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薩摩街道

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
大口筋から転送)
白銀坂(大口筋、鹿児島県姶良市、国の史跡
去川のイチョウ(高岡筋、宮崎市高岡町、国の天然記念物
山鹿宿(出水筋、熊本県山鹿市

薩摩街道(さつまかいどう)は、江戸時代に整備された脇往還のひとつである。鹿児島街道(かごしまかいどう)とも呼称される。

筑前国山家宿(現福岡県筑紫野市)を始点として、薩摩国鹿児島(現鹿児島県鹿児島市)に至る路線[1]薩摩藩領では「出水筋(西目筋・小倉筋)」と呼称)のほかに、「大口筋」「高岡筋(東目筋・日向筋)」(現代の国道10号主要地方道高鍋高岡線(宮崎県の県道24号)などに相当 [2])などが存在する[3][4]

現代においては、江戸時代の薩摩街道に沿って走る国道3号一般県道徳重横井鹿児島線(鹿児島県の県道206号)などの通称としても用いられる。鹿児島県道206号は妙円寺詣りのルートとして、現在でも妙円寺詣りの時期になると鶴丸城などより、鹿児島県日置市伊集院町徳重徳重神社に詣でに歩く人も多い。

概要

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江戸より薩摩国への主要街道となっており、現在でも主要道路としての機能が残っている。また、薩摩藩が参勤交代に使用するルートとして使われていたが、距離が長いため航路もあった。また、規模が大きいため○○筋などと付いた経由ルートがいくつもあるのも特徴である。

また、上京の際にNHKの大河ドラマ篤姫では航路を使用していたが、実際は出水筋ルートを通過していったとされるのが史実である。

宿場

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括弧内は現在の地名。

出水筋(西目筋)

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山家宿(現筑紫野市)で長崎街道から分岐し、熊本宿、佐敷宿、出水宿、伊集院宿などを通り鹿児島城に至るルートである。

  1. 松崎(まつざき)宿(福岡県小郡市
  2. 府中(ふちゅう)宿(福岡県久留米市
  3. 羽犬塚(はいぬづか)宿(福岡県筑後市
  4. 瀬高(せたか)宿(福岡県みやま市
  5. 原町(はらまち)宿(福岡県みやま市)
  6. 南関(なんかん)宿(熊本県玉名郡南関町
  7. 山鹿(やまが)宿(熊本県山鹿市
  8. 味取新町(みとりしんまち)宿(熊本県熊本市
  9. 熊本(くまもと)宿(熊本県熊本市)
  10. 河尻(かわしり)宿(熊本県熊本市)
  11. 宇土(うと)宿(熊本県宇土市
  12. 小川(おがわ)宿(熊本県宇城市
  13. 八代(やつしろ)宿(熊本県八代市
  14. 日奈久(ひなぐ)宿(熊本県八代市)
  15. 佐敷(さしき)宿(熊本県葦北郡芦北町
  16. 陳町(ちんまち)宿(熊本県水俣市
  17. 出水(いずみ)宿(鹿児島県出水市
  18. 阿久根(あくね)宿(鹿児島県阿久根市
  19. 向田(むこうだ)宿(鹿児島県薩摩川内市
  20. 串木野(くしきの)宿(鹿児島県いちき串木野市
  21. 市来(いちき)宿(鹿児島県いちき串木野市
  22. 伊集院(いじゅういん)宿(鹿児島県日置市
  23. 鹿児島(かごしま)宿(鹿児島県鹿児島市
  • 鹿児島城(鶴丸城)(鹿児島県鹿児島市) - 終点

大口筋

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龍門司坂(鹿児島県姶良市加治木町)

鹿児島から北進し吉田(現鹿児島市)を通過。白銀坂で薩摩・大隅国境を越え、加治木(現姶良市)で高岡筋と分岐する。加治木の龍門司坂(りゅうもんじざか)と白銀坂は国の史跡。その後は溝辺(現霧島市)、栗野(現湧水町)経て大口(現伊佐市)に至る。

高岡筋(東目筋)

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鹿児島から北進し加治木で大口筋と分岐。加治木 - 高岡(現宮崎市)間は現代の国道10号に相当する。高岡からは北進。本庄(現国富町)を経由し佐土原佐土原城、現宮崎市)に至る[5]。高岡郷(外城)に去川関所(宮崎市立去川小学校跡)が設置されていた。

脚注

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  1. ^ 「自然・街・人の共生都市 ちくしの」 - 長崎街道 ~長崎街道を活かした地域づくり~(長崎県庁公式ウェブサイト内)
  2. ^ 薩摩街道 - 高城町公式ウェブサイト内。高城町は2006年に宮崎県都城市と合併した。
  3. ^ 原口泉ほか 『鹿児島県の歴史』 山川出版社、1999年。 ISBN 978-4634324602
  4. ^ 薩摩街道 - 国土交通省九州地方整備局 鹿児島国道事務所公式ウェブサイト内。
  5. ^ 「鹿児島 - 都城街道 東目筋の歴史紹介」 南日本新聞、2009年1月9日。

参考資料

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関連項目

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