予定通り同年12月にグループは解散[注釈 1]した。

「かわいいおじさんたち」のコンセプトで発表、今までの無機質なイメージと相反する、アイドルの様な爽やかな出で立ちで披露。立花ハジメ監督のPVも3人が振付をつけて踊ったことも含めて、今までの路線と大きく一線を画した。

作詞は細野晴臣がかつて所属したバンド・はっぴいえんどのメンバーである松本隆が担当。「売れそうな詞を書いてほしい」とストレートに依頼した。CMのキャッチ・コピーである「胸キュン」というキーワードがそのまま使用された。

作曲の名義は、レコードのレーベル面および『浮気なぼくら』での表記は「細野晴臣、坂本龍一、高橋幸宏」名義、シングル盤の裏ジャケットでは「Y.M.O.」名義となっているが、実際は、イントロとAメロが坂本、Bメロとサビは高橋が担当し、サビを聞いた細野が「地中海サウンドだね」と発言したのを聞いた坂本がイントロをあっという間に作り上げた[3]

レコーディング

[編集]

曲中の「キュン!」は3人の声を合わせたもの。最初は「YMOと言えばシンセだろう」ということで、坂本がアープオデッセイ、細野がコルグ・PS-3100を使って「キュン!」を口まねしながら作っていたが、結局あきらめている[3]

ドラムパートは、LinnDrum LM-2をそのままTVスタジオに持ち込んで使用していた。よく聞くとリズムが独特で、バスドラムだけを聞くと、ドン・ドン・ドドストドンという日本人がお祭りで踊れるようになっている。高橋がこのパターンをリンドラムに打ち込みながら、細野が「フフッ」と笑っていたのが印象的だったと当時録音に携わった藤井丈司が語っている[3]

胸キュン

[編集]

テレビCMとこの曲のヒットにより、「胸キュン」という単語が世間一般で使用されるようになった。この言葉を最初に使うようになったのは山下久美子であり、ファンクラブの名称である「胸キュンClub」や、ライブツアーのタイトルに用いられるなど、彼女の代名詞となったこの表現を使用することについて、関係者が山下の許諾を取ったというエピソードがある[4]

記録

[編集]

オリコンチャートは最高2位、TBS系の『ザ・ベストテン』は最高3位止まりという結果であったが、YMOのシングルとしては最も売れた作品となっている。また、作詞を担当した松本が2017年にトーク番組トーキングフルーツ』(フジテレビ系)へ出演した際、ほぼ同時期に松本と細野が組んで制作された松田聖子の楽曲「天国のキッス」によって、本作がチャート1位を獲得できなかったと語っている[5][注釈 2]

収録曲

[編集]
全編曲: Y.M.O.
#タイトル作詞作曲時間
1.君に、胸キュン。松本隆Y.M.O.
2.カオス・パニック(Chaos Panic)細野晴臣ピーター・バラカン細野晴臣

天の妃少女合唱団によるカバー

[編集]
「君に、胸キュン。」
天の妃少女合唱団[メンバー 1]シングル
B面
リリース
規格 マキシシングル
ジャンル
時間
レーベル メディアファクトリー
作詞 松本隆
作曲
チャート最高順位
天の妃少女合唱団[メンバー 1] シングル 年表
君に、胸キュン。
2009年
-
テンプレートを表示

天の妃少女合唱団[メンバー 1]による「君に、胸キュン。」は、テレビアニメ『まりあ†ほりっく』のエンディングテーマとして[7]2009年2月11日メディアファクトリーからリリースされた。

ディスクジャケット

[編集]

ディスクジャケットは、YMO盤のパロディである。

収録曲

[編集]
CD[8]
#タイトル作詞作曲編曲時間
1.君に、胸キュン。(天の妃少女合唱団[メンバー 1])松本隆依田和夫
2.ネコミミリズム(寮長先生(沢城みゆき))有森聡美隆勇人隆勇人
3.「君に、胸キュン。」(オリジナル・カラオケ)   
4.「ネコミミリズム」(オリジナル・カラオケ)   
合計時間:

その他のカバー

[編集]

カバー盤は全てイタリア語の部分がカットされている。

脚注

[編集]

ユニットメンバー

  1. ^ a b c かなこ(真田アサミ)、鞠也(小林ゆう)、茉莉花(井上麻里奈

注釈

[編集]
  1. ^ ファンの気持ちを考慮し「散開」という言葉を使った。
  2. ^ 「君に、胸キュン」がオリコン2位を記録した1983年5月2日付のオリコンシングルチャートで1位だったのは細川たかし「矢切の渡し」。「天国のキッス」は同月16日付チャートで1位を獲得したがこの日の「君に、胸キュン」は6位だった。

出典

[編集]
  1. ^ 君に、胸キュン。 | YELLOW MAGIC ORCHESTRA”. ORICON STYLE. 株式会社oricon ME. 2023年5月3日閲覧。
  2. ^ 【アイドルSEXY列伝】相田寿美緒 〝腕ブラ〟していた「君に、胸キュン。」 グラビア界に大きな影響を与えたCM(1/2ページ) - zakzak:夕刊フジ公式サイト
  3. ^ a b c 『YMOのONGAKU』より ISBN 978-4865592023
  4. ^ 山下久美子★ファンクラブ 【胸キュンClub】復活っっ!!!”. Kumiko-infomation Powered by Ameba (2008年9月10日). 2021年7月17日閲覧。
  5. ^ 作詞家松本隆が語るYMO「君に、胸キュン。」がオリコン2位だった理由”. TVerプラス (2017年11月1日). 2023年12月7日閲覧。
  6. ^ 君に、胸キュン。 | 天の妃少女合唱団(かなこ&鞠也&茉莉花)”. ORICON STYLE. 株式会社oricon ME. 2023年5月3日閲覧。
  7. ^ スタッフ・キャスト”. アニメ「まりあ†ほりっく」. TOKYO MX. 2009年2月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月3日閲覧。
  8. ^ 天の妃少女合唱団(かなこ&鞠也&茉莉花)/君に、胸キュン。【『まりあ†ほりっく』EDテーマ】”. 紀伊國屋書店ウェブストア. 紀伊國屋書店. 2023年5月3日閲覧。
  9. ^ “ポカリ、のまなきゃ。”. ポカリスエット (大塚製薬). (2020年6月). https://pocarisweat.jp/cmgraphic/pocarisweat/ 2020年6月12日閲覧。 
  10. ^ “吉田羊と鈴木梨央がポカリCMで「君に、胸キュン。」カバー、アレンジは高橋幸宏”. 音楽ナタリー (ナターシャ). (2020年6月4日). https://natalie.mu/music/news/381749 2020年6月12日閲覧。 
  11. ^ “吉田羊と鈴木梨央がポカリCMでYMO「君に、胸キュン。」をカヴァー 高橋幸宏がアレンジ担当”. amass (amass.jp). (2020年6月4日). http://amass.jp/135330/ 2020年6月12日閲覧。 

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]